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L.R.Baggs Venue D.I.
アコギ用ピックアップ・プリアンプでは定番メーカーであるL.R.Baggsが作っている、Venue D.I.。
エレアコ用プリアンプのベストセラー L.R.Baggs Para Acoustic D.Iをベースにプレイヤーが欲しいであろう機能を追加したプリアンプです。
僕も普段はPara Acoustic D.Iと別にチューナーやクリーンブースターを足元に置いています。
Venue D.I.なら1台で完結するので、持ち運びも楽でセッティングもしやすくて良いですね。
まずはVenue D.I.の機能について画像付きで細かく解説していきます。
なお、仕様はいいのでレビューを読みたいという方は<L.R.Baggs Venue D.I.のレビュー>を参照ください。
Venue DIの機能(タップで解説へ飛びます)
1つずつ、掘り下げて解説していきましょう。
5バンドEQ
- bass
- low mid(帯域調節可能)
- hi mid(帯域調節可能)
- presence
- treble
5つの帯域に分けた5バンドEQが搭載されています。
更にlow-midとhi-midについては下に効かせる帯域を調節できるtuneツマミがついています。
かなり、細かく音を作り込むことが可能です。
Para Acoustic D.Iは4バンド(MIDが帯域調節可能)仕様だったので、更に追い込んで音が作れるようになっています。
EQの効きはPara Acoustic D.Iと同じ感じで、ナチュラルですがしっかり効きます。
各ツマミで±12dbまで調節可能なので、微調整から極端なセッティングまで色々といじれます。
ノッチフィルター
フィードバック対策(ハウリング対策)で用意されている機能です。
60Hz~360Hzの間で機能します。帯域範囲がPara Acoustic D.I(98Hz~247Hz)より広いです。
ツマミを回すと対応する帯域の音がカットされます。
60Hz~360Hzという帯域は人が聴き分けるのは困難ですが、ハウリングの基になりやすい帯域です。
普段はOFFにしておいて、ハウリングするときに使ってみると良いでしょう。
フェイズスイッチ(Phase)
「+と-の位相を反転させる」効果があるスイッチです。
主にハウリング対策で使用します。
ボタンが出ているのが正相、凹んでいるものが逆相です。
ファンクだと、あえて逆相にして音作りをすることもあります。
ノッチフィルターと組み合わせて、ハウリング対策に活用するのが一般的な使い方ですね。
チューナー
プリアンプ内にチューナーが内蔵されています。
右下のフットペダルを踏むと、チューナーモードとなり外に音が出力されなくなって、ディスプレイ上に英字が表示されます。
クリップチューナーだとチューニング中もスピーカーからギターの音が出てしまうので、音が出力されないのは便利ですね。
チューナーの精度や反応は普通ですね。
良くもなく、悪くもなく…といったレベルです。
ブースター
左下のフットペダルを踏むとブースターが作動します。
歪まずに綺麗に音量だけ上げる、クリーンブースターです。
ブースターの音量は裏面にツマミがついており、0~9dbの間で調節可能です。
単体のクリーンブースターに比べると調節幅が小さいですが、アコギだと9dbもあれば十分です。
ギターソロを弾くときにブースターを踏んで音量を上げるのが主な使用方法です。
アコギの場合はバッキング系の底上げはブースターより右手のアタックで調節したほうがナチュラルです。
D.I
Venue D.I.は名前の通り、D.I機能も備えています。
ライン接続の機器をXLR出力に変えて、PAに送ることが可能です。
裏面にXLR出力端子があり、右側側面にLINE入力端子が付いています。
また、出力はXLRの他に側面左側にLINE出力端子も付いています。
それぞれをパラアウトすることも可能なので、XLR出力側をPAに送って足元のモニター用アンプにLINE出力で接続…といった使い方もできます。
上記の写真も、普段は飲食店やってるところでオープンマイクをやるのに使ったときのものです。
XLR OUTはミキサーに接続されて、客席のスピーカーに音が出力されています。
対して、LINE OUTは演奏者向けのモニタースピーカーへ接続されています。
Venue D.I.はライブ現場で必要となる機能は揃っているので、どこでも使える便利なやつです。
L.R.Baggs Venue D.I.のレビュー
それでは、Venue D.I.をレビューしていきます。
はじめに総評すると「アコギで色々やる人に便利なプリアンプ」です。
すごく便利で高品質なプリアンプです。
ただ、ボーカル&ギターといった弾き語りしかやらない人はPara Acoustic D.Iで十分です。
逆にアコギでギターソロを弾いたり、音作りを細かく追い込みたい方にはVenue D.I.のほうが明らかに便利です。
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音質はクリアで太くて良好
Venue D.I.の音質はクリアかつ太い音がしっかりと出力されます。
ピックアップの音痩せ対策で間に挟めば効果を期待できます。
その際はピックアップの音量は絞って、Venue D.I.のゲインとボリュームで音量を上げましょう。
出力もかなりの音量まで歪まずに綺麗に出ます。
アコギ用プリアンプの主目的である音の太さ、歪ませずに音量を綺麗に上げるという2点は高レベルで実現できます。
EQでの音作りはしやすい
5バンドEQやノッチフィルターは効きが良いので使いやすいです。
特にピエゾピックアップの高音の悪目立ちに対して、hi-midの調節幅が広いので捉えやすくて便利です。
ブーストする方向だと結構ガッツリとブーストした音が前に出てくる傾向にあります。
なので、基本は目立つ音をカットする方向性で調整したほうが良いです。
Bassやlow midの下の音域をブーストしちゃうと、すぐにボワーンとなりますので注意しましょう。
シンガーソングライターはもちろん、ソロギタリストの方にも便利そうなEQです。
XLR出力とLINE出力で音量を変えられる
本体トップにはVolumeツマミとGAINツマミの2つがあります。
このうち、VolumeツマミはLINE OUTにしか反映されません。
いくら回してもXLR OUTの音量は変わりません。
最初は故障かと勘違いしたのですが、説明書を読んだら仕様でした。
XLRとLINEでパラアウトする方向けの機能だそうです。
モニターアンプ側の音量だけ上げたい時にVenue D.I.のVolumeツマミを上げれば、PA側の出力に影響させることなく対応できます。
逆にパラアウトしない方は注意が必要です。
モニター音が小さいからといって、Volumeツマミを上げてもXLR出力していると音量は上がりません。
GAINで上げれば解決しますが、GAINで上げすぎると歪むので本番中の場合はPA側のミキサーで音量を上げてもらいましょう。
ブースターは普通に使える
ブースター機能は歪むことなく、クリアに音量を上げてくれます。
音痩せもないため、使いやすいクリーンブースターです。
調節幅は0~9dbと小さめですが、アコギだと上げすぎてもハウリングするので9dbもあれば十分です。
実際に秦基博さんもフルバンドの中でVenue D.I.のブースターを使ってアコギのギターソロを弾いてますしね。
ちなみに知人はアルペジオ曲のときに弱めに設定したブースターを踏んでストローク曲との音量調節に使っていました。
そういった使い方もありですね。
Venue D.I.とパラアコの比較
※同じL.R.Baggsのプリアンプ パラアコ
Venue D.I.の購入を検討するときに一番気になるのは同じL.R.BaggsのPara Acoustic D.I(パラアコ)との比較です。
まずは機能や価格面を一覧表で比較してみましょう。
機能 | Venue.D.I | パラアコ |
EQ | 5バンド | 4バンド |
ノッチ | 〇 | 〇 |
フェイズ | 〇 | 〇 |
チューナー | 〇 | × |
ブースター | 〇 | × |
パラアウト | 〇 | 〇 |
実売価格 | 29,800円 | 19,800円 |
やっぱり、ポイントはチューナーとブースターですよねぇ。
単独でペダルタイプのチューナーとブースターを買うと10,000円以上するので、使う人からするとVenue D.I.を1台買ったほうがお得です。
ステージ上の足元もスッキリして、荷物も減るので地味に大きいですよね。
続いては、実際に知人にVenue D.I.をスタジオへ持ってきてもらい、僕のパラアコと比較した所感をいくつか解説していきます。
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パラアコのほうが音が太い感じはする
Venue D.I.とパラアコの両方の全ツマミをフラットにして音を比べてみると…。
パラアコの方が太くて力強い感じを受けました。
ただ、どっちのほうが良い?と言われるとどっちも普通に良いので何とも言い難い。
ピックアップの音痩せを解消したい目的ならパラアコのほうが良いのではないかと感じます。
基本的にはVenue.D.Iとパラアコの音質は全く一緒と思ってましたが、意外と違いますね。
音作りできるのはVenue D.I.
Venue D.I.のほうがEQの調整幅が広いです。
EQの調整幅 | Venue.D.I | パラアコ |
Bass | ±12db | ±12db |
low mid | ±12db ※帯域調節可能 |
なし |
hi mid | ±12db ※帯域調節可能 |
±12db ※帯域調節可能 |
Presence | ±12db | ±6db |
Treble | ±12db | ±12db |
違いはlow midの有無とPresenceの調整幅です。
まあ、Presence(3~5kHz)の調整幅が違う部分は、アコギだと割とどうでも良いかなという気はします。
そもそも、±6dbもあれば大半の方が十分です。
low midの調整ができるかどうかは結構大きいなと感じました。
テストしていたスタジオでもアコギの音がぼやけてる場面でBassをカットしても効果はないけど、low midを切ると解決する場面がありました。
ただ、劇的な差にはならないのでEQのlow mid欲しさだけで10,000円高いVenue.D.Iを買うのはコスパが悪いですね。
結局はチューナー・ブースターが欲しいかどうか
結局、Venue.D.Iとパラアコを比べた僕の結論は…。
とまあ、シンプルな答えになりました。
プリアンプ・DI機能はどちらも普通に優秀です。
僕のようにエレキギターのクリーンブースターとペダルチューナーをアコギと兼用する人はパラアコで良いですね。
逆にアコギしか弾かない人はVenue.D.Iを買ったほうが安上がりで、足元も1台でスッキリします。
Venue D.I
パラアコ
L.R.Baggs Venue D.I. まとめ
- Venue D.I.は高品位なプリアンプ&D.Iであったパラアコにペダルチューナーとブースター機能を加えた製品
- 弾き語り中心の人はパラアコで十分
- ソロギタリストやアコースティックユニットのギターを弾く方におすすめ
ぎたすけ
たけしゃん
L.R.Baggs Venue D.I.の解説でした!
ご自身に必要な機能を検討して、Para Acoustic D.I(パラアコ)とどちらが良いかを考えると良いですね。
価格差はちょうど1万円くらいなので、Para Acoustic D.Iとペダルチューナー・クリーンブースターを単独で買うよりはVenue D.I.を買ったほうが安いです。
エレアコの聴きやすさは弾き語りにおいて、かなり重要なことです。
ピックアップ側に調節できる機能がない場合はVenue D.I.などの外付けプリアンプを買って調節するだけで演奏の説得力が変わります。
ぜひ、エレアコの音にも気を使ってほしいですね。
Venue D.I
パラアコ
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