マホガニーのアコギを解説。Gibsonギターで定番の木材

マホガニー

ぎたすけ

マホガニーってローズウッドと並んでギターの木材の代表って感じがするな

たけしゃん

そうだよね。Gibsonのギターって大半はマホガニーだし、アコギといえば…って感じはするね
この記事でわかること
  • マホガニーの種類
  • マホガニーの特徴
  • マホガニーを使った代表的なギター
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ミュージシャン

たけしゃん

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ギター弾き語りのシンガーソングライター。長年の音楽活動や音楽の仕事で得た知識・経験を基にブログを書いています。
雑誌の音楽記事執筆、音楽専門書の執筆(工学社)、nana公認クリエイター、IPC VOICE STUDIO公認ボイストレーナーです。
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マホガニー

木材

マホガニーとはセンダン科マホガニー属に属する植物のこと。

ギターのサイド&バック、ネックに用いられています。一部のモデルではトップにも使われています。

 

マホガニーをサイド&バックに使ったギターは甘く、透明感のある音になります。

Gibsonのアコギによく使われており、ジャッキとした切れ味あるサウンドはたくさんのミュージシャンに愛されています。

 

昔から家具などを中心に私たちの生活を支えてきてくれたマホガニーですが年々、供給量は減っています。

そのため、昨今ではギターに使用する木材もサペリなどの代替材が多くなってきました。

今後はどんどん供給が減っていく木材なので希少価値は年々上がっています。

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アコギに使うマホガニーの種類

J-45 背面

※マホガニーを使ったGibson J-45

ギターで使われるマホガニーは主に3種類。

  • アフリカン・マホガニー
  • トロピカル・マホガニー
  • キューバン・マホガニー
  • ホンジュラス・マホガニー

…といっても、マホガニーが供給不足になった現状はマホガニーの産地まで表記されていることは珍しいです。

GibsonやMartinも世界各国からマホガニーを必死で調達している現状なので、「マホガニー」とだけ書いて産地は個体による…というのが実情のようです。

 

なお、Martinが良く使う表現で「Genuine Mahogany」という記載があります。

Genuineは純正という意味であり、純正のマホガニーを使ってますよという意味です。

どこのマホガニーかまでは言及されていません。

 

限定モデルのように製作本数が決まっているギターだと産地もかかれているときがあります。

アフリカン・マホガニー

  • 最もよく使われるマホガニー
  • 西~中央アフリカが主要産地
  • ホワイト・マホガニーとも呼ばれる

現在、最も良く使われているのがアフリカン・マホガニー。

学名上はセンダン科カヤ属に属しており、マホガニー属ではありません。

そのため、マホガニーという名前で呼ばれているものの純正マホガニーではない扱いです。

 

音質は甘い…というよりはドライでスッキリと渋めな感じの音です。

見た目は純正マホガニーとほとんど変わらないですが、白っぽいアフリカン・マホガニーもあります。

トロピカル・マホガニー

  • Taylorが使っているマホガニー
  • 中央~南米が主要産地
  • 音が硬めでレスポンスが良い

Taylorが良く使っている中央~南米産のトロピカル・マホガニー。

音は硬めでクッキリとしており、レスポンスが良いです。

 

ギターメーカーが違うのもありますが、Gibsonなどのマホガニーギターとはキャラクターが違います。

Taylor以外でトロピカル・マホガニーを使っているメーカーは見たことがなく、詳細な情報も少ない木材です。

代表的なギター Taylor 514ce

トップ材:シダー、サイド&バック材:トロピカル・マホガニーという組み合わせのTaylor 514ceです。

クラシックギターで良く使われるシダーをトップ材にしているため、フィンガースタイルのプレイヤー向きのギターです。

 

シダートップなこともあり、マホガニーといってもGibsonとは違うサウンドになっています。

 

Taylor 514ceは他のTaylorギターと比べて影が薄い印象があります。

ただ、最近はあいみょんをはじめ、シダートップのギターを使うシンガーソングライターも増えてきたので日の目を見ることがあるかもしれませんね。

Taylor 514ce V-Class エレアコギター テイラー
Taylor

キューバン・マホガニー

  • 以前はギターにも良く使われたマホガニー
  • 西インド、南フロリダなどが主要産地
  • 現在は絶滅危惧種となっている、超希少木材

最高級のマホガニー木材と言われる、キューバン・マホガニー。

昔の高級家具などに用いられ、アコギにも使われていました。

 

芯がしっかりしていながら、まろやかで甘い音質になるため、キューバン・マホガニーを好むギターコレクターは多いです。

ただ、キューバ政府が1946年から輸出禁止してからは超希少木材となっており、現状はもうすでに絶滅に近い状態だそうです。

 

レギュラーラインナップでキューバン・マホガニーを使っているところはもちろんなく…。

ヴィンテージギターでもキューバン・マホガニーを使っていると書かれていることもほとんどなく…。

 

稀に各メーカーのカスタムショップ限定モデルで登場するので、試すならそれくらいしかないです。

HEADWAY HD-113DX

幻の木材であるキューバン・マホガニーですが、国内メーカーのHEADWAYが限定モデルで製作しています。

トップ材:アディロンダック・スプルース、サイド&バック材:キューバン・マホガニーという幻の木材同士を組み合わせたギターです。

 

本モデルも12本限定で作られているそうです。

アディロンダック・スプルース、キューバン・マホガニーという組み合わせのギターはもう中々出てこない気がします。

ホンジュラス・マホガニー

  • 現在唯一手に入る純正マホガニー
  • 中南米が主要産地
  • 年々入手が難しくなっている

現在唯一入手できるマホガニー属の純正マホガニーであるホンジュラス・マホガニー。

最高級木材として取り扱いされているマホガニーです。

 

キューバン・マホガニーに近い音質で甘くて、透明感のあるマホガニーといえば…という音質です。

往年のマホガニーギターの音…といえば、ホンジュラス・マホガニーです。

 

ただ、本来のホンジュラス・マホガニーの主要産地である中米地域ではすでに絶滅危惧種指定されています。

今後、中南米もいつ規制されるのかわからず、アフリカン・マホガニーが主流になっていくだろう…という雰囲気です。

 

MartinやGibsonは今もホンジュラス・マホガニーが主流と思われますが、産地は非公開なので何とも言えないですね。

アムリタ DM-Model

amrita D-Mモデル

東京は湯島にショールームを構えるギターメーカー、アムリタカスタムギターズ。

アムリタ DM-Modelではサイド&バックにホンジュラス・マホガニーを使用しています。

 

また、トップ材にはヨーロピアン・スプルース、指板&ブリッジにはハカランダと幻の木材だらけの構成です。

ヴィンテージのMartin D-18に近い音質と演奏性でバランス良い鳴りが弾き語りで使いやすい 1本です。

 

これだけ、希少な木材を用いて価格は40万円ちょっと。

楽器店で流通していないので、直接メーカーに問い合わせて購入する必要がありますが質は正にホンモノな1本です。

DM Model 商品ページ

 

マホガニーについて まとめ

本を読んで勉強する人

  • アコギのサイド&バック、ネック、トップに使われる木材
  • 近年で使われるのはアフリカン・マホガニーかホンジュラス・マホガニー
  • 年々、供給不足になっており、代替材が積極的に活用されている

ぎたすけ

へぇ~、マホガニーってマホガニーとしか書かれていないことが多いよな

たけしゃん

そうだね。産地書いているとこの方が珍しいよ。個体差もあるから弾いても違いはなかなかわからないしね

マホガニーの解説でした!

色んなマホガニーがありますが、今後も産地などは非公開が主流のままでしょうね。

また、どんどんサペリやウォルナットなどの代替材が主流になってくるでしょう。

 

木材って難しいのが産地や種類より、木材自体のグレードのほうが影響力が大きかったりしますからねぇ。

なので、仕様書見るより弾いてみて自分が良いと感じるかどうか?が重要です。

 

日頃から自身のギターを弾いて、感覚を磨いておくのがよいでしょうね。

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