ぎたすけ
たけしゃん
なお、PCでの利用も含めた製品選びは下記の記事を参照ください。
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iPhone向けオーディオインターフェイスの選び方
昨今ではiPhoneに対応したオーディオインターフェイスは非常に多いです。
一方で注意しないといけないのが、下記の点です。
- アプリによっては使えない機種が多い
- アプリによっては片耳しか音がでない機種が多い
- PCがないとループバック機能やエフェクト機能が使えない機種が多い
このへんの事情を知らずに買って、買い直ししてる人は結構多いです。
なので、本記事でも買い直しを避けるための前提知識を掘り下げて解説していきます。
ちなみにGarageBandなどで音楽制作をするだけの人には注意事項は特にありません。
DAW以外では使わないという方は、本章を飛ばして<iPhone向け製品 おすすめランキング>を参照ください。
通話・会議系アプリでは基本使えない
まず、知っておくべきことは通話モードになるアプリはUSB接続のオーディオインターフェイスは使えません。
通話モードになるアプリの例
- Google DUO
- 電話(iOS純正アプリ)
- LINE通話
- Skype
通話アプリはほぼ全滅。会議系アプリではZOOMくらいしか使えないです。
これはOSの仕様で、通話モードになる場合は内蔵マイクか4極入出力端子が強制的に選択されるようになってます。
なので、iPhoneでテレワークするためにオーディオインターフェイスを買っても使えない可能性が高いです。
ただし、YAMAHA AG03MK2は4極入出力に対応したAUX端子があるので通話モードでも使えます。
なので、通話やテレビ会議などのアプリで使いたい人はAG03MK2を買いましょう。
ライブ配信アプリはモノラル・ステレオがある
続いてはライブ配信アプリについてです。
iOSのライブ配信アプリはアプリごとに仕様が異なり、モノラルとステレオで分かれてます。
モノラルのアプリは特に問題ないですが、ステレオのアプリはマイク1本だと片耳からしか音が出ません。
具体的にはオーディオインターフェイスのIN1に挿したマイクはLから、IN2に挿したマイクはRから音が出ます。
たまに片耳からしか音が聞こえない配信者がいると思いますが、まさにこの現象が起きてます。
2021年3月に主要なライブ配信アプリを動作確認した結果がこちら。
アプリ | 仕様 |
17Live | モノラル |
nana | モノラル・ステレオ切替可能 |
nanaパーティー | ステレオ |
Poco-cha | ステレオ |
インスタライブ | モノラル |
LINEライブ | モノラル ※1chしか認識しない |
ツイキャス | ステレオ |
YouTube Live | ステレオ |
TikTok | モノラル ※1chしか認識しない |
GarageBand | モノラル・ステレオ切替可能 |
iOSのビデオ | ステレオ |
Spoonは調査してませんが、バイノーラル配信ができるのでステレオだと思われます。
対策はオーディオインターフェイスのステレオミックス機能を使うことです。
ただ、ステレオミックス機能を使える機種は非常に少なく、人気機種ではAG03MK2とUR22Cくらいです。
AG03MK2とUR22Cはループバック機能をONにすることでステレオミックスになります。
たけしゃん
なお、iOS純正のビデオアプリもステレオなので、同様の現象が起きます。
ビデオアプリで演奏動画をサッと録りたいときはステレオミックスを使いましょう。
PCがなくても調整可能な機種を選ぶ
多くのオーディオインターフェイスは専用ソフトで機能のON/OFFや調整を行います。
その専用ソフトは基本的にPCでしか動きません。
なので、PCがないとループバックやエフェクトなどの便利機能を使えない製品が非常に多いです。
そのため、iPhoneメインで使う人はスマホアプリが用意されている機種を選びましょう。
そして、スマホアプリが用意されているのはまたまた、AG03MK2とUR22Cくらいです。
UR22CとAG03MK2はスマホ専用アプリでエフェクトのON/OFFや細かい調整ができます。
今後はスマホアプリを用意するメーカーも増えると思いますが、2022年現在はまだまだ少ないですね。
そんなわけで、現状はiPhone用だとUR22CとAG03MK2がぶっちぎりで強いです。
iPhoneとオーディオインターフェイスの接続
iPhoneとオーディオインターフェイスを接続するにはUSBカメラアダプタが必要です。
多くの製品はUSBカメラアダプタでスマホと接続しつつ、電源供給を別で行う形式になっています。
一方で一部のオーディオインターフェイスはiPhoneからのバスパワーだけで駆動します。
ただし、その場合はUSB3カメラアダプタでiPhone側に給電が必要な製品が多いです。
なので、とりあえずはUSB 3カメラアダプタを買っておくのが安定です。
配信しながらスマホを充電できるので便利ですしね。
なお、この後のおすすめベスト5では、iPhoneとの接続で必要となるアイテムも合わせて紹介しています。
なので、セット買いしてもらえれば大丈夫です。
iPhone向けオーディオインターフェイス おすすめランキングベスト5
続いては、iPhone向けのおすすめオーディオインターフェイスを5品紹介していきます。
これまで説明した通りで、iPhone用ならAG03MK2とUR22Cがぶっちぎりで強いです。
ただ、この2製品は人気で在庫切れしているか、価格高騰していることが大半です。
在庫がないときは他の製品も合わせて検討してください。
ランキング一覧表
5位 TASCAM iXZ
nana用のオーディオインターフェイスとして定番になったTASCAM iXZ。
3.5mm 4極ミニプラグが使えるスマホであれば使用できるため、スマホ用のオーディオインターフェイスとして人気が高いです。
本体は小さいですが、ファンタム電源もついているのでコンデンサーマイクも使用できます。
nanaとかモノラルのライブ配信アプリで使う分には十分です。
iXZで録ったnanaの音源
一方で必要最低限の機能に絞っているので、ループバックやステレオミックスなどの機能はありません。
今でもステレオのiOSアプリで使わない人には人気のオーディオインターフェイスですね。
アプリ | 仕様 |
17Live | モノラル |
nana | モノラル・ステレオ切替可能 |
nanaパーティー | ステレオ |
Poco-cha | ステレオ |
インスタライブ | モノラル |
LINEライブ | モノラル ※1chしか認識しない |
ツイキャス | ステレオ |
YouTube Live | ステレオ |
TikTok | モノラル ※1chしか認識しない |
GarageBand | モノラル・ステレオ切替可能 |
iOSのビデオ | ステレオ |
なお、iXZは単三電池×2で駆動します。
そのため、特に電源供給などは不要で、3.5mmプラグでiPhoneと接続すればいいだけです。
代わりにApple Lightning – 3.5mmの変換アダプタが必要です。
4位 MOTU M2
入力端子 | コンボジャック×2 |
出力端子 | 1/4 “TRSライン出力×2 RCA ×2 ヘッドホン端子 ×1 |
サンプルレート | 192kHz |
接続端子 | USB-C |
ループバック | × |
ステレオミックス | × |
iOS専用アプリ | × |
iOS用 DAW | なし |
実売価格 | 約28,600円 |
昔からMacのプロユーザーで使用者が多いメーカーMOTUの低価格モデルM2です。
3万円未満とは思えない高音質なオーディオインターフェイスです。
マイクプリの品質が良く、GAINも余裕があるので増幅してもクリア。
低価格帯でも、MOTUらしいピュアで存在感のある音で録れます。
MOTU M2でボーカル、アコギを録った動画がこちら。
歌ってみたなど音楽制作を積極的にやっていく人にはすごく良い製品です。
一方でiPhoneではループバックやステレオミックス機能が使えないため、UR22CやAG03MK2と比べて不便ではあります。
ライブ配信アプリはモノラルのものを選択しないといけません。
GarageBandやnanaの録音、モノラルの配信アプリなら問題ないので、その用途であれば前向きに検討してほしいですね。
録音、再生ともに3万円未満の機種では音質はトップレベルです。
なお、iPhoneの接続にはUSBカメラアダプタとセルフパワータイプのUSBハブが必要です。
音質は本当に素晴らしいので、歌録りなどが中心の人にはおすすめです。
3位 M-AUDIO M-TRACK SOLO
項目 | 機能・スペック |
アナログ入力 | コンボジャック ×1 LINE ×1 |
サンプリングレート | 48kHz/16bit |
接続端子 | USB 2.0 |
ループバック | × |
ステレオミックス | × |
iOS専用アプリ | × |
iOS用 DAW | 付属なし |
実売価格 | 約5,500円 |
DTM系のメーカーでは有名なM-Audioの格安オーディオインターフェイス M-Track SOLO。
この機種の凄いところは5,500円程度でしっかり良い音で録れることです。
入力端子はコンボジャックとLINEが1つずつでコンボジャックはファンタム電源に対応しています。
一通りの機能が備わっており、歌ってみたなどをやるには問題ないレベルになってます。
実際にM-Track SOLOで録った動画がこちら。
音質もまあまあといったところで、価格を考えると十分すぎるレベルです。
一方でループバック、内蔵エフェクト、ステレオミックスなどの機能は一切ありません。
そのため、使用するライブ配信アプリがステレオだと片耳しか音が出ないです。
とはいえ、nana、TikTok、インスタライブなどはモノラルなのでM-Track SOLOで問題なさそうです。
また、GarageBandで曲制作する分にも問題ありませんね。
iPhoneの接続に際しては、バスパワーで動くのでUSB 3カメラアダプタで接続するだけでOKです。
ただし、iPhoneが充電状態でないとM-Trackの電源が入りません。
なので、USBカメラアダプタではなく、USB 3カメラアダプタでiPhoneへの電源供給を行いましょう。
また、M-Trackには入力端子がコンボジャック×2になった、M-Track DUOもあります。
価格差は+1,000円程度です。マイク2本使いたい人はM-Track DUOを選択しましょう。
2位 Steinberg UR22C
項目 | 機能・スペック |
アナログ入力 | コンボジャック ×2 |
サンプリングレート | 192kHz/32bit |
接続端子 | USB 3.0 |
ループバック | 〇 |
ステレオミックス | 〇 |
iOS専用アプリ | 〇 |
iOS用 DAW | Cubasis LE |
実売価格 | 約17,800円 |
配信・DTMのどちらでも人気の高いSteinberg UR22Cです。
USB 3.0対応に加えて、専用アプリで操作可能な内蔵エフェクトも搭載されています。
マイクプリにはYAMAHAのD-PREが採用されており、音質も安心。
コンボジャック2基なので、マイク2本やマイク&ギターといった組み合わせも接続可能です。
サンプリングレートも192kHz/32bit対応となっており、ハイレゾ音源も余裕で作れます。
UR22Cを使って、録音した動画がこちら。
DTM、歌ってみた、弾き語り動画の制作で十分に使える音質です。
そして、UR22Cの強みはiPhoneでの使い勝手の良さです。
iOS専用アプリを使って、ループバックや内蔵エフェクトを細かく調整できます。
ループバックをONにすることで音をステレオミックスできるので、ステレオのアプリでも問題ないのも強いですね。
更にはiOSで動くDAW、Cubasis LEが付属しています。
Cubasis LEは無料だと使用制限がありますが、無料でも色んなことができます。
有料アップグレードすると、PCで使うDAW並みに便利なのもすごいところですね。
なお、iPhoneとの接続に際しては別途、UR22C側に電源供給が必要です。
付属品だけでは足りないので、別途5V DC用のUSBケーブル、USBコンセントを買っておきましょう。
1位 YAMAHA AG03MK2
項目 | 機能・スペック |
アナログ入力 | コンボジャック ×1 LINE ×1(ステレオ) |
サンプリングレート | 192kHz/24bit |
接続端子 | USB 2.0 |
ループバック | 〇 |
ステレオミックス | 〇 |
iOS専用アプリ | 〇 |
iOS用 DAW | Cubasis LE |
実売価格 | 約18,300円 |
ライブ配信・ゲーム実況をする人に定番のミキサー型オーディオインターフェイス YAMAHA AG03MK2。
機能面では一番便利です。何でもできます。
マイクプリにはYAMAHAのD-PREが採用されており、192kHz/24bitのレートまでカバーしています。
音も普通に良いので、ライブ配信と歌ってみた兼用機種としてちょうど良い製品ですね。
実際にAG03MK2とコンデンサーマイクYCM01で録った動画がこちら。
低価格ですが、十分良い感じの音質になっています。
そして、AG03MK2の一番の強みは対応力です。
本体のスイッチが充実しており、エフェクトやループバックON/OFFは本体だけで可能です。
エフェクトのかかり具合はiOS専用アプリで調整できるようになってます。
さらにAUX端子が4極入出力端子になっているので、通話やLINEなどでもAG03MK2を使えます。
4極入出力接続に使うケーブル
そして、iOS用のDAWとしてCubasis LEが付属しています。
iPhoneでの利用に関しても、至れり尽くせりですね。
AG03MK2なら、iPhoneで配信、テレワーク、録音など何でもこなせます。
iPhoneとの接続に際しては別途、AG03MK2側に電源供給が必要です。
付属品はUSBケーブル1本なので、別でUSB-Cケーブルと対応するUSBコンセントを買いましょう。
PCがなくて、iPhoneだけで運用するならAG03MK2が間違いないです。
たけしゃん
iPhone向けオーディオインターフェイス まとめ
- iPhoneはアプリによって最適な製品が変わる
- iPhoneでの利用ならUR22CとAG03MK2がぶっちぎりで便利
- 音質重視であればMOTU M2がおすすめ
ぎたすけ
たけしゃん
iPhone向けのオーディオインターフェイスについての解説でした。
DTMerの方はiPhoneでオーディオインターフェイス使わないので、どうしても情報が少ないんですよね。
それでいて、PCよりもiOSのほうが罠がたくさんあって、買い直ししてる人が多いです。
本記事を参考に製品選びは慎重に行ってください。
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