ヴィンテージギターとは?アコギにおけるビンテージの定義や魅力を解説

アコースティックギターとモダンな部屋

ぎたすけ

ヴィンテージは音が良いって話だけど、古くて高いだけなんじゃないか?って思っちゃうよな

たけしゃん

ヴィンテージでも色々あるけど、すごく鳴るギターが多いのはほんとだよ
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ミュージシャン

たけしゃん

tkshan

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ギター弾き語りのシンガーソングライター。長年の音楽活動や音楽の仕事で得た知識・経験を基にブログを書いています。
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ヴィンテージギターとは

アコースティックギターと白い背景

ヴィンテージギターは一般的に1960年代までに製造されたギターを指します。

補足

正確には製品ごとでプレミアがつく製造年代は異なる

中古楽器店を見てまわると、1960年代以前と1970年代以降で価格が大きく違うのでわかりやすいです。

アコースティックギターを壁にかけかけている画像

1960年代までのギターにプレミアが付く理由は主に木材ですね。

ハカランダなど、現在では入手が難しい貴重な木材を使ったギターが多いです。

ハカランダ

別名ブラジリアン・ローズウッド。昔はギターによく使われていたが、現在は希少な木材

例えば、Martin D-28は1960年代までサイド&バックにハカランダを使ったギターが主流でした。

アコースティックギターのパーツ名称
ボディ各部の名称

しかし、1970年代になるとハカランダ以外のローズウッドに変わります。

そのため、1960年代までのハカランダを使ったMartin D-28はプレミアがついて100万円を超えるものばかりです。

補足

1970年代製のD-28なら40万円くらいで買える

ちなみにGibson J-45の場合は1960年代前半以前のものがプレミア価格になることが多いです。

Gibson J-45
Gibson J-45 1960年代の復刻版

1960年代後半からは製品仕様が変わることもあり、ここで大きく価格差が付きます。

参考

1960年代前半は100万円以上、1960年代後半以降は60万〜80万円くらいが多い

なお、Gibson J-45はサイド&バックはマホガニーで、ハカランダは指板とブリッジにしか使っていません。

シンプルに市場に出回る数が少ないことで価格が高騰するのかと思います。

たけしゃん

ヴィンテージギターもここ数年で驚くほどに値上がりしてますね…。久々にお店回ったらビックリしました

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ヴィンテージギターの魅力

アコギが壁に立てかけられている画像

ヴィンテージギターの魅力は人それぞれですが、一般的によく言われるのは下記の3点です。

それぞれの項目を掘り下げて解説していきます。

新品にはない鳴りの良さ

C414XLSでギターのレコーディングしているところ

ヴィンテージギターの魅力は何と言っても鳴りの良さです。

弾いてみるとわかりますが、新品のギターとは音量が全然違います。

補足

製品の仕様にもよります。J-45だと1950年代のものなどは本当によく鳴ります

ボディの振動や鳴り方もすごいので、弾いてみると違いがすぐにわかるレベルです。

これは経年による木材の成長、現在では入手困難な希少な木材を使っている点が大きいかと思います。

アコースティックギターでアルペジオを弾いているところ

ただ、このへんは好みにもよるかなと思います。

僕も爆鳴りのジャパンビンテージを借りている時期がありました。

ジャパンビンテージ

YAMAHAなど国産ギターの年代もの。爆鳴りするものが結構ある

最初は「鳴る!」と喜んでましたが、音がデカすぎて歌い辛いため、結局弾かなくなったことがあります…。

弾き語りだと鳴れば鳴るほど良いわけでもなく、判断が結構難しいんですよね。

ちなみにアコギのレコーディングで使う分にはすごく良かったです。

今では手に入らない製品仕様

YAMAHAの古いギター

ヴィンテージギターの魅力2つめは今では入手が難しい希少な仕様です。

わかりやすいのは使用されている木材ですね。

ハカランダをはじめ、希少な高級木材で作られたギターが多いです。

アコースティックギターを床に置いている写真

また、ネック・サドル・ブレイシングなどの細かい仕様も今とは異なるものが多いです。

昔は今ほど音響機器が普及していなかったため、音量を重視した設計のギターも多いんですよね。

アコースティックギターを弾いてる右手
参考

昔はバンド内でも生音で演奏していたため、音量を出せるギターが求められていた

なお、MartinもGibsonも当時の仕様を再現した復刻版モデルを製造・販売しています。

Gibson J-45
これも60年代復刻版のGibson J-45
補足

復刻版モデルはリミテッドエディション(限定販売)が多い

ただ、希少で経年した木材まで再現はできないので、音は本物のヴィンテージギターとは違いますね。

ちなみに当時の希少な木材を使った復刻版モデルもありますが、車が買える値段です…(苦笑)。

経年による渋いルックス

アコースティックギターのイラスト

ヴィンテージギターの魅力3つめは経年で作られる渋いルックスです。

経年した色焼け、塗装のひび割れ(ウェザーチェック)など、年代もの特有の渋さがあります。

この渋いルックスはステージ映えもするんですよね。

秦基博さんの愛用しているGibson J-45もヴィンテージですが、ステージ映えするルックスです。

鱗(THE FIRST TAKE)/秦基博(YouTube)

経年変化でギター自身に風格が出ます。

この渋みも新品のギターでは出せないので、ヴィンテージギターの大きな魅力ですね。

 

ヴィンテージギター まとめ

アコースティックギターとモダンな部屋
  • ヴィンテージギターは1960年代までに作られたギターが中心
  • プレミアがつく年代は製品によって微妙に異なる
  • アコギのヴィンテージは鳴りがすごいものが多い

ぎたすけ

なるほど。手に入らない木材とか使ってるからプレミアが付くのか

たけしゃん

そうだね。価格が高騰する理由は使用木材と製造本数あたりが多いよね

ヴィンテージギターについての解説でした!

10年前くらいは年代ものでも50万くらいが多かったですが、最近は100万円を余裕で越すようになりましたね…。

今後も価値が上がりそうな気はするので、今のうちに掘り出し物を探してみるのも良いかもしれませんね。

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