マイクで生活音や周りの音を拾ってしまう対策を検証音源付きで解説

防音室を設置した部屋

ぎたすけ

確かにマイク使ってライブ配信してて、生活音まで流れるのってつらいよな

たけしゃん

そうだよね。この相談は本当にいっぱい受けてて、色々検証もしてきたから内容をまとめて解説するよ

本記事ではマイクが生活音を拾わないための対策を解説していきますが、最初に認識いただきたいのは生活音を拾わない劇的な改善策は生活音が入ってこない部屋にするしかありません。

マイクなどの機材で抑えられるレベルはたかが知れてます。

その点を踏まえた上で、マイク選択でどの程度なら改善されるのか?すぐにやれる方法としてどんな手段があるのかを検証音源付きで解説していきます。

周りの音を拾わないマイク選び

マランツプロ MPM2000U

本題に入るに前にまずは周りの音を拾わないマイク選びと基本的な注意点を説明します。

周りの音を拾いにくくするポイントは以下の3点です。

  1. 単一指向性か超単一指向性のマイクを選ぶ
  2. できるだけ口の近くにマイクを設置する
  3. 生活音の発生源にマイクを向けない

Web会議用や配信用でマイクを買う人が意外と意識しないのがマイクの指向性です。

マイクには主に3種類の指向性があり、音を拾う範囲が広いほど周囲の音を拾います。

マイクの指向性の種類
無指向性 360°の音を拾う
単一指向性正面の音を拾う
双指向性前後の音を拾う

自宅で使うなら音を拾う範囲が狭い単一指向性のマイクを選びましょう。

会議用のものは周囲の音を拾うように無指向性で作られているものが多いので注意しましょう。

予算1万円以内で単一指向生かつ低ノイズのおすすめマイクは下記の3本です。

USBマイク

マランツプロ MPM2000Uマランツプロ MPM2000Uをレビュー。高音質なUSBコンデンサーマイク

ダイナミックマイク(XLR)

AKG D5-Y3AKG D5-Y3をレビュー。1万円未満で買える本格的なマイク

コンデンサーマイク(XLR)

MPM-1000 正面マランツプロ MPM-1000をレビュー。6,000円程度で十分に使えるコンデンサーマイク  

マイクが生活音を拾ってしまう問題

ボーカルマイク

ここからは、それでも生活音が入って困るという人向けの話です。

相談くれる人も大抵は前段の話は守れてるんですよね。

なので、音源聴かせてもらったり、別のマイク貸したりと実験に付き合ってもらったりしました。

その結論から言うと「マイクで何とかできるレベルの問題ではない」というケースが圧倒的に多いです。

ぎたすけ

え?でもよくコンデンサーマイクからダイナミックマイクに変えることで周囲の音拾わないとかネットで書いてあるじゃん

たけしゃん

それよく聞くよね。だから僕も自宅でやってみて、少しは変わるんだけど劇的な変化はさすがにないんだよね

コンデンサーマイクとダイナミックマイクで、音を拾うレベルや範囲はそこまで大きくは変わらないです。

AKG Lyra-Y3を斜め横から撮った画像

※USBコンデンサーマイク AKG Lyra-Y3

もちろん多少は変わるんですが、相談者さんが困ってる生活音のレベルだとほとんど変わらないです。

なので、本質的な対策としては静かな環境に引っ越すとか、窓を二重サッシに変えるといった、部屋そのものの対策になってきます。

防音室を設置した部屋

実際に音楽を生業として、自宅で仕事してる人は機材よりも何よりも住宅環境に一番気を使ってます。

理由は簡単で周囲の音がうるさいと機材をどう頑張っても無力だからです。

そんなわけでガチな人に相談すると、マイクを変えろなんて言われません。引っ越せもしくは防音室作れと言われます。

とはいえ、趣味でやってる人や学生さんが部屋改造したり、引っ越したりって難易度高すぎますよね。

なので、本記事では劇的とはいかなくとも簡単にやれる対策でどれくらいの抑制効果があるのか?を実験音源付きで解説していきます。

 

マイクごとに生活音を拾うレベルを比較

おしゃれな部屋

まずはマイクを変えることででどれだけ変わるのかを確認してみましょう。

この話がややこしくなってる理由として、マイクの差の感じ方が人によって全然違うからだと思うんですよね。

A君

コンデンサーマイクをダイナミックマイクに変えると音の拾い方全然変わるよ

と言われても、言ってる側の「全然変わる」と話を聞いてる側の「全然変わる」の尺度がびっくりするくらい違うわけです。

なので、まずはどれくらい変わるか音源で用意したので聴いてください。

実験で使ったのは以下の3本です。

AKG C214単一指向性のコンデンサーマイク
マランツプロ MPM2000U単一指向性のUSBコンデンサーマイク
SHURE BETA57超単一指向性のダイナミックマイク

どの製品も定番の人気マイクです。

この3本のマイクで生活音がうるさいと感じる場合は部屋の環境に問題がある可能性大です。

その3本でどれくらいの差が出るかを確認してみましょう。

車の通りが激しい5車線の大通り沿いのマンションから収録してみました。防音窓なので、窓を少し開けた状態で録ってます。

たぶん、生活音のレベルとしてはかなりうるさい環境に分類されるはずです。

AKG C214

C214の正面写真

マランツプロ MPM2000U

マランツプロ MPM2000U

SHURE BETA57

SHURE BETA57A

比較してみると、やはり超単一指向性のBETA57が最も周辺音を拾っていないです。

問題はこのレベルの差を「変わっている」と思うかどうかなんですよね。

たぶん、「全然変わってない」と感じてると思うんですよ。

実際にマイクによる差なんてこんなもんなんです。部屋の環境がそれなりによくないと差は出ません。

ちなみに防音窓閉めた時のC214で録った音です。

これなら、劇的に変わったと言えますよね。部屋の環境ってそれほどまでに大きいです。

なので、実際のところマイクの選び方でノイズ混入率が劇的に変わるなんてことは余程不向きなマイク買わない限りはないんですよね。

その点を理解してもらったうえで、次章では生活音の混入を防ぐためのライトな方法を紹介していきます。

 

生活音の混入を抑える3つの方法

コンデンサーマイク

生活音の混入を抑えるための3つの方法はいたってシンプルですし、いくつかは冒頭でも触れてます。

  1. 声量を大きくして、マイクの音量を下げる
  2. 生活音の発生源にマイクを向けない
  3. ノイズ除去ソフトを使う

生活音の混入を抑えるにはマイクを変えるという選択を取る人が多いですが、まずは上記3つをやったほうがいいです。

特に①と②はすぐに実行できますが、実はちゃんとやってない人が多いかなと感じます。

それぞれの項目を解説していきます。

声量を大きくして、マイクの音量を下げる

AKG P120と音楽制作環境

ノイズを抑えるための基本は「録りたい音を大きくして、マイクの音量を下げる」です。

録りたい音を大きくすることで、相対的にノイズの音量を下げるわけです。

なので、下記の点に気を配りましょう。

  • マイクは口元に持ってくる
  • 声はハキハキとお腹から出す
  • マイク音量は控えめに

生活音が入って困ると相談される人の音源を聴くと「マイクが遠い」「声量が足りない」と感じることは結構多いです。

実際に声量下げてマイクの音量上げたパターンの音源を用意したので比較してみましょう。

声を出してマイクの音量下げた音源

声量落としてマイクの音量上げた音源

マイクの音量を60%の位置から70%の位置に上げただけですが、それなりに差はありますよね。

特に朗読系の人は活舌と声のこもりを改善するだけでマイクの音量を大分下げれるかなと感じる人が多いです。

発声の改善はすぐには無理でしょうが、マイクの位置や音量調整はすぐにやれるので意識してみてください。

生活音の発生源にマイクを向けない

BETA57Aをマイキングしてるところ

単一指向性のマイクであれば、正面の音を中心に拾う仕組みになってます。

なので、生活音を少しでも抑えたければ発生源から離れる&マイクを向けないことが大事です。

割とありがちなのが、通りのトラックの音がうるさいのに窓際でライブ配信しているというパターンです。

部屋の窓際

このパターンはマイク変えるより先に窓から離れた位置でライブ配信するほうが効果的です。

ちょっと大変ですが、ノイズの発信源から遠ざかれるように部屋の配置替えを検討したほうが良いです。

また、キーボードの音を拾いすぎるケースもマイクに角度つけて顎から口を狙うような角度にしましょう。

すると、マイクがキーボードに背を向けるので多少は音が入りにくくなります。

ただ、静音キーボードに変えたほうが圧倒的に効果高いです。

ノイズ除去ソフトを使う

iZotope RX7 Voice De-noise

PCでライブ配信している人におすすめしたいのがノイズ除去ソフトの導入です。

マイク変えるよりはよっぽど効果あります。

おすすめは「iZotope RX Element」です。リアルタイムでノイズ除去できる Voice De-noiseがめちゃくちゃ優秀です。

先ほどの大通り沿いで録ったサンプル音源でVoice De-noiseの効果を聞いてみましょう。

ノイズ除去してない音源

ノイズ除去をかけてる音源

イヤホンで音量をそれなりに上げて聴くと、差が明確にわかりますね。

マイク変えるより、よっぽど強力な効果があります。

YouTube Liveやツイキャスなどで配信する場合はOBS STUDIOを経由して配信することで、Voice De-noise をリアルタイムでかけながら配信できます。

配信だけではなく、動画制作や音源制作など音を取り扱うものでは何でも活躍するソフトなので買っておくことをおすすめします。

 

生活音がマイクに入るのを防ぐ方法 まとめ

ノートとペン
  • 劇的な改善は引っ越すか、音が入ってこないように部屋を改造するしかない
  • 録りたい音を大きく、余計な音からは遠ざかるが基本的な対策
  • PC配信の人はiZotope RX Elementを導入しよう

ぎたすけ

生活音をマイクに入れないことって簡単かと思ってたら難しいんだな

たけしゃん

そうなんだよ。入ってきちゃった生活音を機材の選択や工夫で防ぐのは無理なんだよね

マイクに生活音が入らないようにするための対策でした。

本記事で書いた内容やってもダメな場合はあきらめるのも大事ですね。

相談受けていて、生活音の混入に敏感すぎる人も結構多いなと感じました。

また、持ち家(実家含む)の人は思い切って、窓やドアを防音のものに変えることは検討しても良いんじゃないかと思います。

周りの知人でも実家の部屋を改造してる人は割と多いですし、窓変えるだけなら5~10万くらいでやれるみたいですからね。

実際に車の激しい通りの部屋で窓を少し開けた状態と、防音窓を閉めた状態の音を比べてみましょう。

窓開けた音源

窓開けた音源にノイズ除去かけた

防音の窓を閉めて録った音源

防音の窓閉めた音源はノイズ除去も何もしてませんが、ダントツで音がクリアですよね…(笑)。

仮に機材やソフトに数百万円かけても、部屋の環境が負けてたら音質面では全く勝負にならないです。

なので、「その部屋に長く住む&部屋で配信や宅録をガッツリやる」という人は楽器や機材より部屋に投資したほうが絶対良いです。

外出自粛の流れも当分は収まりそうにないので、賃貸の人は引っ越し先の検討も含めて考えたほうが良いかもしれないですね。

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