80/20ブロンズとフォスファーブロンズの違い。アコギ弦の種類と特徴を細かく解説

アコギ弦の種類を解説した図

ぎたすけ

80/20とかフォスファーブロンズって、そんなに音に違いがあるものなの?

たけしゃん

それなりに違うってくらいかな。記事内ではサンプル音も用意したから聴き比べてみてよ
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音楽ブロガーたけしゃん

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たけしゃん

tkshan

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ギター弾き語りのシンガーソングライター。長年の音楽活動や音楽の仕事で得た知識・経験を基にブログを書いています。
雑誌の音楽記事執筆、音楽専門書の執筆(工学社)、nana公認クリエイター、IPC VOICE STUDIO公認ボイストレーナーです。
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アコギ弦の種類

ELIXIR NANOWEB Phosphor Bronzeと80/20

アコースティックギターは主にスティール弦を使って演奏します。

そのスティール弦はアコギ用だと、大きくは3つの種類に分類されます。

材質特徴
Martin MA140
80/20 ブロンズ
銅80%、スズ20%が主流
渋めで落ち着いた音がする
安いが、サビるのは早い
Martin MA540

フォスファーブロンズ
銅92% スズ7% リン1%
明るくて煌びやかな音色
80/20よりやや持ちが良い
アコギ用のコンパウンド弦 Martin MA130S
コンパウンド
巻弦の芯線にシルクを使用
弦が柔らかく、押弦が楽
高音の抜けはいまいち
補足

エレキギターだとニッケル弦が主流

使用者が多いのはフォスファーブロンズと80/20 ブロンズのブロンズ弦です。

価格も安く、アコースティックギターらしい音がします。

参考までにプロアーティスト63名を対象に使用している弦の素材をまとめてみました。

プロが使用しているアコギ弦
フォスファーブロンズ
48名(76.2%)
ブロンズ弦
15名(25.8%)
コンパウンド弦
0名(0%)

フォスファーブロンズがダントツで多いですね。

ちなみにコーティング弦と呼ばれるものは、上記素材の弦に特殊なコーティングを加えた弦です。

ELIXIR NANOWEB 80/20

なので、材質自体は普通の弦もコーティング弦も一緒です。

ここからはサンプル音付きで、主な材質のアコギ弦を解説していきましょう。

80/20ブロンズ

Martin MA140

まずはアコギ弦の定番、80/20ブロンズです。

主に銅80%、スズ20%の割合で作られているため、この名称になっています。

渋めで落ち着いた音が特徴で、アコースティックギターらしいサウンドです。

フォスファーブロンズは煌びやかなサウンドなので、比べて見ると若干の違いがあります。

80/20ブロンズ

Martin MA140

フォスファーブロンズ

Martin MA540

また、80/20ブロンズはフォスファーブロンズよりは100円程度安いことが多いです。

その代わり、サビるのも若干早いですね。

安価なので、高頻度で張り替える人には使い勝手の良い素材です。

フォスファーブロンズ(Phosphor Bronze)

Martin MA540

続いて、煌びやかなサウンドが特徴的なフォスファーブロンズです。

銅92%、スズ7%、リン1%で構成される92/8フォスファーブロンズが主流ですね。

明るくて抜けの良いサウンドから、使用者が多い素材です。

弾き語りでも、フォスファーブロンズを使用している方が多い印象ですね。

ライブステージで弾き語りしているところ

80/20ブロンズと比べると、100円程度高いですが、寿命も少しだけ長いです。

何を買うか迷ったら、とりあえずはフォスファーブロンズを試してみるのが良いですね。

コンパウンド弦

アコギ用のコンパウンド弦 Martin MA130S

コンパウンド弦は巻き弦の芯線にシルクを使用した特殊な弦です。

弦が柔らかいため、押弦は楽です。

音も柔らかく、丸みのある特徴的な響きです。

ブロンズ弦と比べて、サスティーンの伸びはいまひとつですね。

コンパウンド弦のMartin MA130Sは弦が白い
コンパウンド弦は白いのも特徴

柔らかい弦が好みの方は一度試してみるといいでしょう。

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80/20ブロンズとフォスファーブロンズはどっちが良い?

Martin弦を3種類並べた

アコギ弦選びで悩むポイントは80/20ブロンズ弦とフォスファーブロンズ弦のどちらにするかです。

まずはもう一度、サウンドを聴き比べてみましょう。

今度は秦基博さんも使用しているJOHN PEARSEの弦でサンプル音を用意しました。

ちなみに秦基博さんは80/20ブロンズ弦を使用しています。

80/20ブロンズ

John pearse 200L

フォスファーブロンズ

John pearse 600L

僅かな差ですが、80/20ブロンズは落ちついた響き、フォスファーブロンズは煌びやかな響きになっています。

個人的には明るいフォスファーブロンズ弦の方が最近の音楽には合ってるかなと感じています。

Taylorのエレアコを弾いている男性

特にアルペジオはフォスファーブロンズの方が音がハッキリするので弾きやすく感じます。

逆にメロウな楽曲やマイナー曲などは落ち着いたサウンドの80/20ブロンズが良いと感じたりもします。

このへんは完全に好みなので、両方使ってみて気に入ったものを使いましょう。

 

アコギ弦の種類 まとめ

アコースティックギターとギター弦とカポタスト
  • アコギ弦の主な素材は80/20ブロンズ、フォスファーブロンズ、コンパウンドの3種類
  • フォスファーブロンズ弦の使用者が多い

ぎたすけ

弦の材質って、どれでもいいかなと思ってたけど割と違うもんなんだな

たけしゃん

実際に弾いてみるとサンプル音以上に違いを感じるよ。まずは両方使ってみた方がいいね

アコギ弦の種類についての解説でした。

まずは使用者が多い、フォスファーブロンズ弦を使ってみることをおすすめします。

弦の響きの違いを感じるとストロークやアルペジオのタッチをより意識するようになります。

こういったアイテムの細かい違いを感じることで、演奏の上達に繋がったりもしますね。

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