音楽の製作費と収支について考える

こんばんは!たけしゃん(@_tkshan)です。

1年前くらいにNHKのクローズアップ現代「あなたは音楽をどう愛す?~新・配信ビジネスの衝撃~」が放送されました。

2000年に入ってからの音楽業界は本当に不況で、どのように活動していくべきかという問題提起が盛んに行われています。

僕はアマチュアミュージシャンなので、日頃の音楽活動で収益について考えることは少ないです。
赤字にならなきゃいいやレベル。

しかし、できれば音楽で少しでも稼ぎたい。
音楽でお金を稼いで、サラリーマンへの依存度をどんどん下げていきたいと思ってからは黒字になるように意識しています。

最近はこういった収益構造についても、かなり興味を持つようになりました。
なので、「今後の音楽製作費と収益」について持論を述べさせていただきます。

この記事の著者
音楽ブロガーたけしゃん

ミュージシャン

たけしゃん

tkshan

プロフィール

ギター弾き語りのシンガーソングライター。長年の音楽活動や音楽の仕事で得た知識・経験を基にブログを書いています。
雑誌の音楽記事執筆、音楽専門書の執筆(工学社)、nana公認クリエイター、IPC VOICE STUDIO公認ボイストレーナーです。
プロフィール詳細お問い合わせ

1. 音楽配信では利益が出ないのは何故?

nest-egg-ii-1241466-639x705

CD売上は年々下がって、音楽配信の売り上げは上がっている。

でも、音楽配信は単価が低い。CDなら1枚売れれば1,000円~1,500円。音楽配信だと1曲売れても200円~250円。

2014年にスガシカオさんがツイートした内容も話題になりましたね。


これ見た時に賛否両論あったけど、意外だったのが反論が思ったより少なかったこと。

「時代に合っていない、制作スタイル取ってるからだよ」って意見が多く出るかと思ったけど、意外と少なかった。

まあ、どこの業界も同じような状態なんだよね。音楽業界だけ特別視されている気がする。

ファストフード、ファストファッション。他にもソフトウェア業界とか、色んな業界で同じ話がある。

今のやり方じゃ生き残れないって問題。

安くて質もそこそこなものを求められて、時代に合わせて変わっていく。

音楽業界の話も他の業界と同じで考えると、安くて質がそこそこで作れるようにしてよって話なんだろうな。
ただ、職人がいっぱいいてアートを作ってるから、ちと難しいんだよね。

例えば、大手企業だと色んな部門がアウトソーシングで外注することで経費削減している。
大手企業の社員なんて本当に少なくなっちゃった。

大半は下請け業者に外注して、その下請けの人は大半が契約社員・派遣社員・アルバイトって構成。

音楽業界も近しいものがあるんだけど、なんでだろうね。
例えば大手レコード会社の人なんていったって、大半がアルバイトや契約社員。給料だって会社員より低い。

一番思うことは音源制作して音源が世に出るために関わる人が多すぎるんだよね。

ゼネコンとかも言えるけど、下請けが5次請けとかまでいるから中間搾取が凄まじくてコストもやたらと高くなっちゃう。
でも、下層の下請けは無理難題ばかり言われて、利益が全然ないんだよね。

音楽業界もバブル時代に同じような階層を築いてしまっているから、CDほどの売り上げがないと関わった会社全てに利益を行き渡るのが難しいのではないか。

まあ、音楽業界でも作曲家や編曲家が最下層の下請けって感じがする。
食べていくだけの収益を上げるのは至難の業だし、相当厳しい環境である。

仮歌関連で関わった作曲家や編曲家の人は〆切が恐ろしくタイトでお金にならない仕事もやらなきゃいけない状況であった。

コンデンサーマイク仮歌バイト・仮歌シンガーのお仕事内容・依頼の受け方を解説

audio technica AT-UMX3のバナー(PC)PR

2. ミニマムでの制作スキルが必要

getting-ready-to-party-1-1504820-638x477

今や、DTMが普及しているから個人でもプロレベルとまではいかなくとも、近しいレベルでの音源制作が可能。

音源作成のコストはかなり下げることができる。昔みたいに突き詰めるかどうかって話なんだよね。

スタジオに籠って楽曲制作して、フルオーケストラ集めてレコーディングして…ってやれば際限なくお金かかるけど、素晴らしいクオリティの楽曲はできる。

けど、今や曲が消費されるスピードは半端なく早い。
この消費スピードだと、突き詰めて際限なくコストかけても採算が全然取れないのは間違いない。

どちらかというと、少数でDTMを活用して音源制作するスタイルのほうが時代に合っている。
限られた環境と時間で、どれだけ品質を上げられるかって観点。

今後はよりインディーズの人や個人でやっている人の楽曲が注目されればいいんだけどね。

現状だとテレビがとにかく強すぎて、テレビに乗っかるためには既存の音楽業界を通る必要があるので、ミニマムチームでいいもの作っても、その後に色んな人が入ってきちゃうんだよね。

これが個人や小さいチームで作ったものが直接メディアに乗るようになれば音楽業界も相当変わると思うんだけどね。

一番近いのがニコニコ動画。

ボカロPとか正にそれ。個人や小さいチームで作ったものがニコニコ動画っていうプラットフォームに乗っかって、色んな人に届いた。食べられるだけの収益を得た人がいた。

今は音楽業界が入ってきちゃったから、ボカロPだけで食べられる人も少ない気がしますが…。

昔のニコニコ動画のような流れが、もっと広がればミニマムチームで制作している人で音楽で食べられる人が増えるし、兼業サラリーマンみたいな人も出てくると思うんですよね。

それこそ、週3正社員&作曲家みたいな人が出てくると非常に面白いし、そうなりたい。

 

3. 終わりに

本当は昔の音楽業界みたいに高いスタジオに籠って制作コストを気にせずに作れるほうが夢があっていいんだけどね。

現実問題、それじゃ収益も出ない。時代に合った音楽制作する必要があるよね。

与えられたコストと時間を使って、できる限りの品質を出すってのが俗にいうプロだからね。

まずはミニマムな環境で作成できるスキルを今の内から磨いておくことですね。
弾き語りミュージシャンは高いDTMのスキルを身に着けることができれば、作曲&作詞&歌も自分でこなせるから理想的なんですけどね。

僕もDTMスキルをもっと勉強して頑張りたいわー。
今後の展望を考えるとミニマム環境での音楽制作スキルって本当に必須な気しかしない。