ぎたすけ
たけしゃん
本記事では解説にディグリーネームを用いています。
ディグリーネームやダイアトニックコードの仕組みがいまいち理解できていない…という人は先にダイアトニックコードの解説記事を参照ください。
ダイアトニックコードとは。一覧表付きで仕組みや活用方法を解説
裏コードとは
裏コードとはダイアトニックコードにおけるⅤの代理コードとして使用する♭Ⅱ7のことを指します。
Ⅴはスリーコードにおけるドミナントとして、非常によく使用するコードです。
よく使用するからこそ、代理コードで変化を付けようと裏コードが用いられるわけですね。
ただ、裏コードは結構クセが強いので、なかなか組み込むのは難しかったりもします。
まずはスリーコードで構成されたコテコテの定番コード進行を裏コードに差し替えるとどうなるか?
サンプル音源で聴き比べてみましょう。
基のコード進行
Gを裏コードのD♭7に置き換え
なかなかにエッジが効いてますよね…。
ちなみに裏コードの良いところはⅤ→Ⅰのドミナントモーションを♭Ⅱ7→Ⅰに変えることで半音下行のコード進行にできることにあります。
そのため、コードフォームの選択は意識したほうが良いです。上記のケースでも最後のCはバレーコードを選択して半音下がる流れをわかりやすくしてます。
ここを適当に押さえやすいローコードにしてしまうと、裏コードの良さが半減します。
もう少しマイルドになる裏コード進行を見てみましょう。
先ほどの「C→F→D♭7→C」でサブドミナントのⅣ(F)を代理コードであるⅡm(Dm)に変更します。
Dmから半音下降でD♭7→Cと流れていくので、Fのときよりは流れが少しマイルドになっています。
ただ、このパターンだとサブドミナントマイナーの代理コードである♭Ⅱmaj7(D♭maj7)を用いることのほうが圧倒的に多いですね。
このパターンは僕も良く使ってますね。おしゃれ曲で良く出てきます。
裏コードではないですが、合わせて覚えておいて損はないです。
普通の裏コードはクセが強くてポップス(特にシンガーソングライター系)ではあまり出てきません。
僕がパッと思いつく範囲だと星野源さんの「地獄でなぜ悪い」くらいですね。
Bメロで〆に使ってるアクの強い音が裏コードに当たる♭Ⅱ7(#11)です。
セクションの締めにくるⅤ7を♭Ⅱ7(#11)に変えると急激に星野源さんっぽくなりますね(笑)。
変更前のコード進行
Ⅴ7を裏コードに変更
まあ、でもポップスで使われていることはかなり少ないです。
ポップスで比較的良く使われるパターンは次のセカンダリードミナントを裏コードに変えるという手法です。
次章でコード譜やサンプル音源付きで詳しく解説していきます。
セカンダリードミナントの裏コード
セカンダリードミナントとはⅠ以外の音にドミナントモーションするコードを指します。
セカンダリードミナントは要は他のキーのドミナントを借用したものなんですよね。
※セカンダリードミナントのC7はFメジャーキーから借用しているドミナント
上記の例で言うとC7はFメジャーキーのドミナントなので、Fメジャーキーで見た時の♭Ⅱ7(G♭7)が裏コードとして成立します。
変えてみた時の演奏音も聞いてみましょう。
結構イメージ変わりますよね。
ここからはもうちょっと具体的に何曲か事例をコード譜付きで見ていきましょう。
藤井風さんの旅路
本来ならEm→A7というセカンダリードミナントのツーファイブになるところをA7の代わりに裏コードのD#7(9)を入れています。
D#7(9)がセカンダリードミナントであるⅠ7(A7)からみたときの裏コードになっているんですね。
実際に上記のコード進行で僕が弾き語りカバーした動画があるので、演奏音聞いてみてください。該当部分は1:14~です。
一瞬入るD#7(9)がなかなかに良い味を出してくれています。
藤井風さんは色んな曲でセカンダリードミナントの裏コードを効果的に活用されてますね。
星野源さんのうちで踊ろう
続いては星野源さんのパターンですが、星野源さんはセカンダリードミナントの裏コードとして♭Ⅱ7(#11)を使うのが印象的なんですよね。
「うちで踊ろう」では、Aメロ1回目の最後にⅠ7からみた裏コードの♭Ⅱ7(#11)が入ってます。
上記の譜面はCapo3でEメジャーキーになってるので、セカンダリードミナントであるⅠ7はE7になります。
なので、本来のセカンダリードミナントであるE7で一小節いくところをあえて2拍ずつに分割して、アクセントでテンション入りの裏コードを入れてるわけですね。
また、違うパターンではSUNのイントロですね。
イントロ最後にアクの強いコードが入ってますが、あれはセカンダリードミナントであるⅢ7からみた♭Ⅱ7(#11)です。
星野源さんはほんとに色んな楽曲で裏コードを使ってますね。
そんなに使い勝手良いコードでもないんですが、コード進行が凝ってる星野源さんらしいです。
星野源さんに限らずですが、裏コードが出てくるときはテンションコードも絡めてるケースが多いですね。
#11thは星野源さんくらいですが、9thを入れてるパターンは非常に多いのでセットで抑えておくと良いです。
裏コード まとめ
- 裏コードはドミナントの代理コードとして使う♭Ⅱ7のこと
- ポップスではセカンダリードミナントの裏コードを使うことが多い
- 裏コードの活用例を聴くなら星野源さんがおすすめ
ぎたすけ
たけしゃん
裏コードの解説でした!
ポップス系よりはブラックミュージック寄りの音楽で登場するコード進行かなという印象ですね。
なかなか、使いこなすのが難しい手法ですが、アクセントとして活用できるとグッと玄人感が出せます。
試し試し、チャレンジしてみるといいですね。
第1章 音や楽譜の読み方を覚えよう
第2章 キーやスケールを理解しよう
第3章 コード進行のバリエーション
第4章 ノンダイアトニックコードの導入
第5章 応用的な音楽理論の活用
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