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ハーフディミニッシュコード(マイナーセブンスフラットファイブ)

ハーフディミニッシュとはm7♭5(マイナーセブンス フラットファイブ)の別名。
ルート音、♭3th、♭5th、♭7thを重ねて構成されるコードのことです。
Cm7(♭5)
ポップス曲ではメロディーのアクセントとして活用されており、登場することが多いコードです。
泣きのメロディーラインを作るのにも活躍するため、ハーフディミニッシュを使いこなせると巧みなメロディーラインを組むことができます。
パッシングディミニッシュが広く知られる一方で、実はあまり知られていないハーフディミニッシュのほうが活用されていたりします。
作曲する人はもちろん、アコギのアレンジ幅を広げるためにもちゃんと理解しましょう。
ディミニッシュとハーフディミニッシュの違い

ディミニッシュとハーフディミニッシュは7thの音が半音異なるだけです。
まずは違いを実音で聴き比べてみましょう。
Cdim
Cm7(♭5)
聞き比べてみると、大分印象が異なります。
実際に使い方も違っていて、ディミニッシュは主に経過音として使われるパッシングディミニッシュが主流。
対して、ハーフディミニッシュはセカンダリードミナントのツーファイブ要員として登場するのが主流です。
ポイントは7thの音が次のコードでちゃんと解決するかです。
パッシングディミニッシュであるべきところにハーフディミニッシュを入れると解決しないので何かパッとしません。
これも聴き比べてみましょう。
パッシングディミニッシュ
ハーフディミニッシュにしてみた
ハーフディミニッシュでも不協和音ではないんですけど、なんかパッとしませんよね。
逆にセカンダリードミナントのツーファイブ要員として、ハーフディミニッシュを使うべきところにディミニッシュを入れてもパッとしません。
ハーフディミニッシュのツーファイブ
ディミニッシュにしてみた
聞き比べてみると、ハーフディミニッシュのツーファイブの方が自然ですよね。
ディミニッシュだとセカンダリードミナントとツーファイブになってないからです。
こんなわけでディミニッシュとハーフディミニッシュはちゃんと使い分けないとコード間が円滑にならないので注意しましょう。
次章では使い分けができるようハーフディミニッシュの使い方を実例と一緒に解説していきます。
ハーフディミニッシュの使い方

ポップスにおけるハーフディミニッシュの使い方は主に3パターンです。
- Ⅳ#m7-5→V(ルート上昇系)
- Ⅵm7→Ⅳ#m7-5(トニックの代理)
- Ⅶm7-5→Ⅲ7(ツーファイブ)
この中でも②の使用例が多いです。
そして、ハーフディミニッシュには下記の特徴があります。
- Ⅳ#m7-5もしくはⅦm7-5でしか基本登場しない
- ハーフディミニッシュの解決先コードはメジャーコード(ディミッシュはマイナーコード)
例外はあるものの基本的には、上記2つの特徴からディミッシュとハーフディミニッシュの使い分けを判別できます。
無料のコードサイトではディミッシュとハーフディミニッシュの使い分けが間違ってることが多いので、活用しましょう。
Ⅳ#m7-5→Vの実例

ひまわりの約束はサビでハーフディミニッシュとパッシングディミニッシュの両方が登場します。
ハーフディミニッシュは「E♭M7(Ⅳ M7)→Em7♭5(Ⅳ#m7-5)→F(Ⅴ)」で登場。
ハーフディミニッシュですが、経過音的な使い方をされています。
ちなみに逆の下降パターン(Ⅳ#m7♭5→ⅣM7→Ⅲm7)もあります。
ハーフディミニッシュはⅣ#m7絡みが多いですね。
Ⅵm7→Ⅳ#m7-5の実例

Pretender/Official髭男dism(YouTube)
続いてはⅣ#m7-5をトニック(Ⅰ)の代理コードとして使うパターンです。
よくある使い方は繰り返しのコード進行で2回目はトニックではなく、Ⅳ#m7-5にするというパターンですね。
例えば、1番・2番のサビはトニックで、最後のサビだけⅣ#m7-5に変えてエモさを足す…みたいな使い方は割と王道です。
他にも定番のパターンとしては「Ⅵm→ⅥmM7→Ⅵm7→Ⅳ#m7-5」というクリシェの終着点に使うパターンです。
このパターンもヒゲダンの曲では良く出てきますね。
こっちのパターンはトニックの代理コードというわけではないですが、Ⅵm絡みなのでセットで覚えておきましょう。
Ⅶm7-5→Ⅲ7の実例

King Gnuの白日では始まりのメロディーからハーフディミニッシュが活用されています。
「Cm7♭5(Ⅶm7-5)→F7(Ⅲ7)→B♭m(Ⅵm)」という流れですね。
ハーフディミニッシュを起点にセカンダリードミナントを経由して、マイナーキーへ部分転調(白日だとB♭mキーへ転調)しています。
似たようなコード進行でハーフディミニッシュを使わない「Ⅲm→Ⅲ7」があって、こちらが使われてることも多いです。
どっちが良いかというとケースバイケースですが、バラード系で泣きのメロディーを入れたいならⅦm7-5→Ⅲ7ですね。
実際に白日も「Fm(Ⅲm)→F7(Ⅲ7)」でもいけますが、ハーフディミニッシュにした方がメロディーが引き立ちますね。
作曲もアレンジも選択肢をたくさん持っていることが重要です。
本人監修ギタースコアで勉強すべし

実際に作曲やギターアレンジにハーフディミニッシュを活用するには既存曲をコピーして使い方を肌感覚で学ぶことが大事です。
そして、細かい工夫を勉強するにはプロアーティストの演奏から学ぶのが最も手っ取り早いです。
プロアーティストの演奏から学ぶのに役立つアイテムがアーティスト本人監修のギタースコアです。
- CD音源を模範演奏として完コピ可能
- プロアーティストのリアルな演奏ノウハウが詰まっている
- 使用機材の解説などもついている
やはり、プロアーティストのリアルな演奏ノウハウが得られるのが一番大きいですね。
コードフォームもネットじゃ見かけない省略形のフォームが出てきたりするので、勉強になります。
コード進行やコードフォームを見て、「何でこのフォームを選んでいるんだろう?」と考えることで色々な創意工夫に気づけます。
おすすめのギタースコアはこのあたり。
- 秦基博 evergreen…初心者~中級者におすすめの弾き語りギタースコア
- 星野源 BEST SELECTION…中級者~向け。弾き語りライブの演奏を採譜したギタースコア
秦基博さんも星野源さんも曲中でハーフディミニッシュを多用しているので、実例として学べる楽曲は多いです。
また、ディミニッシュの活用も多いため、実際の楽曲を通してコード進行、メロディーとの絡め方、ギター伴奏を理解すると良いでしょう。
秦基博さん evergreen
星野源さんのスコア
ハーフディミニッシュ まとめ

- メロディーラインを洗練させられる便利なコード進行
- ディミニッシュより、7thの音だけ半音高い
- 既存曲でもハーフディミニッシュを活用した楽曲は多い
ぎたすけ
たけしゃん
ハーフディミニッシュについての解説でした。
人気曲には高確率で使われているのですが、パッシングディミニッシュに比べて知名度が低い、少しお得なコード進行です。
作曲はもちろんですが、弾き語りするときの伴奏でも役に立ちます。
ハーフディミニッシュが入るとグッと洗練された感じが出ますからね。
また、無料コードサイトのコードをそのまま弾いてる人で、損をしているのもハーフディミニッシュだったりします。
活用例を活かして、しっかりとコードの理解を深めましょう。





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