中古アコギの選び方。失敗しないための注意点を細かく解説

アコースティックギターと白い背景

ぎたすけ

安い方がいいから中古ギターに惹かれるけど、ハズレ引いたらと考えると怖いよな

たけしゃん

中古ギター選びは難しいからね。チェックするポイントを理解するだけでもだいぶ違うよ
この記事の著者
音楽ブロガーたけしゃん

ミュージシャン

たけしゃん

tkshan

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ギター弾き語りのシンガーソングライター。長年の音楽活動や音楽の仕事で得た知識・経験を基にブログを書いています。
雑誌の音楽記事執筆、音楽専門書の執筆(工学社)、nana公認クリエイター、IPC VOICE STUDIO公認ボイストレーナーです。
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アコギの中古市場について

Taylor 814ce
中古で買ったTaylor 814ce

アコギは楽器ジャンルの中でも中古市場が最も盛んです。

かなりの品数があり、東京には中古専門店などもあるほどですね。

TC楽器
東京大久保の中古楽器専門店 TC楽器

まず、中古市場における製品は下記の3種類に分かれます。

名称概要
中古製造後、消費者の手に渡り
使用されたもの
アウトレット
(新古品)
長期展示品など消費者には
使用されていないもの
ヴィンテージ中古のなかでも年代もので
プレミアがつくもの

なお、本記事では中古ギター全般について解説していきます。

ヴィンテージに特化した内容は下記記事を参照ください。

そして、多くのお店はデジマートなどに出展しているので、下表の共通指標で商品をランク付けしています。

ランク状態
S新品
A+新品同様
A美品
B+通常使用問題なし
B目的によって修理が必要
C+完動品ではない
Cジャンク品

そんなわけで、最近はギターの状態を細かく明記している店舗が増えました。

そのため、昔と比べてハズレを引くことは大分減っていると思います。

アコースティックギターを木に立てかけている写真

ただ、何もわからず中古ギターに手を出すのは、やはりリスクが高いです。

本記事でも中古ギター選びの基本的な知識を解説していきます。

 

アコギの中古相場

アコースティックギターと白い背景

アコギの中古相場は付加価値で大きく変動しますが、ザックリは下表の相場間です。

ランク新品価格との比率
S新品(100%)
A+90%〜95%
A85%〜90%
B+80%〜85%
補足

上表はデジマートで10製品ほど、ランク別の価格を拾って算出しました。あくまで参考程度です

新品との価格比率は高級ギターも安価なギターもあまり変わりません。

そのため、高級ギターほど中古の価格メリットが出やすく、安価なギターほどメリットが少ないです。

YAMAHA FG820

また、ギターの修理費用は工賃(人件費)の占める割合が高いため、ギターの本体価格と比例しません。

例えば

1万円のギターでも修理すると工賃が2万円かかることは普通にある

そして、中古のほうが早期に故障する確率は高いです。

なので、安価なギターほど中古で買うメリットは少ないです。

個人的には新品で10万円未満のギターを中古で買うのはリスクの方が高いのでおすすめしていません。

 

中古アコギの選び方と注意点

カッタウェイのアコギ

さて、次は中古のアコースティックギターの選び方です。

最近はギターの状態を明記した上で、購入後3か月もしくは半年の保証を付けているところが大半です。

そのため、明記された説明の意味を理解して買えば後悔するようなことはあまりないです。

そして、よく明記されているのは下表の内容です。

項目概要
傷や変色の有無本体に傷や変色があるか
弦高フレットから弦までの高さ
演奏性に大きく影響する
フレットの残りフレットの減り具合
著しく減ると修理が必要
トラスロッドの余裕ネックの反りを調整するもの
余裕がないと調整範囲が狭い

傷や変色の有無はそのままの意味ですが、実物を見たほうが良いです。

Gibson J-45
僕のJ-45もボディ下部に傷がある

写真だと大したことがないように感じても、実物を見ると結構デカく感じたりします。

あとの3項目については掘り下げて解説していきます。

弦高

弦高はフレットの頂点から弦の下方側までの高さを指します。

弦高は演奏性に大きく影響するもので、状態によって下表のように影響が出ます。

弦高が高い
弦高が低い
  • 響きが豊かになる
  • ビビりにくくなる
  • 押弦に力がいる
  • 響きは控えめ
  • ビビりやすくなる
  • 押弦が楽になる

基準となるのは1弦と6弦の12Fの弦高で、標準的な数値は以下の通りです。

項目標準的な弦高
1弦12F約2.0mm
6弦12F約2.5mm

弾き語り用途だと、上表から±0.3mmくらいが良いですね。

ソロギターだと、大分低めに設定する方が多いです。

試奏してみて、しっくりこない場合は調整してもらえるか確認しましょう。

アコースティックギターに弦を張っているところ

ギター工房併設のお店だと、購入する場合は希望の高さに調整してくれることが多いです。

補足

大きい中古ギターフロアがあるところは工房併設店が多い

また、弦高と合わせて、各フレットで音の詰まりやビビりがないかも確認しましょう。

ローフレットからハイフレットまで一通り鳴らしてみるのが良いですね。

フレットの残り

フレットの減り

フレットはニッケル素材のものが一般的ですが、弾いていると徐々にすり減ってきます。

そのため、最近はフレットの残りを明記しているお店が多いです。

フレットがすり減ってくると、音の詰まり・ビビり・チューニングのズレなどが発生します。

ギターをチューニングしているところ2

そうなると、すり合わせもしくはフレット交換の対応が必要となります。

修理方法概要
すり合わせフレットの高さを合わせる作業
1.5万円〜2万円程度
フレット交換
(リフレット)
フレットを新しいものに交換
一部交換と全交換がある
3.5万円〜5万円程度

フレットが減っているギターは安くても、1年や2年でフレット交換が必要になったりします。

そうすると、トータルで新品より高くついてしまうことも割と多いです。

できれば、フレット山が70~80%程度は残ってる状態が良いですね。

トラスロッドの余裕

ギターのトラスロッドを回しているところ

トラスロッドとはギターの内部に埋め込まれた金属の棒を指します。

先端には回せるナットが付いており、回すことでネックの反りを調整できます。

ナットはギターヘッドかサウンドホール裏についている

ネックは真っ直ぐな状態が望ましいですが、湿度の変化などで反ります。

そして、反る方向によって順反りと逆反りに分かれます。

ギターのネックの反り。順反りと逆反りを図で解説
項目状態
順反りネック中程(7~12F)が
下がるように曲がった状態
逆反りネック中程(7~12F)が
盛り上がるように曲がった状態

ネックが反った状態になると、どこかのフレットで音が詰まったり、ビビったりします。

また、弦高も変化し、弾きにくくなったりもします。

このネックの反りを調整できるのがトラスロッドです。

アコギのトラスロッドを回しているところ

回す方向によって、順反りと逆反りを調整することができます。

回す方向起こる現象
右(時計回り)締まって順反りを解消できる
左(反時計回り)緩んで逆反りを解消できる

そして、トラスロッドの余裕とは回せる範囲を指します。

既にどちらかの方向に限界近くまで回して調整している場合はトラスロッドの余裕がないということになります。

そのため、基本的にはトラスロッドの余裕はあったほうが良いですね。

補足

トラスロッドは少量回すだけで効くものもあるので、余裕だけでは何とも言い難いところはある

なお、ネックが反っているかの判断は下記の手法で確かめましょう。

2Fと15Fを押さえる

2Fと15Fを左手と右手で押さえる

ギターの2Fを指で押さえる
7Fあたりを叩く

2Fと15Fを押さえた状態で7~8Fあたりを軽く叩く

ギターの7Fを指で叩く
状態症状
正常叩くとカチカチと音がする
順反り叩くとビーンという音がする
※ハンマリングに近い音
逆反り叩いてもほとんど音が鳴らない
 

中古アコギの選び方 まとめ

アコースティックギターを置いた部屋
  • 中古のアコギは新品価格の7~9割程度が多い
  • 安価なギターは中古で買うとデメリットが多い
  • 最近は状態を明記してくれる店が多いので判断しやすい

ぎたすけ

なるほど。ネット販売が広がったことで中古市場もわかりやすくなったんだな

たけしゃん

そうだね。それでも基本的なところは押さえたほうが失敗する確率は下がるね

中古アコギの選び方についての解説でした!

僕自身も中古で何本か買っていますが、今のところは失敗もなく、長年ライブで使えています。

Gibson J-45とTaylor 814ce
両方中古ですが、大活躍してます

一方で新品と比べると、やはり修理やメンテナンスはそこそこの頻度で必要です。

個人的には価格を理由に中古に手を出すのはおすすめしません。

5年くらいのスパンで見るとメンテも含めたトータルコストは新品とあまり変わらないからです。

ギターの組み立てをしているところ
むしろ中古のほうが高くつくことが多い…

欲しい仕様のギターが中古市場にしかない…など明確な理由がある場合に中古を検討するのが良いですね。

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