audio technica AT2040USBをレビュー。周囲の音を拾いにくいハイパーカーディオイドのダイナミックマイク

audio technica AT2040USBとマイクロホンスタンドのAT8703を組み合わせた。マイクアップ

評価:4

ぎたすけ

USBマイクでハイパーカーディオイドって珍しい気がする

たけしゃん

確かにUSBマイクでハイパーカーディオイドのマイクってほとんどない気がするね
補足

レビューするためにメーカー様からデモ機をお借りしました

AT2040USBの評価
音質
 (3.5)
使い勝手
 (4)
価格(21,780円)
 (4)
総合評価
 (4)
メリット
デメリット
  • 環境ノイズを拾いにくい
  • マイクの音量も十分
  • ヘッドホンが大出力で音も良い
  • ポップフィルター・ショックマウント内蔵
  • コンデンサーマイクより音質は劣る
  • 本体にマイク入力レベルを調整できるノブがない
用途 項目
原稿を読んでいる男性
ライブ配信
環境ノイズに強い
マイクを設置しているスタジオ
DTM
AT2040の方が良い
オンラインで仕事しているところ
テレワーク
環境ノイズに強い
別途スタンドがいる

ボイス

ボーカル

本記事はUSBタイプのAT2040USBのレビュー記事です。

XLRタイプのAT2040のレビューを見たい方は下記を参照ください。

この記事の著者
音楽ブロガーたけしゃん

ミュージシャン

たけしゃん

tkshan

プロフィール

ギター弾き語りのシンガーソングライター。長年の音楽活動や音楽の仕事で得た知識・経験を基にブログを書いています。
雑誌の音楽記事執筆、音楽専門書の執筆(工学社)、nana公認クリエイター、IPC VOICE STUDIO公認ボイストレーナーです。
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audio technica AT2040USB

audio technica AT2040USB  正面
マイクタイプUSBダイナミックマイク
指向性ハイパーカーディオイド
周波数特性80~16,000Hz
サンプリング周波数96kHz / 24bit
寸法 145.3 × 52mm
重量約600g
公式HP

audio technicaのUSBタイプのダイナミックマイク AT2040USB

配信などで人気のXLRマイク AT2040をUSBタイプにした製品ですね。

audio technica AT2040USB  とAT2040側面アップ
左がAT2040USB、右がAT2040
audio technica AT2040USB  とAT2040の下部

AT2040USBはUSBで電源供給できるため、色んな機能が追加されています。

audio technica AT2040USB  コントロールパネル

実際に使ってみたところ、やはりコンデンサーマイクと比べて環境ノイズには強いですね。

自宅環境での配信、動画制作、テレワークといった用途ではかなり使いやすいです。

まずはAT2040USBの製品仕様から解説していきます。

仕様を飛ばしてレビューを読みたい方は<AT2040USBをレビュー>を参照ください。

ハイパーカーディオイド

マイクの指向性 カーディオイド・スーパーカーディオイド・ハイパーカーディオイドを説明した図解

AT2040USBは収音範囲が狭いハイパーカーディオイドを採用したマイクです。

収音範囲が狭いため、周辺のノイズを拾いにくい仕様となっています。

ちなみにUSBマイクでハイパーカーディオイドを採用したマイクはかなり少ないです。

audio technica AT2040USB  斜め上から撮った

そもそも、USBタイプだとダイナミックマイク自体が少ないので、AT2040USBは大分レアな製品ですね。

配信・撮影する場所がややうるさい環境の場合はAT2040USBを選ぶと有効です。

本体機能

audio technica AT2040USBをマイクアームに取付けた。横から撮影

AT2040USBは本体にミュートタッチセンサーとローカット機能が搭載されています。

ミュートタッチセンサーは本体前面についており、タッチするだけでミュートのON/OFFが切り替わります。

audio technica AT2040USB 通常状態
通常の状態は青
audio technica AT2040USB ミュート状態
ミュート時は赤

タッチセンサーなので触るだけで反応します。

押す必要がないため、切替時に「カチッ」といった音は鳴りません。

ローカット機能は本体下部の接続端子などが揃っている部分にスイッチがあります。

audio technica AT2040USB  コントロールパネル

80Hz、18dB/octaveで機能するので、ONにすると振動ノイズや環境ノイズを抑制できることがあります。

なお、マイク入力を調整できるノブは付いていません。

そのため、マイク入力の音量はPCやスマホなどの接続端末側で調整しましょう。

ミックス可能なヘッドホン出力

audio technica AT2040USBをマイクアームに取付けた。横から撮影

AT2040USBには3.5mmヘッドホン端子がついています。

audio technica AT2040USB  コントロールパネル
3.5mmのヘッドホン端子になっている

ヘッドホン端子を通して、マイクの入力音声とPCなどの端末からの音声をモニターできます。

補足

ヘッドホンに流れるマイク入力音声はダイレクトモニタリングです

そして、本体底面にはヘッドホンの音を調整するためのノブが2個ついています。

audio technica AT2040USBはヘッドホン出力とミックスコントロールノブがある

左のヘッドホン出力ノブはヘッドホンの音量を上げ下げするものです。

対して右のミックスコントロールはマイクの入力音とPCなど端末からの音のバランスを調整できるものです。

ミックスコントロールは回す方向で以下のように動作します。

audio technica AT2040USBはマイク入力と端末からの音のボリュームを調整できる
回す方向効果
マイクアイコンマイク入力の音が大きくなる
端末の音が小さくなる
PCアイコンマイク入力の音が小さくなる
端末の音が大きくなる

具体的には歌枠などで、自分の声とカラオケの音量バランスを調整する際などに使えます。

なお、ミックスコントロールもヘッドホン出力もヘッドホンの音量にだけ反映されます。

audio technica AT2040USB  下部

リスナーなど相手に聞こえる音量には影響しないため、注意しましょう。

また、AT2040USBのヘッドホン出力はかなり大出力になっています。

そのため、ハイインピーダンスのプロユースヘッドホンなどもしっかり鳴らせます。

audio technica ATH-R70x
audio technica ATH-R70x
ハイインピーダンスのヘッドホン

低ノイズだが音量が小さく、PCやスマホの端子では音量が不足しがち

また、音量をかなり上げてもノイズなどは載らずにクリアなままです。

他のUSBマイクと比べても、明らかに品質が良いですね。

付属品

audio technica AT2040USB付属のUSBケーブルとUSB-C変換アダプタ

AT2040USBの付属品はUSBケーブルです。

先端にはUSB Type-A to Cに変換できるアダプターがついています。

また、マイク本体側にマウンティングクランプ AT8487が装着されています。

audio technica AT2040USB  右側面
マイクスタンド用の変換ネジもついている
audio technica AT2040USB  パーツを外したところ
AT8487を外すとこうなる

更に本体にはポップフィルター・ショックマウントが内蔵されています。

そのため、このまま別売りのマイクスタンドやマイクアームに接続して使用できます。

audio technica AT2040USBをマイクアームに取付けた。左側面から撮影
マイクスタンドは付属しないので別途必要です

マイクアームで使ってみた所感では、別売りのショックマウントやポップフィルターはなくても大丈夫ですね。

卓上スタンドで使いたい場合は別売りのAT8703を購入しましょう。

マイクロホンスタンドのaudio technica AT8703 側面
AT8703
audio technica AT2040USBとマイクロホンスタンドのAT8703を組み合わせた写真

AT8703は高さもあって、ちょうど口元にマイクが来ます。

また、AT2040USBはショックマウント内蔵タイプですが、別売りのAT8458aも取付できます。

audio technica AT2040USBにショックマウントAT8458aを取り付けた。斜め前から撮った
AT8458aを取り付けた状態

使ってみた感じはマイクアームやマイクスタンドなら、AT2040USB内蔵のショックマウントで十分ですね。

audio technica AT2040USBをマイクアームに取付けた。横から撮影

一方で卓上スタンドAT8703だとキーボードの振動ノイズを拾うため、AT8458aもあったほうが良いです。

audio technica AT2040USBにショックマウントAT8458aを取り付けた。横から撮影

AT8458aなし

AT8458aあり

自宅で使う方はAT8700Jなどのマイクアームで使うのが良さげです。

対して、色んな所に持ち運ぶ方は卓上マイクスタンドが便利ですね。

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audio technica AT2040USBをレビュー

audio technica AT2040USBとマイクロホンスタンドのAT8703を組み合わせた。マイクアップ
AT2040USBの評価
音質
 (3.5)
使い勝手
 (4)
価格(21,780円)
 (4)
総合評価
 (4)

それでは、AT2040USBを細かくレビューしていきます。

はじめにメリット・デメリットを箇条書きでまとめると以下の通りです。

メリット
デメリット
  • 環境ノイズを拾いにくい
  • マイクの音量も十分
  • ヘッドホンが大出力で音も良い
  • ポップフィルター・ショックマウント内蔵
  • コンデンサーマイクより音質は劣る
  • 本体にマイク入力レベルを調整できるノブがない

やはり強みは環境ノイズを拾いにくい点ですね。

ダイナミックマイクかつハイパーカーディオイドなので、音を拾う範囲が狭いです。

レビューではサンプル音付きで他マイクと比較していくので、参考にしてください。

環境ノイズに強い

audio technica AT2040USBにAT8458aを取付けた。斜め下から撮影
ショックマウントは別売りのAT8458a

AT2040USBはハイパーカーディオイドなので、環境ノイズを拾いにくい仕様になっています。

カーディオイドのコンデンサーマイク AT2020USB-Xと比較してみましょう。

補足

車の走行音を流した状態で録音しています

AT2040USB

audio technica AT2040USB  斜め上から撮った

AT2020USB-X

audio technica AT2020USB-X

AT2040USBで録音した音声のほうが車の走行音は小さいですね。

周辺道路や隣の部屋からの雑音が心配な方はAT2040USBを選んだほうが良いです。

なお、AT2040USBは収音範囲が狭いため、口元に持ってきてきたほうが良いです。

audio technica AT2040USBをマイクアームに取付けた。横から撮影

口元から距離を離して使うこともできますが、その場合はAT2040USBの強みを発揮しづらいですね。

なので、基本はマイクアームとの併用をおすすめします。

音の解像度はコンデンサーマイクに劣る

audio technica AT2040USBにショックマウントAT8458aを取り付けた。横から撮影
ショックマウントは別売りのAT8458a

AT2040USBはダイナミックマイクなこともあり、音の解像度はコンデンサーマイクより劣ります。

こちらもサンプル音を聴き比べていただくと、よくわかります。

AT2040USB

audio technica AT2040USB  斜め上から撮った

ボイス

ボーカル

AT2020USB-X

audio technica AT2020USB-X

ボイス

ボーカル

AT2020USB-Xの音に比べると、AT2040USBはややこもっているのがわかります。

AT2020USB-Xは音が鮮明で立体感がありますね。

そのため、環境ノイズがあまり気にならない部屋ならAT2020USB-Xのほうが良いです。

audio technica AT2020USB-X 通常時

AT2020USB-XはUSBマイクの中でもトップレベルの音質なので、AT2040USBと比べてもワンランク音が良く感じますね。

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ヘッドホン出力の音が良い

audio technica AT2040USB  下部

AT2040USBは高出力のヘッドホンアンプを内蔵しています。

USBマイクのヘッドホンアンプの中ではかなり高音質です。

そのため、AT2040USBならハイインピーダンスのモニターヘッドホンをしっかりと鳴らすことができます。

audio technica ATH-R70x
補足

ハイインピーダンスのヘッドホンだと、多くのUSBマイクで出力が足りない

また、普通のヘッドホンやイヤホンでも、出力に余裕があり、サーというホワイトノイズが出ません。

USBマイクのヘッドホン端子だとイヤホンで音量を上げると、ホワイトノイズが気になるものは多いです。

iPhone付属のイヤホン

AT2040USBはヘッドホン端子の音質が良いため、普通のリスニング用途でも活用できますね。

SHURE MV7との比較

製品audio technica AT2040USB  右側面
AT2040USB
SHURE MV7
MV7
メーカーaudio technicaSHURE
指向性ハイパー
カーディオイド
カーディオイド
種類ダイナミックダイナミック
※XLR/USB両対応
レート96kHz / 24bit48kHz / 24bit
アプリ×
機能ローカットEQ
COMP(LIMITER)
AUTO LEVEL
実売価格約21,780円約33,800円
EC公式ストア
Amazon
楽天市場
サウンドハウス
Amazon
楽天市場
Yahoo!
サウンドハウス

最後は同じUSBタイプのダイナミックマイク SHURE MV7との比較です。

比較した印象を箇条書きでまとめると以下の通りでした。

  • 環境ノイズ対策はMV7のほうがやや優れている
  • ヘッドホン端子の音質はAT2040USBのほうが優れている
  • マイク入力の音量はAT2040USBのほうが大きい
  • 機能面では専用アプリがあるMV7のほうが優れている

とまあ、お互いに良いところがあり、どっちが良いと評価するのは難しいです。

ここからは上記の4項目の評価理由を掘り下げて説明していきます。

環境ノイズ対策

まず、環境ノイズ対策ではMV7が若干勝ってるように感じました。

こちらはサンプルボイスを聴き比べてみてください。

AT2040USB

audio technica AT2040USB  斜め上から撮った

ボイス(車の走行音あり)

ボイス(車の走行音なし)

MV7

SHURE MV7

ボイス(車の走行音あり)

ボイス(車の走行音なし)

どちらも低ノイズですが、MV7のほうが若干車の走行音が小さいです。

MV7は指向性はカーディオイドですが、独自のボイスアイソレーション・テクノロジーで環境ノイズの混入を抑制しています。

また、音質もやや異なり、MV7はAT2040USBより中低音が充実している印象を受けます。

SHURE MV7

声が低い方はMV7のほうが魅力は出しやすいように感じました。

逆に高い声を活かしたい方はAT2040USBのほうが抜けが良いので明るく聴こえそうです。

ヘッドホン端子

続いでヘッドホン端子ですが、こちらはAT2040USBのほうが優れています

audio technica AT2040USB  斜め上から撮った

MV7だとハイインピーダンスのヘッドホンは音量が不足気味です。

また、イヤホンでも音量を90%以上にすると「サー」というノイズが目立ちます。

SHURE MV7 横から

対して、AT2040USBは出力に大分余裕があります。

また、ヘッドホンアンプの質も良く、MV7のMAX相当まで音量を上げてもノイズはほとんど聞こえません。

マイク入力の音量

マイク入力についてもAT2040USBのほうが音量は大きいです。

audio technica AT2040USBにAT8458aを取付けた。斜め下から撮影

サンプルボイスもAT2040USBは音量 67%で録音していますが、MV7は85%で同じくらいでした。

MV7だと人によっては音量が足りないかもしれません。

SHURE MV7のタッチパネル
MV7は本体でマイク音量を調整できる

AT2040USBはコンデンサータイプとあまり変わらないレベルまで上がるため、音量不足の心配はないかと思います。

機能の豊富さ

最後は機能面ですが、アプリがあるMV7のほうが断然多機能です。

SHURE PLUS MOTIVのautoモード

MV7は専用アプリを介してEQ、コンプレッサー、AUTO LEVEL(音量自動調整)が使えます。

また、MV7はXLR/USB両対応なので、オーディオインターフェイスやミキサーを挟んでも使用できます。

SHURE MV7の接続端子
XLRとUSBの両端子がある

その分、AT2040USBと価格差があります

AT2040USBは2.1万円程度ですが、MV7は3.3万円程度なので価格的にもワンランク上のモデルです。

筆者の個人的な意見では、下記のように選択肢を変えるのが良いと思います。

  • 雑談・ゲーム配信・動画制作ならAT2040USB
  • 歌枠やDTMもやるならMV7
  • 音響機器の取扱に自信がない人はMV7

まず、動画制作・配信用途ならAT2040USBで十分です。

audio technica AT2040USBにAT8458aを取付けた。真横から撮影

MV7は音楽用途など、もう少し音の調整をシビアにやりたい場合に有効です。

また、MV7はAUTO LEVELがあるため、音量調整などに自信がない人にもおすすめですね。

SHURE PLUS MOTIVのautoモード
MV7は自動で音量調整してくれる

その分、値段も高いので配信や動画制作用途ならAT2040USBにしてマイクアームなどに予算を回すほうが総合的にプラスになりますね。

 

audio technica AT2040USB まとめ

audio technica AT2040USB  外箱
  • USBで珍しいハイパーカーディオイドのダイナミックマイク
  • 収音範囲が狭く、環境ノイズに強い
  • 大出力ヘッドホンアンプ搭載で音も良い

ぎたすけ

やっぱり、ハイパーカーディオイドだと環境ノイズには強いんだな

たけしゃん

劇的とまではいかないけど、それなりに強くなるから一般住宅では使いやすいマイクだね

audio technica AT2040USBのレビューでした。

USBタイプでは珍しいハイパーカーディオイドマイクです。

収音範囲を狭めて、ピンポイントで音を狙いたい人におすすめですね。

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