ぎたすけ
たけしゃん
- ピックの素材の種類
- ピックの素材ごとの特徴
- ピックの素材別のおすすめ製品
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ギターピックの素材と材質
たけしゃん
ピックの素材とはピックを作る基になっている材料のこと。
ピックといえば、ギターを弾くのに欠かせないくらいの重要アイテム。
そのピックには形や厚さ(硬さ)の違いがあることはわかっていても、素材の違いまで分かっている人は少ないもの。
しかし、ピックの素材はギターの音質や弾きやすさに大きく影響するものなのです。
そんなピックの素材ですが、1900年代前半から長い間セルロイドが主流でした。
1960年代以降にセルロイド以外の素材でも盛んにピックが作られるようになります。
その後、素材の生産量や入手難易度も時代と共に変化し、ナイロンやデルリンなどのさまざまな素材でのピック作りが進んでいったわけです。
次章からは代表的なピックの素材を16種類ほど解説していきます。
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セルロイドピック
- ピックの代表的な素材
- 硬くて丈夫な材質
- ストロークにも単音弾きにも使いやすい
昔からピックの素材として使用されているセルロイド。
FenderやMartinなどのギターメーカーはピックの素材として主にセルロイドを採用しています。
よって、あなたも知らず知らずのうちにセルロイドのピックを使っているはず。
材質的には硬くて丈夫です。
激しいピッキングを繰り返しても、それなりの期間は欠けずに持ちます。
ストロークには薄めのTHIN、ピッキングにはMEDIUM辺りの厚さを選ぶと良いでしょう。
おすすめのセルロイドピック
定番中の定番、Fenderピックが使いやすく、買い求めやすいのでおすすめです。
ストロークメインのトライアングル型のTHINと万能なティアドロップ型のMEDIUMを両方持っておいて、使い分けると良いでしょう。
トライアングル型のTHIN
ティアドロップ型のMEDIUM
ポリアセタールピック
- 機械の歯車などに用いられる熱に強い材質
- 摩擦が少なく、弾き心地が軽くて振り抜きやすい
- 滑りやすいため、グリップ加工されているものが多い
熱に強く、摩擦が少ない材質 ポリアセタール。
弾き心地や音質が軽やかでアコギのストロークには最適。
その反面、滑りやすく落としやすいためグリップ加工が施されている製品が多い。
代表的なものは後述のデルリン(トーテックス)ピックになる。
ちなみに大原櫻子さんが主演映画でギターを弾くことになった際に
「ピッキングの角度や強弱コントロールを習得する時間がないので、スクラッチノイズが出にくいポリアセタール製のピックにした」
…とサポートしていたTakamineのスタッフさんがおっしゃっていました。
ポリアセタールは摩擦が少なく、スクラッチノイズなどが出にくいので初心者向けの素材でもあります。
おすすめのポリアセタールピック
おすすめはMUSENT トライアングル型 0.6mmです。
MUSENTのピックはJAZZタイプを使っているギタリストの方が多いですが、弾き語りで使うならトライアングルが良いです。
デルリン(トーテックス)ピック
- ポリアセタールの一種
- 摩擦が少なく、弾き心地が軽くて振り抜きやすい
- デルリンを特殊処理したトーテックスがピックでは有名
ポリアセタールの一種でトーテックスの基になるデルリン。
摩擦が少なく、ストロークがジャっと弾き心地良く鳴らせるのでアコギ弾きには好評。
その一方で滑りやすく落としやすい素材です。
そのため、ジム・ダンロップ社がデルリン表面に特殊処理をしてべっ甲のような触り心地と滑りにくさを実現したのがトーテックス。
トーテックスのピックは滑りにくく、引っかかりなく振り抜きやすいのでアコギ弾きに適しており、僕も長いこと愛用しています。
おすすめのデルリンピック
デルリンピックではジムダンロップ トーテックス トライアングル ピック 0.6mm(オレンジ)がおすすめ。
コブクロの小淵さんも愛用していたピックで弾き語りすとの中では知名度が高いベストセラー製品です。
僕も愛用していますが、ストロークの振り抜きやすさが抜群です。
表面も持ちやすく落下しにくいので、非常に使いやすいです。
ウルテム
- 熱に強く曲げ弾性率が非常に高い
- べっ甲の使用感に最も近いと言われており、クッキリした音質で高音の伸びが良い
- ジムダンロップのウルテックスが有名
曲げ弾性率が非常に高いウルテム。
ピックの素材として使うとべっ甲に近い使用感となり、高音の伸びが良くクッキリした音質になります。
滑りにくいため、汗をかいても持ちやすいのも良いところですね。
べっ甲が年々、手に入れ辛い状況で価格も上がっているため、代替品として使用されている人も多い素材です。
おすすめのウルテムピック
大石昌良さんも使用されている、ジムダンロップ ウルテックス トライアングル 0.73mmがおすすめです。
ピッキング中心で使いたい方はティアドロップ 0.90mmあたりが良いですね。
トライアングル 0.73mm
ティアドロップ 0.90mm
ナイロンピック
- 弾力性、硬さ共に優秀な素材
- 手汗をかくと水分を吸収し、弾力性が低下して硬くなる
- ティアドロップ型で用いられており、トライアングル型は品揃えが薄い
セルロイドに次いで、昔からピックに用いられている定番の素材であるナイロン。
弾力もあるのにちゃんと硬いのがナイロンピック。
ピックのしなり感が好きな人には癖になる素材です。
特に1960~70年代ではナイロンピックの代表格であるHERCOピックで様々な音楽が奏でられています。
往年のロックスターが使っていたピック…ということでギタリストには人気があります。
逆にアコギではナイロンピックを使っている人はあまりいない印象です。
ですが、弾き心地や音質的にはアコギでも全然いけます。
おすすめのナイロンピック
おすすめはナイロンピックの代表格、ジムダンロップ HERCO HE210 Flex 50です。
ちなみにHERCOはヘルコが正しいようです(ギターマガジンより)。
ハーコって呼んでいる人のほうが多いイメージですけどね。僕もずっとハーコだと思ってました(笑)。
アクリルピック
- 透明度の高い綺麗な素材
- くっきりとしたアタック感で硬い音が出る
- 耐久性が高いが、値段も高いピック
水槽などに利用されている素材、アクリル。
ピックの素材として使うと透明度の高いピックが作れて着色されると綺麗な見た目で仕上がります。
弾性率、硬さともに優秀な素材ですが、硬いアタック感が特徴的。
1・2弦を弾くとカツンとした音が出るので、単音弾きのギターソロで活きます。
おすすめのアクリルピック
GRAVITY Big Mini 1.5mmが定番かつおすすめのアクリルピックです。
握り込むと先端が少しだけ出るくらいの大きさで、高速で振り抜くストロークなどにも適しています。
カーボネートピック
- 透明度の高い製品が多い
- 硬めのアタック感でエレキギター向き
- ポリカーボネートやメタカーボネートとも呼ばれる
透明度が高く綺麗な見た目に仕上がった製品が多い、カーボネート。
主にティアドロップ型の更に小さいJAZZ型で用いられる素材。
硬くてアタック感が強く出るため、高音は出やすい。
しなりもほとんどないので速弾きなどに適しています。
なお、ジムダンロップではLexan®という名前で呼ばれています。
おすすめのカーボネートピック
ジムダンロップ Stubby Pick 2.00mmがおすすめです。
あまり、種類がないカーボネートピックですがジムダンロップではStubbyシリーズとGelsシリーズがカーボネートを素材に作られれています。
アコギには向いているとは言い難いので、エレキギターやセミアコも弾く人向けです。
ゲイターピック
- ジムダンロップオリジナル素材
- 表面がマット上で滑らない仕様
- しなりがあってキレは出しやすい
ジムダンロップのオリジナル素材、ゲイター。
製品名はゲイターグリップです。
表面がザラついており、手汗をかいても滑りません。
そして、ピック自体がしなるのでカッティングには最適なピックです。
アコースティックギターにはあまり向いていません。
でも、崎山蒼志さんのようなエッジのあるカッティングをやるには向いているので、プレイヤーの使いようではあります。
おすすめのゲイターピック
おすすめはジムダンロップ ゲイターグリップ 0.71mmです。
速弾きなどで使う方はもう少し厚めのものを選ぶと良いでしょう。
INFINIXピック
- 2016年に作られた特殊プラスチックを用いた新素材ピック
- アクリルピックのような透明度の高さ
- 弾力性がありつつ、クッキリした音質
国内最大のギターピック専業製造会社「IKEDA PICKS」と、少数精鋭のカスタムギターブランド「L’ s TRUST」が設立したブランド「MASTER 8 JAPAN」が2016年に発売したINFINIX。
特殊プラスチックを素材にしており、透明度が高くキラキラした見ためとウルテムに近い弾性率の高さとアタック感を兼ね備えています。
ブラッシング時の音量もかなり大きく出るので、アコギ弾きにも使いやすい新素材ですね。
おすすめのINFINIXピック
アコギ弾きにはMASTER8 JAPAN INFINIX 0.6mm HARD GRIPがおすすめです。
握るところには滑り止めがついているので、滑って落とす心配もありません。
僕も本記事を書くのに初めて使いましたが、なかなか良い感じでメインピックを変えようか迷い中です。
PPS(ポリフェニレンスルフィド)ピック
- セルロイドより軽くカーボンよりしなやか
- アタック感は硬く、音量が出やすい
- 国内生産量が高い素材で今後ピック製品も増えそう
軽くてしなやかな素材、PPS。
しなりがありつつアタック感も強く、厚みがあるものだと金属で弾いたような硬い音が出ます。
アコギで使う場合はストロークとギターソロの両方ある曲が最適。
ストローク自体のアタック音も大きいですし、ギターソロでの粒立ち間も出ます。
おすすめのPPSピック
おすすめはFERNANDES P-100PPS STANDARD。
PPSピック自体、種類豊富ではありません。
PPSを選ぼうと思うと自然とFERNANDESピックになることが多いです。
PVC(ポリ塩化ビニール)ピック
- 添加物によって素材の特徴が変わる
- PVCピックの市販品は少ない
- オリジナルピックの素材としては良く使われる
ギターのピックガードなどに採用されることが多いPVC。
市販品ではあまりPVCを使ったピックは出回っていません。
しかし、加工がしやすく添加物によって質感も変えられるため、オリジナルピックを作る際には良く出てくる素材でもあります。
ちなみに市販品でPVCのピック…というとポール・ギルバートの赤ピックが有名ですが、硬くてエレキギター向きです。
PVCのおすすめピック
逆にこれ以外でPVCを探しても、あまり出てきません。
アコギも使えますが、硬いのでギターソロなど弾く場合に使うのが良いですね。
ちなみにポール・ギルバートピックは赤だけがPVCで、他の色は素材がセルロイドです。
べっ甲ピック
- ウミガメの甲羅を素材とする天然素材
- 爪に近い感覚で手にもなじみ、弾性・硬さともにあって弾きやすい
- 貴重で製造技術も難しいため、ピック1枚1,000円以上する高級素材
ウミガメの甲羅を使う昔から人気が高い素材、べっ甲。
手に馴染み、手汗をかいても滑らない材質。
弾性・硬さともにあり、サスティーンの伸びが良いため、今でも愛用しているギタリストは多いです。
山崎まさよしさんはべっ甲のオリジナルサムピックを愛用されていますね。
ワシントン条約で国際取引も実質禁止されており、年々値段が上がっています。
最近ではウルテムが近い材質ということでべっ甲の代わりとして人気を得ていますが、一部のギタリストはべっ甲にこだわる方もいるくらいです。
おすすめのべっ甲ピック
おすすめはHOSCO 本鼈甲ギターピック トライアングル 1mm。
使ってみると、手に馴染んで滑らないです。非常に弾きやすい。
丈夫なので値段は張っても同じピックを使い続けたい人にもおすすめです。
失くさないように気を付けましょう…。
ピック
サムピック
ゴムピック
- ゴムなので滑りにくい
- 弾性に富んでおり、指弾きしたみたいな丸い音になる
- ウクレレやベースで用いられることがある
なかなか、ピックの素材としてイメージがわかないゴム。
滑りにくく、弾性があるため、ピック自体がかなりしなります。
音質は非常に丸く、指弾きしたような音が出来上がります。
ピッキングと指弾きのアルペジオに差を付けたくない人にはいいかもしれません。
ちなみに激安ピックを買うと、薄いゴム製のピックだったりします。
おすすめのゴムピック
おすすめはClayton PHAT-TONE Rounded Triangle 2.80mmです。
なお、ベース用ピックです。ベースで試しましたが、ピック弾きで指で弾くような音質を出せるので、結構実用的です。
逆にアコギではゴムピックだと音のクッキリ差がないので、出番はなさそうです。
タスク(TUSQ)
- 別名、人造象牙。
- 本べっ甲に匹敵する強さと素材固有の周波数特性を持つ
- 硬くてアタック感が強い
ギターのブリッジサドルやナットに良く使われる素材、タスク。
ピックもあったのね…と驚きました。
メーカー曰く、本べっ甲に匹敵するほどの強さで象牙にも勝るとも劣らないクリアーでリッチなサウンドとサスティーンを活かしたピック。
…とのことですが、使ってみると硬いのでサスティーンは確かに伸びるし、クリアな音です。
これはこれで有りなピックですね。
アコギで弾き語りするには他の素材で良いかなぁと感じます。
おすすめのタスクピック
おすすめはGRAPH TECH A5 1.00mmです。
1.00mmですが、素材が硬いのでアタック感は結構出ますし、単音弾きもクッキリしています。
金属(ニッケル・ブラスなど)ピック
- ニッケル、ブラスなどの金属製ピック
- アタック感が強い硬い音が出る
- 全くしならないのでストロークは辛い
誰しも、ピックがなくて10円玉をピック代わりにした経験があるのではないでしょうか?
その経験を思い出させる金属素材のピックです。
ニッケル、ブラスが中心で銅やステンレスが素材のピックもあります。
アタック感が強く、特にステンレスは強烈で耳につきます。
しなりがないため、ストロークには使い辛くアコギでは出番はありません。
おすすめの金属ピック
おすすめは素材がブラスで作られたTD-Bs 1.00mmです。
おすすめ…といっても金属ピックの中では…の話であまり使う必要性を感じません。
10円玉での演奏が懐かしい方は興味本位で試してみると良いでしょう。
木材(ヒノキ、ローズウッドなど)ピック
- ヒノキやローズウッドなど木材を使ったピック
- 硬いのでアタック感が強い…けどマイルドな音にもなる
- 金属ほどではないが、ほぼしならない
ギターの本体にも用いられる木材を素材としたピック。
ヒノキやローズウッドなど聴きなれた素材が並びます。
木なので、ピック自体が硬くアタックが強いです。
音は金属と比べてマイルドに仕上がっているので、普通に使える音になっています。
ただし、全然ピックがしならないのでストロークはやり辛くアコギでは使い辛いです。
おすすめの木材ピック
おすすめはPICKBOY GP-RW/3です。
ローズウッドで作られたピックです。
指がフィットするように大きく削られているので、厚みはありつつ持ちやすいです。
ただ、しならないのでストロークでジャカジャカはし辛いです。
ギターピックの素材・材質 まとめ
ぎたすけ
たけしゃん
ギター用ピックの素材について解説しました!
改めて、素材別でおすすめピックをまとめます。
素材別のおすすめピック
- セルロイド…Fender トライアングル THIN
- ポリアセタール…MUSENT トライアングル型 0.6mm
- デルリン…ジムダンロップ トーテックス トライアングル ピック 0.6mm(オレンジ)
- ウルテム…ジムダンロップ ウルテックス トライアングル 0.73mm
- ナイロン…ジムダンロップ HERCO HE210 Flex 50
- アクリル…GRAVITY Big Mini 1.5mm
- カーボネート…ジムダンロップ Stubby Pick 2.00mm
- ゲイター…ジムダンロップ ゲイターグリップ 0.71mm
- INFINIX…MASTER8 JAPAN INFINIX 0.6mm HARD GRIP
- PPS…FERNANDES P-100PPS STANDARD
- PVC…IBANEZ 1000PG-CA
- べっ甲…HOSCO 本鼈甲ギターピック トライアングル 1mm
- ゴム…Clayton PHAT-TONE Rounded Triangle 2.80mm(ベース用)
- タスク…GRAPH TECH A5 1.00mm
- 金属…TD-Bs 1.00mm(ブラス)
- 木材…PICKBOY GP-RW/3(ローズウッド)
すごい種類ですねぇ…。
これだと、なかなか絞れないので更に上記の中からアコギ弾き語り向けのピックに絞ると…。
アコギ弾き語り向けピック
このあたりですね。
安くて使いやすく、人気があるのはジムダンロップ トーテックス トライアングル ピック 0.6mm(オレンジ)。
MASTER8 JAPAN INFINIX 0.6mm HARD GRIPも初めて使いましたが、かなり良い感じでしたね。
1枚1,000円しますがべっ甲のHOSCO 本鼈甲ギターピック トライアングル 1mmはさすがの品質…という感じでした。
ピックの素材もこだわってみると、本当に色んな種類があります。
演奏に直結する大事なアイテムなので、なんとなく使っていた方は素材別でいくつか試してみると新しい発見があることでしょう。
ぜひ、チャレンジしてみてください!
デルリン(トーテックス)
INFINIX
べっ甲
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