NEUMANN TLM 67をレビュー。名機U 67と同じカプセルを使ったコンデンサーマイク

NEUMANN TLM67

評価:4.5

ぎたすけ

U 67ってのが有名なマイクでTLM 67はそれを少し安くしたモデルみたいな感じ?

たけしゃん

U 67はビンテージの超有名マイクだね。TLM 67はNEUMANN設立80周年記念で発売されたU 67サウンドを再現したマイクだね
補足

製品をレビューするためにゼンハイザージャパン様にデモ機をお借りしました(NEUMANNはゼンハイザーグループ企業です)

先にTLM 67の評価 まとめ
音質
 (5)
使いやすさ
 (4.5)
価格(25万円程度)
 (4.5)
総合評価
 (4.5)
メリット
デメリット
  • 中高音域が太めで芯がある音質
  • 真空管マイクのような温かみのある音
  • 特性はフラット寄りで使いやすい
  • 25万円程度とNEUMANNの中では安め
  • とくになし

TLM 67で録った動画

ドキュメンタリー / 秦基博 アコースティックCover

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この記事の著者
音楽ブロガーたけしゃん

ミュージシャン

たけしゃん

tkshan

プロフィール

ギター弾き語りのシンガーソングライター。長年の音楽活動や音楽の仕事で得た知識・経験を基にブログを書いています。
雑誌の音楽記事執筆、音楽専門書の執筆(工学社)、nana公認クリエイター、IPC VOICE STUDIO公認ボイストレーナーです。
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NEUMANN TLM 67の特徴

NEUMANN TLM67を専用ケースにしまった写真
マイクタイプ コンデンサー
指向性 単一指向性
双指向性
無指向性
周波数特性20Hz~20kHz
最大入力音圧レベル無指向性 130dB
単一指向性 125dB
双指向性 131dB
SN比 無指向性 78dB
単一指向性 83dB
双指向性 77dB
外形 × 全長 56 × 200mm
重量 (マイクのみ) 490g

NEUMANN TLM 67はNEUMANN設立80周年記念で発売されたコンデンサーマイクです。

プロユースでは定番のビンテージマイクであるU 67サウンドを再現したモデルとなっています。

NEUMANN TLM67のロゴ

※創立者ゲオルグ・ノイマン氏肖像がついている

また、U 67は真空管マイクですがTLM 67は真空管を使わずにU 67サウンドに近づけているのが特徴ですね。

TLM 67は秦基博さんがホームスタジオでボーカル・アコギ用にずっと使っているので、僕も興味があったんですよね。

秦さんがTLM 67を選んだ理由は「自分の声と相性が良いマイクとしてU 67を本番レコーディングで良く使っているから」とインタビューで回答されていました。

今回はゼンハイザージャパンさんからU 87Aiとセットでお借りしたので、色々と比較してみようと思います。

NEUMANN U87AiとTLM67
U 87Ai、TLM67

それでは、TLM 67の特徴から細かく解説していきます。

製品特徴を飛ばしてレビューを読みたい方は<NEUMANN TLM 67をレビュー>を参照ください。

製品特徴の目次

本体機能

NEUMANN TLM67
指向性切替 音を拾う角度の切替機能
ローカットフィルター低音をカットする機能
PAD-10dB減衰させる機能

TLM 67は本体スイッチで3つの機能が使えるようになっています。

まずはマイク正面のスイッチですが、3種類の指向性を切替できるようになっています。

NEUMANN TLM67の3種類の指向性
双指向性 前後の音を拾う
単一指向性 正面の音を拾う
無指向性360°の音を拾う

ボーカル録りやアコギ録りは単一指向性、収録内容によって他の指向性も使うことがあるかなという程度です。

マイク背面には2つのスイッチがあり、片方が低音域カットできるローカットフィルターになっています。

NEUMANN TLM67のローカットフィルターONとOFFの写真

もう片方には-10dB減衰するPADスイッチがついています。

NEUMANN TLM67のPADをONとOFFにした写真

どちらも自宅レコーディングだと使う場面は多くないですが、使用楽器やシチュエーションに応じて利用しましょう。

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TLM 67に合うマイクスタンド

NEUMANN TLM67をマイクアームに取り付けした写真

TLM 67は本体重量490gです。別売りの専用サスペンションホルダーEA 87は350g程度なので合わせて840g。

マイクの中でやや重いくらいですね。

NEUMANN EA87

なので、定番のブームスタンドを使いましょう。格安スタンドだと危ない重量です。

定番のKCブームスタンドがおすすめです。

付属品

NEUMANN TLM103の付属ケース

TLM 67の付属品は木箱の専用ケースのみです。

マイクホルダーなどは付属しないので、専用サスペンションホルダーEA 87を購入すると良いでしょう。

 

Neumann TLM 67をレビュー

NEUMANN TLM67を横から撮った画像

それでは、TLM 67をレビューしていきます。

初めにメリット・デメリットをまとめると以下の通りです。

メリット
デメリット
  • 中高音域が太めで芯がある音質
  • 真空管マイクのような温かみのある音
  • 特性はフラット寄りで使いやすい
  • 25万円程度とNEUMANNの中では安め
  • とくになし

使ってみた印象だと音が太めですが、特性はフラットっぽい感じです。

そんなにクセはないですが、ボーカルの音はグッと前に出るのでオケとの馴染みはよさそうですね。

価格的にも25万円程度で買えるので、ノイマンの製品の中では手が出しやすいです。

レビュー目次

音は太くて、クセがないので使いやすい

NEUMANN TLM67に専用サスペンションホルダーEA87を取り付けした写真2

TLM 67で歌録りやアコギ録りをしてみると、音が太くて芯がある印象を受けました。

一方で特性としてはフラットな感じで、どこかの音が飛び出すこともなく使いやすいマイクです。

TLM 67で歌とアコギを別録りした動画がこちら。

ドキュメンタリー / 秦基博 アコースティックCover

いつもの感じでミックスしたら、ボーカルの音が太くて大分前に出てる感じになりました。

それでいて、高音とか耳に刺さらないんですよね。

上記の曲も最後はhi Bのロングトーン。僕の声質でこの音域張るときはマイクから離れないと耳に刺さることが多いのですが…TLM 67はオンマイクで全然大丈夫でした。

NEUMANN TLM67を横から撮った画像2

そんなところもあり、僕の声質だとU 87aiよりTLM 67のほうが使いやすかったですね。

ウィスパーもしっかり拾ってくれるし、思い切り張っても大丈夫なのでマイク位置をあまり気にせずに歌えました。

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アコギ録りもバッチリ

ZOOM Q8で録った映像

TLM 67はアコギ録りの音もバッチリです。

立体感あって、粒立ち良い音で録れるので、聴いていてすごく心地よいです。

先ほどの動画もコンプレッサーとリバーブかけただけでEQとか何もいじってないですが、十分いけます。

自前で弾き語りをミックスする人は良いマイクを買うと、ほぼ録り音のままでもいけるので作業が楽でいいですよ。

一方でアコギの音に関しては僕は一緒に借りたU 87Aiのほうが好きでした。

U 87Aiのほうが高音域がわかりやすく良い感じになるんですよね。

ボーカルに関しては自分の声質的にはTLM 67の大人しめなサウンドが好みでしたが、アコギだとU 87aiのほうが音がキラっとして好みでした。

といっても、U 87AiはTLM 67の倍くらいの価格帯なのでTLM 67は大分コスパ良いです。

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真空管ではないので手が出しやすい

NEUMANN TLM67を横から撮った画像

TLM 67は真空管マイクのU 67を再現したモデルなので、真空管マイクのように暖かくて太めの音質です。

一方で真空管は使わずに回路設計でU 67の音を再現しているので、価格は25万円程度と安めです。

補足

真空管マイクは良いものだと50万円以上するのが普通

また、真空管マイクはセッティングなどの取り扱いも難しいため、エンジニアさんがいないと扱いが難しいです。

TLM 67は僕のようにエンジニア知識がないボーカルでも普通に扱えます。

なかなか宅録用でここまでのマイクを購入するのはしんどいですが、自宅RECの仕事をたくさんこなす方には良いマイクです。

NEUMANNの中では安いですし、使用機材にTLM 67と書いてあると本格的にやってる人という印象はでますからね。

 

NEUMANN TLM 67 まとめ

NEUMANN TLM67を専用ケースにしまった写真
  • 名機U 67のサウンドを再現したコンデンサーマイク
  • NEUMANNの中では比較的安価で音もクセがなく使いやすい
  • 本体スイッチで指向性切替、ローカット、PAD機能が使える

ぎたすけ

なんか、マイク設置しただけで雰囲気がすごくでるな

たけしゃん

そうだよね。本格的な感じになるからモチベーション上がるね

NEUMANN TLM 67のレビューでした。

このレベルのマイクってレコーディングスタジオ行ったときに使ったことあるくらいだったので、自宅で試すのが新鮮で僕も勉強になりました!

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