ぎたすけ
たけしゃん
飛ばし読みガイド
読みたい場所をクリック!
YAMAHA FGX3
2019年5月に発売された、YAMAHA FG / FS Red Labelの下位モデル YAMAHA FGX3。
伝統的なYAMAHA 赤ラベルの新作で昔ながらのルックスは保ちつつ、機能・演奏性は最新技術が盛り込まれたギターです。
特にエレアコの中でも音質が良い、3wayピックアップシステムを搭載してるところが強みですね。
FG / FS Red Labelは下位モデルの3シリーズと上位モデルの5シリーズに分かれます。
上位モデルである「5シリーズ」との違いはこちら。
- 国内生産
- ハードケース付属
- 上駒・下駒枕が牛骨
- 中国生産
- ライトケース付属
- 上駒・下駒枕がユリア
トップ・サイド&バックの木材は一緒です。
なので、大きな違いは生産場所が日本か中国かくらいなものです。
また、ボディサイズはFSとFGの2種類に分かれています。
※左がFGX3、右がFSX3
FGX3はFGボディの下位モデルでピックアップ搭載のエレアコ仕様となっています。
実売価格はアコギのFG3が8万円台前半、エレアコのFGX3が11万円程度で販売されています。
予算10万円でギターを探している人には非常に強いモデルです。
それでは、まずはFGX3の仕様を細かく解説していきます。
仕様を飛ばしてレビューを読みたい方は<YAMAHA FGX3をレビュー>を参照ください。
仕様の目次
ボディのサイズ
FGX3は左のトラッドウェスタンタイプです。
YAMAHAオリジナルのジャンボボディで、ドレッドノートに比べるとくびれがやや大きめ。
※左がドレッドノート、右がトラッドウェスタン
トラッドウェスタンは日本人体型に合わせて作られているそうで、抱えやすいです。
同じ、赤ラベルのFGとFSボディを比較すると…
- 低音がしっかり出る
- 弾き語りのストロークに最適
- ボディサイズ大きめ
- 低音控えめ
- フィンガースタイルに最適
- ボディサイズ小さめ
とまあ、こんな感じ。サンプル音も聴いてみましょう。
FGX3のストローク音
FSX3のストローク音
FGタイプのほうが低音がしっかり出ていてジャカジャカ弾くには向いてます。
FSタイプは音がスッキリしていて、アルペジオやカッティングが良い感じですね。
とはいえ、どっちのギターでもポップスやるには全く問題ないです。
あまり難しく考えず、抱えやすさとかルックスとかで選んでしまって大丈夫かなと。
木材
- トップ:シトカ・スプルース
- サイド&バック:マホガニー
- ネック:マホガニー
FGX3はシトカ・スプルースとマホガニーのオール単板ギターです。
ピックアップ未搭載のFG3だと8万円ちょっとで売られていて、サイド&バックがマホガニーのオール単板という高スペック。
エレアコモデルのFGX3でも11万円なので、コスパは非常に良いですね。
10万円近辺でマホガニーの単板ってのもすごいです。
最近はマホガニーの供給が減っていて、代替材のサペリを使ってるメーカーが増えてますしね。
また、トップ材のシトカ・スプルースにはYAMAHA お得意のA.R.E.加工が施されています。
ボディ内部のスキャロップドブレイシングも最新の音響解析シミュレーション技術を駆使して検討された造りになっています。
また、細かいところでストラップピンがついています。
やっぱり、ライブで使うときにはストラップピンがあると楽なんですよね。
Taylorなど最近のギターメーカーは標準でついてますが、FG/FS Red Labelも最初からついていて助かります。
利便性や演奏性はしっかりと今の時代に合わせて変わっているのが良いですね。
ピックアップ Atmosfeel™ (アトモスフィール)
YAMAHA FG/FS Red Labelの目玉が新しく開発された、「SYSTEM74(ハイブリッド3WAYシステム)Atmosfeel™」です。
アコギの生音を3つのシステムが拾う仕組みになっています。
3Wayピックアップ
- ピエゾセンサー(アンダーサドル)
- コンタクトセンサー
- マイク
この3つの方法で拾った音はプリアンプでミックスされて出力されます。
ボディ側面に3つのプリアンプコントローラーがあります。
ピエゾセンサー&コンタクトセンサーとマイクの音を調整できるので、編成によって音作りを変えられます。
例えば…
- 弾き語りではマイクの比率を上げてナチュラルな音質
- バンドではセンサーの比率を上げてハウリング防止&埋もれない音を作る
こういった場面別の最適な音作りが可能です。
ちなみに「SYSTEM74(ハイブリッド3WAYシステム)Atmosfeel™」単三電池×2で駆動します。
エンドピンの下に電池ボックスがあります。
単三電池駆動って結構珍しいですね。
10万円近辺のエレアコだと、大半がピエゾですからね。
3Wayピックアップシステムが搭載されているのは凄いですねぇ…。
同じ3Wayを搭載している、Cole Clarkのエレアコは最も安いモデルで17万円程度。
FG / FS Red Labelは使用されている木材のレベルも高いですが、ピックアップのレベルも高いです。
なかなか、これだけのコスパは他メーカーだと出せないですよねぇ。
FGX3
FSX3
YAMAHA FGX3をレビュー
それでは、YAMAHA FGX3をレビューしていきます。
はじめにレビュー内容を箇条書きでまとめると下記の通り。
- 生音が良い感じで、爽やかなストローク音が気持ちいい
- ピックアップの音も良好。特にピエゾ&コンタクトセンサーの音が良い感じ
- ルックスは渋い感じ
- 10万円近辺のエレアコだと頭1つ抜けた性能
ということで、素晴らしいですね。
生音もピックアップの音もすごく良いです。
レビューでは実際に音源付きで解説をしていきます。
レビューの目次
生音のストローク音が良い
サイド&バックがマホガニーのオール単板なのもあって、価格の割に音が良いです。
ストロークもアルペジオも万能にこなせるギターですが、僕は弾いていてストロークが特に良いなと感じました。
FGX3を使って、演奏した動画がこちら。
ストロークの音が低音から高音までまとまりあって、良い感じ。
Gibsonみたいに乱暴にかき鳴らすのは向いてません。
振りぬく感じが良いです。YAMAHAのギターって全体的にキレイに振りぬいたほうが良い感じに鳴ります。
FG180使ってる竹原ピストルさんって、かき鳴らしてるよな?と気になって見てみると上から下までキレイに弾いてました。
イメージ的にかき鳴らしてると思ってました。奥が深い…(笑)。
同じ10万円台のYAMAHA LL16D ARE、Taylor 214ce、Martin DX1と生音を比べてみましょう。
FGX3のストローク音
LL16D ARE
214ce
DX1
FGX3はジャキっとした高音弦としっかり鳴る低音が合わさって力強い感じを受けます。
音の輪郭もクッキリしてていいですね。
また、録音した音を聴くより、実際に弾いてるときのほうがFGX3のストロークの気持ちよさが出る感じがしますね。
弾き語りしていても歌いやすいです。
ちなみにピックアップ未搭載モデルのFG3なら実売価格で8万円ちょっとです。
10万円をきる価格帯のギターで、これだけしっかりした生音が出るのは良いですね。
FG3(ピックアップなし)
ピックアップの出音も良好
新しく開発された「SYSTEM74(ハイブリッド3WAYシステム)Atmosfeel™」の音質もすごく良いです。
やはり、普通のピエゾだけのピックアップとは一味違います。
センサーとマイクの音量バランスを調整できるので、編成によって音質を変化させることができます。
センサー全振り、5:5、マイク全振りの3つの音を聴き比べてみましょう。
センサー全振り
センサー5:マイク5
マイク全振り
ピエゾセンサー&コンタクトセンサーの音がピエゾと比べて大分いいですね。
マイクの音は箱鳴り感を出してくれますが、ちょっとこもり気味。センサー側とミックスして使うのが良いでしょう。
ちなみに先ほどのYAMAHA LL16D ARE(ピエゾ)とTaylor 214ce(ES2)のピックアップの音はこちら。
LL16D ARE(ピエゾ)
214ce(ES2)
LL16D AREはいかにもインブリッジピエゾという感じの音ですね。
TaylorのES2はピエゾセンサーを3つ内部に仕込んでるので、FGX3のピエゾ&コンタクトセンサーに近いです。
FGX3はそこに内蔵マイクの音を混ぜられるので、更に一段階音作りができる仕様になっています。
11万円程度のエレアコで、3Wayピックアップはすごいですね。
大半のメーカーはインブリッジピエゾですからね。
FGX3
FSX3
ルックスは渋い
FGX3はYAMAHAの伝統的な赤ラベルを引き継いだルックスです。
ギターヘッド、ボディの色合いなど渋めでカッコいいですね。
塗装の仕上げもセミグロス仕上げとなっており、ヴィンテージギターっぽい風合いです。
部屋に置くと、いかにも古風なギターで雰囲気あります。
この昔ながらのルックスが好きな人多そうですよね。
僕も好きです。
予算10万円近辺ならチェックすべし
今回お借りして、色々と弾き比べてみましたが11万円で買えるのかぁ…と感心するところばかりでした。
生音も良いですし、ピックアップも良好ですからね。
これまでは予算10万円近辺のエレアコを探すと、生音かエレアコの音かどちらを優先するか考えなきゃいけない感があったんですよね。
以前ならライブ中心でエレアコの音を重視する人が多かったですが、最近はYouTubeやライブ配信で生音使いたい場面も多いですからね。
FGX3は生音、エレアコの音の両方が良好なので、今の音楽活動でも非常に使いやすいです。
FGX3
FSX3
YAMAHA FGX3 まとめ
- 伝統の赤ラベルに新技術をしっかり盛り込んだエレアコ
- 新開発された3Wayピックアップが優秀
- 10万円近辺では生音、エレアコの音共にすごく優秀
ぎたすけ
たけしゃん
プロ目指してる人も趣味で結構やりこんでる人にもハマる良いポジションのエレアコだね
YAMAHA FGX3のレビューでした。
すごく弾きやすくて、僕も借りてる期間で大分いっぱい弾きました。
この性能で11万円くらいで買えるのは、ほんとすごい。そしてうらやましい(笑)。
予算10万円くらいでギター探している人はぜひ、チェックしてみましょう。
FGX3
FSX3






よく読まれている記事
初心者が覚えるべき ギターコード 10個を練習用の譜例付きで解説
男性の音域を平均・低め・高めの3種類で解説。音域チェックできる音源付き
コンデンサーマイク おすすめランキングベスト10【2023年版】 〜プロアーティスト使用マイクも紹介〜
初心者向けアコースティックギター おすすめ6選。購入するギターの選び方を107名のアンケート調査付きで解説
ギターのストロークパターンを練習しよう。弾き語りでよく使う譜例 10パターンで解説
SYNCROOM(シンクルーム)の使い方、設定、遅延対策を解説。無料で自宅セッションを楽しもう!
ギターのカポタストでキー変更するための上げ方、下げ方を役立つ早見表と合わせて解説
【2023年】ミニギター おすすめランキング ベスト10。選び方や大きさの違いを比較画像付きで解説
アコギ メーカー11社を解説。ブランドごとの特徴やおすすめのギターを紹介
Bmコード(ビーマイナー)の押さえ方。ギターでキレイに鳴らすためのコツや良く使うコードフォームを解説