ARTURIA MINIFUSE 2をレビュー。安価で付属ソフトウェアが豊富なオーディオインターフェイス

ARTURIA MiniFuse 2 正面

評価:4

ぎたすけ

ARTURIAって聞いたことないメーカーだな

たけしゃん

シンセサイザーで有名な会社だよ。DTMerの中では結構メジャーな企業だと思うよ
MINIFUSE 2の評価
音質
 (4)
機能性
 (4)
コスパ(12,900円程度)
 (5)
総合評価
 (4)
メリット
デメリット
  • 1万円前半でコンボジャック2基
  • ループバックがある
  • 付属ソフトウェアが豊富
  • iOSは非対応
  • 初心者にはとっつき辛い

サンプルボーカル(エフェクトなし)

この記事の著者
音楽ブロガーたけしゃん

ミュージシャン

たけしゃん

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プロフィール

ギター弾き語りのシンガーソングライター。長年の音楽活動や音楽の仕事で得た知識・経験を基にブログを書いています。
雑誌の音楽記事執筆、音楽専門書の執筆(工学社)、nana公認クリエイター、IPC VOICE STUDIO公認ボイストレーナーです。
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ARTURIA MINIFUSE 2

ARTURIA MiniFuse 2 左斜め
入力端子コンボジャック×2
出力端子1/4 “ライン出力×2
ヘッドホン端子 ×1
サンプルレート192kHz / 24bit
接続端子 USB-C
対応OSWin,Mac

シンセサイザーなどで有名なARTURIAが2021年に発売した安価なオーディオインターフェイス MINIFUSE 2

1.3万円程度でコンボジャック2基搭載し、ループバックも使える製品です。

また、付属ソフトウェアが豊富についており、音楽制作で使いやすい仕様になっています。

認知度は低いですが、コスパに優れた良製品です。

まずはMINIFUSE 2の製品仕様から解説していきます。

仕様を飛ばして、レビューを読みたい方は<MINIFUSE 2をレビュー>を参照ください。

製品仕様 目次

2イン2アウト

ARTURIA MiniFuse 2 右斜め
入力
出力
  • コンボジャック 2基
  • MIDI入力
  • 1/4 “ライン出力×2
  • ヘッドホン端子×1
  • MIDI出力

MINIFUSE 2は2イン2アウトのオーディオインターフェイスです。

入力は前面のコンボジャック2基で48Vのファンタム電源に対応しています。

ギターアイコンのボタンはHi-Z機能です。

Hi-Z

ハイインピーダンス機器に合わせてインピーダンスを切り替える機能

エレキギターやベースを直接接続するときはONにしましょう。

なお、ファンタム電源やHi-ZのON/OFFは専用ソフト「MINIFUSE CONTROL CENTER」でも変更できます。

MINIFUSE 2の専用ソフトMINIFUSE Control Center

ただ、出力系の設定はソフト側で変更できないため、全部本体ノブで調整したほうが早そうです。

続いて、出力端子です。背面に1/4ライン出力があります。

ARTURIA MiniFuse 2 背面左

ボリュームは前面パネルの大きいノブです。

ARTURIA MiniFuse 2 正面右

ヘッドホン端子も前面パネル右側についています。

その他、背面パネルにMIDI入出力端子がついています。

ARTURIA MiniFuse 2 背面

コンパクトなボディですが、一通り必要な端子は揃っていますね。

ダイレクトモニター機能

MINIFUSE 2が駆動しているところ。正面

ダイレクトモニターはPCなどを介さずに直接マイク入力などの音をモニターする機能です。

PCなどを経由しないため、遅延なく自分の声をモニタリングできます。

本体前面にダイレクトモニターを調整するMIXノブとDIRECT MONOスイッチがついています。

MINIFUSE 2のダイレクトモニター調整機能
機能概要
MIXノブPCの再生音と入力音の
音量を調整するノブ
DIRECT MONOダイレクトモニターの
モノ・ステレオを切り替え

MIXノブは最近のオーディオインターフェイスによくある、PC再生音とダイレクトモニターの音量を調整するノブです。

INPUT側に回すとダイレクトモニターの音が大きくなり、USB側に回すとPCの再生音が大きくなります。

MINIFUSE 2が駆動しているところ。正面

上図の場合はUSB側に振り切っているので、ダイレクトモニターは音量ゼロになっています。

DIRECT MONOはダイレクトモニターのモノラル・ステレオを切り替えるものですね。

MiniFuse 2のDIRECT MONOボタン

ONにするとモノラルになり、INPUT1がL、INPUT2がRからのみ音が出ます。

基本的にはステレオが良いと思うので、OFFで大丈夫です。

ループバック機能

ループバック機能の説明図解

MINIFUSE 2はループバック機能に対応しています。

配信でBGMなどを流したい場合に便利です。

ただ、仕様が特殊でAG03などとは根本的に違います。

ここでは、Windowsでの使い方についてザックリ解説していきます。

補足

Macはかなり長くなるので省略します。取扱説明書を参照ください。

まず、MINIFUSE 2は入力・出力ともに「MAIN Left/Right」「LOOPBACK Left/Right」という2つのチャンネルが用意されています。

MINIFUSE 2のループバック設定画面
Windowsのサウンドプロパティ
補足

「LOOPBACK Left/Right」がない場合は「MiniFuse Control Center」からファームウェアを最新にアップデートしてください

ループバックを使用する際は入力・出力ともに「LOOPBACK Left/Right」を選択します。

補足

入出力の片方だけLOOPBACKにしても、ループバックはかかりません

出力はデスクトップ右下のタスクトレイにあるスピーカーアイコンをクリックして設定します。

MINIFUSE 2の出力設定をループバックチャンネルに設定する

入力は使用するDAWや配信アプリなどで設定を行います。

OBSでMINIFUSE 2の入力設定をループバックチャンネルに設定する
OBS STUDIOの設定画面

これでPCの再生音が入力されるようになります。

なお、LOOPBACK Left/Rightにはマイク入力の音は送られないようです。

そのため、OBSでループバックを絡めて配信する場合はマイク音声に「MAIN」、マイク音声2に「LOOPBACK」を設定すると良いでしょう。

OBSでMINIFUSE 2の入力設定にMAINとループバックチャンネルをそれぞれ設定する

OBSを使わないで配信する場合はこの仕様だとループバックは活用しづらいですね…。

配信用というよりはPCの再生音を録音するためのループバックという感じです。

そのため、配信用途で買うならSteinbergなどのほうが安定かなと感じました。

ソフトウェアが豊富に付属

ソフト概要
Ableton Live Lite総合音楽ソフト(DAW)
Ableton LiveのLite版
Arturia FX4つのFXプラグイン
Rev PLATE-140プレートリバーブ
Delay TAPE-201ディレイ
Chorus JUN-6コーラス
GUITAR RIG 6 LEギター用のマルチエフェクト
アンプシミュの総合ソフト
Auto-Tune Unlimitedピッチ修正ソフト
※3か月無料のサブスク
Splice Creator Plan大量のサンプル音を使える
※3ヶ月無料のサブスク

MINIFUSE 2は8つのソフトウェアが付属します。

どれも普通に使えるものばかりです。

1.3万円のオーディオインターフェイスでこれだけ付属するのはすごいですね。

制作用途で買う人にはかなり良い製品です。

付属品

ARTURIA MiniFuse 2 付属のUSBケーブル

MINIFUSE 2の付属品はUSBケーブルです。

挿し口は本体背面に付いています。

ARTURIA MiniFuse 2 背面

ちなみに外付け機器を繋げられるUSBハブ機能もついています。

最大250mAまで出力され、外付けストレージやコントローラーを接続できます。

なお、公式の対応OSはWindowsとMacとなっており、iOSは非対応です。

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ARTURIA MINIFUSE 2をレビュー

ARTURIA MiniFuse 2 左斜め
MINIFUSE 2の評価
音質
 (4)
機能性
 (4)
コスパ(12,900円程度)
 (5)
総合評価
 (4)

それでは、MINIFUSE 2を細かくレビューしていきます。

はじめにメリット・デメリットをまとめると以下の通りです。

メリット
デメリット
  • 1万円前半でコンボジャック2基
  • ループバックがある
  • 付属ソフトウェアが豊富
  • iOSは非対応
  • 初心者にはとっつき辛い

1万円前半でこのスペックは素晴らしいですね。

もっと売れていてもおかしくない製品です。

ただ、初期設定や操作の理解など初心者にはやや難しい点が多いですね。

取扱説明書もかなりボリューミーなので、初めて買うオーディオインターフェイスとしては若干薦めづらいです。

製品レビューの目次

音質はかなり良い

MINIFUSE 2が駆動しているところ。右斜め2

MINIFUSE 2でボーカルを色々録ってみました。

マイクプリの品質は良好でなかなか良い音です。

サンプルボーカル(エフェクトなし)

すっきりとした素直な音ですね。

ゲインを大きく上げると少しノイズが気になりますが、通常利用においては十分良い音で録れます。

近い価格帯のSteinberg UR12とFocusrite Scarlett Solo 3rd Genのサンプル音も聞き比べてみましょう。

Steinberg UR12

Steinberg UR12

Scarlett Solo 3rd Gen

Focusrite Scarlett Solo 3rd Gen

どれも大きくは変わりませんが、強いて言うならScarlett Solo 3rd Genが一番芯がしっかりある印象を受けます。

続いて、ヘッドホンやスピーカーで再生音の質も確認してみました。

MINIFUSE 2が駆動しているところ。右斜め

再生音に関しては、MINIFUSE 2はかなりレベルが高いです。

1万円台にしては大分良いなと驚きました。

音楽制作用途はもちろん、オーディオリスニング用に購入するのもありなレベルです。

初心者向けとは言い難い

MINIFUSE 2が駆動しているところ。右斜め上2

音もなかなかよく、コスパも非常に良いMINIFUSE 2ですが、初心者にはやや取扱いが難しいです。

例えば、ドライバのインストールには英語サイトでのユーザー登録と製品登録が必要ですし、日本語マニュアルもボリュームがあります。

また、ループバックに関しても仕様がやや特殊で、AG03やSteinbergのようにワンタッチで切替えることはできません。

UR12のループバック設定
UR12はチェックを入れるだけ

機械の取扱に慣れている人なら何てことはないですが、苦手な人にはやや厳しいと感じます。

上記の内容を読んで、ちょっと不安に感じる方はSteinberg UR12などにしておいたほうが無難かなと思います。

コスパは非常に良い

ARTURIA MiniFuse 2 左斜め

MINIFUSE 2は1.3万円程度ですが、価格以上のスペックを兼ね備えています。

まず、1万円前半でコンボジャック2基搭載の機種は非常に少ないです。

MiniFuse2 前面。コンボジャック2基

大手の製品だと、XLR入力 1基+1/4”ライン入力 1基という構成がほとんどです。

Focusrite Scarlett Solo 3rd Gen
XLR端子と1/4”ライン入力のScarlett Solo

コンボジャック2基ならマイクを同時に2本使えるため、弾き語りやデュオなどにも対応できます。

また、出力周りに関しても、ラインアウトとヘッドホン端子のVolumeノブが独立しており、MIXノブもついています。

ARTURIA MiniFuse 2 正面右

1万円前半の製品だと、ラインアウトとヘッドホン端子は共有のVolumeノブだったり、MIXノブがない製品が多いです。

Steinberg UR12
Steinberg UR12はMIXノブなし、Volumeノブも共有

更には1万円前半で珍しく、MIDI入出力もついています。

ARTURIA MiniFuse 2 背面左

それでいて、ループバックにも対応し、8つのソフトウェアがバンドルされています。

これで1.3万円なので、コスパは最高に良いですね。

初期設定や使用方法の難易度的にやや初心者向けではないものの、価格・スペック的には非常に魅力的な製品です。

 

ARTURIA MINIFUSE 2 まとめ

ARTURIA MiniFuse 2 外箱
  • 1.3万円程度でコンボジャック2基搭載
  • 再生音の質が良く、機能や付属ソフトも豊富
  • 初期設定や使用方法の理解は若干難しい

ぎたすけ

そっかー。コスパがすごく良いけど、英語サイトでの製品登録とか自信ないな~

たけしゃん

まあ、そんな難しくもないけど不慣れだと構えちゃうよね。翻訳機能とか使いながらやるといいよ

ARTURIA MINIFUSE 2のレビューでした。

各メーカー値上がりしている中で、この価格帯でこのスペックは素晴らしいと思いました。

取扱説明書はボリューミーですが、内容はきっちりわかりやすく書かれています。

とっつき辛い部分はありますが、しっかり読み込めば特に問題なく使っていけると思います。

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