SKYSONIC WL-800JPをレビュー。加工なしで使える高性能なアコギ用ピックアップ

skysonic WL-800JP

評価:4.5

ぎたすけ

ピックアップってことはアコギをエレアコ化できるアイテムってことだよな

たけしゃん

そうだよ。ワイヤレスで取付簡単な上にデュアル型で音も結構良い便利アイテムだね
WL-800JPの評価
音質
 (4)
使いやすさ
 (5)
汎用性
 (5)
価格(29,800円)
 (4)
総合評価
 (4.5)
メリット
デメリット
  • 取付が簡単。穴あけ不要
  • 音質も結構良い
  • ワイヤレスで取り回しが楽
  • マイク・マグネットの2Way
  • 見た目で好き嫌いがありそう
  • LEDが光るのでやや目立つ

WL-800JP サンプル音

この記事の著者
音楽ブロガーたけしゃん

ミュージシャン

たけしゃん

tkshan

プロフィール

ギター弾き語りのシンガーソングライター。長年の音楽活動や音楽の仕事で得た知識・経験を基にブログを書いています。
雑誌の音楽記事執筆、音楽専門書の執筆(工学社)、nana公認クリエイター、IPC VOICE STUDIO公認ボイストレーナーです。
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SKYSONIC WL-800JP

skysonic WL-800JP
収音 マグネット
マイク
タイプアクティブ
コントローラーVolツマミ(2つ)
フェイズスイッチ
サウンドホール90mm~105mmに対応
継続使用時間フル充電で4~6時間
実売価格29,800円程度
公式サイトより引用

2019年に発売されて話題になったワイヤレスピックアップ WL-800JP。

マグネットとマイクのデュアルピックアップを穴あけ加工なしでアコギに取付できる優れものです。

アコギにピックアップを取り付けたいものの、本体に穴は開けたくない…という状況はよくありますよね。

エレアコで演奏している人
普通のピックアップはエンドピンに穴をあける

特にヴィンテージギターとか高級なギターだと、穴をあけることで生音への影響が怖いですしね。

とはいえ、穴をあけないとケーブルの取り回しが面倒です。

L.R.Baggs M-1を取付けたGibson ハミングバード
サウンドホールから表に出すので見栄えが悪い

WL-800JPはそのへんの問題を全て解決したピックアップです。

skysonic-WL-800JPの子機
ワイヤレス受信機で音響機器に接続

しかも、マイク・マグネットのデュアルタイプなので、音作りも凝れて嬉しいですよね。

早速、細かい仕様から説明していきます。

仕様を飛ばしてレビューを読みたい方は<WL-800JPをレビュー>を参照ください

製品仕様 目次

ギターに加工不要で取付可能

skysonic WL-800JPをギターに取付した写真

WL-800JPの一番の強みはギターに穴あけなど加工せずとも使用できることです。

取付方法はいたって簡単な3ステップ。

  1. 弦をダルダルに緩める
  2. ピックアップをサウンドホールに取付
  3. 両端のネジを締めて固定

これだけです。ネジ締めにはプラスドライバーが必要です。

非常に簡単ですが、弦を緩めるので都度取付・取り外しはやや面倒ですね。

幸い、取付たままで充電や必要な操作はできるので、付けっ放しで問題なさそうです。

ワイヤレスで受信機と接続

skysonic-WL-800JPの子機
受信機

WL-800JPはピックアップ本体と受信機がワイヤレス接続可能になっています。

受信機を音響機器と接続することでギター側はケーブルがいりません。

ペアリングはピックアップの電源を付けた後に受信機の電源を入れると自動で完了します。

補足

自動でペアリングしない場合は取り扱い説明書を見て手動でペアリングさせます

なお、本体と受信機は直線10mでの利用を想定して作られているそうです。

ステージ上のDIやプリアンプまで届けばOKなので、10mあれば全く問題ないでしょう。

ちなみにWL-800JPは日本の電波法に準拠しており、新スプリアス規格にも対応しているので安心して使えます。

電波法と新スプリアス規格

日本では医療・交通など業務機器とぶつからないよう一般人が扱える無線の周波数が法律で決まっている。

たけしゃん

SKYSONIC FS-1という類似製品がありますが、こちらは日本だと使えないので注意してください

マグネットとマイクのデュアル

skysonic WL-800JPはコンデンサーマイクが内蔵されている

WL-800JPはマグネットとコンデンサーマイクのデュアルピックアップになっています。

マイクでナチュラルな音を拾いつつ、足りない音量はハウリングに強いマグネットが補う設計ですね。

音量ツマミは独立しており、個別に管理できるようになっています。

skysonic WL-800JP マイクとマグネットのボリュームが独立している

弾き語りの時はマイク中心、バンドはマグネット中心などにできますね。

ちなみにマグネットに対して、マイクの音量はかなり低いです。

マイク側だけで出力したいなら、別途プリアンプを用意したほうが良いかもしれないです。

最長で4~6時間駆動

skysonic-WL-800JPの子機 USB充電可能

ピックアップ本体、受信機ともにUSB充電です。

フル充電で4~6時間駆動するので、ライブで使う分には問題なさそうです。

なお、付属品にUSBケーブルが2本ついてきます。

skysonic WL-800JP 付属のUSBケーブル

ライブハウスやスタジオで使う場合は保険でモバイルバッテリーを持って行くと良いでしょう。

親機・受信機を同時充電できるようにUSB2口あるタイプが良いですね。

なお、充電中はLEDランプが点灯します。

skysonic WL-800JP 充電中点灯する
skysonic WL-800JPの受信機。充電中点灯する

充電したと思ってできてないと、本番大変なことになるので目視確認はしっかり行いましょう。

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WL-800JPをレビュー

skysonic WL-800JP
WL-800JPの評価
音質
 (4)
使いやすさ
 (5)
汎用性
 (5)
価格(29,800円)
 (4)
総合評価
 (4.5)

それでは、WL-800JPについて細かくレビューしていきます。

まず、メリット・デメリットを箇条書きするとこちら。

メリット
デメリット
  • 取付が簡単。穴あけ不要
  • 音質も結構良い
  • ワイヤレスで取り回しが楽
  • マイク・マグネットの2Way
  • 見た目で好き嫌いがありそう
  • LEDが光るのでやや目立つ

使い勝手は抜群に良いですね。

簡単に付けられて、ワイヤレスの取り扱いも楽です。

音質もデュアルだけあって、それなりに良いです。

ただ、Anthemと比べると少し劣ります。比較音源を用意しているので実際に聞いてみてください。

レビュー 目次

音質は結構良い

skysonic WL-800JPを横から撮った画像

音質はデュアルなのもあって、結構良いです。

複合型の中では平均的。アンダーサドルピエゾよりは上といったところです。

マグネットの音

マイクの音

マグネット&マイク

なお、マイクのゲインが小さいです。

マグネットで補完しないならプリアンプを別で用意したほうが良いかもしれません。

人気のピックアップ L.R.Baggs Anthemとも比較してみましょう。

Anthem

L.R.Baggs Anthem

WL-800JP

skysonic WL-800JPをギターに取り付けた写真

個人の好みもありそうですが、僕はAnthem派ですね。

でも、WL-800JPも悪くないですよね。

一般的なアンダーサドルピエゾと比較するとWL-800JPのほうが音は良いです。

FISHMANのアンダーサドルピエゾ

WL-800JP

このへんはエレアコの音質をどこまで突き詰めるかにもよりますね。

あと、WL-800JPはマグネットなので、自宅だとPCやエアコンの電波ノイズを少し拾ってしまいますね。

環境によりますが、僕の家だとそこまで気になるレベルではありませんでした。

アコギ加工なしでお手軽

skysonic WL-800JPをギターに取付した写真

WL-800JPの取付は非常に簡単です。

しかも、ワイヤレスなので配線の心配もありません。

この手軽さは革命的ですね…。

自分のアコギがものの数分でエレアコになるわけで、ちょっと感動しちゃいます。

skysonic WL-800JP

ワイヤレスの動作も良好です。

スタジオで受信機から7~8m離れてみましたが、ノイズも載ることなく普通に使えました。

skysonic-WL-800JPの子機

実際のライブステージだと近くのDIやプリアンプに接続するだけなので、全く問題ないでしょう。

音の遅延も体感ではわからないレベルで演奏に支障はありません。

面倒な設定が何もないところもありがたいですね。

ちょうど良い選択肢

skysonic WL-800JP

基本的にはアコギとして使うけど、たまにエレアコとしても使う人にはベストな選択肢となる製品ですね。

  • 音質が良い
  • アコギに加工不要
  • ワイヤレスで取り扱いも楽

エレアコとしての用途がメインなら、アコギを加工して良いピックアップを載せるのが良いでしょう。

逆にアコギとエレアコの用途が半々くらいなら、WL-800JPはちょうど良い選択肢ですね。

この手軽さでアンダーサドルピエゾよりは音良いですからね。

FISHMANのアンダーサドルピエゾ

WL-800JP

下手にアンダーサドルピエゾを後付けするくらいなら、WL-800JPを使ったほうが音は良くなります

更にWL-800JPは価格も3万円程度で取付工賃もかからないので、トータルでは安いんですよね。

アンダーサドルピエゾでも工賃含めると、総額で3万円くらいはかかっちゃいますからね。

(参考)ピックアップの取付工賃の相場

ピックアップの種類相場価格
マグネット(穴あけ)7,000円程度
アンダーサドルピエゾ10,000円程度
デュアル(複合型)15,000円程度
店によって違うので参考程度です

ヴィンテージギターや老舗メーカーの高級なアコギを持っている人にはベストな選択肢になりそうです。

また、WL-800JPは色んなアコギで使い回せるので、一台持ってると便利な製品でもありますね。

 

SKYSONIC WL-800JP まとめ

skysonic WL-800JPをギターに取付した写真
  • アコギに加工不要で使えるワイヤレスピックアップ
  • マグネットとマイクのデュアルでアンダーサドルピエゾより音が良い
  • たまにエレアコが必要になる人にベストなアイテム

ぎたすけ

メリット・デメリットはあるものの全体的にすごく良い製品って感じだったな

たけしゃん

そうだね。全方向満点とまではいかないけど、かなり使える製品だとは思ったね

SKYSONIC WL-800JPのレビューでした!

発売当初から気になる製品だったので、ようやく試せてよかったです。

穴をあけたくないギターでも簡単にエレアコ化できるのは大きいですね。

これまでは加工なしならL.R.Baggs M-1を使ってる方が多かったですが、今後はWL-800JPが主流になっていきそうです。

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