ぎたすけ
たけしゃん
- 弦の太さによる違い
- 弦の太さを決めるポイント
- プロアーティストの太さ別の使用率
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ギター弦の太さ 種類と特徴
弦の太さについて解説する前にパッケージにどのように書かれているか見てみましょう。
これは「Martin アコースティックギター弦 ACOUSTIC (80/20 Bronze) M-140 Light .012-.054」という商品。
左上の赤枠の中に書かれている数値が弦の太さです。
この商品は「.012-.054」。
この表記は1弦が0.012インチ、6弦が0.054インチという意味になります。
また、数値の上に「LIGHT」という文字がありますね。
わかりやすいようにギターの弦は太さによって分類分けされています。
Martinの例でいうと下記のような分類になってます。
- EXTRA LIGHT(.010-.047)
- CUSTOM LIGHT(.011-.052)
- LIGHT(.012-.054)
- MEDIUM(.013-.056)
大体、どこのメーカーも分類は同じ。弦の太さが若干異なるくらい。
Elixirは上記の表記に「LIGHT/MEDIUM(.012-.056)」「HD LIGHT(.013-.053)」「BARITONE(.016-.070)」が加わって、合計7種類ある。
本記事では一般的であるMartin弦の分類わけに沿って「EXTRA LIGHT」「CUSTOM LIGHT」「LIGHT」「MEDIUM」の4種類の違いについて解説していきます。
EXTRA LIGHT
- 弦が柔らかくて押さえやすい。
- チョーキングがしやすい
- 全体的に音が細く、特に低音の響きが薄い
- アルペジオ向き
最も細いタイプの弦。
アコギだと1弦が.010、6弦.047が一般的。エレキだと1弦.009、6弦.042とかあります。
弦が細いので押さえやすく、弦を持ち上げるチョーキングもやりやすい。
手がすぐに痛くなる初心者の方はEXTRA LIGHTを張ると良いですね。
音質は弦が細い分、音も細いです。
特にEXTRA LIGHTだけ6弦が極端に細いので、ストロークをすると低音が薄くて迫力に欠けます。
逆に低音がやたらと出過ぎるギターの場合はあえてEXTRA LIGHTを張って抑えるという選択も取れます。
一般論としてはストロークよりもアルペジオを多用する人向けの弦です。
プロアーティストでは使用者がほとんどいませんが、YUIさんがEXTRA LIGHTを使用しています。
エレキギターとの持ち替えが多かったので、違和感をなくすために選択されていたそうです。
CUSTOM LIGHT
- やや柔らかいが、LIGHT以上と大差ない
- 音がやや細いが、バランスよく万能
- アルペジオ・ストローク両方いけるがアルペジオ寄り
2番目に細いタイプの弦。
アコギだと1弦が.011、6弦.052が一般的。
CUSTOM LIGHTは6弦の太さはLIGHTと.002しか変わりません。
なので、音が細いものの低音はそこそこ出ており、バランスよく万能です。
万能であるがゆえに大半のユーザーがCUSTOM LIGHTかLIGHTを選択します。
アルペジオ、ストロークどちらも対応できる優等生ですが、どちらかというアルペジオより。
ストロークで解放弦を思い切り、かき鳴らすことが多い人はもっと太い弦が良いでしょう。
テクニカルなプレイをする場合はCUSTOM LIGHTが最も適しているでしょう。
プロアーティストでは使用者が少ないですが、大石昌良さんが使用されています。
テクニカルプレイが多いため、弦高を下げて弦も細いものをチョイスされています。
君じゃなきゃダメみたい(LIVE)/大石昌良(YouTube)
LIGHT
- 標準的なギター弦
- 音がクッキリ、バランスよく万能
- アルペジオ・ストローク両方いける優等生
弦の基準となる太さのLIGHT。
1弦が.012、6弦が.054が一般的。
低音もしっかり出るし、バランスが良くジャンル問わずに万能に使えます。
アルペジオもよし、ストロークもよし。
何はともあれ、LIGHTを使ってみましょう。
その時の所感を基準に弦の太さを変えるのがよい。
ちなみにお店でギター本体を買った時に貼ってある弦は大抵がLIGHTです。
プロアーティストもLIGHT使用者が圧倒的に多いですが、代表として斉藤和義さんをご紹介。
歯切れの良いストロークとロックやブルースのアプローチがあるため、バランスの良い弦を選択されていますね。
MEDIUM
- 弦が太くて、しっかり押さえないとビビる
- 低音が強く、パワーのある音がする
- アルペジオ・ストローク両方いけるがストローク向き
大体のメーカーで最も太い弦となるMEDIUM。
1弦が.013、6弦が.056が一般的。
MEDIUMまでくるとCUSTOM LIGHT以下との差はわかりやすいです。
5弦、6弦はちゃんと押さえないとビビりやすいです。
6弦を親指で押さえることが多い人はLIGHT以下にしたほうがプレイしやすいですね。
弦が太い分、音も太く低音がクッキリと出ます。
箱鳴りもしやすく、ストロークでかき鳴らすとMEDIUMの良さが実感できるでしょう。
秦基博さんはナローネックにはパワーを足すためにMEDIUMを使い、普通のギターにはLIGHTを使うといった使い分けをされています。
小さいギターやネックが細いギターのパワーを補うためにMEDIUMを選択するのもよいでしょう。
ギター弦の太さを決めるポイント
- 力強くかき鳴らすならMEDIUM
- 万能タイプが欲しければLIGHT
- テクニカルなプレイが多いならCUSTOM LIGHT
- 押さえやすさを重視するならEXTRA LIGHT
ザックリ分けると、こんな感じ。
プロアーティストだと曲によってギター変えますが、弦も違うことが多い。
力強い曲にはMEDIUM、繊細なアルペジオ曲ではCUSTOM LIGHT…といった使い分けをしていたりします。
僕らアマチュアミュージシャンはLIGHTがおすすめです。
LIGHTなら、どの曲も万能で弾いていて困ることはほとんどありません。
また、同様にCUSTOM LIGHTも万能。
左手が忙しい曲を多くやる方はCUSTOM LIGHTを選んだほうがプレイが安定します。
自身との相性、ギターの特色、好きなアーティストの影響…などのこだわりがある人はEXTRA LIGHTやMEDIUMを選ぶのもよし。
特にこだわりがない人はLIGHTにしておくとよいでしょう。
プロが使うギター弦の太さ
参考までにプロアーティストの弦の太さ使用率を掲載します。
僕の持っている資料を総動員して弦の太さがわかる、77名のプロミュージシャンのデータを取ってきました。
ソロギタリストが多めなので、全員ver(77名)とシンガーソングライターver(32名)で分けて掲載します。
全体の使用率
- LIGHT 54名(70.0%)
- MEDIUM 8名(10.4%)
- CUSTOM LIGHT 5名(6.5%)
- EXTRA LIGHT 4名(5.2%)
- MIX 4名(5.2%)
- HD LIGHT 2名(2.6%)
ドン!
予想通りの結果ですが、ダントツでLIGHTの使用率が高いです。
次点でMEDIUM。
他は同じくらいの比率。HD LIGHTはELIXIRにだけあるサイズ。MEDIUMとLIGHTの中間です。
MIXは共通して1~3弦をCUSTOM LIGHT以下の弦を使い、4-6弦をLIGHTかMEDIUMを使うパターンでした。
MIXを使う人はソロギタリストのみ。シンガーソングライターでMIXの方はいませんでした。
シンガーソングライター限定
- LIGHT 22名(68.6%)
- MEDIUM 5名(15.6%)
- CUSTOM LIGHT 3名(9.4%)
- EXTRA LIGHT 2名(6.3%)
ドドン!
あんまり変わらないですね。
やっぱり、ダントツでLIGHTが多いです。
傾向としてはMEDIUMがソロギタリストより、若干多いくらいでしょうか。
あと、LIGHTとMEDIUMをギターによって使い分ける人が多いです。
LIGHTを使っている人の半数はサブギターでMEDIUMを使っています。
弦の太さは固定したほうがよい
一通り、色んな弦を試してみたら弦の太さは固定しましょう。
弦の太さを変えるとギターにかかる弦の張力が変わります。
これが結構な影響力があるのです。
例えば、MEDIUMを長いこと張ってプレイしていた弦にCUSTOM LIGHTを張ると、しばらくして開放弦がビビることがあります。
これはMEDIUMの張力で調整されていたギターにCUSTOM LIGHTを張ることでネックが反るからです。
ビビらないし大丈夫…と思っていても季節が変わったり、時間が経過するとビビるようになることは多々あります。
対策としては新しい弦の太さに合わせてネックを調整することです。
トラスロッドなどで調整できますが、確実なのはギター工房などで調整してもらうことです。
ギター工房に持って行ってメンテナンスを頼むと普段張っている弦の太さを聞かれます。
それは普段使っている弦の太さでチューニングを合わせた状態の張力でギターを調整するためです。
弦の太さによって最適な弦高・ネック・ナットの状態も変わるため、弦の太さを固定してメンテナンスに出すようにしましょう。
参考記事

ギター弦の太さ まとめ
- こだわりがなければLIGHTを選ぶべし
- プロミュージシャンはLIGHT使用者が圧倒的に多い
- 弦の太さはギターの状態に影響するため、固定しよう
ぎたすけ
たけしゃん
弦の太さ特集でした!
プロの使用率を出してみるとLIGHTが圧倒的に多い結果に。
予想はしていましたが、こんなに偏るとは思わなかったですね。
レコーディングしてみると気づきますが、弦の太さが与える音の違いって結構あります。
ですが、弾きやすさも重要。気持ちよく弾けないと演奏がノってこないですし。
弾きやすさと音質のバランスをどう整理するか。ギタリストとして悩ましい問題です。
僕は色々と試した結果、LIGHTとHD LIGHT(Taylor)で落ち着きました。
自分のお気に入りの弦を見つけるために色々と試してみるのがよいでしょう。
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