Universal Audio Volt 4をレビュー。ビンテージマイク・プリアンプモード搭載で4イン4アウトのオーディオインターフェイス

Universal Audio Volt 4 斜めから撮った

評価:4

ぎたすけ

ビンテージマイク・プリアンプモードってどんな違いがあんの?

たけしゃん

録り音がチューブプリアンプをかけたような、暖かくて太い音になる感じだね
補足

レビューするためにフックアップ様からデモ機をお借りしました

Volt 4の評価
音質
 (4)
機能性
 (3.5)
コスパ(38,500円程度)
 (3.5)
総合評価
 (4)
メリット
デメリット
  • 音質はかなり良い
  • ビンテージマイクプリモードが使える
  • Melodyneなどのソフトが付属する
  • ループバック機能がない
  • DSPエフェクトはない
愛のことば / スピッツ 【アコースティックCover】
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音楽ブロガーたけしゃん

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たけしゃん

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プロフィール

ギター弾き語りのシンガーソングライター。長年の音楽活動や音楽の仕事で得た知識・経験を基にブログを書いています。
雑誌の音楽記事執筆、音楽専門書の執筆(工学社)、nana公認クリエイター、IPC VOICE STUDIO公認ボイストレーナーです。
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Universal Audio Volt 4

Universal Audio Volt 4 正面から撮った
入力端子コンボジャック×2
1/4 “ライン入力×2
出力端子1/4 “ライン出力×4
ヘッドホン端子 ×1
サンプルレート192kHz / 24bit
接続端子 USB-C
対応OSWin,Mac,iOS
公式HP

プロユースのメーカーとして有名なUniversal Audioのオーディオインターフェイス Volt 4

高音質で入出力端子が豊富な製品です。

Voltシリーズは7製品あり、Volt 4は中間モデルという位置づけです。

製品Universal Audio Volt1
Volt 1
Universal Audio Volt 2の全てのボタンをONにした
Volt 2
Universal Audio Volt 4
Volt 4
Universal Audio Volt 176
Volt 176
Universal Audio Volt 276
Volt 276
Universal Audio Volt 476
Volt 476
Universal Audio Volt 476P 正面
Volt 476P
入力端子コンボジャック×1コンボジャック×2コンボジャック×2
1/4ライン×2
コンボジャック×1コンボジャック×2コンボジャック×2
1/4ライン×2
コンボジャック×4
出力端子1/4 ライン×21/4 ライン×21/4ライン×41/4 ライン×21/4 ライン×21/4 ライン×41/4 ライン×4
ビンテージ
マイクプリ
コンプレッサー×××
実売価格約18,920円 約25,850円 約38,500円約33,880円約40,700円約50,050円約69,300円

アナログコンプレッサーがないモデルの中で、最も入出力端子が豊富になっています。

DTMはもちろん、ライブの同期などでも便利ですね。

まずはVolt 4の製品仕様から解説していきます。

仕様を飛ばして、レビューを読みたい方は<Volt 4をレビュー>を参照ください。

製品仕様の目次

4IN 4OUT

Universal Audio Volt 4 正面
Universal Audio Volt 4 背面

Volt 4は4イン4アウトのオーディオインターフェイスです。

入力端子は前面のコンボジャック2基と背面の1/4ライン入力2基です。

Universal Audio Volt 4 斜め横から撮った

Volt 2と比較すると、背面の1/4ライン入力2基が増えています。

Universal Audio Volt 4 背面
一番右が1/4ライン入力

コンボジャックはファンタム電源(48V)に対応しており、INSTボタンでインピーダンスも変えられます。

Universal Audio Volt 4 正面

なお、背面の1/4ライン端子はオーディオインターフェイス側でのボリューム調整はできないようです。

出力端子は背面の1/4ライン端子×6です。

Universal Audio Volt 4 背面

2基がMONITOR、4基がOUTPUT用に分かれています。

Volt 2と比較すると、4つほど端子が増えています。

Universal Audio Volt 2 背面
Volt 2

Volt 4はサブスピーカーへの接続やライブの同期での使用など、幅広い用途で使える仕様になっていますね。

出力のボリュームは前面についている大きいノブです。

Universal Audio Volt 4 左斜めから撮った

また、ヘッドホン端子も前面についています。

MONITORやヘッドホン端子に出力する音は前面パネルの4つのボタンで選べるようになっています。

Universal Audio Volt 4の出力選択ボタン
ソース概要
IN 1-2コンボジャック 1-2の音が
ダイレクトでモニターに出力される
IN 3-41/4ライン端子 3-4の音が
ダイレクトでモニターに出力される
OUT 1-2端末側でOUT 1-2に出力設定した音が
モニターに出力される
OUT 3-4端末側でOUT 3-4に出力設定した音が
モニターに出力される

IN1-2、IN3-4のボタンはいわゆるダイレクトモニター機能です。

ダイレクトモニタリングのルーティング図
ダイレクトモニターはマイクの音を遅延なく聴ける

DAWのモニター機能を使う場合は点灯させる必要はありません。

DAWのレコーディングでは、OUT1-2だけ点灯させることが多いと思います。

ビンテージマイク・プリアンプモード

Universal Audio Volt 4 斜めから撮った

Volt 4はビンテージマイク・プリアンプモードを搭載しています。

本体の「VINTAGE」ボタンを点灯させると、サウンドにアナログチューブプリアンプの特徴を付加できます。

Universal Audio Volt 4 正面から撮った
コンボジャックごとにON/OFFできる

「VINTAGE」をONにすると、GAINに応じてアナログらしい音の歪みが付加されます。

Universal Audioのマイクプリは世界的に有名で、その技術を活かしてシミュレートされています。

オーディオソフトウェアが付属

Volt付属のオーディオソフトウェア

Volt 4にはオーディオソフトウェアが多数付属しています。

ついてくるものは下記の8つです。

ソフト概要
Ableton Live Lite総合音楽ソフト(DAW)
Ableton LiveのLite版
Marshall Plexi Classic
Amp Bundle
ギター用のプラグイン
Melodyne Essentialピッチ修正ソフト
Ampeg® SVT-VR
Classic Bass Bundle
ベース用のプラグイン
LX480 Essentials空間系エフェクト
Virtual Drummer DEEPドラムのインストゥルメント
Virtual Bassist DANDYベースのインストゥルメント
LABSインストゥルメント
ライブラリー

ボーカルだと、Melodyne Essentialがついているのはありがたいですね。

ピッチ修正ソフト melodyneの画面
Melodyne

ソフトウェアはPCで動作するアプリ「UA Connect」経由でダウンロードできます。

補足

ASIOドライバーなどもUA Connect経由でインストールします

付属しているソフトだけで、結構なレベルの制作ができるようになっています。

付属品

Universal Audio Volt 4の付属品

Volt 4の付属品はUSBケーブルと電源アダプタです。

なお、Volt 4はUSBバスパワーだけでも普通に使えます。

iOS端末と接続して使う際は電源アダプタも必要となります。

Universal Audio Volt 4 斜め上から撮った
USBも電源アダプタも背面に接続口がある

また、iOSとVolt 4の接続にはUSB 3カメラアダプタ(またはUSBカメラアダプタ)が必要です。

 

Universal Audio Volt 4をレビュー

Universal Audio Volt 4 斜め上から撮った
Volt 4の評価
音質
 (4)
機能性
 (3.5)
コスパ(38,500円程度)
 (3.5)
総合評価
 (4)

それでは、Volt 4を細かくレビューしていきます。

はじめにメリット・デメリットを箇条書きすると以下の通りです。

メリット
デメリット
  • 音質はかなり良い
  • ビンテージマイクプリモードが使える
  • Melodyneなどのソフトが付属する
  • ループバック機能がない
  • DSPエフェクトはない

音質も良く、音楽制作向きの製品ですね。

ライブ配信での便利機能はないため、配信で使う場合はOBS STUDIOと併用するといいでしょう。

製品レビューの目次

音質は明瞭でクリア

Universal Audio Volt 4

Volt 4でボーカル・アコギを録ってみました。

ナチュラルな音質でノイズも少なく、使いやすい音になっています。

ビンテージマイクプリアンプモードがある分、デフォルトの音はフラットにしているのかなと感じました。

ボーカル、アコギをVolt 4で録った動画がこちら。

愛のことば / スピッツ 【アコースティックCover】

4イン4アウトで3万後半くらいなので、価格の割には音は良いなと感じました。

ちなみに出力の音が小さいので、ノブを結構上げる必要があります。

ノブをがっつり上げれば、音量不足になることはありませんでした。

ビンテージマイクプリは効果がややわかりづらい

Universal Audio Volt 4 斜めから撮った

Volt 4の目玉機能であるビンテージマイクプリアンプモードですが、正直効果がわかりづらいと感じました。

サンプル音源を用意したので聴き比べてみてください。

通常時

ビンテージマイクプリアンプON

音の質感が微妙に変わっているかなと感じるくらいです。

効きの調整ノブなどもないため、そんなに積極的に活用することはないかな…と思いました。

ただ、コンプレッサーと組み合わせると、音の違いなども出しやすくなります。

そのため、Volt 476のようにビンテージマイクプリに加えて、アナログコンプレッサーもあると使い勝手は格段に良いですね。

Universal Audio Volt 476

積極的に活用したい人はVolt 476などアナログコンプレッサーも搭載したモデルを検討すると良いです。

MOTU M4との比較

Universal Audio Volt 4 正面
Volt 4
MOTU M4
M4
入力端子コンボジャック×2
1/4 “ライン×2
コンボジャック×2
1/4 “ライン×2
出力端子1/4 “ライン出力×6
(内2つはモニター)
ヘッドホン端子 ×1
1/4 “ライン×4
RCA ×4
ヘッドホン端子×1
内蔵
エフェクト
ビンテージ
マイクプリアンプ
×
ループバック×
実売価格38,500円程度35,200円程度

最後は同価格帯で仕様も近い、MOTU M4との比較です。

MOTU M4

どちらも4イン4アウトで音質が良いオーディオインターフェイスです。

音に関しては両方使った印象では、録音の質は同等で再生音はややMOTU M4のほうが解像度が高いと感じました。

MOTU M4

どちらの製品も3万円台で4イン4アウトにしては音が良いです。

他のメーカーの同価格帯製品と比較しても、この2製品の音質は良いと感じました。

この2製品の主な違いはMOTU M4はループバックがあり、Volt 4はMelodyne Essentialなどのソフトが付属することです。

ピッチ修正ソフト melodyneの画面
Melodyne

そのため、配信に置いてはループバックが使えるMOTU M4がやや有利です。

逆に音楽制作においてはMelodyne Essentialなど付属するVolt 4のほうがやや有利ですね。

Universal Audio Volt 4 斜めから撮った

あとは、Volt 4は出力がモニターもLINE OUTも1/4ライン端子なのが良いとも感じました。

Universal Audio Volt 4 背面
MOTU M4の背面
M4はRCAと1/4ライン端子

他の機材や用途によってどっちが良いかは変わりそうですが、僕はRCAを使わないので1/4ライン端子のほうが良いです。

どちらの製品も非常によくできています。

強いて言うなら制作用途だとMelodyneがついてくるVolt 4のほうが良いかなと感じました。

 

Universal Audio Volt 4 まとめ

Universal Audio Volt 4 斜め上から撮った
  • 音質が良い4イン4アウトのオーディオインターフェイス
  • Melodyne Essentialなどのソフトが付属する
  • ビンテージマイクプリアンプモードはやや効果がわかりづらい

ぎたすけ

やっぱ、Melodyneってあると便利なんだな

たけしゃん

歌モノやる人は持っておいて損はないソフトだから付属しているのはすごくありがたいよ

Universal Audio Volt 4のレビューでした!

音質が良い4インのオーディオインターフェイスは少ないので、Volt 4は貴重な存在ですね。

DTMだけでなく、ライブでの同期などにも使いやすいので幅広い用途で活躍します。

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