五度圏表とは?見方から使い方までを解説

五度圏表

ぎたすけ

五度圏…?表もアルファベットばっかりで全然意味が分からないな…

たけしゃん

五度圏表はダイアトニックコードを一覧でパッと見れる仕組みの表だね。覚えちゃうと使わなくなるけど、割と便利だよ

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たけしゃん

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ギター弾き語りのシンガーソングライター。長年の音楽活動や音楽の仕事で得た知識・経験を基にブログを書いています。
雑誌の音楽記事執筆、音楽専門書の執筆(工学社)、nana公認クリエイター、IPC VOICE STUDIO公認ボイストレーナーです。
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五度圏表(サークルオブフィフス)

五度圏表

五度圏表とは12個あるキーを時計回りで完全5度の間隔で並べた表のことです。

この表を使うことで、下記の項目が一目でわかります。

  • そのキーのダイアトニックコード一覧
  • 平行調

上記の項目が一目でわかると、関係するノンダイアトニックコードなどもパッと脳内変換できるので、音楽理論に詳しくなるほど便利になる表とも言えます。

また、曲のキーを変えるときにカポタストでは対応しきれず、コードを付け替えなきゃいけない場合も五度圏表見ながら付け替えると楽だったりもします。

本記事では五度圏表の活用方法を具体的に解説していきます。

五度圏表でダイアトニックコードを見る

五度圏表でダイアトニックコードを見る

五度圏表で一番使うのはダイアトニックコードの確認ですね。

一番外側のコードを中心にみたときに周辺6か所のコードがダイアトニックコードになっています。

Ⅶm-5だけないので、そこは自身で脳内補完しましょう。

補足

Ⅶm-5はあまり使わないのでなくても差し支えないといえば、差し支えない

ディグリーネームでみると、こんな感じで並んでますね。

五度圏でメジャーキーのダイアトニックコードをみたときのディグリーネーム

そして、五度圏表はマイナーキーにも対応しています。

内部の円に書かれているマイナーコードを中心に周辺の6つのコードがそのマイナーキーのダイアトニックコードになっています。

五度圏でAマイナーキーのダイアトニックコードを見る

たけしゃん

僕は五度圏表みるときはマイナーキーのダイアトニックコードを確認するときに使ってますね

ちなみにマイナーキーのケースをディグリーネームでみると、下図の通りですね。

五度圏でマイナーキーのダイアトニックコードをみたときのディグリーネーム

使い方がわかるとパッと視覚的に確認できるので、耳コピとかする際も曲のキーが分かれば、あとは五度圏表見ながらコードを探り当てていくと楽です。

平行調がパッとわかる

五度圏表は縦軸が平行調になっている

五度圏表は外側の円と内側の円で上下のキーが平行調になっています。

平行調

基本となる構成音が一緒になるメジャーキーとマイナーキーのこと

上図ではCメジャーキーとAマイナーキーが例で挙げられてますが、平行調が何かパッとわかるようになってます。

ギターを弾いてると、ギターソロなどで平行調のマイナーペンタトニックスケールを使うことがめちゃくちゃ多いです。

マイナーペンタトニックスケールを説明した画像

そのため、該当のメジャーキーの平行調をパッと思いつくようになるのは割と重要なんですよね。

ギタリストの方は最初は五度圏表を見て、平行調が何か覚えていった方も多いのではないでしょうか。

キーを変えてコードを付けなおすときに便利

CメジャーキーからAメジャーキーに移調する場合に五度圏表を見てコードを付けなおすと楽

もう1つ、五度圏表の便利な使い方ですが、キーの変更時のコード書き換えです。

特に男性曲を女性が歌う、女性曲を男性が歌う…といったキーを大きく変更するときに有効です。

アコギ弾き語りにおいては、多少のキー変更であればカポタストの位置を移動して対応しますよね。

カポタストを移動させると曲のキーが変わる

ところが性別が異なる人の曲を歌う場合は±4~6くらい移調することも多く、カポタストで対応するのが厳しくなります。

そこで、キーを変更してコードを全部付け替えるという作業が発生します。

その際に五度圏表を見ることで、どのコードが何のコードに変わるのか一目瞭然になります。

例えば、Cメジャーキーの楽曲を#9してAメジャーキーにする場合は以下の通りに各コードを書き換えればOKです。

CメジャーキーからAメジャーキーに移調するときの五度圏表の使い方

表を見ながら、コードを付け替えていくと大分ミスが減りますね。

また、カポタストと併用する使い方も有効ですね。

例えば、Cメジャーキーの曲を#6したい場合はギターだと下記のような流れでキー変更をします。

  1. Cメジャーキーを#6するとF#メジャーキー
  2. F#メジャーキーだとバレーコードだらけなのカポタストで演奏キーを調整
  3. カポ2 & Eメジャーキーで演奏すると実際に鳴る音はF#メジャーキーとなる
Nashville capoを2カポにつけた状態
カポ2でEを弾くと鳴ってる音はF#となる

なので、五度圏表のEメジャーキー部分とCメジャーキー部分を見比べてコードを付けなおしましょう。

五度圏表

僕も誰かのアコギサポートしているときにキー変更によるコードの書き換えしてますが、頭の中で考えてやってるとミスがあるので、五度圏表や一覧表を活用してます。

 

五度圏表 まとめ

五度圏表
  • 五度圏とは12個あるキーを時計回りで完全5度の間隔で並べた表のこと
  • 五度圏表はダイアトニックコードと平行調が一目でわかる
  • キーを大きく変える場合は五度圏表を使ってコードを書き換えるとミスが少ない

ぎたすけ

ダイアトニックコードが知りたいときとかに確かに便利だな

たけしゃん

そうだよね。ダイアトニックコードとか平行調とかパッと見てわかるから地味に便利なんだよね

五度圏についての解説でした。

本記事では、ダイアトニックコードや平行調といった話を中心にしましたが、サブドミナントマイナーやセカンダリードミナントを調べるのにも便利です。

慣れてくると、いちいち五度圏表見て調べなくなりますが、最初は色々と重宝する表です!

音楽理論講座 一覧

第1章 音や楽譜の読み方を覚えよう

第2章 キーやスケールを理解しよう

第3章 コード進行のバリエーション

第4章 ノンダイアトニックコードの導入

第5章 応用的な音楽理論の活用

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