ぎたすけ
たけしゃん
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クリシェのコード進行と使用例
ポップス曲でも非常によく使われている王道コード進行、クリシェ。
コード進行の中で、特定の1音だけが半音ずつ変化していくコード進行のことです。
よく出てくるコード進行のため、弾いたことがある人は多いはず。
一方でクリシェについて、あまり深く考えたことがない人も多いはず…。
本記事ではポップスでよく使われるクリシェのパターンとバンドと弾き語りで微妙に異なるクリシェの取扱について解説していきます。
まずはよく使われるクリシェのパターンと使用されている代表的な楽曲を見ていきましょう。
クリシェのパターン 目次
I-Iaug-I6-I7
クリシェの中でも印象的で、定番なのがI-Iaug-I6-I7。
コード内の5度の音が半音ずつ上昇していくパターンです。
例として出しているCのクリシェだと構成音が下記のように変化していきます。
- C(ド・ミ・ソ)
- Caug(ド・ミ・ソ#)
- C6(ド・ミ・ソ・ラ)
- C7(ド・ミ・ソ・ラ#)
augコードは音のクセが強いコードですが、クリシェ内に入れると良い感じに馴染んでくれます。
前後のコードと音のつながりがあるため、ノンダイアトニックコードも自然と馴染むのもクリシェの特徴ですね。
I-Iaug-I6-I7はインパクトがあるので、イントロ・アウトロやAメロに用いられることが多いですね。
印象的なため、使い方を気をつけないと有名曲に似てると言われやすいコード進行です。
このクリシェパターンが使われている代表曲はMr.Childrenの「and I love you」ですね。
AメロでI-Iaug-I6のコード進行が活用されてます。
実際の楽曲だと最後のI7までは行かずにI-Iaug-I6から別のコードに飛ぶことが多いですね。
and I love you/Mr.Children(YouTube)
クリシェのパターン 目次
- I-Iaug-I6-I7
- Ⅰ-Ⅰmaj7-Ⅰ7
- Ⅵm-ⅥmM7-Ⅵm7
- Ⅱm-ⅡmM7-Ⅱm7
I-Imaj7-I7
このクリシェも良く使われる定番パターンですね。
トップの音が半音ずつ下降していく進行になっています。
構成音の変化を見ると、以下の通りです。
- C(ド・ミ・ソ・(ド))
- Cmaj7(ド・ミ・ソ・シ)
- C7(ド・ミ・ソ・ラ#)
I-Imaj7-I7も印象が強く、使いやすいのでイントロでよく使われている印象がありますね。
複雑なコードも入らないので、シンプルで聴きやすい進行です。
I-Imaj7-I7が使われている代表曲はback numberの花束です。
イントロの出だしがI-Imaj7-I7になっています。
なお、そのあとは後述のⅡm-ⅡmM7-Ⅱm7に繋がっているのでイントロからクリシェの連続になっている楽曲です。
クリシェのパターン 目次
- I-Iaug-I6-I7
- Ⅰ-Ⅰmaj7-Ⅰ7
- Ⅵm-ⅥmM7-Ⅵm7
- Ⅱm-ⅡmM7-Ⅱm7
Ⅵm-ⅥmM7-Ⅵm7
m系のクリシェですね。定番で本当に色んな楽曲で使われています。
Ⅵm-ⅥmM7-Ⅵm7もトップの音が半音下降していきます。
最近のアーティストだと、Official髭男dismの楽曲でよく使われていますね。
例に出しているAmのクリシェの構成音を見てみると、以下の通り。
- Am(ラ・ド・ミ・(ラ))
- AmM7(ラ・ド・ミ・ソ#)
- Am7(ラ・ド・ミ・ソ)
ラの音からはじまり、半音ずつ下降していますね。
少し悲しい、哀愁漂う雰囲気を出してくれるのでBメロやサビの後半などで活躍することが多いです。
なお、Ⅵm-ⅥmM7-Ⅵm7の後はⅡ7もしくはⅣ#m7-5に繋がるパターンが多いですね。
ちなみに先ほどのサンプル音源はⅡ7にあたるD7で〆てます。
Ⅵm-ⅥmM7-Ⅵm7が使用されている有名な曲はOfficial髭男dismの「115万キロのフィルム」です。
サビの「見どころなんだからさ ah~」の部分がⅥm-ⅥmM7-Ⅵm7-Ⅵ7です。
115万キロのフィルム/Official髭男dism(YouTube)
ちなみに「115万キロのフィルム」のサビにはこのあとに説明するⅡm-ⅡmM7-Ⅱm7も登場します。
「115万キロのフィルム」のサビは半分がクリシェで構成されている曲なのです。
クリシェのパターン 目次
- I-Iaug-I6-I7
- Ⅰ-Ⅰmaj7-Ⅰ7
- Ⅵm-ⅥmM7-Ⅵm7
- Ⅱm-ⅡmM7-Ⅱm7
Ⅱm-ⅡmM7-Ⅱm7
Ⅵm-ⅥmM7-Ⅵm7と並んで、良く使うクリシェがⅡm-ⅡmM7-Ⅱm7です。
アコギでよく使うキーで押さえやすいコードパターンを選択できるため、アコギだとⅡm-ⅡmM7-Ⅱm7を使うことが多いですね。
例に出しているDmで構成音見てみると以下の通り。
- Dm(レ・ファ・ラ・(レ))
- DmM7(レ・ファ・ラ・ド#)
- Dm7(レ・ファ・ラ・ド)
1音だけが半音下降していきます。
Ⅱm7のあとにくるコードはⅤ7が多いですね。
先ほどのサンプル音はⅤ7にあたるG7で〆ています。
Ⅱm-ⅡmM7-Ⅱm7が使用されている代表曲は先ほども登場した、Official髭男dismの「115万キロのフィルム」です。
サビの「写真にも写せやしない とても些細なその仕草に」がⅡm-ⅡmM7-Ⅱm7-V7です。
他にも山崎まさよしさんの「僕はここにいる」のAメロでもたくさん使われています。
クリシェのパターン 目次
- I-Iaug-I6-I7
- Ⅰ-Ⅰmaj7-Ⅰ7
- Ⅵm-ⅥmM7-Ⅵm7
- Ⅱm-ⅡmM7-Ⅱm7
たけしゃん
ギター弾き語りでのクリシェ
ギターはピアノと違って、構成音の選択や配置の自由度が低いです。
そのため、クリシェできるパターンがおおよそ決まっています。
ギター弾き語りだけやってる分には気にする必要はないのですが、他の楽器と一緒に演奏する際に知っておくといいことを2点ほど解説していきます。
目次
ギターのクリシェは自由度が低い
まず、前提として覚えておいた方がいいことはギターだとクリシェの自由度が低いということです。
ピアノだとクリシェする音をトップの音にしたり、ベース音にしたり自由に選択できます。
対して、ギターはコードフォームの関係でクリシェする音の位置を調整するのは難しいです。
バンドだとベースラインがクリシェするというのが鉄則ですが、ギターでコードを鳴らしながらベースラインをクリシェさせるのはかなり厳しいです。
なので、ギターはクリシェさせる音の位置はあまり気にせずに演奏します。
たけしゃん
バンドスコアだとコードネームが異なる
バンドなどのアンサンブルではベースラインがクリシェするのが鉄則です。
ベースがいる場合はベースがクリシェしたほうが明らかにクリシェしている感が出るからです。
そして、ベース(ルート音)が変化するということはコードネームが変わってしまうわけです。
とある有名曲で、実際にギターが弾いてるコードとバンドスコアのコードを見てみましょう。
ギターが弾いてるコード
D DM7 D7 B7 Em EmM7 Em7 A
バンドスコア記載のコード
D F#m/C# D/C B7 Em D#aug G/D A
ところどころ、コードが違います。
バンドスコアはクリシェの音がルート音になってるのでコード表記が変わってしまうんですよね。
例えば、D/CとD7は構成音は一緒で7thであるドが下にきてるか上にきてるかの違いだけです。
ギター弾き語りでやる場合はクリシェの音をルートに持ってくることは厳しいので、ルート音にこだわらずに弾きやすいクリシェを選択しましょう。
なお、無料のコードサイトもバンドスコアと同じ記載になってることが多いです。
アコギで弾く場合は弾きやすいコードに変換しましょう。
クリシェ まとめ
- クリシェとは特定の1音だけが変化していくコード進行のこと
- ポップスで使う定番パターンはおおよそ決まっている
- バンドと弾き語りだとコードネームなど取り扱いが少し異なる
ぎたすけ
たけしゃん
クリシェの解説でした!
色んな曲をカバーしている人は言葉は知らなくてもクリシェのコード進行はわかってる人が多いはず。
パターンや理屈を体系的に覚えると、狙って楽曲内に組み込むことができるようになります。
クリシェも定番パターンを覚えて、自身の楽曲に組み込んでみるようにしましょう!
第1章 音や楽譜の読み方を覚えよう
第2章 キーやスケールを理解しよう
第3章 コード進行のバリエーション
第4章 ノンダイアトニックコードの導入
第5章 応用的な音楽理論の活用
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