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安いオーディオインターフェイスの特徴
まずは安いオーディオインターフェイスの特徴を理解しておきましょう。
1万円未満の安い製品はどうやって原価を落としているのか?というと、下記の3パターンに分かれます。
- パーツは上位モデルとほぼ一緒で機能を削減
- パーツの質を落として原価削減
- パーツの質も機能も削って原価削減
大手メーカーの製品はほぼ①です。
使用しているパーツは上位モデルの流用で機能面を削ぎ落して価格を安くしています。
そして、狙うべき製品は①もしくは①と②の間くらいの製品ですね。
③のパーツも機能もそぎ落とした5,000円以下の製品もたくさんありますが、このへんは知識ない人が買うと高確率で買いなおしになるので気を付けてください。
たけしゃん
ここからは具体的にどういった機能がそぎ落とされているのか?を解説していきます。
製品選びのポイント 一覧
入力端子
XLR | 主にマイクを繋ぐ端子 |
LINE | ギターなど楽器を繋ぐ端子 |
コンボジャック | XLR・LINE両対応の端子 |
オーディオインターフェイスの入力端子は上記3種類に分かれます。
価格別でよくあるパターンは下記のとおりです。
1万円未満 | コンボジャック ×1 LINE ×1 |
1万円台 | コンボジャック ×2 |
2万円以上 | コンボジャック ×2~4 LINE ×2~ |
1万円未満の安いオーディオインターフェイスはまず入力端子の数が減ります。
1万円近い製品はコンボジャック1つとLINE1つという組み合わせが主流ですね。
5,000円近辺だとコンボジャック1つとなる場合が多いですね。
ポイントとなるのはマイク2本は繋げないという点です。
例えば弾き語りでボーカル、アコギにそれぞれマイクを立てたい場合はコンボジャックもしくはXLR端子が2つ以上必要になります。
1万円未満の機種だとほとんどの製品がマイクは1本しか繋げません。
なお、1万円未満でもM-AudioのM-Track DUOはコンボジャック×2でまともに使えます。
また、コンボジャックについては便利ですが、気を付けるべき点が2つあります。
それが「Hi-Z」と「ファンタム電源」です。それぞれをザックリ解説していきます。
Hi-Z
Hi-Zというのはインピーダンスを切り替えるためのスイッチです。
XLRとLINE両対応となるコンボジャックですが、本来この2つの端子は良く使う楽器向けにインピーダンスを変えています。
そこでインピーダンスを切替できるようにしているのが、Hi-Zというスイッチです。
低価格帯の製品はアイコンで表記することが多く、マイクアイコンがXLRマイク向け、ギターアイコンがLINEのギター・ベース向けのインピーダンス設定になってます。
Hi-ZのON/OFFしかない場合は基本的にOFF状態がXLRマイク向けでON状態がLINEのギター・ベース向けとなっています。
ファンタム電源
マイクはXLR端子もしくはコンボジャックを介してオーディオインターフェイスに接続可能です。
しかし、コンデンサーマイクを使うには48V(ファンタム電源)という電源を供給する必要があります。
このファンタム電源はオーディオインターフェイスの機能として備わってます。
最近のオーディオインターフェイスの大半はファンタム電源対応ですが、格安製品だと非対応だったりするので注意しましょう。
たけしゃん
ループバック
ループバックとは接続したPCのオーディオ再生音をループしてライブ配信アプリなどに流せる機能です。
主にライブ配信で役立ちます。
1万円未満のオーディオインターフェイスではループバックは基本的にありません。
ランキングで紹介する機種でもループバックが使えるのは「UR12」と「US-32W」の2機種だけです。
また、上記2機種はループバックのON/OFFがPC専用ソフトからしかできません。
スマホだけで運用する予定でループバックが必要な人は1万円を超えますが、「YAMAHA AG03MK2」
もしくは「Steinberg UR22C」を選択しましょう。
対応OS
続いては対応OSです。
Macの人は基本問題ありません。気を付けるのはWindowsユーザーとiOSで使用する方です。
安いオーディオインターフェイスを買う人が一番気を付けるべき点は対応OSです。
しかも、辛いのが激安の無名メーカーの場合はOS自体は対応となっていても、DTMや特定のライブ配信アプリでは使えないパターンが割とあります。
WindowsはASIO対応製品を選ぶべし
ASIOというのはオーディオインターフェイスとPCを繋ぐドライバ(ソフトウェア)のことです。
マウスやキーボードなどはOS標準のドライバで動くので、USBケーブルを繋ぐだけで認識してくれますよね。
ところがオーディオインターフェイスはWindowsのOS標準ドライバだと音の遅延やノイズが発生するのです。
そこで、各メーカーはWindowsでは自社の製品に合わせたASIOの専用ドライバを開発しており、ユーザーにインストールしてもらう形式を取ってます。
しかし、格安のオーディオインターフェイスはASIOドライバがないことが多いです。
Windows対応と書いてあっても、ASIOが用意されていない製品はWindowsでのDTMはできないと思ったほうが良いです。
たけしゃん
iOSは使用するアプリによる
最近では格安オーディオインターフェイスもiOS対応が増えました。
そこで2020年にたくさんきた相談が「繋いだマイクが片耳からしか音がでない」というものです。
これは使用するiOSのアプリがステレオの場合に起きる現象です。
なお、モノラルとステレオの違いは下記の通りですね。
ステレオ仕様のアプリだと基本的には1chの音はLから、2chはRからと完全に分離されてしまいます。
一部のオーディオインターフェイスではモード切替で1chの音をLRから出せるようにできますが、安いオーディオインターフェイスにはその機能はありません。
なので、使用するアプリがステレオ仕様の場合は注意が必要です。
僕が調べたアプリ別のモノラル・ステレオ対応表はこちら。
アプリ | 仕様 |
17Live | モノラル |
nana | モノラル・ステレオ切替可能 |
nanaパーティー | ステレオ |
Poco-cha | ステレオ |
インスタライブ | モノラル |
LINEライブ | モノラル ※1chしか認識しない |
ツイキャス | ステレオ |
YouTube Live | ステレオ |
TikTok | モノラル ※1chしか認識しない |
GarageBand | モノラル・ステレオ切替可能 |
iOSのビデオ | ステレオ |
ステレオになっているアプリで使用する場合は「YAMAHA AG03MK2」もしくは「Steinberg UR22C」を選択しましょう。
この2機種はループバック機能を利用することでステレオ入力に切替できます。
なお、オーディオインターフェイスをiOSに接続して使うためには別途、USB 3カメラアダプタが必要です。
USBカメラアダプタだと電源供給が足りなくて動かない機種があるのでUSB 3カメラアダプタ推奨です。
安いオーディオインターフェイス ベスト5
それでは予算1万円以内で買える低価格の安いオーディオインターフェイスをランキング形式で5つ紹介していきます。
先にランキング表を出すとこちら。
ちなみに2020年以降は人気製品ほど常時品薄で価格の変動も激しくなっています。
実売価格は高騰する前の価格を記載しているので、参考程度に見てください。
また本記事は予算1万円以内に絞った、安いオーディオインターフェイスのみ紹介しています。
1万円以上の機種も含めた総合的なオーディオインターフェイス解説は下記の記事を参照ください。
5位 TASCAM iXZ
項目 | 機能・スペック |
アナログ入力 | コンボジャック ×1 |
サンプリングレート | 不明 |
接続端子 | 3.5mm 4極ミニプラグ |
ループバック | × |
内蔵エフェクト | × |
対応OS | iOS Android ※要3.5mm 4極ミニプラグ |
付属DAW | なし |
実売価格 | 約4,000円 |
nana用のオーディオインターフェイスとして定番になったTASCAM iXZ。
3.5mm 4極ミニプラグが使えるスマホであれば使用できるため、スマホ用のオーディオインターフェイスとして人気が高いです。
本体は小さいですが、ファンタム電源もついているのでコンデンサーマイクも使用できます。
nanaとかポケカラで使う分には十分な性能です。
iXZで録ったnanaの音源
一方でPCでは利用できませんし、便利な機能なども一切ありません。
なので、音楽制作とかで使うのは現実的ではないですね。
また、コンボジャック1つでモノラルなので、使用するスマホアプリがステレオだとLからしか音が出ません。
そのため、購入に際しては使用するアプリがモノラル仕様であることを確認しましょう。
アプリ名 | 状態 |
17Live | モノラルで両耳から音が出る |
nana | モノラル・ステレオを任意で切替可能 |
nanaパーティー | ステレオで1chはL、2chはRから出る |
Poco-cha | ステレオで1chはL、2chはRから出る |
インスタライブ | モノラルで両耳から音が出る |
LINEライブ | モノラルで両耳から音が出るが、1chしか認識しない |
ツイキャス | ステレオで1chはL、2chはRから出る |
YouTube Live | ステレオで1chはL、2chはRから出る |
TikTok | モノラルで両耳から音が出るが、1chしか認識しない |
GarageBand | モノラル・ステレオ任意で切替可能 |
iOSのビデオ | ステレオで1chはL、2chはRから出る |
4位 TASCAM MiNiSTUDIO PERSONAL US-32W
項目 | 機能・スペック |
アナログ入力 | コンボジャック ×1 内蔵マイク ×1 |
サンプリングレート | 96kHz/24bit |
接続端子 | USB 2.0 |
ループバック | 〇 |
内蔵エフェクト | 〇 |
対応OS | Win、Mac、iOS |
付属DAW | なし |
実売価格 | 約8,000円 |
TASCAMのライブ配信に特化させたオーディオインターフェイス US-32W。
1万円未満の機種で内蔵エフェクト、ループバック機能を有した数少ない製品です。
その他にもボタン1つで効果音を出せたり、ミュートにできるON AIRボタンがあったりとライブ配信で便利な機能が盛りだくさんです。
配信の用途も「雑談用」「カラオケ用」「ゲーム実況用」など細かいプリセットが用意されており、PCのソフトウェアから変更できます。
多機能で操作が複雑ですが、初心者が使えるように配慮はされているので慣れれば楽ですね。
ただし、PCからしか操作できないのでスマホだけで運用する人には適さない機種です。
また、DTMにはあまり適さない機種ではありますが、一応DAWでのRECなども可能です。
US-32WとSONARで録音した演奏動画
入力端子がコンボジャック 1つなので、基本的にはボーカリスト向けです。
さらにUS-32Wは本体にマイクが内蔵されており、雑談配信で使うには十分な音質になってます。
内蔵マイクで歌を録ってみた
ライブ配信を中心にやる人にはかなり使い勝手の良い製品です。
ただし、歌ってみたなどの音楽制作もやる人には微妙なところも多いので、基本的にはライブ配信メインの人に薦めたいですね。
3位 ZOOM U-22
項目 | 機能・スペック |
アナログ入力 | コンボジャック ×1 ステレオミニ ×1 |
サンプリングレート | 96kHz/24bit |
接続端子 | USB 2.0 |
ループバック | × |
内蔵エフェクト | × |
対応OS | Win、Mac、iOS |
付属DAW | Ableton Live Lite Cubasis LE |
実売価格 | 約10,000円 |
ZOOMのハンディオーディオインターフェイスのエントリーモデル U-22。
手のひらサイズの軽量ボディに最低限必要な端子を詰め込んだ携帯性に優れた製品です。
軽量ボディですが、マイクプリの質は結構良くてサンプリングレートも96kHz/24bitまで対応しています。
実際にU-22を使って撮った動画がこちら。
付属でDAWのAbleton Live LiteとCubasis LEがついてくるので、音楽制作はそのままやれます。
U-22の入力端子はコンボジャックとステレオミニジャックが1つずつ付いています。
なお、ステレオミニとコンボジャックは同時に使えない仕様になってます。
ギター弾き語りだとステレオミニは使わないですが、ピアノ弾き語りの人はステレオミニを使うことがあるようですね。
友人のキーボディストはSycroomでキーボードの音をステレオで流すために、わざわざU-22を買ってました。
コスパ的にはUR12に負けていますが、U-22はコンパクトで電池駆動もできるので携帯性に優れています。
持ち歩いて使う人には手軽で便利な製品です。
2位 Steinberg UR12
項目 | 機能・スペック |
アナログ入力 | XLR ×1 LINE ×1 |
サンプリングレート | 192kHz/24bit |
接続端子 | USB 2.0 |
ループバック | 〇 |
内蔵エフェクト | × |
対応OS | Win、Mac、iOS |
付属DAW | Cubase AI Cubasis LE |
実売価格 | 約9,500円 |
Steinberg URシリーズのエントリーモデル UR12。
パーツは上位モデルと変わらず、入出力端子の数と一部機能を削ぎ落した低価格モデルです。
XLR端子で使われているマイクプリアンプはYAMAHA D-PREでURシリーズ共通のものです。
そのため、音質も中々に良好でDTM、ライブ配信で使うには十分なレベルになってます。
実際にボーカル・アコギを別々にUR12で録った動画こちら。
上記の動画はUR12と6000円程度で買えるマランツプロ MPM-1000を使って付属ソフトのCUBASE AIで制作した演奏動画です。
低価格アイテムでも、これだけの音質で音楽制作できるのはすごいですよね。
また、上位モデルで使える内蔵エフェクトの機能はなくなってますが、ループバック機能はついています。
ただし、上位用モデルとは違ってスマホ用アプリはないため、ループバックのON/OFFはPCからしかできません。
とはいえ、1万円未満のモデルでループバックが使えるもの自体がほとんどないので貴重な製品です。
ちなみに上位モデルのUR22CはループバックONにすることでステレオ入力になりますが、UR12はモノラルのままです。
そのため、iOSのステレオ仕様のアプリだと1chはL、2chはRからしか音が出ないので注意しましょう。
また、付属でDAWのCubase AIとCubasis LEがついてくるのでDTMをやるにもばっちりです。
UR12は予算1万円以内のオーディオインターフェイス選びでは鉄板の選択肢ですね。
2020年はどこも在庫なかったり、価格が高騰してましたが、最近は割と復活して価格も1万円くらいに戻ってます。
1位 M-Audio M-Track SOLO
項目 | 機能・スペック |
アナログ入力 | コンボジャック ×1 LINE ×1 |
サンプリングレート | 48kHz/16bit |
接続端子 | USB 2.0 |
ループバック | × |
内蔵エフェクト | × |
対応OS | Win、Mac、iOS |
付属DAW | Pro Tools First M-Audio Edition |
実売価格 | 約5,500円 |
1位は2021年に登場した低価格オーディオインターフェイス M-Audio M-Track SOLOです。
この機種の凄いところは5,500円程度という価格でASIOドライバが用意されていることです。
M-Track SOLOが出るまではASIOドライバがある最安製品は8,000円程度のUS-32だったので、発売当初から大分話題になっていました。
ASIOがあるのでWindowsユーザーも安心して使えるようになっています。
また、入力端子はコンボジャックとLINEが1つずつでコンボジャックはファンタム電源対応です。
一通りの機能が備わっており、歌ってみたなどをやるには問題ないレベルになってます。
実際にM-Track SOLOで録った動画がこちら。
音質もまあまあといったところで、価格を考えると十分すぎるレベルです。
付属でDAWのPro Tools(First M-Audio Edition)がついてくるのもすごいですね。
一方でループバックや内蔵エフェクトの機能はありません。
主には歌ってみた、DTM、シンプルなライブ配信といった用途で使うのが良いですね。
USB 3カメラアダプタを介せば、iOSでも利用できるのでnanaに使いたい人にも適しています。
なお、製品バリエーションとしてコンボジャックが2つになったM-Track DUOがあります。
価格差は1,000円程度です。弾き語りをやる人はマイク2本挿せた方が良いのでM-Track DUOを選択しましょう。
たけしゃん
低予算で買えるオーディオインターフェイス まとめ
ぎたすけ
たけしゃん
低予算で買える安いオーディオインターフェイスのランキング解説でした!
レビューするために安い機種は一通り使った上で本記事の5製品に絞ったのですが、やっぱり安定は2位のSteinberg UR12だなと感じています。
マイクを2本使えないくらいでDTMでも配信でも一通りなんでもこなせます。
付属するDAWもメジャーなCubaseなので、使い方解説はネット上にいくらでも落ちてますしね。
そして、ループバックも不要で予算をできるだけ下げたい人は1位のM-Audio M-Track SOLOかM-Track DUOが良いですね。
低予算でいくならこの3機種のどれかにしておくのが良いでしょう。
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