Universal Audio Volt 176をレビュー。アナログコンプレッサー搭載の高音質オーディオインターフェイス

Universal Audio Volt 176

評価:4

ぎたすけ

アナログコンプレッサーってあると便利なの?

たけしゃん

歌枠配信とかにはかなり便利だよ。コンプかけるだけで格段に聴きやすいからね
補足

レビューするためにフックアップ様からデモ機をお借りしました

Volt 176の評価まとめ
音質
 (4)
機能性
 (4)
コスパ(33,880円程度)
 (4)
総合評価
 (4)
メリット
デメリット
  • 音質はかなり良い
  • ビンテージマイクプリモードで音の暖かみを出せる
  • アナログコンプレッサーが使える
  • Melodyneなどのソフトが付属する
  • ループバック機能がない
  • リバーブなどはない
  • 価格の割に入力端子が少ない
やわらかい気配 / 秦基博 【アコースティックCover】
この記事の著者
音楽ブロガーたけしゃん

ミュージシャン

たけしゃん

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プロフィール

ギター弾き語りのシンガーソングライター。長年の音楽活動や音楽の仕事で得た知識・経験を基にブログを書いています。
雑誌の音楽記事執筆、音楽専門書の執筆(工学社)、nana公認クリエイター、IPC VOICE STUDIO公認ボイストレーナーです。
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Universal Audio Volt 176

Universal Audio Volt 176の外箱
入力端子コンボジャック
出力端子1/4 “ライン出力×2
ヘッドホン端子 ×1
サンプルレート192kHz / 24bit
接続端子 USB-C
対応OSWin,Mac,iOS
公式HP

プロユースのオーディオメーカーUniversal Audioのオーディオインターフェイス Volt 176

ビンテージマイク・プリアンプモードやアナログコンプレッサーを搭載した製品です。

Voltシリーズは7種類の下記の製品があります。

製品Universal Audio Volt1
Volt 1
Universal Audio Volt 2の全てのボタンをONにした
Volt 2
Universal Audio Volt 4
Volt 4
Universal Audio Volt 176
Volt 176
Universal Audio Volt 276
Volt 276
Universal Audio Volt 476
Volt 476
Universal Audio Volt 476P 正面
Volt 476P
入力端子コンボジャック×1コンボジャック×2コンボジャック×2
1/4ライン×2
コンボジャック×1コンボジャック×2コンボジャック×2
1/4ライン×2
コンボジャック×4
出力端子1/4 ライン×21/4 ライン×21/4ライン×41/4 ライン×21/4 ライン×21/4 ライン×41/4 ライン×4
ビンテージ
マイクプリ
コンプレッサー×××
実売価格約18,920円 約25,850円 約38,500円約33,880円約40,700円約50,050円約69,300円

Volt 176はアナログコンプレッサー搭載で入力端子を減らして、価格を抑えた製品ですね。

それでは、Volt 176の製品仕様から解説していきます。

仕様を飛ばして、レビューを読みたい方は<Universal Audio Volt 176をレビュー>を参照ください。

製品仕様の目次

1イン2アウト

Universal Audio Volt 176の前面

Volt 176は1イン2アウトのコンパクトな製品です。

入力端子は前面のコンボジャック1基で、INSTボタンでインピーダンスを変更できます。

Universal Audio Volt 176

エレキギターやベースを直接繋げるときはINSTボタンを点灯させましょう。

また、48Vのファンタム電源にも対応しており、コンデンサーマイクも使えます。

出力端子は背面にある1/4ライン端子です。

Universal Audio Volt 176の背面
右のMONITORがライン端子

MIDI入出力端子も付いています。

ラインアウトの音量は本体上部のMONITORつまみで調整します。

Universal Audio Volt 176

ヘッドホンは前面にある6.3mm端子と、その横のVOLUMEつまみで音量調整できます。

Universal Audio Volt 176の前面

Volt 176はダイレクトモニター機能がついており、「DIRECT」ボタンでON/OFFできます。

Universal Audio Volt 176 上から撮った
右下のDIRECTボタン

ダイレクトモニターをONにすると、PCなどを介さずに入力音を直接聞くことができます。

ダイレクトモニタリングのルーティング図
ダイレクトモニターはマイクの音を遅延なく聴ける

ちなみにダイレクトモニターをONにすると、PCからの音が少し小さくなります。

コンパクトですが、必要な機能はしっかりと詰め込まれていますね。

ビンテージマイクプリとアナログコンプレッサー

Universal Audio Volt 176を上から撮った

Volt 176はビンテージマイク・プリアンプモードとアナログコンプレッサーが搭載されています。

機能概要
ビンテージマイク
プリアンプモード
アナログチューブプリアンプの
サウンド特性を付加
76コンプレッサーボリュームピークをコントロール
サウンドにパンチと明瞭さを付加

コンボジャックに接続したマイクや楽器の音を上記の機能で変化させることができます。

ビンテージマイク・プリアンプはON/OFFのみで、VINTAGEボタンで切替できます。

Universal Audio Volt 176 上から撮った

コンプレッサーは3種類から選択可能になっています。

Universal Audio Volt 176の左
モード概要
VOCボーカル向けのプリセット
速いアタック、遅いリリース
GTRギター・ベース向けのプリセット
遅いアタック、比較的速いリリース
FASTアグレッシブなプリセット
非常に速いアタック、適度なリリース

使ってみると、やはりボーカルはVOCが使いやすかったです。

がなる系の曲はFASTでも良いかなという感じでした。

なお、ビンテージマイクプリとコンプレッサーのサウンドの作り方は、まずは以下のように調整してみましょう。

  1. ゲインノブをゼロの位置にする
  2. 76コンプレッサーをONにして、録音ソースにあったプリセットを選択
  3. ビンテージマイクプリをONにする
  4. 若干の歪みを耳で確認できるまで、ゲインをゆっくり上げる
  5. 歪みの発生位置を基準に好みの歪みになるようゲインを調整する

アプリなどいらず、オーディオインターフェイスだけで使えるので、配信では便利ですね。

オーディオソフトウェアが付属

Volt付属のオーディオソフトウェア

Volt 176にはオーディオソフトウェアが多数付属しています。

ついてくるものは下記の8つです。

ソフト概要
Ableton Live Lite総合音楽ソフト(DAW)
Ableton LiveのLite版
Marshall Plexi Classic
Amp Bundle
ギター用のプラグイン
Melodyne Essentialピッチ修正ソフト
Ampeg® SVT-VR
Classic Bass Bundle
ベース用のプラグイン
LX480 Essentials空間系エフェクト
Virtual Drummer DEEPドラムのインストゥルメント
Virtual Bassist DANDYベースのインストゥルメント
LABSインストゥルメント
ライブラリー

ボーカルだと、Melodyne Essentialがついているのはありがたいですね。

ピッチ修正ソフト melodyneの画面
Melodyne

ソフトウェアはPCで動作するアプリ「UA Connect」経由でダウンロードできます。

補足

ASIOドライバーなどもUA Connect経由でインストールします

付属しているソフトだけで、結構なレベルの制作ができるようになっています。

付属品

Universal Audio Volt 176付属のケーブル

Volt 176の付属品はUSBケーブル2本です。

1本はPCなどの端末との接続用、もう1本はUSB給電で足りない場合の電源供給用です。

本体にも挿し口が端末接続用のUSB-C、電源供給用の5VDCの2口があります。

Universal Audio Volt 176の背面

WindowsやMacなどPCと接続する際はUSB-C端子で接続するだけでOKです。

iOS端末だと電源供給が足りないため、もう1本のケーブルを5VDCに繋いで電源供給が必要です。

5VDCの接続先はUSBコンセントもしくはモバイルバッテリーを使いましょう。

なお、iOSとVolt 176の接続にはUSB 3カメラアダプタ(またはUSBカメラアダプタ)が必要です。

audio technica AT-UMX3のバナー(PC)PR

Universal Audio Volt 176をレビュー

Universal Audio Volt 176
Volt 176の評価まとめ
音質
 (4)
機能性
 (4)
コスパ(33,880円程度)
 (4)
総合評価
 (4)

それでは、Volt 176を細かくレビューしていきます。

最初に箇条書きでメリット・デメリットをまとめると以下の通りです。

メリット
デメリット
  • 音質はかなり良い
  • ビンテージマイクプリモードで音の暖かみを出せる
  • アナログコンプレッサーが使える
  • Melodyneなどのソフトが付属する
  • ループバック機能がない
  • リバーブなどはない
  • 価格の割に入力端子が少ない

アナログコンプレッサーがすごく良いので、ボーカルと相性良いですね。

歌ってみた、歌枠の配信で使いやすい製品です。

一方でループバックやリバーブなどはないので、配信よりは制作メインの人に適しています。

レビューの目次

音質はクリアで明瞭

Universal Audio Volt 176

Volt 176でボーカル、アコギを録ってみました。

音がクリアで澄んでますね。明瞭で聴きやすいサウンドです。

Volt 176でボーカル、アコギを録った動画がこちら。

やわらかい気配 / 秦基博 【アコースティックCover】
捕捉

使用したマイクはsE Electronics sE4400aです

自然で心地よい音でアコースティックにも適しています。

低価格帯ではかなりハイレベルな音質です。

アナログコンプレッサーがすごくよい

Universal Audio Volt 176を上から撮った

Volt 176にはビンテージマイクプリアンプモードと76コンプレッサーがついています。

76コンプレッサーが非常に使いやすいですね。圧縮されたときの音色がすごく良い感じ。

低価格帯で、このレベルのコンプを内蔵している製品は他にないです。

コンプレッサーをONにして、用途に合わせるだけで良いかかり方をしてくれます。

Volt 176のアナログコンプレッサーの使い方

コンプレッサーの知識がない人でも、手軽ですごく良い感じのサウンドになりますね。

僕の曲で比較用のサンプル音源を作ったので聞いてみてください。

コンプレッサーなし

Universal Audio Voltでエフェクトなしの録音波形

コンプレッサー VOC

Universal Audio Voltで76コンプレッサーをかけたときの録音波形

コンプレッサーをONにすると大きい音を圧縮して、全体の音量を持ち上げてくれます。

上記音源は最大音量が同じになるよう調整していますが、コンプレッサーありのほうがボーカルがグッと前に出てますよね。

ビンテージマイクプリアンプモードと組み合わせると、音に歪みを加えられるので面白いです。

Volt 176のアナログコンプはめちゃくちゃ良いですね。

MOTU M2との比較

製品Universal Audio Volt 176の前面
VOLT 176
MOTU M2
M2
入力コンボジャック×1
MIDI
コンボジャック×2
MIDI
ループバック×
エフェクトコンプレッサー×
実売価格約33,880円約28,400円
ECサイトAmazon
楽天市場
Yahoo!
サウンドハウス
Amazon
楽天市場
Yahoo!
サウンドハウス

近しい価格帯で人気のMOTU M2と比較してみました。

まず、トータルスペックで見るとMOTU M2のほうが優れています。

MOTU M2

M2のほうが優れている点

  • 再生音の音質が良い
  • 入力がコンボジャック×2
  • ループバック機能がある(PCのみ対応)

対して、Volt 176が優れている点はアナログコンプレッサーとMelodyneが付属する点です。

アナログコンプレッサーは配信で非常に使い勝手が良いです。

歌枠はもちろん、雑談やオンライン会議でもアナログコンプがかかっていると音量が均一化されて格段に聴きやすくなります。

Universal Audio Volt 176を上から撮った

オーディオインターフェイス本体の機能なので、どの配信アプリでも使えるのも良いところですね。

スマホでも使えるので、nanaなどのカラオケ系アプリでも重宝します。

また、単品だと1万円程度するMelodyne Essentialが付属するのも大きいです。

ピッチ修正ソフト melodyneの画面
Melodyne

歌い手をやるなら、ピッチ修正ソフトは必須と言っても過言ではないです。

配信と歌ってみたを両方やる歌い手の人ならVolt 176のほうがコスパも使い勝手も良いです。

DAWではMelodyne使えますし、歌枠配信ではアナログコンプが重宝しますからね。

 

Universal Audio Volt 176 まとめ

Universal Audio Volt 176の前面
  • 3万円台前半でアナログコンプ搭載のオーディオインターフェイス
  • アナログコンプは非常に使いやすく、音も良い
  • 歌ってみた、歌枠の配信では非常に使いやすい

ぎたすけ

アナログコンプレッサーって地味に便利だったんだな

たけしゃん

DAWだと最近はそこまで使わないイメージだけど、配信とか生放送系ではすごく便利だよ

Universal Audio Volt 176のレビューでした。

アナログコンプレッサーがすごく良かったですね。

低価格帯のオーディオインターフェイスのDSPコンプレッサーだと、圧縮後の音がスカスカになるのが多いんですよね。

Volt 176はすごく良い感じの圧縮のされ方で使いやすかったです。

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