マーチン弦の種類を音源付きで解説【プロアーティスト使用者も紹介】

Martin弦 2種類

ぎたすけ

マーチン弦ってアコギで有名なマーチンが作ってるってこと?

たけしゃん

そうだよ。マーチン弦は安くて種類も豊富でアコギ弦の中でも最も有名な弦だよ
この記事の著者
音楽ブロガーたけしゃん

ミュージシャン

たけしゃん

tkshan

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ギター弾き語りのシンガーソングライター。長年の音楽活動や音楽の仕事で得た知識・経験を基にブログを書いています。
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マーチン弦の特徴

Martin弦 2種類

マーチン弦はアコギの超有名メーカーMartinが製造・販売しているギター弦です。

マーチン弦は安価で種類が豊富なため、使用している人が非常に多いですね。

何度かパッケージやラインナップが変更されており、現在は2018年10月に刷新されたパッケージが最新です。

Martin MA140

旧パッケージは数十種類に及び、非常にわかりづらかったことから、現行パッケージではメインは3種類に統合されました。

Martin弦を3種類並べた

ただ、この3パッケージの中でもバリエーションがあり、材質ごとに枝分かれしています。

更に後から追加パッケージが増えており、結局はそれなりに多種類になっています。

そのため、本記事は各パッケージ単位に分けて、6パッケージ・10種類の弦の特徴を解説していきます。

このあと解説するパッケージ

パッケージ概要
Martin MA140
SUPERIOR
PERFORMANCE
定番のマーチン弦
アコギ弦の基準と言える弦
Martin-MA540S
MARQUIS SILKED
ポールエンドにシルクを
ラッピングした弦
Martin MA540T
LIFE SPAN
コーティング弦
Martin MA540FX
FLEXIBLE CORE
細い芯線と太めの巻き弦を
採用した弦
Martin MM12
RETRO
モネル・ニッケル・銅を
ブレンドした弦
martin mec12
Eric Clapton Choice
エリック・クラプトン
シグネイチャー弦

なお、Martinは弦の太さによって型番が変わります。

本記事では使用者が多い「Light」の型番で解説を行います。

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SUPERIOR PERFORMANCE

Martin MA140

まずは代表的なマーチン弦、SUPERIOR PERFORMANCEです。

旧パッケージ時代から定番中の定番で、プロアマ問わず多数の愛用者がいます。

SUPERIOR PERFORMANCEは2種類のバリエーションがあり、弦の材質が異なります。

材質特徴
Martin MA140
MA140
80/20ブロンズ
渋めで落ち着いた音がする
安いが、サビるのは早い
Martin MA540
MA540
フォスファーブロンズ
明るくて煌びやかな音色
80/20よりやや持ちが良い

昔から定番で安いのが80/20ブロンズを用いたMA140ですね。

対して、フォスファーブロンズのMA540は斉藤和義さん、植村花菜さんなどプロの愛用者もいます。

それぞれの弦をサンプル音源付きで紹介するので聞いてみましょう。

MA140

Martin MA140
音色
自然
煌びやか
滑り
滑らない
ツルツル
寿命
短い
長い
項目内容
材質80/20ブロンズ
実売価格800円

非常にアコギらしい自然な鳴り方をしてくれます。

アコギ弦の基準になっている弦なので、色々試すならスタートはMA140が良いですね。

MA540

Martin MA540
音色
自然
煌びやか
滑り
滑らない
ツルツル
寿命
短い
長い
項目内容
材質フォスファーブロンズ
実売価格1,000円

Martin弦の中でも、おそらく一番人気なのがフォスファーブロンズのMA540です。

音色、演奏性共に優れており、値段もそこそこなので普段使いしている人が多いです。

使用アーティスト
  • 斉藤和義
  • 植村花菜
 

MARQUIS SILKED

Martin-MA540S

緑のパッケージがMARQUIS SILKED。旧パッケージのMARQUISシリーズです。

MARQUIS SILKEDは材質別で3種類に分かれています。

材質特徴
Martin MA140S
MA140S
80/20ブロンズ
渋めで落ち着いた音がする
ポールエンドをシルクラップ
Martin-MA540S
MA540S
フォスファーブロンズ
明るくて煌びやかな音色
ポールエンドをシルクラップ
アコギ用のコンパウンド弦 Martin MA130S
MA130S
シルクを巻いた弦
テンション緩めで丸い音
ポールエンドをシルクラップ

ポールエンドをシルクラップしてブリッジの保護を強化している点が特徴です。

MA130Sだけはコンパウンド弦になっており、音質や弾き心地が大分異なります。

ちなみにMartinはヴィンテージギターにはMARQUIS SILKEDの使用を推奨しています。

MA140S

Martin MA140S
音色
自然
煌びやか
滑り
滑らない
ツルツル
寿命
短い
長い
項目内容
材質80/20ブロンズ
(ポールエンド部分はシルクラップ)
実売価格960円

80/20ブロンズ弦でポール部分をシルクラッピングしたマーチン弦です。

音質はアコギらしい音でMA140に近いですね。

MA540S

Martin-MA540S
音色
自然
煌びやか
滑り
滑らない
ツルツル
寿命
短い
長い
項目内容
材質フォスファーブロンズ
(ポールエンド部分はシルクラップ)
実売価格1,000円

フォスファーブロンズでポールエンド部分をシルクラップした弦です。

ナチュラルで心地よい響きです。MARQUISシリーズは昔から、MA540Sが人気ですね。

使用アーティスト
  • Rei
  • 鬼怒無月

MA130S

アコギ用のコンパウンド弦 Martin MA130S
音色
自然
煌びやか
滑り
滑らない
ツルツル
寿命
短い
長い
項目内容
材質コンパウンド
実売価格1,200円

弦にシルクを巻いたコンパウンド弦です。

柔らかな質感と丸いサウンドが特徴で弦の色も白いです。

コンパウンド弦のMartin MA130Sは弦が白い

スチール弦とナイロン弦の中間くらいでガットギターのような丸い音になります。

弦が柔らかいので、押弦で指が痛くなる人には適してますね。

 

LIFE SPAN 2.0 TREATED

Martin MA540T

LIFE SPAN 2.0 TREATEDは寿命の長いコーディング弦です。

弦に特殊なトリートメントを施しており、サビづらくなっています。

コーティング弦らしくキラキラした音ですが、Elixirよりはやや控えめです。

LIFE SPAN 2.0 TREATEDも2つのバリエーションが用意されています。

材質特徴
Martin MA140T
MA140T
80/20ブロンズ
渋めで落ち着いた音がする
コーティングでサビにくい
Martin MA540T
MA540T
フォスファーブロンズ
明るくて煌びやかな音色
コーティングでサビにくい

寿命の長さはまあまあといったレベルで、1か月ちょっとサビてきます。

コーディング弦に関しては、Elixirのほうが長持ちで良いですね。

MA140T

Martin MA140T
音色
自然
煌びやか
滑り
滑らない
ツルツル
寿命
短い
長い
項目内容
材質80/20ブロンズ
(コーティング弦)
実売価格1,600円

80/20ブロンズのコーティング弦です。

コーティング弦らしく、キラキラした音質で寿命はやや長いというレベルです。

悪くはないですが、音質・寿命ともにやや中途半端な感じですね。

MA540T

Martin MA540T
音色
自然
煌びやか
滑り
滑らない
ツルツル
寿命
短い
長い
項目内容
材質フォスファーブロンズ
(コーティング弦)
実売価格1,600円

MA540Tはフォスファーブロンズのコーディング弦です。

かなりキラキラなコーティング弦らしい音質になっています。

寿命はまあまあで、1か月ちょっとで少しサビてきます。

やっぱり、音質・寿命ともに中途半端かなという印象ですね。

 

FLEXIBLE CORE

Martin MA540FX
音色
自然
煌びやか
滑り
滑らない
ツルツル
寿命
短い
長い
項目内容
材質フォスファーブロンズ
実売価格1,050円

一般的なアコギ弦より、細い芯線・太めの巻き線を採用したのがFLEXIBLE COREです。

レスポンスが速く、シャープなアタックが特徴の弦ですね。

どちらかというとフィンガーピッカー向けという印象です。

歌モノでジャカジャカ弾くなら、通常のSUPERIOR PERFORMANCEのほうが良いですね。

Martin MA540

ちなみにLIGHTゲージのMA540FXはトミー・エマニュエルシグネイチャーモデルとなってます。

Martin MA540FX
パッケージにもサインがある

Martinのシグネイチャーシリーズの中でも人気の高い弦ですね。

なお、CUSTOMゲージ(11-47)のMA130FXだけはラウンドコア・シルク・銀メッキが施された特殊仕様になっています。

Martin MA130FX

MA130FXは丸みのある音質でキャラクターも異なるので注意してください。

RETRO

Martin MM12
音色
自然
煌びやか
滑り
滑らない
ツルツル
寿命
短い
長い
項目内容
材質モネル
実売価格1,050円

RETROはニッケルと銅を独自ブレンドしたモネルを巻き線にして、錫メッキ銅の芯線に使用した弦です。

1930年代のマーチン弦を現代風にアレンジというコンセプトで、落ち着いた音です。

個人的にはブルースギターの人が割とよく使っているイメージですね。

なお、MEDIUM/LIGHTゲージはLJシグネイチャー、BlueglassゲージはTony Riceシグネイチャーです。

ちなみにRETROはマイナーな弦なためか、今でも旧パッケージ品も出回ってます。

MARTIN MM10 Retro Acoustic Monel Nickel Extra Light アコースティックギター弦
Martin(マーチン)

Eric Clapton Choice

martin mec12
音色
自然
煌びやか
滑り
滑らない
ツルツル
寿命
短い
長い
項目内容
材質フォスファーブロンズ
実売価格1,200円

最後は昔から人気の高い、エリック・クラプトンシグネイチャーのアコギ弦です。

フォスファーブロンズですが、鳴り方は落ち着いた80/20ブロンズにやや寄っている感じです。

やはり、000-28などMartinギターを使っている人に使用者が多いですね。

マーチン弦 まとめ

Martin弦 2種類
  • 現行パッケージは主に6種類
  • 各パッケージで材質ごとに枝分かれしている
  • 弾き語りでおすすめはSUPERIOR PERFORMANCEのMA540

ぎたすけ

統合したと言いながら、かなりのバリエーションがあったな

たけしゃん

そうなんだよね。マーチン弦は世界中に使用者がいるから統合が難しかったんだろうね

マーチン弦についての解説でした。

弾き語りでおすすめはやはり、MA540ですね。

Martin MA540

程よく煌びやかで演奏性も良好です。

価格も安めなので、日常的に使うのに適したアコギ弦です。

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