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カポタストの活用場面

まずはどんな時にカポタストを活用するのか?を理解しましょう。
活用場面は大きくは下記の3つ。
- 演奏するコードを弾きやすいものに変える
- 曲のキーを変える
- ギターの音色を変える
参考記事
カポタストの使い方・付け方・効果を図や動画を交えて分かりやすく解説

ここで、「上手い人はカポタストを使わない」理論に関わっているのは主に①です。
カポタストを使って演奏するコードを弾きやすいものに変えるため、上達しない…という理屈ですね。
何となく筋は通っているように思えます。
次章からはカポタストの活用について、掘り下げた解説をしていきます。
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カポタストに頼りすぎはダメ、全く頼らないのもダメ

では、最初に書いた結論について掘り下げていきましょう。
カポタストに頼りすぎって具体的にはどんなときを指すのか?
また、全く頼らないことの弊害は何なのか?
それぞれの事例を具体的に解説していきます。
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カポタストに頼りすぎな例

まずは頼りすぎな具体例から。
これはいたって単純。気づくと毎回同じキーで演奏していませんか?
弾き語りで使いやすいキーって決まっています。
具体的にはCキー、Gキーの2つ。


30分ライブの演奏を見ていて、カポの位置が変わるだけで全曲CもしくはGキーという事例は初中級者にはあるあるネタです。
しかも、カポに頼りすぎる人はコードやリズムもバリエーションがありません。
こうなると、聴き手は全曲同じに聴こえてきます。
様々なキーを経験することで演奏のバリエーションも生まれます。
コードやフレーズに関する知識もついてくるものです。
カポタストに頼りすぎて、プレイがワンパターンにならないように気を付けましょう。
カポタストを全く使わない弊害

続いて逆の全く使わないパターン。
カポタストを使わないがために、バレーコードが多発。ポジションも動きまくり。
結果として、聴いていられないようなギタープレイになっているパターンです。
特にありがちなのが、D♭キーなどをアルペジオで弾こうとする人です。
ダイアトニックコードがほぼバレーコードしかないので、綺麗にプレイするのはプロでも無理です。

普通に上手い人でもCAPO:1にしてCキーで演奏します。
「カポタストを使わない」を目的にするあまりにプレイが疎かになりがちです。
カポを使う・使わないは手段なので「良い演奏をするのが目的」であることを忘れてはいけません。
カポタストの上手い活用方法

ダメなパターンを学んだところで、カポタストの上手い活用方法を解説していきます。
結論から言うと、カポタストは演奏の幅を広げる道具と考えて使いましょう。
同じコード進行でもカポタストを使うことで演奏スタイルが複数から選択できるようになります。
複数の選択肢から曲に合わせて最適なものを選ぶ…という試みが重要です。
もう少し掘り下げてカポタストを用いた演奏の広げ方を解説していきます。
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選択肢をたくさん持つこと

カポタストは演奏の選択肢を増やすために使うものです。
例えば、Bキーの曲を演奏する場合には下記の選択肢があります。
- Bキーのまま演奏する
- 半音ダウンチューニングでCキー
- Capo:2でAキー
- Capo:4でGキー
4つの選択肢のどれを選ぶかで伴奏の雰囲気は全然変わってきます。
特定キーでの演奏ばかりやっていると、選択肢が狭まるので非常にもったいないことです。
例えば、アコギの名手である山崎まさよしさんはBキーの曲は割と多いですが、多種多様な演奏スタイルを用いています。
特に弾き語りだと音数が少ないので演奏スタイルの多様化は非常に重要なスキルです。
曲に合わせた最適な響きはどれか

同じ音の構成でもAを弾くのと、Capo:2でGを弾くのでは印象が変わります。
例えば、明るいポップな楽曲を演奏する場合にはバレーコードを多用するキーより、開放弦を多用するキーのほうが楽曲に適している場合が多いです。
また、コード構成もキーによって作りやすさが違います。
オンコードによるベースラインの作りやテンションコードの入れるポイントなど。
キーによって構成が変わってくるので曲にあった選択をしましょう。
そして、様々なキーでの演奏スタイルの習得にはプロアーティストの楽曲を完コピするのが最適です。
完コピで勉強になるアーティストは<おすすめのギタースコア>を参照ください。
特定のフレーズを入れるか

キーによって伴奏内にフレーズやメロディの入れやすさが変わります。
初心者がブルースにチャレンジする時はソロを弾きやすいようにEブルース、Aブルースを選択することが多いです。
弾き語りでも、伴奏にちょっとしたメロディを入れるならルートに開放弦が多いEキー、Aキーが楽ですね。


また、ハンマリング・プリング・スライドを入れる場合はローコードが多い、Cキー、Dキー、Gキーあたりが楽ですね。



このようにプレイの自由度を高めるためにカポタストを使ってキーを変更することがあります。
特定のフレーズの入れ方についても、やっぱりプロアーティストの楽曲を完コピして覚えるのが効率的です。
カポ活用を学ぶ おすすめのギタースコア
- 山崎まさよし ONE KNIGHT STANDS…中級者~向け。ブルース系の演奏スタイルが身につく
- 秦基博 evergreen…初心者~中級者におすすめの弾き語りギタースコア
- 星野源 BEST SELECTION…中級者~向け。弾き語りライブの演奏を採譜したギタースコア
僕が完コピでおすすめしたいのは上記3冊のギタースコアです。
基本的なスタイルを学ぶなら、秦基博 evergreenがおすすめです。
カポタストを多用しており、良く使うキーを網羅しています。難易度的にも初心者~中級者向け。
対して、山崎まさよし ONE KNIGHT STANDSはカポタスト不使用曲が圧倒的に多いです。
Bキー、E♭キーなど、大半の人がカポを使うキーを様々な変則コードフォームでカポ無しで料理しています。
難易度は高いものの演奏幅を広げたい人にはおすすめの1冊です。
星野源 BEST SELECTIONはカポタストを多用しており、オーソドックスなコード進行。
ただ、コードフォームの選択が星野源さんならではだったりします。
3冊とも本人のライブ演奏をそのまま採譜したギタースコアですが、アーティストの個性が出ていて面白いです。
山崎まさよしさんのギタースコア
秦基博さんのギタースコア
星野源さんのギタースコア
プロアーティストのカポタスト使用例

本章では具体例として、山崎まさよしさんの演奏を解説していきます。
山崎まさよしさんはカポタストの使用頻度は低めなアーティストです。
ただ、楽曲に応じてカポタストを使用されています。
使い方も演奏の幅を広げる用途なので、すごく参考になるアーティストです。
カポタストを使ってない事例と使っている事例をそれぞれ解説していきます。
カポタストを使っていない楽曲
山崎まさよしさんの心拍数という曲を題材に見ていきましょう。
楽曲のキーはE♭。一般的にはCapo:3のCキーもしくはCapo:1のDキーを選択することが多く、
カポ無しで演奏する人はあまりいないキーです。

しかし、楽曲を聴くとE♭キーのまま演奏しており、曲の雰囲気をカッコよく仕上げています。
バレーコード中心ですが、変則フォームやオンコードを織り交ぜて良い感じにアレンジされていますね。
推測ですが、3連符でのベース音が印象的なのでローポジションの6弦・5弦を活かしたくてカポ無しを選択されたのではないかなと。
同様に山崎まさよしさんはBキーをカポなしで演奏することが多いです。

Bキーについても半音ダウンチューニングでCキーにするか、Capo:2でAキー、Capo:4でGキーの三択が一般的。
しかし、カポをつけずにブルース的なアプローチでカッコよく演奏されています。
各キーでの演奏バリエーションの豊富さが伺えますね。
カポタストを活用した楽曲

続いては山崎まさよしさんがカポタストを使っている楽曲、「やわらかい月」です。
この楽曲のAキーですが、Capo:2のGキーで演奏しています。
Aキーはカポタストをつけないで演奏されることが多いキーですが、まさよしさんはあえてカポをつけて演奏しています。
おそらく、曲の雰囲気や進行に合わせてGキーでのアルペジオが適していると判断したのでしょう。
演奏プレイを見ても開放弦の活用場面が多く、ハンマリング・プリング・スライドを多用しています。
Aキーでのアルペジオでは難しいプレイなので、Gキーを選択したんですね。
アルペジオで演奏するならGキーのほうがポジションチェンジの幅も小さく、音の繋がりを出しやすいです。
このように楽曲の雰囲気や鳴らしたい音によって、選択肢を変えられることが重要です。
2曲だけ拾っても、考察から勉強できることが非常に多いアーティストです。
僕もギタースコアONE KNIGHT STANDSから勉強していることはほんとに多いです。さすが弾き語りのレジェンドです。
山崎まさよしさんのギタースコア
エレキギターはカポを使わない?

ぎたすけ
たけしゃん
エレキギターはアコースティックギターと奏法や役割が異なるので、カポタストを使用しないことが多いです。
エレキギターがカポタストを使用しない理由はこちら。
- ローコードよりハイコードのほうが音色的に合うことが多い
- コードを抑えるより、特定の音をピンポイントで弾くことが多い
- ギターソロなどで指板を広く使うのでカポをつけると邪魔
エレキギターは基本バンド演奏で使う楽器なので、低音はベースが担当してくれるんですよね。
なので、ローコードよりハイコードのほうが音的に合うことが多いです。

そして、必ずしもベース音を弾く必要はないのでアコギみたいにジャラーンと弾くより、鳴らす音は絞ることが多いです。
更にはギターソロなどでは、長距離のグリスやスライドを使うのにカポタストがあると邪魔だったりもします。
そんなわけで、エレキギターについてはカポタストは必要性がないので使わない方が多いです。
ただ、ボーカルギターについてはエレキでもアコギのようなアプローチをするため、カポタストを使う人は割と多いです。

エレキでカポタストを使用するとダサいみたいな話ではないので、エレキギターについても楽曲に適した演奏になるか?を基準に考えましょう。
リードギターだとカポタストを使うことで演奏の自由度が下がってしまうことが多いはずです。
カポタストの活用 まとめ

- カポタストは上手い人も使う
- カポタストは演奏の幅を広げるために使うもの
- カポタストを使うかどうかは最適な演奏はどっちなのかで考える
ぎたすけ
たけしゃん
「上手い人はカポタストを使わない」という風説について解説した記事でした。
結論は上手い人もカポタストを使います!
ただし、上手い人は「演奏を簡単にする道具」ではなく「演奏の幅を広げる道具」として活用しているのです。
あなたもカポタストを多用するときは一度考えてみましょう。
- 同じような演奏ばかりしてないか?
- 本当にこの選択が一番良いのか?
考えながら使えばカポタストは成長につながる素晴らしいアイテムになるでしょう。
また、本記事でもダイアトニックコードなど音楽理論が少し登場しましたね。
音楽理論を勉強するとカポタストへのアプローチも少し変わってきますので、ぜひ弾き語りすとLABOの音楽理論講座で勉強してみてください。





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