“歌う力”をグングン引き出す ハリウッド・スタイル 実力派ヴォーカリスト養成術をレビュー。超ロングセラーのボイトレ本

見開きの本

ぎたすけ

これ、すごい昔からあるボイトレ本だよな

たけしゃん

そうだね。発売日見ると15年くらい前なんだけど、意外と最近なんだなって思ったくらいだよ
この記事でわかること
  • “歌う力”をグングン引き出す ハリウッド・スタイル 実力派ヴォーカリスト養成術の概要
  • “歌う力”をグングン引き出す ハリウッド・スタイル 実力派ヴォーカリスト養成術のレビュー
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たけしゃん

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プロフィール

ギター弾き語りのシンガーソングライター。長年の音楽活動や音楽の仕事で得た知識・経験を基にブログを書いています。
雑誌の音楽記事執筆、音楽専門書の執筆(工学社)、nana公認クリエイター、IPC VOICE STUDIO公認ボイストレーナーです。
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“歌う力”をグングン引き出す ハリウッド・スタイル 実力派ヴォーカリスト養成術

ロジャー本 表紙

  • 昔からボイトレ本の定番として君臨する超ロングセラー本
  • レッスン用のCD付き
  • 全190ページでボリュームは結構ある

15年くらい前から存在する超ロングセラーのボイトレ本、“歌う力”をグングン引き出す ハリウッド・スタイル 実力派ヴォーカリスト養成術

 

海外でボイストレーナーとして有名なロジャー・ラブ氏が書いた内容を百瀬由美さんが訳して、ボイストレーナーの高田三郎さんが監修した本です。

通称、ロジャー本と呼ばれています。

 

僕も人生で最初に買ったボイトレ本なので、何度も繰り返し、繰り返し読んで試したものです。

そんなわけで、懐かしいロジャー本を思い出しながら解説していきます。

目次

  1. イントロダクション
  2. 呼吸法
  3. 3つの声を使い分ける
  4. ヴィブラートの秘密 
  5. ラヴノートは新しい練習法
  6. 自分のスタイルを見つけよう
  7. ステージ恐怖症を克服する
  8. 声のための飲み物と食べ物
  9. ステージでの体の動かし方
  10. 日常の練習法

全190ページありますが、ところどころロジャー氏と高田氏の思い出話やら教え子との思い出話やら入ってます。

なので、中身は思ったより少ない印象を受けます。

 

内容については基本的な発声法から始まり、ステージングや日常の過ごし方といった話まで入った総合ボイトレ本です。

付属CD付き

付属のCDには本に書いてある表現を音声化したものとレッスンが収録されています。

レッスンはヴィブラートとミックスボイスが中心。

 

また、付属CDはロジャー氏が喋っています。

なので、英語です。といっても英語を理解しなければいけない場面も特にありません。

発声する際の言葉などが英語的な発音だったりするだけです。

 

ロジャー本をボイトレの観点でレビュー

読書

それでは、“歌う力”をグングン引き出す ハリウッド・スタイル 実力派ヴォーカリスト養成術をレビューしていきます。

はじめに総評すると「良書だけど、今なら他の本でいいかな」です。

 

2019年8月現在も、ミュージカル楽譜・スコア・音楽書部門でAmazonベストセラー1位です。

…が正直なところ、昔からの知名度によるものであって中身はさすがに最近出た本のほうがわかりやすくて時代にも合ってます。

 

ただ、最近出た本もロジャー本を参考に書かれたっぽいものが多いです。

それだけ、ロジャー本の影響力は大きかったのでしょうから元祖を読んでみたい…という人は買ってみると良いでしょう。

ミックスボイスとヴィブラートが中心

発声からステージング、普段の生活の話まで書かれていますが、中心となる話題はミックスボイスとヴィブラートです。

補足
本書ではミックスボイスとは呼ばず、ミドルボイスという名称で説明されています

まあ、割と歌えるようになった人の壁となるのが、ミックスボイスとヴィブラートですしね。

 

逆に音がちゃんと取れない、声が震えてちゃんと歌えない…という人にはあまり向いていません。

普通に歌えはするけど、高音の安定感や歌の余韻を出せるようにしたい…という人向けです。

 

ミックスボイスとヴィブラートの解説内容やレッスン内容はわかりやすいです。

付属CDのレッスンを繰り返し練習すると感覚がつかめてきます。

余談が多い

ロジャー氏の余談や教え子との思い出話がかなりの量です。

教え子はエミネムやクリスティーナ・アギレラ、ロブ・トーマスなどそうそうたる面々なので、読みたいと感じる人には良いでしょう。

 

逆に、純粋にボイトレ本として買った人は余談の量が多くて、ウンザリしそうです。

190ページありますが、余談が20ページくらい占めている…と考えて買うと良いです。

和訳の表現がわかり辛い

翻訳された本なので、発声方法の微妙なニュアンスがイマイチわかり辛い印象です。

直訳っぽい、比喩的な表現が非常に多い上にアメリカン的なオーバーすぎる例えが多いのでピンときません。

 

読んでいて文化が違うなぁと感じるところが多々あります。

 

10年前だとロジャー本と同じような本がなかったので、わかり辛くてもあるだけありがたい…と妥協できました。

今では同じような本で日本人が書いているものや、翻訳本でもわかりやすい本もあるので妥協する必要がありません。

 

なので、ロジャー本よりは下記の2冊をおすすめします。

上記の2冊は内容的にはロジャー本に近いですが、余計な余談も少なく内容もわかりやすいです。

また、最近の本なので音楽活動などを絡めた話も時代に合っていてピンときます。

喉に優しい魅惑のハイトーンボイス

実践ボーカル力養成講座

ロジャー本

 

ロジャー本 まとめ

おしゃれな部屋

  • ミックスボイス・ヴィブラートを中心に解説した超ロングセラーのボイトレ本
  • 発売から15年経った今でも使える内容の良書
  • 現在では似たような内容で今に合った内容にカスタマイズされたボイトレ本が発売されている

ぎたすけ

なるほど~。売れているけど、やっぱり今はもっと良い本があるって感じなんだな

たけしゃん

ロジャー本を既に持ってる人は新しい本を買う必要はないけど、これからボイトレ本を買う人はあえてロジャー本を選ぶ理由はないね

“歌う力”をグングン引き出す ハリウッド・スタイル 実力派ヴォーカリスト養成術の解説でした。

15年経った、今でも使える内容ばかりなのは純粋に凄いですね。

 

ただ、15年の月日の早さと長さを感じます。

15年前だと音楽配信サービスもライブ配信もほぼなかったし、DTM自体が一般的ではなかったですからねぇ。

 

今から、ボイトレ本を買う人には3オクターブは当たり前 喉に優しい魅惑のハイトーンボイス養成メソッドもしくは実践ボーカル力養成講座をおすすめします。

ただ、ロジャー本も良書であることには違いないので、気になったかたはどうぞ。

喉に優しい魅惑のハイトーンボイス

実践ボーカル力養成講座

ロジャー本

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