片手で持てる防音室 Voicease(ヴォイシーズ)をレビュー。

Voiceaseをマイクスタンドに取付した

ぎたすけ

自宅で思い切り歌っても音が外に漏れないアイテムか

たけしゃん

試した感じはそこそこ効果あったよ。自宅で歌の練習する際に便利だね
補足

マイクは別売りです

メリット
デメリット
  • 遮音効果はちゃんとある
  • 市販のマイクで使える
  • 割と普通に歌える
  • 音が大分変わる
  • 長時間歌うとやや蒸れる

Voicease未使用

Voiceaseを使用せずに録ったボーカルの波形

Voicease使用

Voiceaseを使用して録ったボーカルの波形
上記音源について

コンデンサーマイクを立てて、普通に歌った音声とVoicease越しに歌った音声を録ったものです

この記事の著者
音楽ブロガーたけしゃん

ミュージシャン

たけしゃん

tkshan

プロフィール

ギター弾き語りのシンガーソングライター。長年の音楽活動や音楽の仕事で得た知識・経験を基にブログを書いています。
雑誌の音楽記事執筆、音楽専門書の執筆(工学社)、nana公認クリエイター、IPC VOICE STUDIO公認ボイストレーナーです。
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Voicease(ヴォイシーズ)

Voicease 右側面

片手で持てる防音室というキャッチコピーのVoicease(ヴォイシーズ)。

自宅での歌録り、配信などが一般化した時代に適した、手軽に使えるボーカルサイレンサーです。

Voiceaseの良いところはマイクごと包む設計になっている点です。

Voiceaseにマイクを取付て手で持った
マイクは別売り

マイクを使えるため、歌の練習以外にも配信、テレワーク、レコーディングといった用途でも使えます。

まずは製品仕様から解説していきます。

製品仕様を飛ばして、レビューを読みたい方は<Voiceaseをレビュー>を参照ください。

製品仕様の目次

Voiceaseの使い方

Voicease 左側面

Voiceaseの使い方は非常に簡単です。

前面のキャップを外して、マイクを挿し込みます。

Voicease 前面キャップを外した

本体内部の背面吸音材とグロメットの穴部分にマイクを挿し込んで、マイク後方部分を外に出します。

Voicease グロメット取付部分
黒い穴がグロメット

マイクの挿入が終わったら、前面キャップを取付、マイクにはケーブルを挿して完成です。

Voiceaseをマイクスタンドに取付て横から撮った

簡単で迷うところもありません。

対応マイク

BETA58とSM58

Voiceaseとセットで使える、別売りマイクは一般的なハンドヘルド型マイクです。

SM7Bなどの特殊形状マイクでは使えないので注意してください。

SHURE SM7B 斜め下から撮った
SHURE SM7B

自宅にあるハンドヘルド型のマイクを色々試しましたが、どれも問題なかったです。

一般的な形状であれば、大丈夫です。

なお、Voicease本体は565gと軽いのでマイクと合わせても800~900g程度です。

最大-28dBの遮音効果

Voicease 左側面

公式では約-20dB~-28dBの遮音効果があると記載されています。

この数値は防音室並みの遮音効果です。

実際に自分の歌声をスマホの騒音計アプリで使って計測してみると、-8dB~-9dB程度の遮音効果でした。

Voicease使用時の騒音計アプリ計測結果
Voicease未使用
Voicease使用時の騒音計アプリ計測結果
Voicease使用

スマホの騒音計アプリなので、参考程度です。

体感では結構遮音できているように感じるため、精密な騒音計で測るともう少しは減っているのではないかと感じます。

付属品

Voicease付属のマウスピース
Voicease付属のグロメット大

付属品は口当てクッションと交換用のグロメット(大)です。

あと本体内部に六角レンチと背面吸音材が入っています。

Voicease 付属の六角レンチ
Voicease付属の吸音材
背面吸音材

本体内部の構造はよくできていて、呼吸もさほど苦しくなく、内部も蒸れにくいです。

とはいえ、長時間歌うと蒸れてくるので、小まめにお手入れは必要です。

公式サイトでパーツ単体の購入にも対応しているため、頻繁に使う人は予備パーツを持っておくと良さそうです。

 

Voicease(ヴォイシーズ)をレビュー

Voiceaseをマイクスタンドに取付した

それでは、Voiceaseを詳しくレビューしていきます。

はじめにメリット・デメリットを並べると以下の通りです。

メリット
デメリット
  • 遮音効果はちゃんとある
  • 市販のマイクで使える
  • 割と普通に歌える
  • 音が大分変わる
  • 長時間歌うとやや蒸れる

こういった消音系アイテムの中では、非常に良くできた製品だと感じます。

若干の苦しさなどはあるものの、かなり違和感なく歌えます。

遮音効果もそれなりにあるので、戸建てや鉄筋マンションの日中なら思い切り歌ってもいけそうかなと感じました。

レビューの目次

遮音効果はちゃんとある

Voiceaseをマイクスタンドに取付て横から撮った

自分の歌声でテストしてみましたが、遮音効果はちゃんと出てます。

騒音計アプリで計測してみると、大体-8dB~-9dBほど下がりました。

Voicease使用時の騒音計アプリ計測結果
Voicease未使用
Voicease使用時の騒音計アプリ計測結果
Voicease使用
補足

スマホの騒音計アプリなので、精度も微妙で参考程度です

実際に録った音を聴き比べると、騒音計アプリの数値よりは遮音効果はあるかなと感じます。

コンデンサーマイクを立てて、歌っている音を拾った音声と波形を用意しました。

Neumann TLM 102をEA 4で取付した画像

Voicease未使用

Voiceaseを使用せずに録ったボーカルの波形

Voicease使用

Voiceaseを使用して録ったボーカルの波形

大分、音量は抑えられています。

僕の感覚的には壁の厚みがそれなりにある鉄筋コンクリート造のマンションなら、Voiceaseを使用すれば普通に歌えるのではないかと感じました。

周囲の音を遮断できる

Voicease キャップ前面部分

Voicesaseは音を遮音してくれるため、からの雑音も混入しづらくなります。

配信をやってる人からすると、外部音の遮断効果のほうが恩恵は大きいかもしれないです。

Voicease 左側面

こちらもサンプルで空気清浄機をMAXにして、隣に置いた状態で録った音源を用意しました。

Voicease未使用

SHURE BETA58

Voicease使用

Voiceaseにマイクを取付て手で持った

Voiceaseを使用すると外部の音は全く入っていません。

Voiceaseはマイク周りが密閉される仕様なので、部屋の反響もほぼ影響しません。

なので、音の環境が整っていない一般住宅で使うのはかなり有用ですね。

一方で音が大分変わってしまうので、その対策は次に記載します。

音はかなり変わる

Voicease 右側面

Voicesaseは優れた遮音性能がありますが、その代わりに音が大分変化します。

この点についても、Voiceaseを使って録音した音源を用意したので聴き比べてみてください。

使用マイク

SHURE BETA58Aを使っています

Voicease未使用

SHURE BETA58

Voicease使用

Voiceaseにマイクを取付て手で持った

大分、こもった音になってしまいますね。

配信でこのまま使うのは少し厳しいと感じるレベルです。

対策としてはEQなどを使って補正することです。

AG Controller EQ設定画面
YAMAHA AG Controller

EQ補正について、公式からかなり丁寧な解説動画が出ています。

Voicease のEQ/イコライジング [クリーンナップ] 1

このほか、AG03やOBSでのEQ補正についても公式から解説動画が出ています。

AG03 での音質調整
OBSでの音質調整 -「片手で持てる防音室」Voicaese 使用方法

上手く調整できれば、配信なら及第点かな…というレベルにはなります。

歌ってみたなどは正直きついので、そこはリハーサルスタジオで録るなど、他の選択肢と併用しましょう。

レコーディング用のマイク

また、Voiceaseを使用すると音を閉じ込める関係で入力音量が大分上がります。

オーディオインターフェイスのGAINをかなり下げたほうが良いです。

歌う際にやや違和感はある

Voicease 口を当てる部分

Voicesaseは口や鼻を覆うため、歌うと息苦しさや違和感を少し感じます。

とはいえ、これ系の製品の中では非常によくできており、違和感のレベルは大分低いです。

Voiceaseをマイクスタンドに取付した

また、製品の構造上、長時間歌っていると湿ってきます。

そのため、お手入れは小まめに行い、衛生管理はちゃんとやったほうが良いですね。

まあ、このあたりは口を付ける消音系アイテムはみんなそうです。

Voicease 左側面

防音室と比較すると、さすがに防音室のほうが良いですが、費用や導入ハードルを考えるとVoiceaseは非常に有用だと思いました。

消音アイテムを探している方はぜひ積極的に検討してほしいですね。

 

Voicease まとめ

Voicease 右側面
  • 片手で持てる手軽なボーカルサイレンサー
  • それなりに消音効果があり、自宅での歌練習に有用
  • 配信や録音で使うにはEQなどでの調整が必要

ぎたすけ

EQの調整とか難しそうだけど、練習用にはかなりよさげだな

たけしゃん

これまでの消音マイクとかと比べると、大分実用的で良いと思ったよ

Voiceaseのレビューでした。

価格帯も2.5万円程度でスペースも不要なため、簡易防音室の導入よりは大分ハードルが下がります。

配信や練習で思い切り声を出したいものの、周囲が気になる人は購入を検討してみてください。

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