声の種類を音源付きで解説。歌で使う声区を覚えよう

歌で使う声の種類を音域ごとに並べた

ぎたすけ

声の種類って地声と裏声とかそういうやつ?その2つしかわかんないぞ

たけしゃん

まあ、その2つわかってればいいんだけどね。この記事ではもう少し細かく色んな声を説明していくよ

弾き語りすとLABO ボイトレ講座。今回は声の種類についてです。

ボイストレーニングしている人と話すと「ミックスボイス」「ヘッドボイス」とか色んな言葉が出てきてちんぷんかんぷんだったりしませんか?

歌う上では知らなくて問題ないですが、トレーニングする上では理解しておいたほうがわかりやすいです。

本記事ではサンプル音源も付けてるので、音と名称を一致させてから自身の好きなアーティストの歌を聴くと見える世界が色々と変わるはずです。

(参考)記事内の音階表記

音階のアルファベットと数字の意味を図解で説明した画像

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この記事の著者
音楽ブロガーたけしゃん

ミュージシャン

たけしゃん

tkshan

プロフィール

ギター弾き語りのシンガーソングライター。長年の音楽活動や音楽の仕事で得た知識・経験を基にブログを書いています。
そのほか雑誌の音楽記事執筆、音楽専門書の執筆(工学社)、IPC VOICE STUDIOの公認ボイストレーナーの資格を持っています。
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歌で使う声の種類

歌で使う声の種類を音域ごとに並べた
チェストボイス
(地声)
低音~中音域で使う声
重く張りのある声
ミックスボイス地声と裏声の中間的な声
力強くも柔らかくも出せる
ファルセット
(裏声)
息の抜けた繊細な声
高い音域を出すことができる
ヘッドボイスファルセットより芯のある裏声
トレーニングすれば
かなり高音まで出せる

基本となる声の種類は上記の4種類です。

ボイトレでは上記の4種類を自然に切り替えられるようにトレーニングをしていきます。

また、表現の幅をだすために「ウィスパーボイス」「ホイッスルボイス」なども活用する場合もあります。

本記事では上記2種類を加えた6種類の声についてサンプル音源付きで解説をしていきます。

たけしゃん

僕はホイッスルボイスは全く使ってないので音源なしです。ごめんなさい

ちなみに声の種類については習う先生によって、名称や意味が大分違います。

ボイストレーナーは公的な資格などない職業なので、色んな先生が色んな造語を作ってるのが実情なんですよね。

補足

ボイトレ本を読んでも、本によって名称や各声区の対象範囲は大分違います

なので、言葉の定義や名称を一生懸命覚えてもあまり意味がありません。

言葉ではなく音の違いを認識することがとにかく重要です。そのためにサンプル音源も用意したので、聴き比べてみてください。

飛ばし読みガイド

 

チェストボイス

チェストボイス 男性・女性の音域

サンプル音(G3)

低音域~中音域を担当する声がチェストボイスです。

いわゆる地声と呼ばれる声で、声帯の振動体積が重く、張りのある声になるのが特徴です。

チェストボイスの声帯はたるませて振動体積が重い

基本的には息の音が混ざらず、明瞭で輪郭のある声になります。

たけしゃん

僕みたいに天然のハスキー声だとチェストボイスでもカスれます

歌の練習というと、とかく高音の練習が中心になりがちですが、チェストボイスは発声の土台になる声区です。

声を響かせるポイントを探すときなどはチェストボイスで確認すると良いですね。

 

ミックスボイス

ミックスボイス 男性・女性の音域

サンプル音(A4)

地声と裏声の中間的な音で中音域~高音域を担当するのがミックスボイスです。

サビなど盛り上がるパートの高音は大半がミックスボイスですね。

男性に多い、高音域が出せないという悩みはミックスボイスを習得すると大半は解決します。

ミックスボイスは声帯を細く引き伸ばしてピンと張った状態で発声します。

ミックスボイスでは声帯をピンと細く伸ばして振動回数を多くする

声帯を細く伸ばすのはファルセットと一緒ですが、声帯の閉鎖度合いを強めた状態で発声する点が異なります。

補足

ファルセットは声帯の閉鎖度合いは弱めで息がやや漏れた状態で発声する

そのため、ボイストレーニングを重ねて声帯周りの筋肉の動きをよくしないとできません。

日常会話などでは、この声帯を細く伸ばした状態というのはほとんど使いません(特に男性)。

なので、まずはファルセットを使って声帯を細く伸ばす状態に慣れるところから始めましょう。

 

ファルセット

ファルセット 男性・女性の音域

サンプル音(A4)

ファルセットはいわゆる裏声のことで、高音かつ細くて繊細な音が特徴です。

ファルセットは高い音なので声帯は細くピンと伸びた状態ですが、声帯閉鎖度がやや弱く、空気が抜けた状態になってます。

ファルセットのときの声帯は閉鎖度がやや弱い

そのため、音も息が漏れているような弱々しい音になっているわけですね。

ファルセットの状態から声帯閉鎖度を高めていくとミックスボイスやヘッドボイスと呼ばれる音に変化します。

そんなわけで、ミックスボイスの練習においては「裏声を鍛えよう」とみんな言うわけですね。

裏声から徐々に声帯閉鎖度を高めて、擦れが少ない芯のある裏声にしていくと次第にミックスボイスもできるようになるという理屈です。

 

ヘッドボイス

ヘッドボイス 男性・女性の音域

サンプル音(D5)

ヘッドボイスはファルセットよりも声帯閉鎖度を高めて、芯のある音にした声区です。

比較用のファルセット(D5)

かなり高い音まで出せるのが特徴で、僕の経験上はヘッドボイスならファルセットよりも大分上の音域まで出ます。

ヘッドボイスは声帯の閉鎖度合いを高めて、芯のある高音にする

ちなみにミックスボイスとヘッドボイスの切り分けは曖昧で、どこからがヘッドボイスなのかは個人の判断です。

声を出していても、感覚はほとんど変わらないので個人的にはどっちでもいいと思ってます。

また、ファルセットとヘッドボイスの違いも個人の判断かなと思います。

例えば、King Gnuの「白日」だと出だしはみんなファルセットと判断しますが、サビの最後は人によってファルセットかヘッドボイスか判断分かれると思います。

白日/King Gnu(YouTube)

そもそも「裏声=ヘッドボイス」という解釈の先生もいます。

このへんも正直、どっちでも良いですね。

名称は便宜上付けてるだけなので、名称にこだわるのはナンセンスです。

それよりは音をちゃんと認識して使い分けられるように練習しましょう。

ウィスパーボイス

ウィスパーボイス 男性・女性の音域

サンプル音(G3)

声に息をのせて、ささやくような歌声がウィスパーボイスです。

比較用のチェストボイス(G3)

主には曲中のAメロ、Bメロで表現の幅を広げるのに活用されます。

チェストボイスを出す際に声帯の閉鎖度合いをやや弱めて、息を抜く感じで発声します。

生まれつきの声質と誤解されがちですが、大抵の方は自身でコントロールしてウィスパーボイスにしています。

僕自身もウィスパーボイスとよく言われますが、ウィスパーにするか響かせたチェストボイスにするか自分で選べます。

軽めのウィスパーで歌っている動画

ベテルギウス / 優里 【アコースティックCover】

あと、ウィスパーボイスもどのくらい擦れさせるかも自分で調整できます。

ウィスパーボイスを自由に使えると、表現の幅だったり、曲中でのダイナミクスの調整が楽ですね。

声帯の開閉トレーニングをやっていれば、割と簡単に調整できるようになります。

ホイッスルボイス

ホイッスルボイス 男性・女性の音域
補足

表記上書けませんでしたが、ホイッスルボイスの音域はもっと上です

最後は笛のような音で超高音域を出すホイッスルボイスです。

ホイッスルボイスは声帯の振動を使わずに左右の声帯の隙間から生まれる気流音で笛のような音を出します。

ホイッスルボイスは声帯の隙間を使って気流音を作り出す

ホイッスルボイスだと、ものすごい高い音を出すことができます。

邦楽でホイッスルボイスを使っている人だとMISIAさんが有名ですよね。

MISIAさんの「つつみ込むように…」ではイントロから超高音域のホイッスルボイスが登場します。

つつみ込むように…/MISIA(YouTube)

補足

0:22あたりでホイッスルボイスが登場します

ホイッスルボイスを使うかどうかはその人にやっている音楽のジャンルにもよるかなと思います。

基本的にはポップスで使うことは稀ですね。

たけしゃん

僕もかなりの曲数カバーしていますが、男性曲で必要になったことは一度もないです

声の種類 まとめ

歌で使う声の種類を音域ごとに並べた
  • 歌で使う声の種類は主に4種類
  • さらに味付けとして「ウィスパーボイス」や「ホイッスルボイス」がある
  • 言葉の定義は人によって違うので、音の違いを認識することが重要

ぎたすけ

確かに声の話を「これは〇〇という名前だ」と言い合っても不毛だよな

たけしゃん

そうなんだよね。音の違いを理解して、表現のバリエーションを増やすことが大事だね

声について詳しく学ぼう

歌の要素を理解しよう

ボイストレーニングをやってみよう

ボーカルの知っておくべき知識