ぎたすけ
たけしゃん
ただ、理屈が分かっていると色々応用が利くから勉強していこうね
ツーファイブを理解するためには先にダイアトニックコード、スリーコードの2項目を理解しておく必要があります。
ダイアトニックコード、スリーコードの解説は下の記事を参照ください。
ダイアトニックコードを理解して作曲、ギターアレンジに活かそう

スリーコード(主要三和音)とは?作曲や耳コピで役に立つコード理論

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ツーファイブとは

コード進行例

ツーファイブとはダイアトニックコードにおけるⅡmとⅤのコード進行のこと。
Cメジャーキーであれば、Dm→Gというコード進行がツーファイブにあたります。
Ⅱmがダイアトニックコードの中でサブドミナントと呼ばれるコードで、Ⅴがドミナントと呼ばれるコードです。
サブドミナント→ドミナントという流れはコードの機能的にまとまりがよく、心地よい音の流れを作ってくれます。
またⅡm→Ⅴは強進行(4度進行)と呼ばれる完全4度に上行する音の流れになっています。

そのため、ツーファイブはコードの機能面でも自然な流れで、かつ強進行と呼ばれる心地よい流れも合わさります。
聴いてる側すると、非常に自然で心地よい音の流れになっているわけですね。
ツーファイブワン

コード進行例

ツーファイブを語るときに外せないのがツーファイブワンです。
ツーファイブワンはⅡm→Ⅴ→Ⅰのコード進行ですが、「サブドミナント→ドミナント→トニック」という流れになっており、かつ全てが強進行なので非常に強い流れになっています。
基本的にはツーファイブのあとにはⅠがくるので、ツーファイブ=ツーファイブワンというとらえ方で話している人も結構多いです。
前段のサンプル音を聞いてもらうと、大抵の人が「あー、このコード進行ね」となったはずです。
実際の楽曲では、ツーファイブやツーファイブワンはどんなところで使われているのか?
定番の2パターンを例に見てみましょう。
曲の締めでツーファイブワン

オーソドックスなツーファイブワンは曲の締めです。
Ⅴ→Ⅰのドミナントモーションが曲の終わりに最適な進行なので、ドミナントモーションにつなげやすいツーファイブは良く使われます。
カバー曲などでコードを耳コピする場合も、まずは曲のキーを確定させるために曲の最後を聞いてみるのが有効です。
何故なら、高確率でツーファイブワンもしくは、他のコードからのドミナントモーションで終わっているからです。
ツーファイブワンやドミナントモーションの音の流れを覚えると、対応力が上がるので耳コピやセッションなどで何かと便利です。
ツーファイブでBメロが終わってサビがⅠスタート

このパターンも非常によくあるツーファイブですね。
コード進行自体はツーファイブワンという流れではありますが、実際はツーファイブで一度終止してⅠで再スタートという流れですね。
ちなみにBメロ最後のⅤをⅡm7/Ⅴとかの分数コードにすることも多いです。
2パターンほど紹介しましたが、ツーファイブワンはほんとに良く使うコード進行です。
そのため、ヒットチャートのポップス聞いて育ってきた人なら知らずうちにたくさん使ってるはずです。
そんなツーファイブですが、色んな形で使われています。多いのは下記の3パターン。
- 普通のコード進行を分解してツーファイブを入れ込む
- 代理コードを使ってツーファイブを変形させる
- ツーファイブを利用して他のキーからコードを借用する
ツーファイブの「機能的にも音的にも自然かつ強い流れがある」という特性のおかげで、色んなコードに変えちゃっても成立するんですよね。
素直にツーファイブを使うことはもちろんあるものの、変形させたり、借用コード入れたり…と一工夫することで作曲・編曲のバリエーションが爆発的に増えます。
次章からはツーファイブの活用事例について解説していきます。
ツーファイブを活用しよう

ツーファイブは音楽を作ってく上で欠かせないコード進行なので、音楽理論を何も勉強しなくても自然と使うものです。
一方で変形させたり、他のキーから借用したりと作為的に使うことで作曲・アレンジの幅をグッと広げることができます。
本章では実際の楽曲に組み込まれている活用例を3つほど紹介していきます。
色んな曲をカバーしている人は何気なく使っているものも多いと思いますので、理論を理解して意識的に使えるようにしましょう。
目次
ツーファイブを使ったリハーモナイズ
リハーモナイズ前

リハーモナイズ後

リハーモナイズとはメロディーに対して既についているコード進行を別のコード進行に変えることです。
編曲段階でリハーモナイズしたり、既存曲を別アレンジするのにリハーモナイズします。
そして、リハーモナイズにおいて既についているⅤやⅤ7の前にⅡmやⅡm7を挿入するという手法は定番です。
発展形になると挿入したツーファイブのコードを代理コードに変えるなどもありますが、まずはVの前にⅡmを入れるだけでもバリエーションが増えるのでやってみましょう。
偽終止(ぎしゅうし)
終止のコード進行

偽終止のコード進行

偽終止はⅤのあとにⅠ以外のコードを使用して終止するコード進行のことです。
Ⅴ→Ⅰはドミナントモーションと呼ぶ、非常に強いコードの流れがあります。
そのため、Ⅱm→Ⅴとくると次はⅠがくると、誰もが予想してしまうものです。
そこでⅠ以外の音を使うことで良い意味で期待を裏切る流れを作り出すわけですね。
実際に偽終止でよく使われるのはⅠの代理コードに当たるⅥmですね。
Ⅵmの偽終止で代表的な楽曲はback numberのオールドファッションです。
キャッチーで聴きやすいサビのメロディーですが、サビの最後がⅡ→Ⅴ→Ⅵmで終わる偽終止で違和感を残すニクイ演出が作られてます。

オールドファッション/back number(YouTube)
セカンダリードミナントを使ったツーファイブワン

続いての活用例はセカンダリードミナントを使ったツーファイブワンです。
ヒット曲の大半に組み込まれているであろう黄金パターンと言えるコード進行です。
ドミナントはⅤのコードを指しますが、セカンダリードミナントは「Ⅰ以外のコードにドミナントモーションするコード」を指します。
先ほどのサンプル例ではC7→FM7がドミナントモーションですが、FM7はⅣM7なのでⅠではありません。

そのため、C7はセカンダリードミナントになるわけですね。
また、セカンダリードミナントはその部分だけ転調しているという解釈もできます。
先ほどの例ではⅤm7→Ⅰ7→ⅣM7(Gm7→C7→FM7)ですが、この部分だけFメジャーキーに転調したと解釈するとⅡm7→Ⅴ7→ⅠM7になるので普通のツーファイブワンです。

理解する上では、一瞬違うキーに転調していると考えたほうが簡単ですね。
このセカンダリードミナントを使ったツーファイブワンの中でも、良く使われるのが下記の2種類です。
- Ⅴm7→Ⅰ7→ⅣM7(Gm7→C7→FM7)
- Ⅶm7-5→Ⅲ7→Ⅵm7(Bm7-5→E7→Am7)


最近のヒット曲で言うと、①はOfficial髭男dismの「Pretender」のサビ「でも離れがたいのさ」部分で使われています。
②はKing Gnuの「白日」で冒頭の「時には誰かを知らず知らずの」部分で使われています。
①②ともにヒット曲だけでも、挙げたらキリがないくらいに使われていますね。
マイナーキーのツーファイブ

これまでメジャーキーでのツーファイブを説明してきましたが、マイナーキーのツーファイブは「Ⅱm7」が「Ⅱm7-5」に変わります。
また、本来はマイナーキーだとⅤ7はⅤm7ですが、ツーファイブの進行を作るためにⅤ7が使用される点も注意です。
よって、マイナーキーのツーファイブワン(4和音)は「Ⅱm7-5→V7→Ⅰm7」で構成されます。
前段のセカンダリードミナントを使ったツーファイブワンで「Ⅶm7-5→Ⅲ7→Ⅵm7(Bm7-5→E7→Am7)」がありましたね。白日に使われてるパターンです。

これはAmキーに一瞬転調していると解釈するとAmキーではⅡm7-5→Ⅴ7→Ⅰm7となります。

実際にメジャーキーの楽曲内で平行調にあたるマイナーキーのドミナントを借用したセカンダリードミナントのツーファイブワンは結構出てきます。
白日以外にも、例えばTEEさんのベイビー・アイラブユーなど色んな曲で使われています。

そのため、理論から入るよりは色んな楽曲をカバーしていく中で慣れていくのがよいです。
楽曲内での活用例で感覚的に流れをつかんでから、音楽理論で音の流れや仕組みを勉強するのがおすすめです。
ツーファイブ まとめ

- ツーファイブとはダイアトニックコードのⅡm→Ⅴのコード進行のこと
- Ⅱm→Ⅴ→Ⅰのツーファイブワンは曲の終わりなど色んな場面で使われている
- ツーファイブを応用したコード進行を覚えると作曲、アレンジで大活躍する
ぎたすけ
たけしゃん
ツーファイブの解説でした!
ツーファイブはコード進行の基本かつ王道なので、非常によく使われています。
そして、色んな形に応用されて活用もされています。
かなり奥が深いので一発で全て理解するのは厳しいはず…。
まずは色んな楽曲で◯7というセブンスコードを見つけたら、これツーファイブじゃないか?と考えてみるところから始めるのがおすすめですね!
第1章 音や楽譜の読み方を覚えよう
第2章 キーやスケールを理解しよう
第3章 コード進行のバリエーション
第4章 ノンダイアトニックコードの導入
第5章 応用的な音楽理論の活用
音楽理論に関するコラム
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