ぎたすけ
たけしゃん
ピボットコードとは

ピボットコードとは2つのキーで共通するダイアトニックコードのことを指します。
ピボットコードは主に転調する際に活用されます。
転調とは曲中にキーが変わることですが、転調先と共通するピボットコードで橋渡しすることで違和感なく転調することができるわけです。
下のコード譜はセカンダリードミナントを使った一時的な転調パターンです。

Cメジャーキーのコード進行にセカンダリードミナントであるC7を絡めることで、一瞬だけFメジャーキーに転調してCメジャーキーに戻っています。
FメジャーキーからCメジャーキーに戻る際に両方のキーのダイアトニックコードとして存在するFmaj7を介することで自然な流れで転調しています。
ちなみにFmaj7が鳴っているときのキーはどっちなのか?というと、CメジャーキーとFメジャーキーのどちらとも解釈できます。
ピボットコードでツーファイブ

ピボットコードを使った転調というと、このパターンがメインかなと印象があります。
ツーファイブとはダイアトニックコードにおけるⅡm→Ⅴのコード進行を指します。
このⅡm→Ⅴは強進行と呼ばれる強い流れを作るコード進行なので、この強い流れを利用してⅡm部分にピボットコードを入れて、全音上のキーに転調させます。
具体例を聞いてみましょう。CメジャーキーからDメジャーキーに転調します。

転調のきっかけとなるツーファイブ(Em7→A7)は転調後のDメジャーキーでのツーファイブになってます。
一方でⅡm部分(Em7)は転調前であるCメジャーキーのⅢmにあたるのでピボットコードとして機能しているわけですね。
このパターンは最後のサビが全音転調する場合に使われる定番パターンです。
アコギ弾き語りだと、半音上に転調するとコードが面倒になるので全音上に転調することは比較的多いですね。
ピボットコードを使った全音上転調パターンの楽曲例は秦基博さんの「エンドロール」です。

楽曲はDメジャーキーですが、最後のサビで全音上のEメジャーキーに転調します。
2番サビのあとの間奏で最後がピボットコードを使ったツーファイブで〆られており、そこからEメジャーキーに転調となるわけですね。
ギターで作曲する人は割と良く使う定番パターンですね。
ピボットコードでドミナントモーション

こちらも非常によくあるパターンでピボットコードを使ったドミナントモーションです。
ドミナントモーションはダイアトニックコードのⅤ→Ⅰというコード進行ですが、ツーファイブと同じく強進行になっているので強い流れが作られます。
転調前のキーでドミナントモーション(Ⅴ→Ⅰ)を行いますが、この際のⅠがピボットコードとなっており、そのまま転調が行われます。

上記の例ではC7→Fmaj7がFメジャーキーのドミナントモーションですね。
かつ、Fmaj7は転調先のCメジャーキーのⅣmaj7なのでピボットコードになります。
Fmaj7からはそのまんまスムーズにCメジャーキーに戻ってますね。
ドミナントモーションでのピボットコードは非常に良く出てきます。
一方でこのパターンはセカンダリードミナント絡みの一連の流れなので、ピボットコードがどうたらいうよりはセカンダリードミナント!と言って終了になることが大半です。
仕組み的にはピボットコードを絡めた部分転調と理解しておきつつ、普通に話すときはセカンダリードミナントのセットパターンみたいな認識が良いかなと思います。

ピボットコード まとめ

- ピボットコードとは2つのキーで共通するダイアトニックコードのこと
- ピボットコードを使うことで自然な形で転調することができる
- ピボットコードはツーファイブやドミナントモーションとセットで活用されることが多い
ぎたすけ
たけしゃん
ピボットコードの解説でした!
作曲していて、ピボットコードから流れを考える…みたいなのはほとんどないので仕組みだけわかっておけば十分かなと思います。
大抵はよくあるコード進行や楽曲構成パターンを引き出しとして持っておいて、選択する感じです。
なので、体系的に知識として理解しておけば十分で、後は楽曲をコピーしたり、分析して感覚を身に着けていくといいですね。
第1章 音や楽譜の読み方を覚えよう
第2章 キーやスケールを理解しよう
第3章 コード進行のバリエーション
第4章 ノンダイアトニックコードの導入
第5章 応用的な音楽理論の活用
音楽理論に関するコラム
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