一発で記憶に残る曲を作る! 「9つのルール」をレビュー。10曲くらい作曲した人に最適な作曲本

一発で記憶に残る曲を作る9つのルール 表紙

ぎたすけ

作曲本ってことは音楽理論とかに詳しくなれる本か?

たけしゃん

いや、この本は難しい理論とかを抜きに作詞・作曲の試行錯誤にチャレンジするための本だね

ライトにチャレンジできるから凄くいいよ

飛ばし読みガイド

この記事の著者
音楽ブロガーたけしゃん

ミュージシャン

たけしゃん

tkshan

プロフィール

ギター弾き語りのシンガーソングライター。長年の音楽活動や音楽の仕事で得た知識・経験を基にブログを書いています。
雑誌の音楽記事執筆、音楽専門書の執筆(工学社)、nana公認クリエイター、IPC VOICE STUDIO公認ボイストレーナーです。
プロフィール詳細お問い合わせ

一発で記憶に残る曲を作る! 「9つのルール」

一発で記憶に残る曲を作る9つのルール 表紙

  • メロディーに着目して色んな試行錯誤する方法を解説した本
  • 難しい音楽理論は一切出てこない
  • 試行錯誤して変化したメロディーがQRコードで聴ける
  • 全183ページで文字は大きめなので量はほどほど

メロディーに着目して解説された本、「一発で記憶に残る曲を作る9つのルール」。

プロの作曲家が行っている思考ルーティンの「9つのルール」を実践して、メロディーの試行錯誤を一緒に行っていく本です。

 

僕も買った当初は職業作家を目指している方向けの本だと思ってました。

しかし、読んでみると万人向けでシンガーソングライターの方にも非常に有用な本でした。

 

まずは本書の概要から詳しく解説していきます。

概要はいいのでレビューを読みたいという方は<一発で記憶に残る曲を作る9つのルール レビュー>を参照してください。

概要の目次(タップで飛びます)

本書の目次とページ数

一発で記憶に残る曲を作る9つのルール 目次

  1. 9つのルールが生まれたわけ(6ページ)
  2. 楽曲は料理であると考えるべし(4ページ)
  3. ルール1 客観しできているか?(11ページ)
  4. ルール2 メロディの主張があるか?(6ページ)
  5. ルール3 効果的な「反復」が施されているか?(22ページ)
  6. ルール4 歌詞に反復性があるか?(15ページ)
  7. ルール5 起伏(メリハリ)があるか?(12ページ)
  8. ルール6 曲全体がコース料理になっているか?(14ページ)
  9. ルール7 盛り込みすぎていないか?(6ページ)
  10. ルール8 応用編 メロディを突き詰める「旅」をしたか?(20ページ)
  11. ルール9 神は細部に宿る!(33ページ)

まえがき、あとがき、おまけをプラスして全部で183ページ。

文字が大きめで、かつ後半は譜面中心なのでサクサク読めます。

 

僕は正月休みに1日で読み終えました。

ただ、読んで終わりというか繰り返し活用するタイプの本なので、全部読んで使いそうな見出しはチェックでも入れとくといいですね。

QRコードの参考音源付き

全編通して、1つのメロディーを基に色んなパターンを試行錯誤していく本です。

そのため、各パターンの参考音源がついてきます。

 

これがかなりの量あって、おまけを含めると99個の音源があります。

また、歌詞のハマり具合についての解説章もあるためボーカル入りの音源もチラホラとあります。

 

そんなわけで、スマホでQRコードをスキャンしてイヤホンで参考音源を聴きながら本を読み進めていく流れになります。

筆者

一発で記憶に残る曲を作る9つのルールの筆者は割田康彦さんという方です。

作曲家としてデビューし、研音でプロデューサー&ディレクターをやられていたり、作家マネジメントをやられていたり…。

 

現在はフリーランスの作曲家をされており、様々な著名なアーティストに楽曲提供されています。

audio technica AT-UMX3のバナー(PC)PR

一発で記憶に残る曲を作る9つのルール レビュー

一発で記憶に残る曲を作る9つのルール 裏表紙

それでは、一発で記憶に残る曲を作る9つのルールをレビューしていきます。

はじめに総評すると「10曲くらい作曲してみた方に最適なワンパターン脱出本」です。

 

職業作家を目指している方にはもちろん良いですが、シンガーソングライターにこそおすすめな本だと感じました。

 

最初に作る10曲って、同じような楽曲になりがちなんですよね。

しかも、職業作家さんと違ってシンガーソングライターは基本的にクライアントはいないし、歌い手も自分だけ。

そのため、全部自分の気持ちいいところで作って、何十曲も同じような曲ばかりってことはよくあります。

 

本書は難しい理論抜きでの試行錯誤のやり方をひたすら解説している本なので、ワンパターン脱出には非常に有効な本です。

レビューの目次(タップで飛びます)

メロディーの自由さを再認識できる

「一発で記憶に残る曲を作る9つのルール」は、特定のメロディーラインを題材にひたすら変化させていく内容になってます。

 

9つのルールに則って、色んな観点でメロディーラインを変化させていきます。

単純にメロディーを変化させるだけでなく、リズム・歌詞・前後のメロディーとの関係性などなど色んな観点が登場します。

 

1つのメロディーでこれだけ変化させるアイデアってあるんだなぁと感心してしまいます。

そして、ほんと自分がいかに適当にメロディーを決めてたかも実感できます(苦笑)。

 

自分の中で作ってみたけど、ボツにした楽曲も本書を参考にいじってみると生まれ変わるかもしれないですね。

無意識から意識的なメロディー作りになる

本書を読んでいると、無意識でやってたことが手法として紹介されているパターンは多いです。

おそらく、長く作曲をやってる人ほど多いでしょうね。

 

この無意識でやってたことが解説され、譜面で書かれ、手法として視覚的に認識できることが非常に大きいと感じました。

 

本書の中でもメロディーを聴くだけじゃなく、視覚的にも確認しましょうね…というくだりは出てきますが、本当に大事なことだなと感じます。

 

ワンパターン化するときって、自分で聴いても気づかなかったりするんですよね。

僕も昔、作曲家の先生に自分の曲を簡単な譜面にしてもらって「ほら、全部一緒でしょ」と言われたことありますからね…。

僕自身は全然一緒の認識なかったんですけど(苦笑)。

 

本の中で紹介されている手法を基に自分の楽曲を分析してみると、色々気づけることがありそうです。

曲を作ったことがない人が買う本ではない

本書は自力で何曲か完成させることができた人のステップアップ本という位置づけです。

 

最初の作曲って「これでいいのか?」と考えちゃって、いつまで経っても完成しないもの。

この状態で本書を買っても、一層迷うことになりそうです。

 

鼻歌などの適当なメロディーを基に、曲を作るという工程はある程度慣れてきた人が買うべき本です。

僕の感覚では、10曲くらいオリジナル曲を作れた人が最適と感じました。

作曲のネタ帳として1冊持ってくとよい

本書はメロディーの試行錯誤する手法が多数書かれているので、ネタ帳として1冊持っておくと役立ちそうです。

例えば、「ルール8 応用編 メロディを突き詰める旅をしたか?」では特定のメロディーを48パターン変化させています。

 

一度読んで終わりにするにはもったいない本なので、借りるよりは所有して作曲に煮詰まったらアイデア探しに使うと良いでしょう。

 

一発で記憶に残る曲を作る! 「9つのルール」 まとめ

本棚から本を取る

  • 難しい理論抜きでメロディーの試行錯誤を解説した本
  • 10曲くらいは作曲してから買ったほうが良い
  • メロディー作りのネタ帳として自宅に置いておきたい本

ぎたすけ

へぇ~、良いメロディーって天から降ってくるみたいな話だと思ってたけど…

たけしゃん

まあ、そういうパターンもあるよね。ただ、降りてくるメロディーって似てたりもするのよ。

だから、意識的に作ることもできないと同じような曲だらけになるよ

一発で記憶に残る曲を作る! 「9つのルール」のレビューでした。

作曲本も色々と読んでますが、すごく読みやすくて発見も多い良書でした。

 

本書は理論抜きでライトに試行錯誤する手法を解説していましたが、割田さんの本をもう何冊か読みたいなと思いました。

次作では本書の発展形の試行錯誤する本を期待したいですね。

メロディーとコードの違いを解説した図解コードの付け方。メロディーにコードを付ける流れを自作曲を題材に解説 本とコーヒー音楽理論がいらないと言われる理由と勉強すべきタイミングを解説 絶対音感と相対音感の違いをまとめた図相対音感の鍛え方。絶対音感との違いや具体的なトレーニング方法を解説