ぎたすけ
たけしゃん
変則チューニングに使えるのもあったり、意外と奥が深いから解説していくね
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チューナーの測定モードの違い
測定モード | 概要 |
クロマチックモード | 半音単位で音を測定するモード。最も良く使われる |
ギター/ベースモード | ギター、ベースに特化したモード。開放弦の音にしか反応しないようになっている |
ストロボモード | 半音単位で音を測定し、超精密に判定するモード |
ポリフォニックモード | 全弦を一度に測定して表示するモード |
ギターチューナーの測定モードは上記の4つに分かれます。
基本的にはクロマチックモードを使用し、大半のことがクロマチックモードで対応できます。
そのため、クロマチックモード以外の3つのモードについては存在すら知らない人もたくさんいます。
しかし、大半のギターチューナーで複数の測定モードに対応しており、それだけプレイヤーから需要があるわけです。
本記事ではそれぞれの測定モードについて、画像付きで違いや使い分け方法を細かく解説していきます。
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クロマチックモード
- 半音単位で音を測定するモード
- 変則チューニングやカポタストにも対応できる
- どの弦のどこが何の音かをアルファベット表記で覚える必要がある
クロマチックモードは半音単位で鳴っている音の音程を表示するモード。
クロマチックという言葉は「半音」という意味で、クロマチックモードで動作するチューナーをクロマチックチューナーと呼びます。
音を鳴らすとチューナーが反応し、半音単位で最も近い音をディスプレイに表示します。
半音単位で反応するため、変則チューニングやカポタストを付けた状態でも音を計測できるのが特徴です。
どのようなチューニングでも万能に使えるため、クロマチックモードが最も使われます。
その一方で何の音でも反応するため、自身で鳴らした音が何の音なのかわかっていないといけません。
レギュラーチューニングくらいは慣れれば勝手に覚えますが、変則チューニングやカポタストを付けた状態だと開放弦が何の音か全部覚えるのは難しいです。
(参考)カポタストを付けた時の開放弦
とはいえ、設定変更不要で様々なチューニングに使用できるため、非常に万能な測定モードです。
変則チューニングやカポタスト使用時も、全部クロマチックモードで対応することが大半です。
ギター/ベース・モード
- 開放弦の音程にだけ反応するモード
- ギター向けとベース向けのモードが用意されていることが多い
- 特定の音程にしか反応しないので騒音に強い
- レギュラーチューニング以外を行う時は設定変更が必要
ギター/ベース・モードとはそれぞれの楽器の開放弦にだけ反応する測定モードです。
ギターとベースで開放弦の音が異なるため、ギターモードとベースモードに分かれています。
ギターの開放弦
ギター弦 | 開放弦の音 |
6弦 | E |
5弦 | A |
4弦 | D |
3弦 | G |
2弦 | B |
1弦 | E |
ベースの開放弦
ベース弦 | 開放弦の音 |
4弦 | E |
3弦 | A |
2弦 | D |
1弦 | G |
ギターモードだとレギュラーチューニングの開放弦「EADGBE」の音しか反応しません。
どのポジションが何の音か覚えきれていない初心者時代には使いやすいモードと言えます。
また、特定の音にしか反応しないため、周りの音を拾って測定がおかしくなることが少ないです。
その反面、レギュラー以外のチューニングを使う場合は設定変更が必要です。
特にアコギ弾きだと半音ダウンチューニングやカポタストを付けた状態でのチューニングをすることが多いですよね。
そのため、大半のチューナーがフラットモードやカポタストモードを備えています。
フラットモード、カポタストモードはレギュラーチューニングを基準に反応する音を調整できる機能です。
例えば、クリップチューナー定番機種であるKORG AW-4G-BK PitchCrow-Gではレギュラーチューニングから♭5半音~#7半音までの範囲で反応する音を調整できます。
出典:AW-4G 取り扱い説明書
しかし、オープンチューニングなどの各弦の音の並び自体がレギュラーとは異なる変則チューニングには対応できません。
また、レギュラーチューニング以外だと設定変更が必要なのも手間ではあります。
なので、基本的には初心者向けのモードという位置づけで上達すると使わなくなる測定モードです。
ストロボ・モード
- 半音単位で高精度なチューニングが可能
- 針の動く速さでチューニングを行うため、慣れが必要
- クリップチューナーだと上位モデルにしか搭載されていない
クロマチックモードと同様に半音単位で反応し、超高精度に音を計測できるのがストロボモード。
クロマチックモードでは画面中央に針が来るように弦の音をチューニングします。
対して、ストロボモードは更に高精度にチューニングを行うため、針の横移動する速度で音を合わせます。
横移動する速度が早ければチューニングが狂っており、移動が止まればチューニングがあっている状態になります。
中央に針を合わせるクロマチックモードでは表現できない微妙な音の違いを針の移動速度で表しているわけです。
ストロボモードはどこのメーカーも針の移動速度で音のずれを表現するものの、基準値より高いのか低いのかを表現する方法が異なります。
例えば、TC ELECTRONICは横軸線の上にある点の位置で基準値より高いか低いかを表します。
対して、KORGのストロボモードは針の動く方向で基準値より高いか低いかを表します。
←方向に針が移動すれば低い、→方向に針が移動すれば高いという仕様です。
上記動画では最終的に←方向に針が高速移動しているので、基準値より低いわけですね。
このようにメーカーによって、ストロボモードの動作仕様が微妙に異なるので覚える必要はあります。
また、非常に精度が高いため中々ピッタリは合いません。
なので、日頃はクロマチックモードで十分です。
レコーディング前など音をキッチリ合わせたい場面で使用すると良いでしょう。
なお、ストロボモードは安価モデルでは搭載されていないことが多いです。
上記の参考映像で使っているチューナーはプロアマ問わずに人気のチューナーtc electronic UNITUNE CLIPとKORG Sledgehammer Proです。
tc electronic UNITUNE CLIP
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KORG SH-PRO
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ポリフォニック・モード
- 全部の弦をまとめてチューニング可能
- ライブで瞬時にチューニングできて便利
- レギュラーチューニング以外は設定変更で調整が必要
tc electronicが独自に開発した全弦同時に測定できるポリフォニックモードです。
tc electronicのPolytuneシリーズにのみ搭載された機能になっています。
通常のクロマチックモードから全弦をジャラーンと鳴らすと自動的にポリフォニックモードが起動する仕様となっています。
ライブの曲間でジャラーンと鳴らして、ずれている弦だけチューニングを合わせられるの便利です。
僕は日常でも弾く前にとりあえずジャラーンと鳴らして全弦の状態確認に使ってます。
ちなみに自動発動なので、誤発動することも結構多いです。
自動発動して欲しくない場合は設定で、通常のクロマチックモードだけにすることも可能になってます。
また、初期設定はレギュラーチューニング向けになっていため、カポタストを付けたり半音ダウンチューニングする時は設定変更が必要です。
♭5~#7まで変更できるようになっています。
ただ、音の並びが異なるオープンチューニングなど変則チューニングには対応できません。
まあ、あったら便利ですが、なくても全然問題ないです。
2019現在の商品ではペダルタイプのPolyTune3とクリップタイプのPolyTune Clipの2機種のみ対応しています。
ペダルタイプ
クリップタイプ
関連記事
ギター用クリップチューナー TC ELECTRONIC Polytune Clip(ポリチューンクリップ)をレビューする
チューナー測定モードの使い分け
ザックリと状況別での使い分けを書くと…
- クロマチックモードがあれば問題なし
- ライブ中のチューニング時間を短縮にはポリフォニックモード
- 正確なチューニングにこだわるならストロボモード
上記の3パターンに分かれます。
基本的にはクロマチックモードがあれば、何でも対応できます。
プラスしてストロボモードがあれば、レコーディング前などはこだわりときにチューニング精度を上げられてより良いです。
ポリフォニックモードはあれば便利かも…といったレベルです。
そして、チューニングをレギュラーにするか変則にするかでも使用するモードや設定が変わってきます。
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レギュラーチューニング向けのチューナー
レギュラーチューニングについては、クロマチックモードがあれば十分です。
よって、基本的にどのチューナーでも問題ありません。
チューナー選びで検討するポイントとしては下記2点のどちらを選ぶかです。
- レギュラーチューニング特化のシンプルチューナー
- 変則チューニングも1台で対応できる多機能チューナー
これ、結構悩みどころなんですよ。
一見、1台で何でも対応できる多機能チューナーが良いように思いますが、ライブでは誤操作したくないんでシンプルチューナーって実は結構良いんですよね。
僕もずっと、多機能チューナーとシンプルチューナー2台持ちしてました。
そんなわけでは、ここではシンプルチューナーKORG PitchClip2を紹介します。
潔くクロマチックモードのみに絞って、操作ボタンも電源ボタンのみ。
誤操作しようがない、安くてシンプルイズベストな製品です。
レギュラーチューニングしか使わない人にとっては、KORG PitchClip2が実はベストな選択となる人が多いです。
PC2の詳細記事
ギター用クリップチューナー KORG Pitchclip 2をレビューする

変則チューニング向け チューナー
変則チューニングは通常のレギュラーチューニング(EADGBE)とは異なるチューニング方法です。
変則チューニングの場合は、半音単位で反応するクロマチックモードかストロボモードで対応するしかないので普通のチューナーで問題ありません。
ただ、音階の並びを変則的にする以外に周波数を変えるというパターンも存在します。
通常はA=440Hzですが、A=441Hzなどに響きを変えている楽曲が存在します。
そんなわけで変則チューニングを多用する方は下記の2点を抑えたチューナーを選択するのが良いです。
- 周波数変更に対応できる製品
- チューナーの反応や精度が良く、大幅なチューニング変更をスムーズにできる製品
おすすめしたいのは精度や機能性に優れており、周波数変更も対応しているtc electronicのチューナーです。
全弦同時にチューニング可能なポリフォニックモードに対応しているPolyTune Clipもしくはポリフォニックモード不要の方は価格が安いUNITUNE CLIPがおすすめです。
価格的には他のチューナーより高めですが、精度や使い勝手が良いので多様なチューニングを活用する人はお金を出す価値がある商品です。
Polytune Clip
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UNITUNE CLIP
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チューナーの測定モード まとめ
- チューナーの測定モードは4種類ある
- 基本的にはクロマチックモードがあれば十分
- 変則チューニングを多用する人は周波数変更機能があり、かつ優れた操作性のチューナーを選ぶべし
ぎたすけ
たけしゃん
でも、ストロボモードを使うと音にも敏感になれるし、使ってみたほうが良いよ
ギター用チューナーの測定モードについての解説でした!
結論はクロマチックモードがあれば十分。他のモードも知って、使い分けできるとなおよしといったところです。
楽器のチューニングって日々やるものであり、基本の基本ですからね。
色んなチューニングを理解して、音に敏感になると成長も早くなるもの。試しに色々と実験してみましょう。




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