PreSonus AUDIO BOX GOをレビュー。1万円で買えるコスパに優れたオーディオインターフェイス

PreSonus AUDIO BOX GO 正面

評価:3.5

ぎたすけ

オーディオインターフェイスで1万円以下だと、まともに使えるのか心配だよな

たけしゃん

AUDIO BOX GOはまともに使えるよ。ただ、注意点はあるから解説していくね
AUDIO BOX GOの評価
音質
 (3.5)
機能性
 (3.5)
コスパ(10,800円程度)
 (4.5)
総合評価
 (3.5)
メリット
デメリット
  • 音質はそれなりに良い
  • コンパクトで軽い
  • DAWが付属する
  • バンドルソフトが充実
  • ゲインレンジが狭い
  • 機能は必要最小限

サンプルボーカル

この記事の著者
音楽ブロガーたけしゃん

ミュージシャン

たけしゃん

tkshan

プロフィール

ギター弾き語りのシンガーソングライター。長年の音楽活動や音楽の仕事で得た知識・経験を基にブログを書いています。
雑誌の音楽記事執筆、音楽専門書の執筆(工学社)、nana公認クリエイター、IPC VOICE STUDIO公認ボイストレーナーです。
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PreSonus AUDIO BOX GO

PreSonus AUDIO BOX GO 駆動中。正面2
入力端子コンボジャック×1
1/4 “ライン入力×1
出力端子1/4 “ライン出力×2
ヘッドホン端子 ×1
サンプルレート96kHz / 24bit
接続端子 USB-C
対応OSWindows10以降(64-bit)
macOS10.13以降(64-bit)
iOS対応状況
Android対応状況
本体重量240g
公式サイト

Studio Oneなどで有名なPreSonusのオーディオインターフェイス AUDIO BOX GO

コンパクトなボディに必要最小限の機能を盛り込んだコスパに優れたモデルです。

本体重量は240gと非常に軽いため、持ち歩くにも便利なアイテムですね。

PreSonus AUDIO BOX GO 駆動中。左斜め上

使ってみた感じは音質は価格相応ですが、普通にDTMや配信で利用できます。

バンドルされるソフトも充実しており、DTM入門機としてかなり優秀な製品ですね。

それでは、AUDIO BOX GOの製品仕様から解説していきます。

飛ばしてレビューを見たい方は<AUDIO BOX GOをレビュー>を参照ください。

2イン2アウト

PreSonus AUDIO BOX GO 背面
入力
出力
  • コンボジャック
  • 1/4”ライン入力
  • 1/4”ライン出力×2
  • Phone

AUDIO BOX GOは2イン2アウトの入出力を搭載しています。

入力はマイクも使えるコンボジャックとギターなどを繋げる1/4”ライン入力です。

ボリューム調整は前面のノブで行います。

PreSonus AUDIO BOX GO 駆動中。正面2

コンボジャックは48Vのファンタム電源に対応しているので、コンデンサーマイクも使用できます。

なお、コンボジャックのゲインレンジは0~50dBと狭いです。

そのため、感度の低いダイナミックマイクだと音量が不足する可能性があります。

SHURE SM58
ダイナミックマイク SHURE SM58

基本的にはコンデンサーマイクを使う想定で購入しましょう。

ダイナミックマイクを使う場合は必要に応じて、インラインブースターを用意することも検討すると良いでしょう。

SE ELECTRONICS DM-1
SE ELECTRONICS DM1
インラインブースター

ダイナミックマイクなどに付けて、音を増幅させるアイテム

逆に最大入力レベルは+10dBuと価格の割に高めなので、コンデンサーマイクで歌録りするには優秀な製品です。

続いて、出力です。

背面にスピーカー用の1/4”ライン出力が2基ついています。

PreSonus AUDIO BOX GO 背面
左の2つが出力(MAIN OUT)

音量は前面の大きいノブで調整することができます。

PreSonus AUDIO BOX GO 駆動中。正面

また、6.3mmのPhone端子が前面についており、音量も専用のノブが付いています。

1万円近辺だと、MAIN OUTとPhoneは共用のVolノブが多いので、独立しているのはすごく良いですね。

Steinberg UR12 前面右
Steinberg UR12はMAINとPhoneのVolは共用
補足

Mixで使う場合、スピーカーとヘッドホンのVolは個別に調整したいことが多い

必要最小限ではありますが、DTMなど制作に適したノブの配置になっています。

ダイレクトモニタリング

PreSonus AUDIO BOX GO 駆動中。右斜め

AUDIO BOX GOはダイレクトモニタリングに対応しています。

ダイレクトモニタリングとは接続したPCを介さずに直接、マイク入力などの音を出力に返す機能です。

PCを経由しないため、遅延せずに自分の声や演奏をモニターすることができます。

そして、この価格帯では珍しく、本体にMIXノブがついています。

PreSonus AUDIO BOX GO MIXノブ

MIXノブは下表のとおりにダイレクトモニターの音とPCの再生音の音を調整してくれます。

PreSonus AUDIO BOX GO MIXノブは左に回すとダイレクトモニターの音が大きくなり、右に回すとPCの再生音が大きくなる
回す方向効果
ダイレクトモニターの音量UP
PCの再生音の音量DOWN
ダイレクトモニターの音量DOWN
PCの再生音の音量UP

右に振り切るとダイレクトモニターの音量が0になります。

DAWの音をモニターしてレコーディングする場合は右に振り切りましょう。

バンドルソフト

iZotope Neutron

AUDIO BOX GOにはDAWのStudio One Primeの他にiZotope Neutron Elementsなど多種多様なソフトウェアがバンドルされています。

補足

数が多いので、詳細は公式サイトをご覧ください

本体価格が1万円程度の製品に付いてくるレベルではない豪華っぷりです。

iZotopeやLexiconなど、使い勝手の良いメーカーのプラグインもバンドルされています。

そのため、DTMerの入門機としては非常に良いです。

PreSonus AUDIO BOX GO 斜め左

一方で打ち込みやMixをやらない歌い手や配信者だと、Steinbergなどのほうがコスパは良いかなと思います。

付属品

PreSonus AUDIO BOX GO付属のUSBケーブル
PreSonus AUDIO BOX GO 付属のゴム足

AUDIO BOX GOの付属品はUSBケーブル(A to C)とシールで張れるゴム足×4です。

本体が非常に軽く、ケーブルの重さに引っ張られてしまうため、ゴム足を本体底面の四隅に貼ったほうが安定します。

PreSonus AUDIO BOX GO 駆動中。右斜め

また、USBケーブルですが、Windowsで付属品以外を使って接続するとノイズが入ってしまいました。

なので、極力は付属品を使うようにしましょう。

なお、iOSやAndroidでも使用できます。

筆者はiPhone 13 ProにUSB 3 カメラアダプタで接続し、正常動作を確認しました。

USB3カメラアダプタでのオーディオインターフェイス接続方法

ちなみに上図のように右側の口でコンセントなどに繋いで給電しないと正常に動作しませんでした。

補足

古いiPhoneやiPadだと右側の口から給電しなくても使えるのもあるようです

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PreSonus AUDIO BOX GOをレビュー

PreSonus AUDIO BOX GO 駆動中。左斜め
AUDIO BOX GOの評価
音質
 (3.5)
機能性
 (3.5)
コスパ(10,800円程度)
 (4.5)
総合評価
 (3.5)

それでは、AUDIO BOX GOを細かくレビューしていきます。

はじめにメリット・デメリットを箇条書きでまとめると、以下の通りです。

メリット
デメリット
  • 音質はそれなりに良い
  • コンパクトで軽い
  • DAWが付属する
  • バンドルソフトが充実
  • ゲインレンジが狭い
  • 機能は必要最小限

必要最小限の機能に絞っていますが、欲しいところは残しており、絞り方が良いです。

1万円程度であることを踏まえると、非常によくできた製品ですね。

PreSonus AUDIO BOX GO 斜め右

ただ、ベストチョイスになるかは購入者の属性にもよります。

DTMerならこの価格帯ではベストかと思いますが、配信をやる場合はSteinberg UR12のほうが良いかなと感じました。

音質は価格相応

PreSonus AUDIO BOX GO 駆動中。側面

AUDIO BOX GOを使って、ボーカルを録音してみました。

サンプルボーカル

価格相応という印象です。十分使える音質です。

歌ってみたなどで使う分にも全く問題ないレベルですね。

PreSonus AUDIO BOX GO 駆動中。左斜め上

ゲインレンジが0~50dBと他の製品と比べても狭いですが、コンデンサーマイクで使う分には問題ありません。

補足

ダイナミックマイクは声量がある人でないと厳しそうです

逆に最大入力レベルは+10dBuと、この価格帯にしては余裕があるので歌録りには適しています。

補足

歌はダイナミクスが大きく、音量超過しやすいので、最大入力レベルは余裕があると楽

再生音も価格相応というレベルです。

PreSonus AUDIO BOX GO 駆動中。正面やや左2

クリアで音量も十分出ます。

コンパクトな製品ですが、音質は及第点をしっかり超えています。

軽くて小さい

PreSonus AUDIO BOX GO 斜め左

AUDIO BOX GOは他のオーディオインターフェイスと比べて、軽くて小さいです。

そのため、自宅でも場所を取りません。また、携帯するにも便利です。

iOSで使用する際もUSB 3カメラアダプタとモバイルバッテリーで動作するのも良いですね。

PreSonus AUDIO BOX GO 駆動中。右斜め

Steinberg UR12は結構大きくて重たいので、持ち歩くならAUDIO BOX GOのほうが優れています。

UR12とiPhone7を接続した
iPhone 7とUR12

nanaの録音などで使うにもAUDIO BOX GOは使い勝手が良いです。

AUDIO BOX GOはTASCAM iXZのグレードアップ版のような感じですね。

TASCAM iXZ
nanaで定番のTASCAM iXZ

持ち歩き用のサブ機として購入するのも良さそうです。

競合製品との比較

製品PreSonus AUDIO BOX GO 正面
AUDIO BOX GO
Steinberg UR12
UR12
ZOOM AMS-22
AMS-22
メーカーPreSonusSteinbergZOOM
アナログ入力コンボジャック×1
1/4″ライン入力×1
XLR×1
1/4″ライン入力×1
コンボジャック×1
ステレオミニ×1
ゲインレンジ0~50dB10~54dB8~54dB
最大入力レベル+10dBu±0dBu+0.6dBu
ループバック×
実売価格約10,800円約11,000円約11,900円
ECサイトAmazon
楽天市場
サウンドハウス
Amazon
楽天市場
Yahoo!
サウンドハウス
Amazon
楽天市場
Yahoo!
サウンドハウス

最後は同価格帯の競合製品との比較です。

ここでは、定番のSteinberg UR12と同価格でコンパクトなZOOM AMS-22を選出しました。

先に僕の結論をザックリ言うと、以下の通りですね。

それぞれの違いを掘り下げて解説していきます。

Steinberg UR12との比較

Steinberg UR12

UR12のサンプルボイス

まずは1万円近辺のベストセラー製品、Steinberg UR12との比較です。

スペックを比較してみると、以下の通りです。

製品PreSonus AUDIO BOX GO 正面
AUDIO BOX GO
Steinberg UR12
UR12
入力コンボジャック×1
1/4″ライン入力×1
XLR×1
1/4″ライン入力×1
ゲインレンジ0~50dB10~54dB
最大入力レベル+10dBu+0dBu
ループバック×
実売価格約10,800円約11,000円

歌の録音やDTMといった用途では最大入力レベルが高く、バンドルも充実しているAUDIO BOX GOのほうが良いです。

PreSonus AUDIO BOX GO 駆動中。正面

逆にライブ配信での利用においてはループバックがある、UR12のほうが有利です。

Steinberg UR12

なので、歌ってみた・配信の両方をやる方はUR12のほうが使い勝手は良いかなと思います。

配信はやらずに歌ってみたやDTMをやる方、あるいは配信はOBS STUDIOを使う方はAUDIO BOX GOをおすすめします。

補足

OBS STUDIOを使えばソフト側でループバックとほぼ同じことができる

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ZOOM AMS-22との比較

ZOOM AMS-22

AMS-22で録った演奏動画

やさしい痛み / 山根万理奈 【アコースティックCover】

続いて、ZOOM AMS-22との比較です。

AMS-22は非常にコンパクトでAUDIO BOX GOよりも更に小さいです。

製品PreSonus AUDIO BOX GO 正面
AUDIO BOX GO
ZOOM AMS-22
AMS-22
入力コンボジャック×1
1/4″ライン入力×1
コンボジャック×1
ステレオミニ×1
寸法108 mm (W)
84 mm (D)
44 mm (H)
68.0 mm (W)
57.7 mm (D)
46.0 mm (H)
実売価格約10,800円約11,900円

また、AMS-22は歌ってみた、DTMもやれますが、どちらかというと配信向けの製品になっています。

ZOOM AMS-22の左側面
本体スイッチでループバックをON/OFFできる

バンドルされるソフトなどはAUDIO BOX GOのほうが断然豊富なので、DTMではAUDIO BOX GOが有利です。

PreSonus AUDIO BOX GO 駆動中。側面

また、再生音の質や最大入力レベルもAUDIO BOX GOのほうがやや優れています。

そのため、歌ってみたのレコーディングでもAUDIO BOX GOのほうが使いやすいと感じます。

逆に配信ではZOOM AMS-22のほうが使い勝手は良いです。

ZOOM AMS-22 掌に載せた

AMS-22はiOSの配信でも使いやすい仕様になっているので、iPhoneと組み合わせて使うと便利ですね。

そのため、以下のような選び方が良いかと思います。

音楽制作がメインの方はAUDIO BOX GOがおすすめですね。

 

PreSonus AUDIO BOX GO まとめ

PreSonus AUDIO BOX GO 外箱
  • 1万円程度で買えるコンパクトなオーディオインターフェイス
  • 音質は価格相応に良く、歌ってみたの録音などに使いやすい
  • バンドソフトが豊富でDTM入門機にも良い

ぎたすけ

こんなに小さいけど、ちゃんと使えるんだな。すごい

たけしゃん

1万円近辺では珍しく、録音や制作向けの製品というところもいいね

PreSonus AUDIO BOX GOのレビューでした。

低予算で歌ってみた、DTMを始めてみたい方にはとても良い製品ですね。

携帯もしやすいので、色んな使い道がありそうなオーディオインターフェイスです。

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