ぎたすけ
たけしゃん
飛ばし読みガイド
アコギ用のピックアップとは
ピックアップとは弦の振動を電気信号に変換する装置のこと。
変換された電気信号はギターシールドを通してアンプに流れて、アンプで音を増幅する。
アコースティックギターでライブする際に生音では会場全体に響かないため、ピックアップを使用する。
要はボーカルで言うところのマイクの役割を果たします。
ナローとワイド
ギターのサドル下につける「インブリッジピエゾ」と呼ばれるピックアップでは取付けにサドル幅が関係してきます。
そのため、FISHMANなどのメーカーではサドル幅に合わせて「ナロー」「ワイド」の2タイプのピックアップを販売しています。
製造年月にもよりますがMartinがナロー、Gibsonはワイド…とザックリ分けられます。
ナローとワイドが分かれている製品の場合は購入前に自身のギターのサドルサイズを確認しましょう。
アクティブとパッシブ
- アクティブ…プリアンプ内蔵
- パッシブ…プリアンプなし
一言でいうと上記の違いです。
シンガーソングライターだとアクティブを使用する人が圧倒的に多いです。
本記事の商品リンクでも、アクティブ・パッシブの両方あるものはアクティブを優先に製品を紹介していきます。
アコギ用ピックアップの種類
アコギ用のピックアップには音の拾う方法が複数あります。
ピックアップの種類
- ピエゾ
- マグネット
- コンタクト
- コンデンサーマイク
- デュアル(①~④の混合型)
それぞれのピックアップで音質も異なり、メリット・デメリットもあります。
ザックリと音の拾い方別で特性を表にすると、こんな感じ。
音質 | 出力 | 対ハウリング | |
---|---|---|---|
ピエゾ | △ | 〇 | 〇 |
マグネット | △ | 〇 | 〇 |
コンタクト | 〇 | △ | × |
コンデンサーマイク | 〇 | △ | × |
デュアル | 〇 | 〇 | 〇 |
万能なのはデュアルタイプのピックアップですが、複数のピックアップを組み合わせた製品なので値段が高いところがネックです。
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おすすめのアコギ用ピックアップランキング
たけしゃん
それでは、定番のピックアップを中心におすすめのピックアップランキングを発表していきます。
ランキングに際しての評価項目は4点。
- 音質…音質の良さ
- 出力…ハウリングへの耐性
- 弾き語り…弾き語り演奏での利便性
- バンド…バンド演奏での利便性
合わせて、各製品でプロミュージシャンの使用者がいる場合はお名前を紹介していきます。
飛ばし読み目次
10位 SHADOW SH712
SH712のコメント
コンタクトタイプのピックアップ、SHADOW SH712。
SH710~713まであり、710・711がPU1つ、712が2つ、713が3つとなっています。
多いほうが多様性がありますが、数が増えるとお互い干渉しないよう配置するのが難しく2つあたりが使いやすいです。
マイクで録った場合と近い音なので音質は非常に良い。
ただ、ハウリングに弱く他のPUと併用しないとバンドステージでの利用は苦しいです。
価格も5,000円程度で求めやすく、クラシックギター奏者で利用される方が多い製品です。
9位 L.R.Baggs Element
Elementへのコメント
大手メーカーL.R.Baggsのピエゾピックアップ、Element。
ピエゾのジャリっとした音色が強く出ます。
弾き語りだとイマイチですが、バンドでは存在感のある音質になります。
また、ハウリングにはかなり強いため、どの場面でも安心して使用できます。
Elementには通常タイプとElement VTCの2製品があります。
VTCはVolmue Tone Controlの略でToneコントロールがついており、GibsonのエレアコにはElement VTCが多く採用されています。
ただ、Element VTCで調整できる範囲って限定的。
ちゃんと音質調整したい人は「標準版 + 外付けプリアンプ」を買ったほうが良いです。
- スガシカオ
- 高橋優
- 大橋トリオ
Element
Element VTC
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8位 SUNRISE S-2
S-2へのコメント
老舗メーカーのSUNRISEのマグネットPUであるS-2。
1985年から発売されている超ロングセラーのピックアップ。
音質は中高音に比べ低音が強め。
マグネットPUだとエレキっぽい音になりがちなので、低音強めのほうが輪郭はしっかりします。
ギターを叩いたときの打音もちゃんと拾ってくれるので、ソロギタリストからの評価も高いPUですね。
ただし、S-2単独使用だと音のバランスが取り辛く、コンタクトPUとセットで使うケースが多いです。
シンガーソングライターで使用している方は大石昌良さんとコブクロの小淵さんですが、お二人とも他のPUとのデュアルで使用しています。
- 大石昌良
- 押尾コータロー
- 中川イサト
- 小松原俊
- 岸部眞明
君じゃなきゃダメみたい(LIVE)/大石昌良(YouTube)
7位 FISHMAN Rare Earth Humbucking
Rare Earth HMへのコメント
FISHMANのマグネットPU、Rare Earth Humbucking。
Rare Earthシリーズはシングルコイルとハムバッカーの2種類があります。
大凡の違いはこんなところ。
- シングル…高音域が強め、小ぶりなギター向き
- ハムバッカー…中音域が強め、万能
歌モノでMartinのoooシリーズを使う方はシングルコイルが良さげ。
ドレッドノート型で弾き語りからバンドまで使う場合はハムバッカーが安定。
M-1とは少し音の傾向が違うものの、エレキ臭さは薄めで馴染みやすい音質です。
- 片平里菜
- 長澤知之
6位 FISHMAN Matrix Infinity
Matrix Infinityへのコメント
ピエゾタイプの代表格、FISHMAN Matrix Infinityです。
アコギ用ピックアップといえばFISHMANとL.R.Bagesの2メーカーが有名。
その中でもFISHMANピエゾはMartin製エレアコに採用されています。
プロの使用者も多いため、安心の品質です。
音質はピエゾなりではありますが、ナチュラル。
ハウリングに強く、出力も出せるのでバンドステージでも心配なく利用できます。
バンドでの演奏が多い人には最有力候補の製品です。
プロの使用者ですが、型番が不明な方が多いためFISHMAN製のピエゾを使っている方をまとめて掲載します。
- エリック・クラプトン
- ジョン・メイヤー
- エド・シーラン
- 秦基博
- 曾我部恵一
- なぎら健壱
- 藤原さくら
- Yui
- Rei
- 山本彩
5位 L.R.Baggs Lyric
Lyricのコメント
L.R.Baggsから2013年に発売されたコンデンサーマイク型ピックアップ、期待の星 Lyric。
デュアル型PU Anthem(ランキング1位)のマイク部分であるTrue-Micを用いた製品。
Anthemとの違いは特殊コンプレッサーを搭載した内蔵プリアンプ。
より、生っぽく外部マイクで録ったような音を実現しています。
AnthemだとGibsonヴィンテージギターはサドル交換が必要ですがLyricなら改造不要で取り付け可能なところ大きい。
バンドや野外ライブだとハウリングが気になるところなので万能性でいえばAnthem。
しかし、アコースティックサウンド・弾き語りに特化するとLyricに軍配があがります。
最近は使用者も徐々に増えてきたので、要チェックなPUです。
- 斉藤和義
- 清水 依与吏(back number)
4位 L.R.Baggs M80
M80へのコメント
マグネットタイプの超定番機種 L.R.Baggs M-1の後継機種として発売されたM80。
基本的にM-1と変わらず、音質も良く使い勝手の良いピックアップです。
M80になって追加で、下記2点の機能が追加されています。
- アクティブとパッシブを切替可能
- 電池残量を表示
自分が選んだプリアンプで音の色付けをしたいけど、アクティブのほうが何かと便利。
そんな場面はありますが、M80なら切り替え可能なので状況によって選択できます。
電池残量がピックアップ端のランプで表示されます。
ライブ中に電池切れを起こすと大変ですが、交換時期が早すぎるとコスパが悪い。
電池残量表示って意外と大事なんですよ。
そして、M80はアコギに穴を開けずにピックアップ取付け出来るタイプです。
取付け加工したくない…という人がよく選択するピックアップでもあります。
※画像はL.R.Baggs M-1
サウンドホールから配線を垂らすことで、どこにも穴を開けずに装着できます。
定番ピックアップのM-1に現場で重宝する機能を補完したM80は非常に使いやすいモデルになっています。
M80はまだ普及率が低く、まだ先代のM-1使用者が多いのでM-1のプロアーティスト使用者を紹介します。
- 斉藤和義
- Char
- 秦基博
- 清水 依与吏(back number)
- 見田村 千春
- 植村 花菜
- 住岡梨奈
- 高野 寛
- おおはた雄一
3位 FISHMAN RARE EARTH BLEND
REBのコメント
FISHMANのデュアルタイプ、RARE EARTH BLENDです。
「コンデンサーマイク + マグネット(RARE EARTH)」の組み合わせになっています。
Gibsonヴィンテージギターはサドルを交換しないとAnthem(ランキング1位)もEllipse Matrix Blend(ランキング2位)も装備できません。
RARE EARTH BLENDならサドル交換不要でつけることができます。
音質はコンデンサーマイク + ピエゾに負けず劣らずの素晴らしい出来。
マイクがエアー感を出して、メロディラインの輪郭をマグネットが補完してくれるのでソロギターにはうってつけです。
スライダーでマイクとマグネットの比率を変えられるのでステージによって使い分けも可能。
マグネットタイプのデュアルでは鉄板の良製品です。
- 斉藤和義
2位 FISHMAN Ellipse Matrix Blend
EMBのコメント
FISHMANのデュアルタイプ、Ellipse Matrix Blend。
コンデンサーマイクとピエゾ(Matrix)のデュアル構成。
プリアンプの設定を下記の2種類で切り分けできます。
- ナチュラルIタイプ:ボディが小さめのギター用(低域ブースト)
- ナチュラルIIタイプ:ドレッドノートタイプ向き
ツマミはボリュームとブレンド(ピエゾ・マイクの比率変更)があります。
説明書を見てもピエゾの出力が切れているのか謎ですが、マイクに全振りした音を聴いている分にはマイクだけの音に聴こえます。
弾き語りだとマイクに全振りすれば、ナチュラルで豊かな響きを得られるので、かなり良い感じですね。
- 斉藤和義
1位 L.R.Baggs Anthem
Anthemのコメント
デュアル型PUの代表格、L.R.BaggsのAnthem。
コンデンサーマイク(True-Mic)とピエゾ(Element)のデュアル構成。
250Hz以上の帯域でマイクとピエゾのミックスとなり、ミックス具合を調整できます。
250Hz未満はピエゾ出力なので完全にマイクオンリーにはできませんが、エアー感があり自然な鳴りになります。
なお、AnthemにはAnthem(無印)とAnthem SLの2種類があります。
違いはコントローラー部分でAnthem(無印)のコントローラーはこれ。
※コントローラーはサウンドホール横につく
対して、Anthem SLは簡素でボリュームとマイクゲイン調節の2つしかありません。
マイク・ピエゾの比率調節はマイクゲイン調節(精密ドライバーが必要)を使って調節するしかありません。
なので、弾き語り・バンドの両方で使うならL.R.Baggs Anthem(無印)一択です。
編成やステージに合わせてミックス具合を調整できるので音質・出力・汎用性共に抜群の万能PUです。
プロの使用者が多く、2018年現在で弾き語り系シンガーソングライターのベストチョイスと言える1品です。
- 桜井和寿(Mr.children)
- 斉藤和義
- スガシカオ
- 星野源
- 秦基博
- miwa
Anthem(無印)
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要望別のおすすめピックアップ
アコギをエレアコ化するとして、商品の選択肢がかなり増えてきました。
今ではライブでエレアコを使うことが一般的になったこともあり、ユーザー要望も多様化してますからね。
そこで本章ではよくあるピックアップへの要望を踏まえて、おすすめ製品をピックアップしてみました。
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ギターに穴を開けずにピックアップを取付けたい
アコギに穴を開けずにピックアップを取付けたい人はL.R.Baggs M80がおすすめです。
ネジで固定できるタイプなので、穴開け加工不要です。
下の画像は旧式のL.R.Baggs M-1ですが、穴開け加工せずに取付けしています。
穴開け加工をしない場合は配線をピックアップ本体からサウンドホール経由で出します。
配線がぶらぶらしないように固定する方法は考えておきましょう。
画像のアコギの場合はボディ裏に回して、吸盤で固定しています。固定方法は人それぞれです。
先代のM-1はプロアーティスト使用者も多く、現行品であるM80の音質も十分なレベルです。
音質や使い勝手も良く、穴開け加工も不要なので大事なギターを傷つけたくない…という人にはL.R.Baggs M80はおすすめの定番商品です。
ワイヤレスのピックアップを使いたい
2019年になって話題になっているのが、ワイヤレスのデュアルピックアップ SKYSONIC WL-800JP。
ワイヤレスながら、コンデンサーマイクとマグネットのデュアルピックアップになっています。
本体の装着はサウンドホールにネジで固定するだけ。
アコギ本体への穴開け加工は一切不要なので、1台で色んなアコギに使いまわしできるのも良いところ。
見栄えはややイマイチなものの、音質も良いです。
ワイヤレスだとケーブル類が何もないので、ステージ上の動きに制約が出ないのも良いですね。
本体価格は3万円ほどですが、工賃が発生しない上に使いまわしが効くのでコスパは非常に良い製品です。
バンドと弾き語りで兼用したい
バンドと弾き語りで兼用したいなら、L.R.Baggs Anthemがおすすめ。
バンド内で使いやすいピエゾとナチュラルな音質が得られるコンデンサーマイクのデュアルなので両対応できます。
僕も、Gibson J-45にL.R.Baggs Anthemを搭載したエレアコを使っていますが、編成によってピエゾとマイクの出力比率を変えて対応しています。
弾き語りでピエゾ強めの音はギラギラしちゃってイマイチなので、コンデンサーマイクが付いているのは大きいですね。
Anthem(無印)
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アコギ用のピックアップを解説して
ぎたすけ
たけしゃん
アコギ用のピックアップ特集でした!
ランキングを振り返ってみましょう。
項目タップで解説に戻ります
- L.R.Baggs Anthem(デュアル)
- FISHMAN Ellipse Matrix Blend(デュアル)
- FISHMAN RARE EARTH BLEND(デュアル)
- L.R.Baggs M80(マグネット)
- L.R.Baggs Lyric(マイク)
- FISHMAN Matrix Infinity(ピエゾ)
- FISHMAN Rare Earth Humbucking(マグネット)
- SUNRIZE S-2(マグネット)
- L.R.Baggs Element(ピエゾ)
- SHADOW SH712(コンタクト)
さすがにL.R.BaggsとFISHMANが多いです。
僕的に弾き語りをするシンガーソングライターにおすすめするのはデュアルのピックアップ。
デュアルはどこのメーカーのも良い製品ですが、安定はL.R.Bages Anthem(無印)。
ライブでギターの音が良いと、歌も良い感じに聴こえます。
昨今の活動方法としてライブ音源をYouTubeなどで公開する手法も一般的になりましたし、ライブでのギターの音質の重要性は増しています。
本記事を参考に自分の活動に合ったピックアップを選択しましょう。
また、ピックアップの出音を聴きやすくするにはプリアンプでの音作りも重要です。
音作りをしっかりやりたい方は外付けプリアンプを検討しましょう。
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