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アコースティックギターのフレット

たけしゃん
ギターのネック部分に打ち込まれた棒状の金属がフレット。
1フレット、2フレットなどポジションの名称にもなっています。
ナット側から1フレット、2フレットと順番に名前がついており、アコギだと20フレットまであるのが一般的。
また、ボディとの付け根をジョイントと呼びます。

アコギで一般的なジョイントは14フレット部分で14Fジョイントと呼ばれます。
ちなみにMartinは昔は12Fジョイント仕様が一般的で、今でも12Fジョイントのギターは多数存在します。
そして、フレット部分が与えるギターへの音質影響は大きいです。
人によってはフレットだけ、自身の気に入ったものに打ち換える人もいるくらいです。
主にアコースティックギターで使われるフレットの材質は以下の通り。
フレットの材質(タップで解説へ飛ぶ)
それぞれの特徴を解説していきましょう。
ニッケル

一般的に使用されるフレットの材質。
加工がしやすく、見た目も綺麗です。
多くのギターメーカーが標準でニッケルのフレットを使用しています。
金属より微妙に柔らかいため、使用していると徐々にすり減って凹んできます。
ステンレス
ハイエンドのエレキギターで使用されることがあるのが、ステンレス。
アコギでは、特注品以外で初めからステンレスフレットのものは見たことがありません。
素材固いため、音も固め。
ニッケルより、サスティーンは伸びる傾向にあります。
金属より固いのですり減らず、半永久的に使えるのが推し。
…といっても、ニッケルより持ちが良いというレベルで消耗して、凹んではいきます。
フレットの状態 確認方法

ギターを見た時にフレットが減っているかどうか?を判断できると非常に便利です。
自身のギターの状態を確認できますし、中古ギターを買う時に目が利くようになります。
中古ギターを買う時の失敗でよくあるのはフレットの減りを未確認で買っちゃうことですからね。
相場より安い中古ギターに手を出した結果、フレットが消耗しており、購入後すぐにフレット交換…。
というパターンは少なくありません。
自身のギターの状態を日ごろから確認しておくことで、ギター選びにも役立つため、しっかり覚えておきましょう。
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フレットの減り

フレットの状態を確認するには普段使用しないハイフレットとローフレットを見比べることです。
すり減ったフレットはよく見るとフレットが凹んでます。
アコギの場合は1~5フレットあたりに消耗が集中します。
凹み具合の確認をする場合は15フレットなどのアコギで使うことがないところとローフレットを見比べましょう。
なお、エレキだとチョーキングなどを多用する関係でフレット全体的に凹みます。
アコギの場合は基本は押弦するだけなので、弦直下部分だけ凹むことが大半です。
フレットの浮き

フレットが浮いてきて、指板との間に隙間ができると音の響きが弱くなったり、ビビったりする原因となります。
特に安価なギターだとフレットと指板の接着が雑で浮きが生じやすいです。
逆に安価なギターでもフレットの浮きを直すと劇的に音が良くなることもあります。
フレットの浮きを確認する方法は2つ。
- 目視でフレットと指板に隙間がないか見る
- 薄い紙もしくはクラックゲージをフレットと指板の間に差し込む
目視でわかる場合は明らかに浮いてる場合なので、②(薄い紙を差し込む)が現実的ですね。
差し込めたら浮いてます。
なお、アコースティックギターマガジンでは紙より金属製のクラックゲージの使用を推奨してます。
しっかり、確認したい人はクラックゲージを買いましょう。500円くらいです。
なお、浮いてることを確認できてもハンマーなどで叩くと、他のフレットが浮いたりして大抵は悪化します。
残念ですが、ちゃんと工房へ修理に出しましょう。
参考記事
中古アコギの失敗しない選び方、おすすめギターメーカーを経験談を基に解説

ギターフレットの減りと修理について

たけしゃん
フレットは消耗品なので、演奏すればするほど擦り減っていきます。
特にアコギだとローコードを弾く機会が多いため、1~3フレットあたりが集中的に消耗していきます。
フレットが消耗し、凹むと音がビビり始めます。
特定のフレットを押弦した時に音がビビる場合はフレットが原因であることが多いです。
演奏に支障が出た場合の修理方法は下記の2種類。
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ただし、音がビビる原因がフレットばかりか?というとそんなこともなく。
ネックが反っているケースも多いため、原因特定はプロにお願いするのが良いでしょう。
フレット すり合わせ

すり合わせは全てのフレットの山が均一になるように削って整える作業です。
特定のフレットが凹んで高さがおかしくなるので、フレットの高さを合わせることで問題を解説する手法です。
ただし、フレット山の残量が減りすぎていると、フレットとして機能しなくなるのですり合わせで対応できません。
目安としてはフレット山が新品時の半分以下になるとフレット交換が選択されます。
フレット関連の修理初回はまずすり合わせで対応されることが一般的です。
フレット交換

フレット交換はフレット自体を新しいものに交換することです。
フレット山が残り少ない…などすり合わせで対応できない状況だとフレット交換となります。
フレット交換には全交換と部分交換があります。
シンガーソングライターだとローコードを多用することが多く、ローフレットだけ極端に減っているケースが多いです。
ローフレットだけ極端に減ってる場合はローフレット(1~5フレットあたり)だけの部分交換となります。
もちろん、部分交換の方が低予算・短納期で対応できます。
フレット交換時はフレットを選択出来たりするので、自身のプレイスタイルに合わせて選ぶと良いでしょう。
よくあるフレットをご紹介すると…。
- ギブソン製…丸みがあって、運指がしやすく万能
- フェンダー製…少し尖っており、シャープで立ち上がりが早い音質
- ダンロップ製…高さがあって、チョーキングが楽。サスティーンも伸びる
お店にお任せると、メーカーさんに近い性質のフレットを選択してくれることが多いです。
アコギ フレット交換の料金
修理方法 | 概算価格 |
すり合わせ | 15,000円 |
フレット交換 | 35,000円 |
一部フレット交換 | 20,000円 |
フレットの修理は他のパーツと比べても高いです。
そして、難しいのがすり合わせとフレット交換の見極めなんですよね。
すり合わせで対応しても、数年後には再度すり合わせが待ってますからね…。
フレット交換しちゃえば、よほど弾かない限りは5年は問題ないことが多いのでフレット交換しちゃったほうが良い場合も多いです。
ちなみに僕が東京でおすすめしているギター工房は「Sleek Elite」さんです。
PLEKというギターの状態診断やフレットすり合わせ作業ができる機械を導入しているお店です。


ギターの診断結果から、すりあわせした際のシミュレーションを数値で提示してくれます。

その上でリペアマンの方と調整内容を話し合えるので、すごくわかりやすくて良いです。
料金もPLEKでの診断・調整とフレットすり合わせを含めて、14,300円(税込)なので東京の方にはおすすめですよ。
店舗情報
- 住所:〒166-0013 東京都杉並区堀ノ内2丁目15-5
- 電話:03-6383-2968
- Mail:sleekelite@muf.biglobe.ne.jp
- 公式HP
すり合わせかフレット交換か?

ギターフレットの減りに対する対応で悩むのが、「すり合わせで済ます」か「フレット交換する」かについてです。
僕の経験からいくと、新品のギターを買った後の流れは大体こんな感じ。
- 5年目…1回目のフレットすり合わせ
- 8年目…2回目のフレットすり合わせ
- 10年目…フレット交換
上記の感じで買ってしばらくは問題ないけど、すり合わせし始めると次に問題が出るまで2~3年くらいのケースが多いです。
よって、②の2回目のフレットすり合わせ時点でフレット交換に踏み切るかで悩むのです。
ただ、フレット交換は工賃で3~5万円くらいかかります。
ギターを買い替えするかも悩むポイントになります。
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初回ならすり合わせ

まだ、すり合わせをしていないフレットであればすり合わせが有効です。
この時点ではフレット山も余裕があるケースが多く、すり合わせで十分対応できます。
すり合わせだけなら、1~2万円くらいで済みます。
2回目なら買い替えも検討して点検すべし

すり合わせ2回目の場合は慎重に検討しましょう。
このくらい使い込んでいると、フレット以外にも異常が出るケースが多いです。
ちゃんと、ギター全体を点検・メンテナンスしてもらうのが良いでしょう。
また、フレット山の残り具合にもよりますが、すり合わせするかは職人さんと相談しましょう。
山の残りが少ないと、すり合わせしたところで弦高が高くなるなど演奏し辛いです。
山の残りが少ないなら、思い切ってフレット交換したほうが良いでしょう。
また、10万円未満のギターなら、よほどの愛着がない限りはフレット交換より買い替えを検討しましょう。
参考記事

フレット交換による音の変化

楽器屋の店員さんからは「フレット交換すると音が全然違うから買い替えたほうが良い!」と言われます。
ですが、僕は2本のギターでフレット交換しましたが音質変化はほとんどありませんでした。
むしろ、変化というとサスティーンの伸びが凄く良くなったくらい。
プラスの要素しか感じませんでした。
あくまで僕の事例ですが、愛着があるギターなら音質変化を恐れずにフレット交換すべきです。
フレット調整時には弦高調整も依頼すべし

フレットのすり合わせ、フレット交換時には好みの弦高への調整も併せて依頼しましょう。
弦高は音質やプレイスタイルに大きく影響します。
ザックリ言うと…。
- 低め…テクニカルプレイ向き
- 標準…ストローク・アルペジオ共に万能
- 高め…力強いストロークプレイ向き
…とこんな感じ。
もっと具体的な影響やアーティストの事例は下記の記事を参照してください。
参考記事
アコースティックギターの弦高調整でおすすめの適正値と適したプレイスタイルを解説

フレットのお手入れ

ガッツリやるとなると、指板にマスキングテープを貼った上で金属磨き用のクロスでフレットを磨いたりします。
ただ、そこまでやるのは結構大変ですよね。
おすすめなのはフレットバターというクリーナー液を染み込ませた布を使うことです。
指板をマスキングする手間もなく、指板ごとキレイにできる上に汚れはガッツリ取れます。
フレットバターの使い方

フレットバターは1,200円程度で買えて、約20回使えるのでコスパに優れている点もうれしいです。
僕もフレットバターを知ってからは、ずっと愛用しています。
1つ買っておけば、月1で手入れしても20か月使えます。
ただ、拭くだけとはだいぶ違うので使ったことない人は試してみてください。
アコギのフレット まとめ

- フレットが消耗したら「すり合わせ」か「フレット交換」のどちらかで修理する
- すり合わせ2回目をするなら、ギターの買い替えも考えよう
- フレット調整時には、好みの弦高に調整をお願いしよう
ぎたすけ
たけしゃん
ギターのフレットについての解説記事でした!
弾き込んでいると、フレットを修理する機会は結構多いです。
そして、フレット修理をするタイミングがギターの買い替えタイミングだったりもします。
基本的な知識をしっかりと身に着けて、いざという時に落ち着いて判断できるようにしましょう!



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