SHURE MVX2Uをレビュー。XLRマイクをUSBマイク化できる超小型オーディオインターフェイス

SHURE MVX2U

評価:4

ぎたすけ

普通のマイクをUSBマイクにできたら何かいいことあるの?

たけしゃん

PCに直接接続できるよ。荷物も減るからリハーサルスタジオからの配信とかで便利そうだよね
MVX2Uの評価
音質
 (4)
機能性
 (4)
コスパ(17,820円程度)
 (3.5)
総合評価
 (4)
メリット
デメリット
  • 超コンパクト
  • 音はなかなか良い
  • DSPエフェクトが使用可能
  • ゲイン調整がアプリからしかできない
  • ASIOドライバがない
この記事の著者
音楽ブロガーたけしゃん

ミュージシャン

たけしゃん

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プロフィール

ギター弾き語りのシンガーソングライター。長年の音楽活動や音楽の仕事で得た知識・経験を基にブログを書いています。
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SHURE MVX2U

SHURE MVX2UをSHURE BETA58AとSHURE SE215 SPEに接続した
入力端子XLR入力×1
出力端子Phone(3.5mm) ×1
サンプルレート48kHz / 24bit
接続端子 USB-C
対応OSWindows10
macOS10.13~15
本体重量100g
公式サイト

SHUREが2023年8月に発売した小型オーディオインターフェイス MVX2U

XLRマイクを一瞬でUSBマイク化できる変換アダプタ的な便利アイテムです。

SHURE MVX2UをSHURE BETA58Aに繋いだ。マイクに直接接続
SHURE BETA58AにMVX2Uを取り付けた

さすがSHUREだけあって、超コンパクトでありながらスペックはなかなかのものです。

このサイズ感で、同価格帯のオーディオインターフェイスと比べても遜色ありません。

さらに専用アプリが用意されており、DSPエフェクトも使えます。

SHURE MVX2U 専用アプリのSHUREPLUS MOTIVの画面。オートゲイン設定

そのため、XLRマイクをかなり高性能なUSBマイクにできます。

一方でASIOドライバがない点など、細かいところで微妙だなと感じるところがいくつかあります。

まずはMVX2Uの製品仕様から解説していきます。

飛ばしてレビューを読みたい方は<SHURE MVX2Uをレビュー>を参照ください。

入出力端子

SHURE MVX2U XLR端子
入力
出力
  • XLR入力×1
  • Phone(3.5mm)×1

MVX2Uは1イン1アウトのシンプルな端子構成になっています。

入力は本体上面のXLR端子ですね。

SHURE MVX2U 背面

マイクと直接接続することができます。

SHURE MVX2UをSHURE BETA58Aに繋いだ。マイクに直接接続

もしくは間にXLRケーブルを挟んで接続することも可能です。

SHURE MVX2UをSHURE BETA58Aに繋いだ。XLRケーブルを使って接続

用途や環境に応じて、XLRケーブルを挟むか検討しましょう。

ちなみに直接マイクと接続しても、あまり違和感なく、ハンドマイクで使えます。

SHURE BETA58AにSHURE MVX2Uを接続した状態で持ってみた

ただ、USBケーブルはXLRと違ってロックする機構がないので、引っ張られるとスポッと抜けるリスクがあります。

SHURE MVX2UをSHURE BETA58Aに繋いだ接続部
XLRは繋ぐとロックされ、引っ張っても取れない

そのため、動き回る用途だとXLRケーブルを挟むのが安定かなと思います。

また、MVX2Uはファンタム電源に対応しています。

SHURE MVX2UをSHURE BETA58Aに繋いだ。ファンタム電源が点灯
ファンタム電源ONだと底面のランプが点灯する

ファンタム電源のON/OFFは専用アプリのShurePlus MOTIVからのみ操作可能です。

SHURE MVX2U 専用アプリのSHUREPLUS MOTIVの画面。マニュアル1

ちなみに工場初期出荷状態でファンタムONになっているため、リボンマイクなどを使う場合は接続前にアプリでOFFにしましょう。

続いて、出力は3.5mmのPhone端子が本体底面についています。

SHURE MVX2U 底面

音量調整機能はないため、接続したPCのサウンドプロパティなどで調整しましょう。

補足

専用アプリにはPhone端子の音量調整機能はない

ダイレクトモニタリング

SHURE MVX2U 専用アプリのSHUREPLUS MOTIVの画面。マニュアル1

MVX2Uはダイレクトモニタリング機能を搭載しています。

ダイレクトモニタリングは接続した端末を介さずに直接、入力音をPhone端子に出力する機能です。

PCなどの端末を経由しないため、マイクの入力音などを遅延なくモニターできます。

SHURE MVX2UをSHURE BETA58AとSHURE SE215 SPEに接続した

また、専用アプリでPhone端子に流れるマイクの入力音とPCの再生音の音量バランスを調整できます。

SHURE MVX2U 専用アプリのSHUREPLUS MOTIVの画面。MONITOR MIX機能でPhone端子の音量バランスを調整できる

本体はコンパクトでノブなど何もないですが、専用アプリ側でちゃんとカバーできているのが良いですね。

ちなみにMVX2UはASIOドライバがないため、WindowsでDAWやOBSを経由してモニターすると音の遅延が酷いです。

ASIOドライバ

PCとデバイスを繋ぐソフト。WindowsはOS標準ドライバだとモニター音の遅延が酷いため、DTM製品はメーカー側が低遅延のASIOドライバを用意していることが多い

なので、Windowsの方はダイレクトモニタリングを常用すると思うので、使い方をちゃんと理解しましょう。

オートレベル

SHURE MVX2U 専用アプリのSHUREPLUS MOTIVの画面。オートゲイン設定

MVX2Uは自動でマイク音量を調整するオートレベル機能を搭載しています。

専用アプリ側で各項目を選べば、自動で音量を調整してくれます。

SHURE MVX2U 専用アプリのSHUREPLUS MOTIVの画面。オートゲイン設定
設定項目概要
Mic Positionマイクと口の距離
近め・遠めで選べる
Tone音の特性
明るめ、暗めを選べる
Gain音量調整の好みを
大きめ、小さめで選べる

オーディオインターフェイスでオートレベルに対応している機種はかなり少ないので、貴重ですね。

配信用途で買う人にはかなり便利な機能です。

DSPエフェクト

SHURE MVX2U 専用アプリのSHUREPLUS MOTIVの画面。EQなどのDSPエフェクトを調整しているところ

MVX2Uはオーディオインターフェイスだけで使えるDSPエフェクトに対応しています。

DSPエフェクト

オーディオインターフェイスのDSPというチップで機能するエフェクト。PCのスペックに関係なく使える

DSPエフェクトは専用アプリで下表4つのエフェクトを調整できるようになっています。

SHURE MVX2U 専用アプリのSHUREPLUS MOTIVの画面。EQなどのDSPエフェクトを調整しているところ
エフェクト概要
EQ特定の帯域を
ブースト・カットできる
High Pass
Filter
選択した帯域以上の音のみ
通過させる
Limter特定の音量を超えないように
音を圧縮する
Compressor特定の音量を超過した音を
圧縮する

リバーブはないですが、配信などで音を整えるためのエフェクトは揃っています。

初心者でも扱いやすいように設定はプリセットから選択する形式になっています。

そのため、細かい調整はできないですが、初心者でも感覚的に使えます。

付属品

SHURE MVX2U 付属のUSBケーブル

MVX2Uの付属品はUSB-Cケーブルです。

ちなみにUSB Type-AのPCでも動作しますので、その場合はご自身でA to CのUSBケーブルを用意しましょう。

SHURE MVX2U 底面
SHURE MVX2UはType-Cが採用されている

また、公式の対応OSはWindows 10とmacOS10.13~15となっています。

ただし、MVX2UはASIOドライバが用意されていません。

ASIOドライバ

オーディオインターフェイスとPCを繋げるソフト。WindowsのDTMでは必須に近い

そのため、Windowsでは動くもののDTMで使うのはかなり厳しいです。

なお、iOSはサポート対象外ですが、試したところiPhone 13 Proと第6世代のiPadで正常に動作しました。

SHURE MVX2UをiPhone 13 Proに繋いで動作させているところ
補足

iPhone 13 Proは何回か途中で電源が落ちたので、少し怪しいです

接続にはUSB 3カメラアダプタが必要です。

USB3カメラアダプタでのオーディオインターフェイス接続方法

iPhone 13 Proは上図のようにUSB 3 カメラアダプタの右口から給電が必要でした。

第6世代のiPadは給電なしでも、iPadからのバスパワーだけで駆動しました。

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ちなみに公式ではiOSでの利用は「全機能にアクセスできないため、おすすめしない」と書かれています。

あと、MVX2UはUSB Audio Class 2で動作するため、ゲーム機に直接接続して使うのは厳しそうです。

なので、割と制約があるなぁ…という印象です。

用途は明確にした上で購入検討したほうが良さげですね。

 

SHURE MVX2Uをレビュー

SHURE MVX2UをSHURE BETA58Aに繋いだ。斜めから撮影
MVX2Uの評価
音質
 (4)
機能性
 (4)
コスパ(17,820円程度)
 (3.5)
総合評価
 (4)

それでは、MVX2Uを細かくレビューしていきます。

はじめにメリット・デメリットを箇条書きでまとめると以下の通りです。

メリット
デメリット
  • 超コンパクト
  • 音はなかなか良い
  • DSPエフェクトが使用可能
  • ゲイン調整がアプリからしかできない
  • ASIOドライバがない

超コンパクトながらも音はなかなかよく、マイクプリの性能も結構良いです。

DSPエフェクトも豊富で非常に良くできた製品ですね。

SHURE MVX2U XLR端子

一方でASIOドライバがないなど、細かい制約が割とあります。

その細かい制約が許せる用途か、しっかり判断してから購入するべきですね。

マイクプリの性能はなかなか良い

SHURE MVX2Uを手で持ったところ。ハンディサイズ

MVX2Uは手のひらサイズでありながら、マイクプリアンプの性能はなかなか良いです。

GAINは0~60dB、最大入力レベルも7dBVなので、同価格帯で通常サイズのオーディオインターフェイスと比べても互角以上の性能です。

SHURE MVX2UをSHURE BETA58Aに繋いだ。横から撮影

こういったコンパクトな製品はGAINや最大入力レベルが低くなりがちなので、その点はさすがSHUREです。

GAINが60dBまで上がれば、感度の低いダイナミックマイクでも十分な音量が得られます。

音質自体もクリアで低ノイズですね。

SHURE BETA58AにSHURE MVX2Uを接続した状態で持ってみた

レコーディングでも配信でも十分使っていけます。

再生音もなかなか良いです。ただ、音量の上がり方が結構極端ですね。

SHURE MVX2UをSHURE BETA58AとSHURE SE215 SPEに接続した接続部

90%くらいまでは小さめですが、95%くらいから急激に音が大きくなります。

とはいえ、ハイインピーダンスのヘッドホンでも95~100%にすれば、十分な音量が得られます。

SENNHEISER HD 400 PRO
SENNHEISER HD 400 PRO

音の面では入力・出力ともに十分なレベルですね。さすがSHUREです。

DSPエフェクトも使いやすい

SHURE MVX2U 専用アプリのSHUREPLUS MOTIVの画面。オートゲイン設定

MVX2UはWindowsとMacで動作する専用アプリを介して、DSPエフェクトを使用できます。

この専用アプリはわかりやすく、使いやすいです。

SHURE MVX2U 専用アプリのSHUREPLUS MOTIVの画面。マニュアル1

プリセットしか選択できないため、熟練者には物足りないですが、逆に初心者でも感覚的に使えます。

特にコンプレッサー、リミッターは音量を一定に均せるため、配信で重宝します。

SHURE MVX2U 専用アプリのSHUREPLUS MOTIVの画面。EQなどのDSPエフェクトを調整しているところ

GAINのレベルも数値で管理できるのが地味に良いです。

SHURE MVX2U 専用アプリのSHUREPLUS MOTIVの画面。マニュアル2

ノブを回して調整するのは手軽で良いですが、音量調整にムラが出やすいです。

一方でデジタルで数値管理する場合は値を決めておけば、毎回一緒の設定にできます。

iOSでの利用も割といける

SHURE MVX2UをiPhone 13 Proに繋いで動作させているところ

MVX2UをiPhone 13 Proと第6世代のiPadで使ってみました。

専用アプリが使えないため、少し不便ではありますが、普通に使えます。

補足

iPhone 13 Proは何回か途中で電源が落ちたので、少し怪しいです

注意

iOSでの利用は公式のサポート対象外なので自己責任でお願いします

ゲインの調整に関しては、iOS版のShurePlus MOTIVで調整可能です。

SHURE MOTIVの画面
補足

DSPエフェクトなど他機能の調整は非対応

なお、SHURE MOTIVを閉じても、設定は保持されます(nanaで確認)。

ShurePlus MOTIV

ShurePlus MOTIV

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また、PC側のShurePlus MOTIVで事前に設定して、iOS側に接続を切替えても内容は保持されるようです。

SHURE MVX2U 専用アプリのSHUREPLUS MOTIVの画面。EQなどのDSPエフェクトを調整しているところ

なので、事前にPC側でモニターミックスなどの設定を済ませておくと使いやすいです。

一方でステレオミックス機能はないようで、モノラルで入力されます。

ステレオミックス

入力された音を全てステレオにミックスする機能

そのため、使用するアプリがステレオ仕様だと、Lからしか音が入力されません。

アプリ仕様
17Liveモノラル
nanaモノラル・ステレオ切替可能
nanaパーティーステレオ
Poco-chaステレオ
インスタライブモノラル
LINEライブモノラル
※1chしか認識しない
ツイキャスステレオ
YouTube Liveステレオ
TikTokモノラル
※1chしか認識しない
GarageBandモノラル・ステレオ切替可能
iOSのビデオステレオ

なので、メインで使うアプリがモノラルであれば、MVX2Uで普通にいけそうです。

ただ、iOSで使うことが多い人はMVX2UよりはUSB/XLR両対応のMV7を買ったほうが間違いないです。

SHURE MV7

MV7はiOSでも専用アプリが用意されており、DSPエフェクトなど調整できます。

iOS版 SHURE PLUS MOTIV

MVX2UはiOSでも使えますが、公式の言う通りで基本的にはPCでの利用推奨ですね。

地味に制約が多い

SHURE MVX2UをSHURE BETA58Aに繋いだ。XLRケーブルを使って接続

MVX2UはASIOドライバがなく、USB Audio Class 2で動作します。

Macで使用する分には全く問題ないですが、WindowsだとDTMで利用するのはかなり辛いです。

補足

WindowsはOS標準ドライバが弱いため、DTM用途ではメーカー側が用意したASIOドライバを使うのが一般的

また、USB Audio Class 2で動作するため、おそらく多くのゲーム機は認識しません。

そのため、以下のような用途はちょっと厳しいです。

  • ゲーム機でXLRマイクを使いたい
  • DTMで使いたい(Windows)
  • MVX2Uでスタジオレコーディングしたい(Windows)

逆にMVX2Uをおすすめしたいのは以下のどれかに当てはまる方ですね。

  • Macで使用する
  • 一通りの機材を持っていて、MVX2Uをサブで使う
  • DTMはやらずに配信やテレワークで使う
  • 出先でピンマイクやガンマイクを使う

一番ハマりそうなのは、既にXLRマイクやオーディオインターフェイスを持っている方のサブ機ですかね。

SHURE MVX2UをSHURE BETA58AとSHURE SE215 SPEに接続した

またはSHURE SM7Bなど、特定のXLRマイクを使いたい方にもあってます。

SHURE SM7B 斜め下から撮った

やはり、USBマイクよりはXLRマイクのほうが選択肢は多いですからね。

更にファンタム電源も供給できるため、プロ仕様のガンマイクやピンマイクも使えます。

SHURE MVX2Uを手で持ったところ。ハンディサイズ

レコーディング・配信以外でも撮影とかインタビューなどにも活用できますね。

そう考えると、コンテンツ制作をやっている方にはかなり便利なアイテムな気がします。

SHURE MVX2UをSHURE BETA58AとSHURE SE215 SPEに接続した接続部

パッと考えただけでも、色んな使い道が思いつくので、一台持っておくと便利な製品ですね。

 

SHURE MVX2U まとめ

SHURE MVX2U 外箱
  • 超コンパクトでXLRマイクをUSBマイクにできる
  • 音はなかなかよく、マイクプリの性能も良い
  • WindowsのDTMやゲーム機での利用は厳しい

ぎたすけ

なるほど。確かに配信だけでなく、撮影とかインタビューとかで活躍しそうだな

たけしゃん

やっぱりコンパクトなのは強いよね。iOSでも普通に使えたから、色んな場面で便利そう

SHURE MVX2Uのレビューでした。

非常にコンパクトながらも、性能はなかなか良い優れものです。

今後のファームウェアアップデートでiOS版のShurePlus MOTIVに対応してくれると、さらに使い勝手が良くなるので期待したいですね。

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