Universal Audio Volt 276をレビュー。アナログコンプレッサー搭載の使いやすいオーディオインターフェイス

Universal Audio Volt 276

評価:4

ぎたすけ

アナログコンプレッサーってどういった場面で使うの?

たけしゃん

録音でも配信でも便利だよ。特に配信はコンプで音量を均すと、一気に聴きやすくなるね
補足

レビューするためにフックアップ様からデモ機をお借りしました

Volt 276の評価
音質
 (4)
機能性
 (4)
コスパ(40,700円程度)
 (4)
総合評価
 (4)
メリット
デメリット
  • 音質はかなり良い
  • ビンテージマイクプリモードで音の暖かみを出せる
  • アナログコンプレッサーが使える
  • Melodyneなどのソフトが付属する
  • ループバック機能がない
  • リバーブなどはない
  • 価格の割に入出力数が少ない
僕のこと / Mrs. GREEN APPLE 【アコースティックCover】
この記事の著者
音楽ブロガーたけしゃん

ミュージシャン

たけしゃん

tkshan

プロフィール

ギター弾き語りのシンガーソングライター。長年の音楽活動や音楽の仕事で得た知識・経験を基にブログを書いています。
雑誌の音楽記事執筆、音楽専門書の執筆(工学社)、nana公認クリエイター、IPC VOICE STUDIO公認ボイストレーナーです。
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Universal Audio Volt 276

Universal Audio Volt 276の外箱
入力端子コンボジャック×2
出力端子1/4 “ライン出力×2
ヘッドホン端子 ×1
サンプルレート192kHz / 24bit
接続端子 USB-C
対応OSWin,Mac,iOS
公式HP

プロユースのオーディオメーカーUniversal Audioの低価格オーディオインターフェイス Volt 276

実売で4万円程度ですが、ビンテージマイクプリモードやアナログコンプレッサー搭載の多機能製品です。

Voltシリーズは7種類の製品があります。

製品Universal Audio Volt1
Volt 1
Universal Audio Volt 2の全てのボタンをONにした
Volt 2
Universal Audio Volt 4
Volt 4
Universal Audio Volt 176
Volt 176
Universal Audio Volt 276
Volt 276
Universal Audio Volt 476
Volt 476
Universal Audio Volt 476P 正面
Volt 476P
入力端子コンボジャック×1コンボジャック×2コンボジャック×2
1/4ライン×2
コンボジャック×1コンボジャック×2コンボジャック×2
1/4ライン×2
コンボジャック×4
出力端子1/4 ライン×21/4 ライン×21/4ライン×41/4 ライン×21/4 ライン×21/4 ライン×41/4 ライン×4
ビンテージ
マイクプリ
コンプレッサー×××
実売価格約18,920円 約25,850円 約38,500円約33,880円約40,700円約50,050円約69,300円

Volt 276はアナログコンプレッサー搭載でコンボジャック×2という使いやすい構成になってます。

これまで、Universal Audioというと10万円~というイメージだったので、一気に手が出しやすい価格帯になりましたね。

まずはVolt 276の製品仕様から解説していきます。

仕様を飛ばして、レビューを読みたい方は<Volt 276をレビュー>を参照ください。

製品仕様の目次

2イン2アウト

Universal Audio Volt 276の前面

Volt 276は入出力が2イン2アウトの構成になっています。

入力は前面のコンボジャック2基で、INSTボタンでインピーダンスを変更できます。

Universal Audio Volt 276

エレキギターやベースを直接繋げるときはINSTボタンを点灯させましょう。

また、48Vのファンタム電源にも対応しており、コンデンサーマイクも使えます。

出力端子は背面にある1/4ライン端子です。

Universal Audio Volt 276の背面
右のMONITORがライン端子

MIDI入出力端子も付いています。

ラインアウトの音量は本体上部のMONITORつまみで調整します。

Universal Audio Volt 276を上から撮影

ヘッドホンは前面にある6.3mm端子と、その横のVOLUMEつまみで音量調整できます。

Universal Audio Volt 276の前面

Volt 276はダイレクトモニター機能がついており、「DIRECT」ボタンでON/OFFできます。

Universal Audio Volt 276の右部分
右下のDIRECTボタン

ダイレクトモニターをONにすると、PCなどを介さずに入力音を直接聞くことができます。

ダイレクトモニタリングのルーティング図
ダイレクトモニターはマイクの音を遅延なく聴ける

「DIRECT」ボタンがオレンジ点灯だとステレオ、青点灯だとモノラルで入力音が返ってきます。

Universal Audio Volt 276
これはオレンジなのでステレオ

マイク1本でステレオだと、片耳からしか音が出ないので、基本はモノラルで使いましょう。

ちなみにダイレクトモニターをONにすると、PCからの音が少し小さくなります。

ビンテージマイクプリとアナログコンプレッサー

Universal Audio Volt 276を上から撮影

Volt 276はビンテージマイク・プリアンプモードとアナログコンプレッサーが搭載されています。

機能概要
ビンテージマイク
プリアンプモード
アナログチューブプリアンプの
サウンド特性を付加
76コンプレッサーボリュームピークをコントロール
サウンドにパンチと明瞭さを付加

コンボジャックに接続したマイクや楽器の音を上記の機能で変化させることができます。

ビンテージマイク・プリアンプはON/OFFのみで、VINTAGEボタンで切替できます。

Universal Audio Volt 276を上から撮った
チャンネルごとにボタンが独立している

コンプレッサーは3種類から選択可能になっています。

Universal Audio Volt 276の左部分
モード概要
VOCボーカル向けのプリセット
速いアタック、遅いリリース
GTRギター・ベース向けのプリセット
遅いアタック、比較的速いリリース
FASTアグレッシブな設定
非常に速いアタック、適度なリリース

使ってみると、やはりボーカルはVOCが使いやすかったです。

がなる系の曲はFASTでも良いかなという感じでした。

なお、ビンテージマイクプリとコンプレッサーのサウンドの作り方は、まずは以下のように調整してみましょう。

  1. ゲインノブをゼロの位置にする
  2. 76コンプレッサーをONにして、録音ソースにあったプリセットを選択
  3. ビンテージマイクプリをONにする
  4. 若干の歪みを耳で確認できるまで、ゲインをゆっくり上げる
  5. 歪みの発生位置を基準に好みの歪みになるようゲインを調整する

アプリなどいらず、オーディオインターフェイスだけで使えるので、配信では便利ですね。

オーディオソフトウェアが付属

Volt付属のオーディオソフトウェア

Volt 276にはオーディオソフトウェアが多数付属しています。

ついてくるものは下記の8つです。

ソフト概要
Ableton Live Lite総合音楽ソフト(DAW)
Ableton LiveのLite版
Marshall Plexi Classic
Amp Bundle
ギター用のプラグイン
Melodyne Essentialピッチ修正ソフト
Ampeg® SVT-VR
Classic Bass Bundle
ベース用のプラグイン
LX480 Essentials空間系エフェクト
Virtual Drummer DEEPドラムのインストゥルメント
Virtual Bassist DANDYベースのインストゥルメント
LABSインストゥルメント
ライブラリー

ボーカルだと、Melodyne Essentialがついているのはありがたいですね。

ピッチ修正ソフト melodyneの画面
Melodyne

ソフトウェアはPCで動作するアプリ「UA Connect」経由でダウンロードできます。

補足

ASIOドライバーなどもUA Connect経由でインストールします

付属しているソフトだけで、結構なレベルの制作ができるようになっています。

付属品

Universal Audio Volt 276の外箱を開けた

Volt 276の付属品はUSBケーブル2本です。

1本はPCなどの端末との接続用、もう1本はUSB給電で足りない場合の電源供給用です。

Universal Audio Volt 276付属のケーブル

本体にも挿し口が端末接続用のUSB-C、電源供給用の5VDCの2口があります。

Universal Audio Volt 276の背面

WindowsやMacなどPCと接続する際はUSB-C端子で接続するだけでOKです。

iOS端末だと電源供給が足りないため、もう1本のケーブルを5VDCに繋いで電源供給が必要です。

5VDCの接続先はUSBコンセントもしくはモバイルバッテリーを使いましょう。

なお、iOSとVolt 276の接続にはUSB 3カメラアダプタ(またはUSBカメラアダプタ)が必要です。

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Universal Audio Volt 276をレビュー

Universal Audio Volt 276
Volt 276の評価
音質
 (4)
機能性
 (4)
コスパ(40,700円程度)
 (4)
総合評価
 (4)

それでは、Volt 276を細かくレビューしていきます。

最初に箇条書きでメリット・デメリットをまとめると以下の通りです。

メリット
デメリット
  • 音質はかなり良い
  • ビンテージマイクプリモードで音の暖かみを出せる
  • アナログコンプレッサーが使える
  • Melodyneなどのソフトが付属する
  • ループバック機能がない
  • リバーブなどはない
  • 価格の割に入出力数が少ない

アナログコンプレッサーが非常に使いやすくて良いです。

逆に言うと、アナログコンプが不要な人にはやや割高な製品とも言えます。

自分の用途でアナログコンプが必要かどうかを考えて、購入検討すると良いでしょう。

レビューの目次

クリアで澄んだ音質

Universal Audio Volt 276

Volt 276で音をボーカル、アコギを録ってみました。

クリアで澄んだ音質で聴きやすいです。

Volt 276でボーカル、アコギを録った動画がこちら。

僕のこと / Mrs. GREEN APPLE 【アコースティックCover】

自然で心地よい音なので、アコースティック編成にも適しています。

ビンテージマイクプリ&アナログコンプで音に歪みをつけることもできるので、万能に使えます。

1~2万円台の人気オーディオインターフェイスと比べると、やはり音質はワンランク上ですね。

アナログコンプレッサーが非常に良い

Universal Audio Volt 276を上から撮った

Volt 276にはビンテージマイクプリアンプモードと76コンプレッサーがついています。

この76コンプレッサーが非常に使いやすいです。

76コンプレッサーは3種類のプリセットから選択できます。

Volt 276のアナログコンプレッサーの使い方

プリセットを選べば、あとはGAINに合わせて適切な圧縮がかかります。

コンプレッサーの知識がなくても、簡単に良い感じになるのがすごいです。

僕の曲で比較用のサンプル音源を作ったので聞いてみてください。

コンプレッサーなし

Universal Audio Voltでエフェクトなしの録音波形

コンプレッサー VOC

Universal Audio Voltで76コンプレッサーをかけたときの録音波形

コンプレッサーをONにすると大きい音を圧縮して、全体の音量を持ち上げてくれます。

上記音源は最大音量が同じになるよう調整していますが、コンプレッサーありのほうがボーカルがグッと前に出てますよね。

ビンテージマイクプリアンプモードと組み合わせると、音に歪みを加えられるので面白いです。

歌枠などでは、アナログコンプをかけるだけで聴きやすさが全然違うので、重宝しそうです。

競合製品との比較

製品Universal Audio Volt 276の前面
Volt 276
MOTU M4
M4
Steinberg UR44C
UR44C
入力コンボジャック×2
MIDI
コンボジャック×2
1/4ライン×2
MIDI
コンボジャック×4
1/4ライン×2
MIDI
ループバック×
エフェクトコンプレッサー×
実売価格約40,700円約35,200円 約33,600円
ECサイトAmazon
楽天市場
Yahoo!
サウンドハウス
Amazon
楽天市場
Yahoo!
サウンドハウス
Amazon
楽天市場
Yahoo!
サウンドハウス

競合製品として、MOTU M4とSteinberg UR44Cと比較しました。

自分の所感としては下記の印象でした。

製品向いてる人
Universal Audio Volt 276の前面
Volt 276
歌い手・弾き語り向け
アナログコンプが欲しい人
Melodyneが欲しい人
MOTU M4
M4
万人向け
音質重視の人
Steinberg UR44C
UR44C
色んな用途で使う人向け
配信の便利機能が欲しい人
豊富な入出力が欲しい人

まず、自分が聴き比べた所感では音質に関してはMOTU M4が若干優れています。

M4は4イン4アウトでループバック機能もあり、万能に使える製品です。

MOTU M4

そして、ライブ配信やライブでの同期など含めた対応力だと、多機能なUR44Cが優れていますね。

Steinberg UR44C
UR44Cは6イン4アウト

UR44CはPC・スマホで使える専用アプリでエフェクトやループバックをON・OFFできます。

入出力端子も豊富なので、ライブの同期などでも使いやすいです。

その中で、Volt 276の強みは非常に使いやすいアナログコンプレッサーです。

Universal Audio Volt 276

ライブ配信などではコンプレッサーを上手く使えると格段に聴きやすくなります。

オーディオインターフェイス内蔵のアナログコンプなので、どのアプリでも使えるのも強いですね。

また、単品だと1万円程度するMelodyne Essentialが付属するのも大きいです。

ピッチ修正ソフト melodyneの画面
Melodyne

歌枠の配信、歌ってみたをやる方には必要なものが揃っています。

やはり、比較してみるとアナログコンプレッサーが必要かどうかがポイントになります。

手軽に録音したいときや配信する際にはアナログコンプがあると何かと便利です。

 

Universal Audio Volt 276 まとめ

Universal Audio Volt 276
  • ビンテージマイクプリ・アナログコンプ搭載のオーディオインターフェイス
  • アナログコンプレッサーが非常に使い勝手が良い
  • 歌ってみた、歌枠配信をやる人に向いている

ぎたすけ

アナログコンプレッサーってピンとこなかったけど、使える場面が結構多いんだな

たけしゃん

生配信とか一発録りではすごく使えるよ。逆にDTMだとプラグイン使ったほうが楽だね

Universal Audio Volt 276のレビューでした。

Volt 276は他社製品とはコンセプトが違って良いですね。

ビンテージマイクプリやアナログコンプレッサーなど、録音段階の音作りができる機種は少ないです。

4万円という価格帯はもともと選択肢が少ないので、Volt 276の登場で選べる幅が大分広がった感がありますね。

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