MOTU M2をレビュー。2万円台の高音質なオーディオインターフェイス

MOTU M2

評価:4.5

ぎたすけ

MOTUってあんまり聞いたことないメーカーだけど大丈夫なの?

たけしゃん

音楽業界だと昔から有名なメーカーだよ。高級機が多いけど、最近は低価格の製品も出してるんだよね
補足

レビューするためにハイ・リゾリューション様からデモ機をお借りしました

先にM2の評価まとめ
音質
 (4.5)
機能性
 (4)
コスパ(28,600円程度)
 (5)
総合評価
 (4.5)
メリット
デメリット
  • 音質が非常に良い
  • 音質の割に安い
  • ループバックが使える
  • LEDが見やすい
  • 日本語の取説がない(動画はある)
  • ネット情報が少ない
  • 内蔵エフェクトはなし
  • Macだとループバックが一手間必要

M2を使って制作したカバー動画

AT2020とMOTU M2で弾き語り録音しているところ

レオ(cover)/優里(YouTube)

この記事の著者
音楽ブロガーたけしゃん

ミュージシャン

たけしゃん

tkshan

プロフィール

ギター弾き語りのシンガーソングライター。長年の音楽活動や音楽の仕事で得た知識・経験を基にブログを書いています。
そのほか雑誌の音楽記事執筆、音楽専門書の執筆(工学社)、IPC VOICE STUDIOの公認ボイストレーナーの資格を持っています。
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MOTU M2

MOTU M2の外箱
入力端子コンボジャック×2
出力端子1/4 “TRSライン出力×2
RCA ×2
ヘッドホン端子 ×1
サンプルレート192kHz
接続端子 USB-C
対応OSWin,Mac,iOS
寸法(幅×奥×高)約190 x 108 x 45mm
公式HP

音楽制作では昔から有名なMOTUが販売するエントリーモデル M2。

MOTUはプロユースの高級機が多いですが、M2は2.8万円程度で買える低価格製品です。

とはいえ、音質は高級機に負けないと評判で発売当初から話題になっていました。

MOTU M2を動かしているところ

M2を実際に使ってみると、その音質の高さに驚きます。

非常に高解像度で音がクリア。しかも入力だけでなく、出力も高音質で高級機にも負けないレベルです。

一方で日本語の取扱説明書がなかったり、ネット上でも使い方に関する情報は非常に少ないです。

補足

公式の解説動画(日本語字幕付き)はあります

製品としては非常に完成度が高いものの、ライトユーザーには若干薦めにくい感があります。

そのため、本記事では仕様説明と合わせて基本的な使い方もセットで解説していきます。

仕様や使い方を飛ばしてレビューを読みたい方は<MOTU M2をレビュー>を参照ください。

入力・出力端子

MOTU M2
MOTU M2 背面
入力端子
出力端子
  • コンボジャック 2基
  • MIDI
  • 1/4 “TRSライン出力×2
  • RCA ×2
  • ヘッドホン端子 ×1
  • MIDI

M2の入出力端子はエントリーモデルでよくある構成ですね。

入力端子は前面のコンボジャック2基です。

MOTU M2 前面左側

XLR(主にマイク)、1/4フォン(主に楽器)のどちらも接続可能です。

ファンタム電源(48V)にも対応しており、ダイレクトモニタリング(MON)も端子毎にON/OFFできます。

MOTU M2の入力チャンネルのアップ
ファンタム電源

コンデンサーマイクを使用するのに必要となる電源

ダイレクトモニタリング

接続した楽器の音をPCなどを介さずに直接モニターできる機能

ちなみに「MON」ボタンを長押しすると、IN1とIN2が連結してステレオモニターできるようになります。

MOTU M2のディスプレイ Ch1と2をステレオモニターONにした
ステレオモニターにすると「1-2」と表示される
補足

ステレオモニター時はIN1がL、IN2がRから音が出る

MOTU M2のディスプレイ Ch1と2をモニターONにした
モノラルでモニターすると「1」「2」と表示

M2はディスプレイが非常に見やすくて良いですね。

続いて出力端子ですが、前面にはヘッドホン端子がついています。

MOTU M2 前面右側
ヘッドホン端子は6.3mm

スピーカーなどを接続する出力端子は背面に1/4フォンとRCAの2種類が用意されています。

MOTU M2 背面
一番右が1/4フォン、隣の赤白がRCA

なお、RCAと1/4フォンの音量調整は前面の大きいツマミです。

MOTU M2 前面右側
Phone端子隣の大きいツマミがアウトの音量

また、背面にはPCなどの端末接続用のUSB-C端子もあります。

MOTU M2 背面
真ん中にUSB-C

付属するケーブルはUSB C to Aです。

MOTU M2付属のUSBケーブル

MacbookなどUSB-Cしかない端末と接続する際は変換アダプタかUSB C to Cケーブルを用意しましょう。

補足

変換アダプタだとノイズが出る場合があるので、ダメならC to Cケーブルに変えましょう。

さらに本体左上には電源ON/OFFスイッチが付いています。

MOTU M2 背面

低価格のオーディオインターフェイスはON/OFFスイッチがないものが多いので珍しいですね。

電源スイッチは地味に欲しい場面が多いので、嬉しいです。

なお、Windows PCとの接続は必ず専用ドライバをインストール後にしましょう。

インストール前に接続すると正常に認識しなくなる可能性があります。

ループバック機能

外部ソフトでルーティングを追加して、BGMの音を配信に載せる

MOTU M2はループバック機能を搭載しています。

なお、ループバック機能の利用にはWin、Macともに専用ドライバのインストールが必要です。

ただ、Macは専用ドライバを入れると常時ループバックON状態になります。対策は後述します。

また、iOSではループバックは使えませんでした。

補足

iOSではループバックチャンネルは選択できなかった

まずはWindowsでのループバックの使い方です。

他メーカーだとソフトウェア上でON/OFFするだけですが、MOTUの場合はループバック専用入力チャンネルが用意されています。

DAW上で出てくるM2の入力チャンネル
Loopbackと記載あり
入力CH概要
in1IN1に繋いだ楽器の音が出る
in2IN2に繋いだ楽器の音が出る
Loopback 1
Loopback 2
接続したPCの音が出る
IN1、IN2の音は出ない
Loopback Mix 1
Loopback Mix 2
接続したPCの音と
IN1、IN2の音が出る

動作確認した感じは上記のようになっていました。

ちなみにWindowsのOBSやツイキャスの画面では下図赤線の3種類の入力CHが出ます。

ツイキャスで認識されるMOTUの入力CH
ツイキャスの画面

In 1-2はIn1とIn2に繋いだ楽器の音が出ます。

LoopbackはPCからの音だけ、Loopback MIXはPCの音とIn1-2の音が出ます。

一般的にループバックと呼ばれる機能に該当するのは「Loopback Mix」です。

必要に応じて、入力チャンネルを切り替えましょう。

MacのOS標準機能だと、入力チャンネルは1つしか表示されません。

Macのサウンド設定。M2は1Chしか出ない

そして、専用ドライバをインストールすると、この唯一のチャンネルに常時ループバックがかかってしまいます。

ZOOMやOBSだとループバックONのまま、変更できなくなります。

MacのZOOM M2は1chのみ表示
Mac版ZOOM。M2しか選べない
MacのOBS M2は1chのみ表示
Mac版OBS。M2しか選べない

この常時ループバックをOFFにするにはFinderから「アプリケーション」→「ユーティリティ」→「Audio MIDI設定」で設定を変えましょう。

Loopbackチャンネルを消音する

画面左で「M2」を選んで画面右の「入力」をクリックすると、入力チャンネルが一覧表示されます。

その中からLoopbackがつく全チャンネルの「消音」にチェックを入れるとループバックOFFになります。

補足

使用アプリによってはLoopback1と2は関係ないようですが、全部消音にしとくのが安定です

配信でループバックを使いたい場合は都度、「Audio Midi設定」を変更しましょう。

もしくはOBSを使うならM2のループバック機能は使わずにBlackHoleでループバックするのが良いでしょう。

BlackHoleの設定については下記記事の<Macでデスクトップ音声を使用する方法>参照ください。

なお、DAWではWindowsと同じように入力チャンネルが複数出てくるのでループバックをON/OFFできます。

Mac版CubaseでのM2の入力チャンネル
In1やIn2を選択すればループバックOFFになる

ただし、前述のAudio Midi設定でLoopbackを消音にしていると、Loopbackを選択しても音が出ないので注意してください。

ちなみにMacの場合はOS標準ドライバで動くので、専用ドライバを入れないという選択肢もあります。

ただ、専用ドライバはレイテンシーの抑制にもなるようなので、入れた上でループバックを切るのが良いと思います。

iOSにも対応

MOTU M2をiPhoneで使っているところ

MOTU M2はiOSでも使えます。

ただし、使用するには下記のアイテムが必要です。

  • USB 3カメラアダプタ(USBカメラアダプタでも可)
  • セルフパワータイプのUSBハブ

iOSと接続する場合は別で電源供給が必要なものが多いですが、M2はUSBバスパワーで駆動します。

その代わり、コンセントから電源を取れるセルフパワータイプのUSBハブが必要です。

試しにnanaで使ってみましたが、普通に問題なく使えました。

nanaの録音画面

ただ、ループバックやステレオミックス機能は使えないので、メイン用途がiOSの人にはいまいちです。

PCでの利用がメインでiPhone利用はサブ程度なら十分使えます。

動作確認で使ったアイテム

付属ソフトウェア

MOTU perfomer lite

MOTU M2にはDAWであるPerformer Lite、Ableton Live Liteが付属します。

補足

MOTUにアカウント登録・製品登録して、ダウンロードする形式です

MシリーズをMOTUアカウントに登録する(YouTube)

Performer Liteは職業作家で使用者が多いMOTU Digital Performerのライト版です。

サウンドエンジンが優秀で音質が良く、付属する音源やプラグインの質も非常に良いです。

MOTU perfomer liteのプラグイン
付属のMASTER WORKSシリーズは非常に使い勝手が良い

Pefomer Liteはネット上に情報があまりないのがネックですが、ハイレゾリューションさんが使い方動画を制作してくれています。

MOTU Performerシリーズで楽曲制作(YouTube)

 

MOTU M2をレビュー

MOTU M2
M2の評価まとめ
音質
 (4.5)
機能性
 (4)
コスパ(28,600円程度)
 (5)
総合評価
 (4.5)

それでは、MOTU M2をレビューしていきます。

はじめにメリット・デメリットをまとめるとこちら。

メリット
デメリット
  • 音質が非常に良い
  • 音質の割に安い
  • ループバックが使える
  • LEDが見やすい
  • 日本語の取説がない(動画はある)
  • ネット情報が少ない
  • 内蔵エフェクトはなし
  • Macだとループバックが一手間必要

音質は確実にお値段以上です。

一方で若干ネックになるのが、取説がなかったり、ネット情報が少ない点ですね。

製品仕様も微妙に他メーカーと異なるので、AG03などのブログやYouTube情報を流用できなかったりもします。

そのため、配信用途においては初心者向けとは言い難いと思いました。

入力・出力ともに音質が良い

MOTU M2を動かしているところ

MOTU M2は前評判通りで音質が非常に良いです。

僕はかなり色んな製品触ってますが、3万円未満の製品では一番良いと感じました。

マイクプリはクリアで、GAINをかなり上げても歪まずにクリーンに音が増幅されます。

MOTU M2 前面左側

録り音は原音に忠実でキレイに録れるので、すごく良いですね。

実際にaudio technica AT2020とM2で録った動画がこちら。

AT2020とMOTU M2で弾き語り録音しているところ

レオ(cover)/優里(YouTube)

良い感じに録れますね。

歌ってみたや弾いてみたを頻繁にやる人には非常に良い機種です。

また、M2は再生音が非常に高音質です。

ヘッドホン端子から出る音が高級機並みに良いですね。

MOTU M2 前面右側

DACは高級機によく搭載されているESS Sabre32 Ultra DACテクノロジーを採用しています。

低価格のオーディオインターフェイスは再生音が弱いものが多いので、M2とかなり差を感じますね。

僕は録音以上にヘッドホンやスピーカーで再生したときの音の良さに驚きました。

このレベルならオーディオ再生用として、買うのも良い製品ですね。

Windowsでも安定している

OBS STUDIO
OBS STUDIO

動作チェックも兼ねて数日間 WindowsでMOTU M2を日常使いしていました。

僕の家のPCでは動作は安定していました。

ちなみに僕は10年くらいMOTU 828mk3 HybridをWindowsで使ってます。

MOTU 828mk3 Hybrid

828mk3は僕のWindows PCと相性が悪くて苦労していたので、M2も大丈夫かな?と心配でしたが、全然問題なかったです。

ちなみにMac、iOSもテストしましたが、どちらとも非常に安定していました。

Macは常時ループバックする問題がありましたが、<解決方法>が分かれば問題ありません。

初心者向けとは言い難い

MOTU M2の外箱

MOTU M2は基本的な使い方は簡単です。

専用ドライバを入れて、USBで繋いで、電源を入れるだけで使えます。

一方で歌い手が良く使う配信系アプリ、録音アプリなどの設定やWindowsでの細かい話などはネットを探しても情報がありません。

補足

MOTUは大半のユーザーがMacのDTMerなので、Mac&DTM分野なら少しは情報がある

そのため、配信や外部ソフトの設定などは自力で頑張る必要があります。

しかも仕様がちょっと特殊なので、AG03ユーザーなどの情報を基に設定できないのも辛い部分です。

ただ、DTM・配信・テレワークと一通り使ってみても難しい設定が必要な場面はなかったです

デバイスの設定周りなど基本的な仕組みさえわかっていれば、普通に対処できます。

MOTU M2のツイキャス設定画面
ソフト側のデバイス設定でIn1-2を選べばよいだけ

不安な人はYAMAHA AG03MK2など、ネット上に使い方情報が豊富にある製品を選ぶことをおすすめします。

競合製品との比較

製品MOTU M2
M2
UR22Cの正面から撮った写真
UR22C
YAMAHA AG03MK2 ブラック
AG03MK2
入力コンボジャック×2
MIDI
コンボジャック×2
MIDI
コンボジャック
1/4フォン
AUX
ループバック
エフェクト×
実売価格約28,400円 約17,800円 約18,700円
ECサイトAmazon
楽天市場
Yahoo!
サウンドハウス
Amazon
楽天市場
Yahoo!
サウンドハウス
Amazon
楽天市場
Yahoo!
サウンドハウス

MOTU M2の競合製品として、比較したのはSteinberg UR22CとYAMHA AG03MK2です。

まずはボーカルのワンフレーズ音源を聴いてみましょう。

マイクはaudio technica AT2020です。

MOTU M2

MOTU M2

Steinberg UR22C

UR22Cの正面から撮った写真

YAMAHA AG03MK2

YAMAHA AG03MK2 ブラック

聴き比べると、やはりMOTU M2がワンランク上の印象を受けますね。

GAINも他の2機種と比べて、増幅幅に余裕があってクリアです。

また、録り音より差を感じるのは出力ですね。

M2は再生音が明らかに良いです。出力音質は価格差以上に差があると感じました。

MOTU M2を動かしているところ
ディスプレイも良い感じ

一方でライブ配信での使い勝手においては、UR22CやAG03MK2のほうが断然上です。

DSPで動く内蔵エフェクトを搭載しており、Win・Mac・iOSで動く専用アプリの使い勝手も非常に良いです。

iOSのdspmix画面
UR22Cの専用アプリ
YAMAHA AG Controller Detail
AG03MK2の専用アプリ

また、UR22CやAG03MK2は歌い手や配信者で使っている人が非常に多いので、ネット上の情報が豊富なのも強いですね。

選ぶポイントとしては、何の用途がメインなのか?ですね。

音楽制作がメインなら音が良いので、MOTU M2は非常に有効な選択肢です。

製品向いてる用途
MOTU M2
M2
音楽制作・歌ってみた
配信も普通に使えるが
UR22C・AG03MK2よりは不便
UR22Cの正面から撮った写真
UR22C
音楽制作・配信ともに万能
音質面ではM2に負ける
YAMAHA AG03MK2 ブラック
AG03MK2
ライブ配信では最強
音楽制作も普通に使える
音質はUR22C・M2に負ける

M2でのライブ配信もOBS STUDIOを使う人はOBS側でエフェクト機能などカバーできます。

OBSの機能

OBSはVSTプラグインを利用できるのでエフェクトを自由にかけられる

僕もライブ配信ではOBSを介してiZotopeのエフェクトを使ってます。

UR22CやAG03MK2ほどの手軽さはないですが、M2も工夫次第で何でもできます。

音質面に重きを置く人には非常に良いオーディオインターフェイスです。

 

MOTU M2 まとめ

MOTU M2
  • 3万円未満とは思えない高音質
  • ループバックも使用可能。Macは一手間必要
  • ライブ配信よりは音楽制作中心の方におすすめ

ぎたすけ

やっぱり、音は良いんだな。3万円近辺って製品少ないからちょうどいいな

たけしゃん

そうなんだよね。音質良くてそこそこ安い製品って少ないから、M2が人気なのも納得だよ

MOTU M2のレビューでした。

入出力端子は多くなくて良いので、音質が良くて安いものが欲しいという人に最適ですね。

これから、Windowsやライブ配信の使用者が増えてネット上に情報が増えてくると、より使いやすくなりますね。

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