AUXとは?アンプやスピーカーでの使い方、DAWでの用途をそれぞれ解説

Bluetooth対応のコンパクトスピーカー

ぎたすけ

AUXってスピーカーとかアンプによくある端子のことだよな?

たけしゃん

そうだね。割とこのAUXに関する細かい質問がよくあるから記事で解説していくよ

AUXはアンプやスピーカー、コンポといったオーディオ機器とDAWやミキサーといった音響機器で用途が異なります。

本記事ではそれぞれを分けて解説しますので、見たい内容を選んで読んでください。

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音楽ブロガーたけしゃん

ミュージシャン

たけしゃん

tkshan

プロフィール

ギター弾き語りのシンガーソングライター。長年の音楽活動や音楽の仕事で得た知識・経験を基にブログを書いています。
雑誌の音楽記事執筆、音楽専門書の執筆(工学社)、nana公認クリエイター、IPC VOICE STUDIO公認ボイストレーナーです。
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AUXとは

YAMAHA AG03MK2 ブラックの下部
YAMAHA AG03mk2 真ん中にAUX端子がある

AUXはオグジュアリー(Auxiliary)の略で「補助」という意味です。

主には以下の用途で使用します。

  1. スマホをアンプやスピーカーに繋ぐ
  2. iPodなどのオーディオ機器をアンプやスピーカーに繋ぐ

例えば、BluetoothスピーカーはBluetooth接続できる端末で使うものです。

Bluetooth対応のコンパクトスピーカー

ですが、Bluetooth非対応のものをつなげて音楽を流したいこともあるので、補助的にAUX端子を搭載しておくわけです。

同様にギター用アンプやオーディオインターフェイスでもAUXを搭載している製品があります。

THR30ⅡA Wireless
AUX搭載のアンプ YAMAHA THR30ⅡA Wireless

特にギターアンプやキーボード(鍵盤)でAUX端子があると、スマホで曲を流しながら練習できます。

曲に合わせて演奏できると、練習効率が格段に良くなりますよね。

THR30ⅡA WirelessをBluetoothスピーカーとして使ってるところ

筆者も普段はギターアンプにスマホとヘッドホンを繋いで、エレキギターの練習をしています。

また、路上ライブやライブ配信でも、アンプやオーディオインターフェイスにスマホを繋いでオケやBGMを流すことができます。

エレアコでライブしている男性

そういった理由から非常に便利なAUX端子ですが、細かい点をいくつか紹介していきます。

接続に使うケーブルの種類

4極と3極のケーブル

AUXとスマホなどの機器を接続する際は3.5mmの3極ケーブルを使用します。

Lightning端子のiPhoneは3.5mm端子がないため、Lightning-3.5mm変換プラグを間に挟む必要がありますね。

ちなみに最近はAUXとしての機能も、Bluetoothで対応している製品が主流です。

THR30ⅡA WirelessとRenc Share
THR30ⅡA WirelessもBluetooth対応

ただ、Bluetoothだと電波の途切れや音の遅延もあるので、AUX端子が付いていると安心ではありますね。

オーディオインターフェイスでAUX搭載は少ない

YAMAHA AG03MK2 ブラック
AUX搭載のYAMAHA AG03mk2

オーディオインターフェイスでAUX端子を搭載している製品はかなり少ないです。

基本的にはライブ配信に特化した製品のみ、AUX搭載という感じですね。

一応、AUXがなくとも、3.5mm-6.3mmケーブルを使えばスマホやオーディオ機器とオーディオインターフェイスを接続できます。

AUDIENT EVO4 背面
コンボジャックや1/4″ライン入力に6.3mmケーブルで接続できる

実際にコンボジャックなどに3.5mm-6.3mmケーブルでスマホを接続している人は割と多いようです。

補足

コンボジャックに繋いだ際にスマホの音が極端に小さい場合はHi-ZをONにしてみましょう

ただ、機種によってノイズが出る場合もあります。

そのため、スマホを繋いで使いたいならAUX端子がある製品が安心ですね。

ちなみにYAMAHA AG03mk2のAUXは4極入出力にも対応しています。

4極と3極のケーブル

4極入出力はイヤホンマイクなどに利用される端子で、入力と出力の両方に対応できます。

具体的にはスマホとオーディオインターフェイスを繋いで、ハイクオリティなマイクなどを使用したスマホ通話ができたりします。

SHURE SM7dB 右斜め前から撮影

また、その通話をライブ配信に流すことも簡単にできます。

AG03MK2を使って配信でリスナーとの通話を流す

通常のスマホ通話やLINE通話などにプロユースの外部マイクを使えるので、通話が超高音質になりますね。

AG03mk2はライブ配信はもちろん、テレワークなどでも便利なオーディオインターフェイスです。

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DAWやミキサーにおけるAUX

オーディオミキサー

DAW(音楽制作ソフト)やミキサーにもAUXというチャンネルがあります。

意味は一緒で「補助」的なチャンネルになります。

ただ、一般のオーディオ機器とは少し用途が異なるため、ミュージシャンなら違いは理解しておいたほうが良いです。

特にライブやDTMをやってる人の中ではAUXというとDAWやミキサーでの話のほうが多いです。

レコーディングスタジオ

話が混合しないように違いを理解しておくと、会話もスムーズになります。

DAWにおけるAUX

Cubaseのミキサー画面

DAWにおけるAUXは主に複数トラックをまとめる際に使用されます。

例えば、ドラムの場合はハイハット、スネア、タムなど、それぞれのパーツをバラバラに録音するのが一般的です。

ドラムの写真

しかし、mixの後半ではドラムを一括りにして、エフェクトや音量を調整したいことも多いです。

そのため、ドラム用のAUXトラックを立ち上げて、そこに各パーツの音をまとめるわけですね。

また、リバーブなどの空間系エフェクトもAUXトラックにインサートすることが多いです。

Steinberg RoomWorks SE
RoomWorks SE

リバーブは多くのトラックにかけますが、各トラックに個別にインサートすると動作が重いですからね。

リバーブ用のAUXトラックを作って、そこに各トラックの音を送ると効率的に処理できます。

補足

CubaseではAUXではなく、FXチャンネルという名称が使われています

ミキサーにおけるAUX

アナログミキサー

最後はライブハウスやリハーサルスタジオにあるミキサーのAUXです。

ミキサーのAUXは基本的にDAWと一緒で複数トラックの音をまとめる用途で使用されます。

AUXを活用することでメインスピーカーに送る音とは別管理できるため、演奏者のモニター用の出力としても使用されます。

モニタースピーカー
モニタースピーカー

もちろん、DAWと同じように1つのエフェクトを複数トラックに適用させるためにも使用されます。

ちなみにミキサーにもスマホなどを挿せる端子が用意されていますが、それはAUXとは呼ばないようです。

そもそも、ミキサーは色んな楽器の音を取りこむのがメイン用途だからでしょうかね。

 

AUX まとめ

THR30ⅡA WirelessをBluetoothスピーカーとして使ってるところ
  • AUXは「補助」という意味の言葉
  • オーディオ機器ではスマホやオーディオプレイヤーを挿せる端子
  • DAWやミキサーでは複数トラックをまとめる用途で使われる

ぎたすけ

同じAUXなのにモノによって、大分意味が違うんだな

たけしゃん

まあ、「補助」って意味合いを考えると、メインの用途によって機能が変わってきちゃうよね

AUXについての解説でした。

最近は一般のオーディオ機器でもAUXは良く付いているため、DAWやミキサーのAUXと混ざりがちです。

何の製品のAUXなのか?で話が大分変わってくることを知っておくと、会話で困ることも減るでしょう。