UNIVERSAL AUDIO SP-1をレビュー。楽器録音に最適な小型のコンデンサーマイク

UNIVERSAL AUDIO SP-1をセッティングしたところ 正面横から

評価:4.5

ぎたすけ

SP-1ってドラムとかアコギの録音でよくみるタイプのマイクだな

たけしゃん

そうだね。いわゆるペンシル型ってやつだね。アコギ録ってみたけど、すごく良い音だったよ
補足

レビューするためにフックアップ様からデモ機をお借りしました

SP-1の評価
音質
 (4.5)
使いやすさ
 (4.5)
価格(59,400円程度)
 (4)
総合評価
 (4.5)
メリット
デメリット
  • 音の立ち上がりが速くシャープ
  • 小型でセッティングが楽
  • 専用プラグインで有名マイクをモデリングしたサウンドにできる
  • ステレオペアでの販売のみ

アコギストローク

アコギアルペジオ

この記事の著者
音楽ブロガーたけしゃん

ミュージシャン

たけしゃん

tkshan

プロフィール

ギター弾き語りのシンガーソングライター。長年の音楽活動や音楽の仕事で得た知識・経験を基にブログを書いています。
雑誌の音楽記事執筆、音楽専門書の執筆(工学社)、nana公認クリエイター、IPC VOICE STUDIO公認ボイストレーナーです。
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UNIVERSAL AUDIO SP-1

UNIVERSAL AUDIO SP-1
マイクタイプ XLRコンデンサーマイク
指向性カーディオイド
周波数特性20Hz – 20kHz
最大SPL142 dB SPL、1% THD
感度-38.0 (12.6 mV)
ref 1V @ 1 Pa、1 kHz
寸法 (1本あたり)128 × 23.5mm
重量(1本あたり)125g
公式HP

Universal Audioが2022年に新しく発売したコンデンサーマイク SP-1

主に楽器録音に適したペンシル型のペアマイクです。

UNIVERSAL AUDIO SP-1をセッティングしたところ 斜め前から

アコギを録音してみましたが、非常に良い音で録れます。

付属のスタンドマウントとステレオTバーでステレオ配置も簡単にできるため、自宅でも使いやすいのも良いですね。

UNIVERSAL AUDIO SP-1付属のマイクアダプタ

それでは、SP-1の製品仕様から解説していきます。

仕様を飛ばして、レビューを読みたい方は<UNIVERSAL AUDIO SP-1をレビュー>を参照ください。

ペンシル型のペアマイク

UNIVERSAL AUDIO SP-1

SP-1は楽器録音などに最適なペンシル型のスモールダイアフラムコンデンサーマイクです。

ステレオ録音できる2本ペアセットになっています。

そのため、付属品もそれぞれのマイクで使えるように2つ用意されています。

UNIVERSAL AUDIO SP-1の付属品一覧

ステレオ録音できるため、アコースティックギターやドラム以外にもパーカッションやホーンなど様々な楽器録音で活躍します。

カーディオイド

単一指向性の図解

SP-1は主に正面からの音を拾うカーディオイドマイクです。

録ってみた所感では、音を拾う範囲は比較的タイトで狙った音だけを録ることができます。

付属のスタンドマウントとステレオTバーでマイクの角度や距離感など自由に調整できるので、マイキングも楽で良いですね。

UNIVERSAL AUDIO SP-1をセッティングしたところ 横から

ワイドに広げて録ることもできますし、2本ともほぼ同じ位置で録ることもできます。

UNIVERSAL AUDIO SP-1をセッティングしたところ 斜め前から
マイク距離をスタンドマウントで調整可能

かなり色んな用途で使えそうなアイテムです。

Hemisphere マイク・モデリング・プラグイン

Hemisphere マイク・モデリング・プラグイン SD-451のモデリング

SP-1は無償で使えるHemisphere マイク・モデリング・プラグインに対応しています。

このプラグインを使うことで、有名マイクのサウンドを再現した音にできます。

Hemisphere マイク・モデリング・プラグイン SP-1のモデリング一覧
選択できるマイクは5種類

更にマイクの近接効果、軸をパラメーターで調整することもできます。

Hemisphere マイク・モデリング・プラグイン SD-84のモデリング
下部のノブでマイクの軸など調整可能

パラメーター調整は録音後でも可能なので、録ってみてマイキングを変えたい場合などに有効です。

なお、Hemisphere マイク・モデリング・プラグインはネイティブなので、DAW上で使用することができます。

ネイティブプラグイン

PCなどにインストールし、PCのCPUで動作するプラグイン

また、オーディオインターフェイスにApolloシリーズを使うとDSPで動作します。

Universal Audio Apollo Solo
Apollo Solo
DSP

オーディオインターフェイスなどに内蔵される音声処理用のチップ。PCのCPU的なもの

DSPで使うとリアルタイムでプラグインをかけても、レイテンシーがほぼ発生しないので便利ですね。

補足

DSPで動作させると、PCのCPUに負担がないため、レイテンシーはほぼ起こらない

とはいえ、動作は軽いのでネイティブでもPCのスペックが低くなければ、リアルタイムで使っても問題なかったです。

付属品

UNIVERSAL AUDIO SP-1の付属品一覧
  • マイクスタンドマウント×2
  • ステレオTバー
  • フォーム製ウィンドスクリーン×2
  • 5/8インチ – 3/8インチ・スレッドアダプター x2

SP-1は付属品もマイク2本分入っています。

マイクスタンドマウントとステレオTバーはマイクスタンドに設置するための物ですね。

UNIVERSAL AUDIO SP-1付属のマイクアダプタ

1本のマイクスタンドで2本同時にマイクを取付できます。

UNIVERSAL AUDIO SP-1をセッティングしたところ 真横から

マイクスタンドマウントをステレオTバーから外して使うことも可能です。

ウィンドスクリーンも2つ付いており、吹かれノイズを抑制できます。

UNIVERSAL AUDIO SP-1に付属のウィンドスクリーンをかぶせた
ウィンドスクリーンをつけた

録音に必要なものは一通り入っているので、すぐにでも使用できます。

 

UNIVERSAL AUDIO SP-1をレビュー

UNIVERSAL AUDIO SP-1をセッティングしたところ 左斜めから
SP-1の評価
音質
 (4.5)
使いやすさ
 (4.5)
価格(59,400円程度)
 (4)
総合評価
 (4.5)

それでは、SP-1を細かくレビューしていきます。

はじめに箇条書きでメリット・デメリットをまとめると以下の通りです。

メリット
デメリット
  • 音の立ち上がりが速くシャープ
  • 小型でセッティングが楽
  • 専用プラグインで有名マイクをモデリングしたサウンドにできる
  • ステレオペアでの販売のみ

アコギ録りで使った感じは非常に良かったです。

自宅でアコギ録りのクオリティを高めたい人にはうってつけの製品だなと思いました。

ナチュラルな音で立ち上がりが早い

UNIVERSAL AUDIO SP-1をセッティングしたところ 正面横から

SP-1はフラットで原音に忠実なクリアな音が録れます。

そして、スモールダイアフラムらしく音の立ち上がりが速く、アタック感もしっかりでます。

ステレオでアコギ録りしたサンプル音がこちら。

UNIVERSAL AUDIO SP-1をセッティングしたところ 横から

アコギストローク

アコギアルペジオ

すごく良い感じに録れていますね。

特にストローク音は粒立ちが良く、各弦の音が良い具合に混ざっています。

これなら、弾き語りでもバンドのリズムギターでも良い感じに混ざってくれますね。

Hemisphereプラグインは面白い

Hemisphere マイク・モデリング・プラグイン SP-1のモデリング一覧

無償で使えるHemisphere マイク・モデリング・プラグインはなかなか面白いです。

5種類の有名マイクをモデリングしたサウンドが使えます。サンプル音源で聴き比べてみましょう。

SP-1(原音)

SD-451

Hemisphere マイク・モデリング・プラグイン SD-451のモデリング

SD-84

Hemisphere マイク・モデリング・プラグイン SD-84のモデリング

音の明るさ、低音の鳴り方が微妙に変わります。

プラグインなので、録音後にモデリングマイクを変更することができる点も良いですね。

また、プラグインで録音後に近接効果や軸の調整ができるので、マイキングを微妙に変えることもできます。

Hemisphere マイク・モデリング・プラグイン SD-451のモデリング
項目概要
FILTERローカットやPADがかかる
※効果はマイクによって変わる
PROXIMITY近接効果を調整する
AXISマイク軸の角度を変える
近接効果

カーディオイドのマイクで距離を近づけると低音域が膨らむ現象のこと

こちらもサンプル音を用意したので、聴いてみましょう。

原音

PROXIMITYを-100にした

AXISを180°にした

アコギ録りはマイキングが難しいため、録音後に調整できるのは便利で良いですね。

特に近接効果で低音域が膨らんだ場合はEQで調整するのが難しいので、重宝します。

ステレオでのセッティングが楽

SP-1はペア販売されているだけあって、ステレオでのセッティングも楽でした。

先ほどのサンプル音も、付属のマイクスタンドマウントとステレオTバーでパッとセッティングしただけです。

UNIVERSAL AUDIO SP-1をセッティングしたところ 斜めから

マイク2本でステレオ録音するのは、マイキングが地味に難しいんですよね。

SP-1はペアでステレオ録音する用途で調整されているので、マイキングも決めやすかったです。

UNIVERSAL AUDIO SP-1をセッティングしたところ 真横から

エンジニアさんもいない、宅録環境であってもハイクオリティな録音ができます。

個人的にはセッティングの手軽さが一番良いところだなと感じました。

宅録でアコギ録りを数多くこなしている人には、うってつけのマイクですね。

AKG C451Bとの比較

AKG C451B

楽器用マイクで定番のAKG C451Bと比較してみると、SP-1は音のキャラクターが違います。

それぞれのサンプル音源がこちら。

補足

それぞれ違う時期に録っているので、参考程度です(使用ギター&弦は一緒です)

SP-1

UNIVERSAL AUDIO SP-1

C451B

AKG C451B

SP-1はフラットで原音に忠実なサウンドです。

対して、C451Bは音の抜けが良く、煌びやかなサウンドですね。

どっちが良いか?と聞かれると難しいですね…。

オープンコードで開放感ある音を鳴らすときはSP-1のほうが自然で心地よい鳴りで録れます。

UNIVERSAL AUDIO SP-1をセッティングしたところ 正面横から

一方でカッティングでチャカチャカやる場合はC451Bのほうがキレが出ます。

僕的には歌モノのオーソドックスなストローク音を録ることが多いなら、SP-1のほうが良いかなと感じました。

UNIVERSAL AUDIO SP-1

あとは価格差ですね。

C451Bのステレオペアは2022年現在だと10万円程度します。

SP-1はステレオペアで6万円程度です。このくらいの価格でクオリティの高いペアマイクを買えるのはいいですね。

 

UNIVERSAL AUDIO SP-1 まとめ

UNIVERSAL AUDIO SP-1をセッティングしたところ
  • Universal Audioから発売されたペアのスモールダイアフラムマイク
  • 立ち上がりが速く、ナチュラルで原音に忠実なサウンド
  • セッティングが楽で宅録でも使いやすい

ぎたすけ

自宅で本格的な楽器レコーディングをやりたい人向けって感じだな

たけしゃん

そうだね。自宅環境でアコギ録りをたくさんやる人には使い勝手が良いマイクだなと思ったよ

UNIVERSAL AUDIO SP-1のレビューでした。

オープンコードのストローク音がすごくよかったです!

自宅やスタジオで楽器録りに使うマイクを探している方はぜひチェックしてみてください。

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