歌の練習時間、ボイトレの頻度について実際の練習メニューを例に出して解説

レコーディングブースで歌を録音している女性

ぎたすけ

歌の練習ってやりすぎると喉壊しそうで怖いのはあるよな

たけしゃん

そうだよね。まあ、でも歌はスポーツと一緒だから、そう考えると割とシンプルだよ

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この記事の著者
音楽ブロガーたけしゃん

ミュージシャン

たけしゃん

tkshan

プロフィール

ギター弾き語りのシンガーソングライター。長年の音楽活動や音楽の仕事で得た知識・経験を基にブログを書いています。
雑誌の音楽記事執筆、音楽専門書の執筆(工学社)、nana公認クリエイター、IPC VOICE STUDIO公認ボイストレーナーです。
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最適な歌の練習時間はどれくらい?

男性シンガーソングライター

僕の結論は「ボイトレ、練習、人前で歌う」など全部合わせて、1日2時間できればベスト。

30分とかでも全然良いので、できるだけ毎日歌えたほうがよいです。

参考で僕がやっている日々のルーチンです。

項目内容
ボイトレ
(40分)
楽器で音階を鳴らして発声
ウォームアップ 10分
裏声練習 10分
ミックスボイス 20分
曲を覚える
(30分)
課題曲を弾き語りで練習
聴く・歌うで時間は半々くらい
ライブ配信
(30分~1時間)
弾き語りでライブ配信

トータルで見ると1時間半~2時間ちょっとですね。

曲を覚えるのはYouTubeの動画制作やライブ配信で歌う曲を覚えてます。

筆者の演奏動画

おもかげ/milet×Aimer×幾田りら 【アコースティックCover】

自身の周りに話を聞いてみても、音楽関連の仕事をしている人だとトータルで1~2時間くらいの人が多かったです。

ここからはもう少し掘り下げて、練習量や練習のポイントについて解説していきます。

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練習のやりすぎは良くない?

続いて、練習のやりすぎについてです。

はじめに「やりすぎの定義」は人によって全然違うので、何時間からがやりすぎという線引きは無理です。

例えば、広瀬香美さんはヤマハのインタビューで「毎日4時間ほど歌の練習をする」と仰っています。

広瀬さんはプロ中のプロなので、長時間の練習を毎日やっても何の問題もないでしょう。

一方で素人の方が独学で毎日4時間も練習すると、喉を傷めるリスクは当然あります。

まずは毎日30分~1時間ほど歌う時間を作るのが無難なところですね。

SM58の画像

そこから発声が楽になってきたら、徐々に練習時間を伸ばしていきましょう。

少しの時間でも毎日歌えると、発声の安定度、ピッチの安定度など大分変わってきます。

歌はスポーツと同じなので、日ごろから歌うことで必要な筋肉を使うのが大事です。

喉の調子が悪いときはしっかり休む

前日にカラオケで長時間熱唱したなど、喉の調子が良くないときはちゃんと休みましょう。

声帯は声を発するたびに振動してダメージを受けています。

声帯を閉じているところに空気が当たって振動する
声帯が空気で振動することで声の素が生まれる

そして、そのダメージを日々回復することでバランスを取っています。

ダメージの蓄積が回復速度を上回ると、声が枯れたり、喉の痛みなどの症状が出ます。

その場合は無理せずにちゃんと休んで回復を待ちましょう。

また、規則正しい食事・睡眠ができていないと回復がどんどん遅くなるので、生活習慣の改善も意識しましょう。

食べ物を並べた食卓

練習時間の確保や効率的な練習をするにも、健康は非常に重要です。

ミュージシャンは不健康なイメージがありますが、実際は健康的な生活をしている人のがほうが多いですね。

喉に良いハーブティーやはちみつなどを取り入れて、回復を早める工夫するのも有効です。

 

ボイトレの最適な頻度と時間

ピアノの鍵盤

続いてはボイトレの頻度と練習時間についてです。

ボイトレというと「教室に通ってやるもの」というイメージですが、自主練が大事です。

自主練でやるボイトレはできれば、毎日やるのが良いですね。

時間は30分~1時間くらいで、歌う前のウォームアップを兼ねてやるのが効率的です。

SHURE BETA58A-X

メニューに関しては人によりますが、僕は下記の項目をやっています。

項目内容
ウォームアップ(10分)リップロール
地声の音階練習
裏声(10分)裏声の音階練習
ミックスボイス(20分)音階練習で
地声と裏声の往復

練習用のピアノ伴奏を置いておくので、やってみましょう。

リップロール

リップロールのやりかた3。両頬下を指で押さえた状態で息で唇を震わせる

地声の音階練習

言葉は「Mah」で発音します。

「Mah」の他にもハミングでもやってみるとより良いです。

男性用 伴奏

女性用 伴奏

音程がちゃんと合うように伴奏音源をしっかり聞いて、発声練習しましょう。

裏声のトレーニング

まずはハミングで練習しましょう。

ハミングの後は「Fu」と発声しながら同じ音階を出す練習をしましょう。

男性用 練習音源

女性用 練習音源

高い音は無理に出さなくて大丈夫です。

密度の高い裏声を出す意識を持つのが重要です。

続いては、音階を動かすトレーニングです。

音は「i」と「u」を交互に出すようにします。

男性用 練習音源

女性用 練習音源

音程が上下しても、カスれずに密度の高い裏声をキープできるように意識しましょう。

ミックスボイス(地声と裏声の往復)

言葉は「Mah」で発声します。

地声で無理に持ち上げずに早い段階で裏声に切り替えます。

この切替の時に音色の変化が少なくなるように意識して何度も練習しましょう。

男性用 練習音源

女性用 練習音源

「Mah」が終わったら、「Non」「Men(メン)」といった言葉でもやると効果的です。

ボイトレ教室に通う頻度

グランドピアノと譜面が置いてある写真

ボイトレ教室に通う頻度は月1~2回がおすすめです。

自主練でボイトレをちゃんとやっていると、3週間くらいで少しずつ効果を実感できます。

効果を実感できたタイミングで、先生と一緒に次のお題や練習メニューを考えるのが効果的です。

ミーティングしているところ

そうなると、自然と月1~2回くらいが適量になります。

ボイトレは基本的にスポーツなどでやるトレーニングと変わらないので、日々の自主練習が大切です。

ボイトレ教室では、日々やる練習方法の確認や練習の組み立て方を相談するのが効果的ですね。

 

歌の練習時間 まとめ

ノートブック
  • 個人差はあるが、全部で1~2時間くらいが良い
  • 少しの時間でも良いので、毎日歌えるのが理想
  • やりすぎて喉の調子を崩さないように注意

ぎたすけ

1~2時間って結構少ないんだな。もっと練習したほうが良いのかと思ったぞ

たけしゃん

毎日1~2時間やってみると大分多いと思うよ。継続が一番大事だから無理はしないほうが良いね

歌の練習時間についての解説でした。

これといった正解はないですが、毎日1~2時間を目標にしてみるのが良いでしょう。

毎日1時間でも1年とか継続すると、声の出方が大分変わります。

張り切りすぎずに地道に習慣化することが大事ですね。

声について詳しく学ぼう

歌の要素を理解しよう

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ボーカルの知っておくべき知識