ぎたすけ
たけしゃん
- L.R.Baggs Anthemの種類
- L.R.Baggs Anthemのプロアーティスト使用者
- L.R.Baggs Anthemのレビュー
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L.R.Baggs Anthemについて
- インブリッジピエゾとコンデンサーマイクのデュアルピックアップ
- ホールサウンド部分にコントローラーがつく
- Gibson上位モデルの一部で標準ピックアップとして使用されている
後付けピックアップでは人気No.1であろう製品、L.R.Baggs Anthem。
徐々に増えてきたデュアルタイプのピックアップの中でも代表格と言える製品です。
プロアーティストでも使用者がかなり多く、特にGibsonのアコギに後付けで付けているパターンが目立ちますね。
- 桜井和寿(Mr.children)
- 斉藤和義
- 星野源
- 秦基博
- miwa
特にAnthemを愛用しているのは秦基博さんですね。
ライブで使用する手持ちのギターはMaton以外はほとんどAnthemで統一しているほどです。
L.R.Baggs Anthemの種類
- L.R.Baggs Anthem…ホール横にVol、ミックス、フェイズスイッチあり
- L.R.Baggs Anthem SL…ホール横にはVolのみ
AnthemはL.R.Baggs Anthem(無印)とL.R.Baggs Anthem SLの2種類があります。
違いはコントローラー部分でL.R.Baggs Anthemのコントローラーはこれ。
対して、L.R.Baggs Anthem SLは簡素でボリュームとマイクゲイン調節の2つしかありません。
マイク・ピエゾの比率調節はマイクゲイン調節(精密ドライバーが必要)を使って調節するしかありません。
なので、弾き語り・バンドの両方で使うならL.R.Baggs Anthem(無印)一択です。
マイク・ピエゾの比率は楽器構成やステージの広さによってリハーサル時に調節したいですから、精密ドライバーが必要なAnthem SLはさすがに不便です。
ピエゾとマイクのデュアル
L.R.Baggs Anthemはピエゾとマイクでそれぞれ拾った音を出力するデュアルタイプのピックアップです。
定番のインブリッジピエゾであるL.R.Baggs ElementとTrue-Micという2つのピックアップが搭載されています。
2つの音をミックスして出力するプリアンプにはマイク・ピエゾの比率調節ツマミがあり、どちらの音量を強くするかを調節できます。
ピエゾに全振りすると完全にL.R.Baggs Elementの音だけになります。
対して、マイクに全振りしても200Hz以下はピエゾが残る仕様のためマイクオンリーの音にはできません。
また、コントローラー端にマイクゲイン調節の+ネジがあります。
精密ドライバーで回すことでマイクのゲインを上げることができるため、マイクの音を中心にすることが可能です。
しかし、弦を思い切り緩めた上で、精密ドライバーを使わないと設定をいじれないので調節に勇気がいります。
リハーサルでハウリングが起きても、サッと変えられるものじゃないのが痛いところです。
バッテリーチェック機能
L.R.Baggs Anthem(無印)にはバッテリーチェック機能がついています。
内部コントローラーのボタンを長押しすると上部の5つのバッテリーランプが残量に応じた数だけ点灯します。
ライブ前に確認することでバッテリー切れを防ぐことができるため、助かる機能ですね。
LEDランプ2つ点灯で残り8時間程度、1つ点灯は交換タイミングとなっています。
Anthemがつけられないアコギ
Anthemは優秀なピックアップですが、付けられないアコギが割と多いです。
その原因はピエゾであるElementです。
インブリッジピエゾなのですが、サドルが特殊なアコギには付けられません。
代表例は下記の2つのサドルですね。
- アジャスタブルサドル…1960年代に作られたGibsonアコギに用いられているサドル
- ロングサドル…1965年以前に作られたMartinアコギにメインで用いられているサドル
昔のアコギだけだし…と思いきや、昔の仕様を踏襲している限定モデルは多く販売されているため、割とよく引っかかります。
実際に秦基博さんはアジャスタブルサドルを通常サドルに換装してAnthemを取付けしています。
換装するもよし、他のピックアップを選ぶのも良いでしょう。
また、ロングサドル(Martin)についてはFISHMANがロングサドル対応のワイドタイプのピエゾピックアップを販売しています。
サドルを換装するよりはFISHMANのデュアルピックアップであるEllipse Matrix Blendなどを付けるのが良いでしょう。
Anthem(無印)
L.R.Baggs Anthem レビュー
それでは、L.R.Baggs Anthemをレビューしていきます。
はじめに総評すると「ライブ向けの後付けピックアップとしては最有力」です。
使っていて、音質にやや不満を感じる場面はあるもののライブで使うピックアップとしては音質も良く、ハウリングもし辛いです。
価格的にも3万円程度なので、トータル的にかんがえると人気No.1ピックアップなのも納得です。
ライブでの音質は良好
L.R.Baggs Anthemはピエゾの出力の高さとマイクのナチュラルな音質を良いとこ録りした音質です。
秦基博さんのLive動画を見ても、良い感じです。
L.R.Baggs Elementを使ったことがある人ならマイクの音が入るだけで、これだけピエゾ臭が薄まるのか…と驚くはず。
それだけ、Elementオンリーの音と比べて劇的な改善っぷりです。
実際にAnthemでピエゾに全振りすると、Elementオンリーの音になりますが強烈なピエゾ臭で聞き苦しいです。
Anthemを使うとピエゾオンリーのピックアップには戻れないですね。
ピエゾやマグネットだけではここまでエアー感ある音は出せません。
なので、現存の後付けピックアップでは二ケタ万円するような製品を除くとトップレベルの音質です。
コンデンサーマイクと比べると分が悪い
アコギ内蔵のピックアップ…と考えると相当頑張ってますが、やはりコンデンサーマイクを立てて録る音にはかないません。
ピエゾ感が出ちゃってて、ナチュラル感はかなり薄いです。
同じギターをコンデンサーマイクで録った動画がこちら。
さすがにコンデンサーマイクで録ったほうが、断然ナチュラルでアコギっぽさが出てます。
やっぱり、レコーディングなどはコンデンサーマイクを使いたいところ。
欲を言えば、自宅でのライブ配信やYouTubeの弾き語り動画もコンデンサーマイクがいいなぁと思っちゃいますよね。
…と言ってもピエゾやマグネットオンリーと比べるとかなり良いですからね。
実際にAnthemのブレンドツマミをピエゾ全振りにした音だとライブならともかく、ライン録りだとピエゾ臭強すぎて聴いてられないですから(苦笑)
マイク全振りはFISHMANが上
僕のメインギターのTaylorはFISHMAN製のデュアルピックアップ(ピエゾ&マイク)なのですが、FISHMANのデュアルはマイク全振りでピエゾの音を切れます。
なので、マイク録りした音を前面に押し出したい人はFISHMANのデュアル(Ellipse Matrix BlendやRARE EARTH BLEND)がおすすめです。
ただ、僕の使用している経験上で言うとマイク全振りってあんまり使わないんですよね。
ライブハウスではハウリングが起きやすいし、マイクオンリーだと指弾きの音の抜けがイマイチだったりするので2割程度はピエゾを入れることがほとんどです。
そして、レコーディングではマイキングで位置調節したいので、結局コンデンサーマイクを立ててます。
マイク全振りが活きるのはライブ配信するときくらいです。
ハウリング耐性はAnthem
FISHMANのデュアルよりAnthemのほうがハウリングが起きにくいです。
おそらく、Anthemはマイク全振りしてもピエゾがカバーするため、マイク出力はそこまで上がらないからでしょう。
実際のライブで使用した中では、マイク全振りのセッティングで何の苦労もなく音作りは終わりました。
逆にFISHMANでマイク全振りにすると返しの音でハウリングが起きることは結構あるので、リハーサルでピエゾ比率を調節してます。
なので、感覚的には音作りの自由度が高いのはFISHMAN。
セッティングが楽なのはAnthemといった感じです。
色んな現場でライブすることを考えるとAnthemは楽ですね。
プロアーティストで使用者が多いのも納得です。
L.R.Baggs Anthem まとめ
- マイクとピエゾのデュアルタイプのピックアップ
- サドルが特殊なギターは通常サドルに換装しないと付けられない
- ライブで使うには使いやすくて優秀
ぎたすけ
たけしゃん
L.R.Baggs Anthemの解説でした。
最近ではCole ClarkやYAMAHAがデュアルを上回る3Wayピックアップなるものを搭載したエレアコを販売しています。
3Wayピックアップと比較するとAnthemはやや劣る感は否めませんが、3Wayは現状単独では売られてないですからねぇ。
後付けできるピックアップで考えると、やっぱりL.R.Baggs Anthemは最有力となる製品ですね。
ピックアップの後付けを検討すると、アコギ選びもグッと選択肢が増えます。
お気に入りのアコギにAnthemを搭載してレコーディング・ライブ共に万能なスーパーギターを作りましょう。
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