ぎたすけ
たけしゃん
チューナーの仕組みや種類は知っておいたほうが良いよ
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ギターチューナーの仕組み
楽器のチューナーは調律を合わせるためのアイテムです。
アコギで主流のクリップチューナーは楽器が鳴らした音を拾って、ディスプレイに対応する文字を表示する仕組みになっています。
楽器奏者はディスプレイの文字を確認して、中央のラインに合うようにギターのペグを調節します。
細かい操作もなく、音を鳴らしてディスプレイを見るだけ。
直感的に使えるので細かいことは勉強する必要もありません。
しかし、シンプルなように見えてチューナーによって音の拾い方が異なります。
更にはチューニングで使う測定モードなるものがあり、あなたの要望に応じて画面表示を変えることが可能です。
チューナーの仕組みをちゃんと理解することで、よりシビアにチューニングを合わせることができます。
特にレコーディングでは音が記録として残るので、チューニングの微妙な狂いが命取りになったりします。
しっかりとチューニングの仕組みを理解し、チューナーを100%使いこなせるようになりましょう。
この先の目次
チューナーが音を拾う仕組み
楽器用チューナーの音の拾い方は3種類あります。
音の拾い方 | 内容 |
ピエゾ | 音の振動で帯域を計測する |
マイク(Mic) | 内蔵マイクで鳴った音を拾う |
信号 | 音の振動を電気信号に変換し、電気信号で音を計測する |
クリップチューナーで主流なのはピエゾ式。
ギターのヘッド部分にクリップチューナーを取付けして、チューナーは音の振動を計測します。
騒音がうるさい場所でもピエゾ式であれば、比較的正確に計測可能です。
さすがにドラムやベースが鳴っていると音の振動がギターにも伝わってしまい、ギターの音を上手く計測ができないケースが多いです。
対して管楽器など本体取付けが難しく、ピエゾでの計測が困難な場合は内蔵マイクタイプのクリップチューナーを使用します。
※内蔵マイクが付いているSEIKO STX7
内蔵マイクでの計測は周りの音を拾ってしまうので、使い辛いという欠点があります。
なので、ピエゾでの計測が難しい場合のみ使用するのが基本であり、ギターで使用することはほとんどありません。
そして、3つ目の計測方法が信号式です。
主にペダルチューナーでメインの計測方法として用いられています。
信号式はギターの音の振動をピックアップが電気信号に変換し、チューナーに送った上でチューナーが信号から音を計測します。
ギターシールドを介してギターからチューナーに電気信号が送られるため、エレアコじゃないと計測できません。
その代わりギターシールドを介して電気信号でやり取りするため、周りの騒音や振動の影響を受け辛いです。
なので、バンド内でのチューナーはペダルチューナーを用いるのが一般的。
基本的にはライブではクリップチューナー(ピエゾ)かペダルチューナー(信号)を用います。
バンドでもクリップチューナーを使おうとして、ステージ上でチューニングが上手くできない…というのはありがち。
音の検出方式を知った上で適したチューナーを選択しましょう。
チューナーの測定モード
チューナーには用途に応じて複数の測定モードが用意されています。
測定モードはクリップ式もペダル式も一緒で一般的なものは4種類です。
測定モード | 概要 |
ギターモード | 特定の音にだけ反応するモード |
クロマチックモード | 半音単位で音を計測するモード |
ストロボモード | 細かい音の違いも計測する超高精度モード |
ポリフォニックモード | 全弦を同時に計測するモード |
最も良く使うモードはダントツでクロマチックモードですが、レコーディング前などはストロボモードで細かくチューニングしたりもします。
一通りの測定モードの違いを知っておくと、場面に応じた最適なチューニングをできるようになります。
また、チューナーの製品選択にも測定モード有無は大きく関わってきますので、しっかり理解しておきましょう。
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ギターモード
- ギターの開放弦(EADGBE)にだけ反応するモード
- 他の音が鳴っていても反応しないため、うるさい場所でも比較的計測可能
- 変則チューニングなどには使えない
ギターの開放弦にだけ反応させることで、初心者にも使いやすく、周りの音の影響を受けにくくしたのがギターモード。
変則チューニングやカポタストを付けた状態では使えないので、アコギ弾きはあまり使いません。
クロマチックチューナー
- 半音単位で音を計測するチューニング
- カポタスト使用時のチューニングや変則チューニングも対応可能
- ダントツで使用頻度の高い測定モード
最も使用頻度の高い測定モード、クロマチックモード。
半音単位で音を計測することが可能です。
なお、クロマチックモードで動くチューナーをクロマチックチューナーと呼びます。
カポタストを使うことが多いアコースティックギターでは#や♭が付く状態でのチューニングが日常茶飯事なので、クロマチックモードが基本になるわけですね。
ちなみにカポタストは着脱時にチューニングが狂うので、カポを装着してからチューニングしましょう。
カポタストを付けた状態での開放弦一覧はこちらを参考にしてください。
ストロボモード
- 半音単位で計測する、高精度にチューニングできるモード
- 針の動く速さでチューニングするため慣れが必要
- 超正確にチューニングしたい時に使う
クロマチックモードを基本に、超高精度に追い込んでチューニングできるのがストロボモード。
ただ、超高精度なために測定方法に癖があります。
クロマチックモードだと針が中央に来るように合わせます。
この針を中央に合わせる動きでは超高精度に測ることができません。
そのため、ストロボモードでは横軸点線の動きの速さでチューニングのズレを表します。
横軸点線が左右に高速で動く場合は音がズレており、チューニング合っている場合は動かなくなります。
ストロボモードはどの機種も横軸線の動きの速さでズレを表すのは一緒ですが、音が高いのか、低いのかを表示する方法など細かい仕様が違ったりするんですよね。
ストロボモードは超高精度でチューニングできるので知っておいた方がいいです。
取扱説明書を一回読んで、動作を確認しないと使いこなせないのがネックなところなんですよね。
なお、安価なチューナーにはストロボモードは搭載されていないことが多いです。
ポリフォニックモード
- 全弦を同時に計測できるモード
- TC ELECTRONIC Polytune Clipのみ搭載されている
- 微調整程度のチューニングをするときに便利
一瞬で全弦のチューニング状態を表示するポリフォニックモード。
エフェクターなどを作っているメーカーのTC ELECTRONICが開発した技術です。
通常のチューニングモードからジャラーンと全弦鳴らすと自動的にポリフォニックモードに切り替わります。
使いこなすのには慣れが必要ですが、慣れると割と便利です。
チューニングが大して狂ってないけど、確認と微調整で全弦の状況を見たいときに使えます。
2019年現在でポリフォニックモードを搭載しているチューナーはペダルタイプのPolyTune3とクリップタイプのPolyTune Clipの2機種のみです。
ペダルタイプ
クリップタイプ
関連記事
ギター用クリップチューナー TC ELECTRONIC Polytune Clip(ポリチューンクリップ)をレビューする

測定モードの詳細記事

チューナーのヘルツ(周波数)
出典:AW-4G 取り扱い説明書
音には音階と別にヘルツ(周波数)という概念があります。
ラの音を基準にお話すると、通常のラは周波数440Hzの音を指します。
ですが、音楽性によって異なる周波数のラを用いることがあります。
音楽で良く使われるラの周波数は3種類。
ヘルツ | 特徴 |
440Hz | 国際基準値で一般的に使われる |
441Hz | プロミュージシャンが好んで使用 |
442Hz | クラシック・オーケストラで使われる |
ポップスでは440Hzが主に用いられ、プロの現場では441Hzを用いることが多いです。
多くのチューナーで周波数を合わせる機能がついており、異なる周波数でのチューニングに対応できるようになっています。
安価なチューナーの中には周波数変更ができない機種もあるため、異なる周波数での演奏をしたい人は変更可能な機種を選択しましょう。
下記のクリップチューナーのおすすめをまとめた記事では対応する周波数を記載して製品を紹介しています。
関連記事

関連記事
ギター チューニングのヘルツ(周波数)の違いを音源付で解説。440Hz、441Hz、442Hzの使い分け・対応方法を理解しよう

クリップチューナーとペダルチューナー
ギター用チューナーには大きく分けて、クリップチューナーとペダルチューナーの2つがあります。
弾き語りをやっていると、ほぼクリップチューナーで対応可能。
しかし、バンドでライブをやる時はペダルチューナーのほうが便利で確実。
本格的に音楽活動している人は大抵、両方のタイプを持っています。
両タイプをそれぞれ、解説していきましょう。
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クリップチューナー
- 値段が安い
- コンパクトで持ち運びが楽
- ギターヘッドにつけるだけの手軽さ
クリップチューナーの強みはお手軽さ。
値段も安く、ギターヘッドにつけて電源をつけるだけで使用できます。
また、ピエゾ式クリップチューナーは精度も高い。
弾き語り中心のシンガーソングライターはクリップチューナーだけで、ほぼ全活動対応できます。
ここではクリップチューナーの定番機種であるKORG AW-4Gをご紹介します。
ピッチ検出はピエゾ。測定モードは「ギター/ベース」「クロマチック」「ストロボ」の3つに対応。周波数も436~445Hzで変更可能。
…必要な機能は一通り揃った優れものです。
その他のクリップチューナーは下記の記事で細かくレビューしています。
おすすめの関連記事
おすすめのギター用クリップチューナー ベスト10をランキング形式で解説

ペダルチューナー
- 周りの音や振動に影響されない
- フットペダルでアンプへの出力をオン/オフできる
バンドライブ向きのペダルチューナー。
ドラム・ベースが周りで振動を出すとクリップチューナーは反応しなくなるため、そこはペダルチューナーの出番。
チューニング中はフットペダルでアンプへの出力をON/OFFできるのも便利。
プロのライブ現場ではペダルチューナーが主流です。
弾き語りすとにとって痛いのはギターシールドで接続が必要ということ。
エレアコでないと使用できません。
ここではペダルチューナーの定番。BOSS TU-3をご紹介します。
測定モードはギター/ベース・モードとクロマチック・モード。周波数は435~445Hzで変更可能。
プロの使用者も多い、信頼の1品です。
その他のペダルチューナーは下記の記事で細かくレビューしています。
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おすすめのギター用ペダルチューナー ベスト10をランキング形式で解説【プロアーティスト使用チューナーも紹介】

クリップとペダルどっちが良い?
結論から言うと、どっちも必要です。
弾き語りで使うなら基本的にはクリップチューナー。
しかし、バンドライブをやるならペダルチューナーを持っておくべき。
実際にプロミュージシャンでペダルチューナーを持っていない人は見たことがないです。
なので、ベストな方法はクリップチューナーを持っておいて必要になった段階でペダルチューナーを購入。
弾き語りのシンガーソングライターだと、ガッツリ音楽活動をやらないとペダルチューナーは必要にはなりません。
よって、必要な段階になってから購入しても遅くはないです。
チューニングの仕方について
ギター用チューナーの解説をしてきましたが、ここで少し違う話題。
チューニングについて詳しくなりましょう。
チューナーが故障したら演奏できない…というのでは弾き語りすとの名折れ。
耳でもチューニングできるように備えることが重要です。
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音叉(おんさ)
- どこを叩いても、同じ音が鳴る
- 楽器のチューニングに使用
- A(ラ)の音が設定されている
耳でチューニングする際に使用する道具、音叉(おんさ)。
何かに当てるとA(ラ)の音が鳴ります。
鳴ったAの音を聴き取って、ギターをチューニングします。
参考記事
音叉の使い方とチューニング方法について解説。日ごろのチューニングで音感を鍛えよう

チューニングの方法
- 音叉の音と5弦 5Fのハーモニクスを合わせる
- 5弦 5Fと4弦の開放弦を合わせる
- 4弦 5Fと3弦の開放弦を合わせる
- 3弦 4Fと2弦の開放弦を合わせる
- 2弦 5Fと1弦の開放弦を合わせる
- 1弦 開放弦と6弦 開放弦を合わせる
音叉を使ったオーソドックスなチューニング方法です。
まずは音叉が出すA(ラ)の音と、5弦 5フレットのハーモニクスの音を合わせます。
5弦の開放弦でも問題ありません。聞きやすいものを選びましょう。
5弦を合わせたら、5弦の音を基準に他の弦も音を合わせていきます。
この他にも楽器屋の店員さんがよく使うハーモニクス・チューニングなどもあります。
下記の記事でチューニングの方法をまとめていますので参考にしてください。
参考記事
チューナーなしでギターをチューニングする方法を分かりやすく図解で解説

耳でチューニングする重要性
チューナーを使ってチューニングしても耳に悪影響はありません。
むしろ、毎回正確な音程で演奏することで音感も鋭くなります。
ですが、音程だけに集中する機会ってチューニングを除くと、中々ありません。
耳を鍛えるにこれだけ良い機会はない。
…といっても耳でチューニングした結果、音程の狂った楽器で練習したのでは本末転倒。
下記の流れでチャレンジしてみましょう。
- 音叉を使って耳でチューニング
- チューナーで答え合わせ
答え合わせを日々行い、少しずつ耳の精度を上げていきましょう。
参考記事
チューナーばかり使っていると、耳が悪くなる説は本当かを解説する

ギター用チューナー まとめ
- ピエゾ式のクリップチューナーは絶対買うべし
- ペダルチューナーは必要なったら買うべし
- 耳でのチューニングにもチャレンジするべし
ぎたすけ
たけしゃん
弾き語りすとなら、とりあえず買っておくべきだね
ギター用チューナーの解説記事でした!
色んな種類がありますが、見た目も含めて自分に合った製品を選びましょう。
また、質問にタップで回答するだけで、あなたに最適なチューナーを提案する「弾き語りすとナビ」を作ったので、ぜひ活用してください。





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