音楽系YouTuberはまだ稼げるのか?主要な音楽サービスと比較して考える

「弾き語りの動画配信サービスは何がよいのだろうか?」

少し前までは音楽の動画配信サービスというとYouTubeに動画を上げて収益を出すビジネスモデルがメインでした。

例えば、Goose houseさんやコバソロさん。

近頃はスマホの普及で、ライブ配信をすることがお手軽になり、動画配信もアーティスト活動の主力になりつつあります。

そこで、まず音楽系のYouTuberは未だに稼げるものなのか?を検証。

その上で最近の他サービスの状況についても解説していきます。

この記事の著者
音楽ブロガーたけしゃん

ミュージシャン

たけしゃん

tkshan

プロフィール

ギター弾き語りのシンガーソングライター。長年の音楽活動や音楽の仕事で得た知識・経験を基にブログを書いています。
雑誌の音楽記事執筆、音楽専門書の執筆(工学社)、nana公認クリエイター、IPC VOICE STUDIO公認ボイストレーナーです。
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YouTubeの状況

相変わらず、動画配信サイトでは無類の強さを誇るYouTube。

音楽活動においてもYouTubeの活用は必須と言えるレベルにまできています。

ミュージシャンがYouTubeを活用する利点は主に2つ。

  • 広告掲載による収益
  • 認知度アップ

どちらもミュージシャンやっていると大きい要素ですね。

しかし、今でもYouTubeの活用は重要ですが状況が少しずつ変わってきている感はあります。

現状のルールやシェア率などを基に解説していきます。

YouTubeの収益性

YouTubeで動画を配信する際には対象動画に広告を掲載するか選択できます。

この動画に広告を掲載して収益を得るプログラムを「YouTubeパートナープログラム」と呼びます。

MEMO
もちろん、違法動画や広告掲載することで企業イメージが損なわれるような動画は広告掲載できません

以前だと、YouTubeの再生回数×0.1円あたりの収益が得られる…というのが大凡の収益率の基準でした。

これに当てはめると1万再生で1,000円。

 

2018年2月20日からは「YouTubeパートナープログラム」への参加条件が変更となり、「過去12か月の総再生時間が4000時間以上」と「チャンネル登録者数が1000人以上」であることが必要となります。

やったことがある人はわかりますが、これは相当厳しい条件。

たぶん、音楽系のYouTuberでこの条件をクリアしている人は5%もいないのではないか。

ちなみに「総再生時間が4000時間以上」を音楽系のYouTuberで仮定すると…。

  1. 1曲2分(ワンコーラス聞いて離脱)
  2. 4,000時間=240,000分
  3. 240,000÷2=120,000再生

年間で120,000再生。

やっぱり、上位5%ってところだな。

となると、新規参入者が収益目当てでYouTubeに力を入れるのは厳しい。

他の活動していて、おまけでYouTubeも…って感じですね。

タイトルの結論をいうと、音楽系YouTuberは一握りの上位層以外は全く稼げない。

YouTubeの拡散性

とはいっても、YouTubeの拡散性は健在。

プラットフォームとしての知名度、SNSと連携しやすさにおいては他のサービスを圧倒しています。

これからも、収益よりも拡散性を狙ってYouTubeを活用するのがよいでしょう。

SNS連携して、Twitterやインスタグラムでシェアするという方法がお手軽かつ効果的。

ただ、リンク貼り付けてもタイムライン上で再生できないんですよね。

mp4などにして動画として共有してフルverのYouTubeリンクを張るなどの工夫は必要。

現状ではYouTubeも一つのチャネルとして強いけど、SNS向けには別の方法を考えるってのが良い感じではあります。

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主流の音楽サービス

最近では「音楽SNS」や「ライブ配信サービス」がスマホ1台でお手軽に使えるようになりました。

年代層においてはYouTube以上の拡散力や収益性があるサービスも少なくない。

また、ユーザー参加型で音楽を楽しめるものが人気を集めていたりと新しいサービスの登場が速い。

ここでは既に普及している人気サービスを紹介して拡散力や収益性を考えます。

nana

nana 音楽でつながるコミュニティアプリ

10代に人気の音楽SNSといえば「nana」。

誰かが投稿した音源に気軽にコラボできるところが特徴です。

例えば、誰かが投稿したギター音源にボーカルをつけたり、ドラムをつけたりできるわけです。

とにかくボーカルの人口が圧倒的に多いので伴奏を作ってくれる人は重宝されます。

 

以前はスマホからしか投稿できなかったのですが、最近はPCからも投稿できるようになったためDTMerも参入しやすくなりました。

ちょっと昔のニコニコ動画のような感じになってます。

弾き語りすとからするとボーカルでコラボするのもよし、楽器伴奏でコラボするのもよし。

…と楽しみ方の幅もあって、相性が良いアプリです。

ツイキャス

ツイキャス ライブでつながるコミュニケーションサービス

続いてはライブ配信サービスの最大手である「ツイキャス」。

以前はニコ生、ツイキャスの2大勢力だった感じですが「LINE LIVE」など配信アプリが増えて押され気味。

といっても、2018年現在で未だに配信者が一番多いそうです。

僕も以前使っていましたが、配信者も視聴者もとにかくお手軽なのがいいところ。

アプリ系の配信サービスと異なり、ブラウザ上で視聴できる。

ただし、配信時間が30分で一旦終了したり、投げ銭制度がなかったりとアプリ系の配信サービスより遅れている感がある。

直接的な収益は見込めないものの拡散力は強いライブ配信サービスです。

LINE LIVE

LINE LIVE(ラインライブ)| 国内最大級のライブ配信サービス

アプリ系のライブ配信サービス最大手の「LINE LIVE」。

有名人も数多く配信を行っており、知名度の高いLINEがやっているところが強み。

戦国時代化しているアプリ系のライブ配信サービスの中でも頭ひとつ出ている感じ。

また、住み分け的にもアイドル的なルックス含めた総合エンターテインメント系はSHOWROOM。

純粋に音楽ってアーティスト系はLINE LIVEというイメージ。

 

スマホ、タブレットからの配信・視聴のみのアプリもある中でLINE LIVEはPC配信・PC視聴に対応しているのも強みです。

投げ銭機能もあります。

視聴者から送られたギフトをLINEポイントにできます。

LINEポイントは1ポイント1円でLINE PayやAmazonギフト券に変えられます。

LINE Payは結構使える店多い。

主要コンビニで使えるので現金と大差ないですね。

また、仮想通貨事業にも参入するらしいので今後も広がりを見せそう。

収益・拡散性の両面で最もバランスのよいライブ配信アプリです。

動画をSNSにアップ

最後はYouTubeの章でも書いたSNSとの連携について。

「インスタ」「Twitter」に動画をあげる。

フォロワーが比較的、多い人は拡散力がこれが一番高い。

他のサービスと違うのはにユーザーがアクションをする必要がない事。

フォロワーならタイムライン上に勝手に上がってきてタイムライン上で完結するから、とりあえず見てくれる人が多い。

アクションする必要がないってのは強いです。

 

ライブ配信アプリだとライブ配信見ようと思わないと、そもそもアプリ立ち上げない。

Twitterやインスタは生活の一部化している人が多いから、とりあえず見るしね。

 

SNSに動画を上げても直接的な収益性はありません。

ただ、商品リンクに誘導して二次的な収益を狙うことはもちろん可能。

使い方次第では最も強い選択肢になり得ます。

SNS連携はユーザーにとってもアーティスト側にとってもお手軽なので、とりあえずやっている人が多いですよね。

 

各サービスを比較

さて、ここで各サービスをまとめて比較してみましょう。

とまあ、どれも一長一短。

収益性だと、投げ銭機能があるライブ配信アプリが強い。

といっても、投げ銭で大きく稼げるのはやっぱりルックス自体に魅力がある人ってイメージが強い。

普通にミュージシャンやっている人は直接的な収益性を狙うよりは二次的な収益を考えて拡散性を重視したほうが良い場合が多そう。

 

そして時間との闘いになるものの、複数やったほうが良い。

動画作成すればYouTubeとSNS連携(SNSに動画投稿)は一気にやれる。

また、演奏動画作成していれば音声だけ使ってnanaにも投稿出来たりもする。

だから、やっぱり演奏動画の作成ってコンテンツとしてかなり強い。

 

まとめ

  • YouTubeで稼ぐのは困難だけど、拡散性は変わらず高い
  • 音楽サービスはどれも一長一短
  • 演奏動画を作成すれば色んな音楽サービスで使える
  • 拡散・収益共に複数の音楽サービスを使ったほうがよい

こんなとこですか。

結論としては複数の音楽サービスを使ったほうが良い。

そのためにも1回の制作作業で色んなサービスに活用できるよう作成時に意識しておくとよいでしょう。

 

マネタイズを考える時にどこで収益を上げるかという点を考えるべし。

投げ銭のようにそのサービスで直接収益を上げるのか。

 

もしくは音楽サービスの拡散力で認知度を上げ、商品を買ってもらったり、ライブなどの特定サービスを受けてもらうことで収益を上げるのか。

最近は色んな活動方法があるので、選択肢が多いです。

 

だけど結局、良い音楽をやれていないと収益を得ることは難しい。

そして、マネタイズの意識をして収益の導線作りも考えないと活動を継続することも難しい。

新しい音楽サービスには常にアンテナを張っておくことが次世代ミュージシャンとして大事ってことですね。