ネット配信(生放送)の弾き語りはリバーブよりコンプレッサーが大事。

たけしゃん(@_tkshan)です。

最近は楽器演奏可のマンションに引っ越したので、結構な頻度でネット配信で弾き語りをやっています。

僕の家のオーディオインターフェースはステミキ機能があるので、簡単にエフェクトかけて配信できます。

なので、エフェクトかけて配信していますがネットで配信時の記事を見るとリバーブのことばっかり。

リバーブは確かに重要。薄っすらかけると歌の雰囲気がわかりやすく良くなるのでかけたほうが間違いなく良い。

だがしかし。
もっと重要なのはコンプレッサーであると感じる。しかもネット配信におけるコンプの記事はやたらと少ない。

というわけで実は一番重要と思われるコンプレッサーについて語る。EQも大事なんだけど、それはこの記事読んでね。

ミキサーとEQEQ(イコライザー)の使い方を理解してボーカル・ギターの音を整えよう
この記事の著者
音楽ブロガーたけしゃん

ミュージシャン

たけしゃん

tkshan

プロフィール

ギター弾き語りのシンガーソングライター。長年の音楽活動や音楽の仕事で得た知識・経験を基にブログを書いています。
雑誌の音楽記事執筆、音楽専門書の執筆(工学社)、nana公認クリエイター、IPC VOICE STUDIO公認ボイストレーナーです。
プロフィール詳細お問い合わせ

1. コンプレッサーとは

コンプレッサー (compressor) は、エフェクターの一種である。音の強弱の差を縮小する効果がある。略してコンプと呼ばれることもある。

-Wikipedia-

端的で分かりやすい説明である。さすがWikipedia。

EQ・リバーブと並んでライブハウスでもレコーディングでも活用されるボーカルに欠かせないエフェクト。それがコンプレッサー(以後コンプ)。

弱い音の音量を持ち上げて、強い音の音量を潰すことで音量差をなくして均一化する効果があります。

普段、イヤホンで聞いている何気ない音源だって、コンプがかかっているから聞きやすいのです。
コンプがかかっていない素人の音源を聴くとわかりますが、Aメロで丁度よい音量に調節するとサビが大きすぎて困るし、サビで丁度良い音量にするとAメロが小さくて聴き辛くなってしまうものです。

また、コンプの使い方には薄っすらかけて音量調節する以外にも、あえて強くかけてコンプ独特の音を強く出すパターンも存在します。

このコンプ強くかけることで音作りをしている人と言えば、aiko。
特にコンプの勉強する時に決まって題材として出てくるのが「カブトムシ」です。

この動画で聴いても既にかなり強くかかっています。
特にこの動画にない後半部分は盛り上がって音量が上がっていくのでコンプで潰してる感じが更に強調されます。

ブレス音がコンプで持ち上げられて、めっちゃ大きく聴こえますからね。

潰すって言うと悪く聞こえますが、かぶとむし以外でもロックバンド等、その独特なアタック感を出すためによく使われる手法です。

ただ、弾き語りのネット配信で使う手法は基本的には弱くかけて音を均一化するという手法です。

弾き語りで潰すほど強くコンプをかけると逆にただでさえ音数が少なく低いダイナミクス性が更になくなって、全体的にのっぺりしちゃいます。

 

2. ネット配信でのコンプの必要性

それでは具体的にネット配信でのコンプについて語ります。
基本的にはそんな難しいもんではないです。

2-1. 音量差を整える

コンプの使い方として正道であり、かつ弾き語りでもかなり重要です。

音が割れないようにするためにはもちろん、最大音量にターゲットを合わせることが必要です。そうするとAメロはかなり小さくなります。

残念なことに音量って魔法で小さいと下手に聴こえて、大きいと上手く聴こえるんですよね。
みなさんも普段、音源聴いていて音量小さいと何だかわからないけど、良く聴こえないと感じること多くありませんか?

特にアイドル楽曲とかは綺麗にmixしてマスタリング時に強い音を潰して限界ギリギリまで音圧を底上げしています。

弾き語りではそこまでやっちゃうと前述の通り逆効果になってしまいますので、ほんのりとかけると良い感じ。

サビの強い音量部分でコンプが音を少し潰して全体的に底上げするレベルが良いです。

ちなみにコンプで音量調節する場合はより一層、演奏に強弱はつけたほうがよいです。音量差でダイナミクス性を出しにくくなる分、アタック感で補う必要があるからです。

2-2. 音割れを回避する

どちらかというとリミッター的な使い方です。

ちなみにコンプレッサーとは別にリミッターなるエフェクトがあります。
そして、結構な確率でコンプの機能としてリミッター機能が入っています。

コンプは設定音量以上の音を潰して小さくしますが、リミッターは設定以上の音を設定値まで強制的に潰してしまいます。

例えば機能する設定値を100とした時に音量120の音が入ってくると…。コンプだと120を110にしますが、リミッターは100まで潰します。130の音が入ってきた場合、コンプは120にしますが、リミッターは100にしてしまいます。

話を戻すと音量を音割れするギリギリまで上げたい場合はリミッター機能が役に立ちます。
何度か試して音割れする一歩手前になるように調整してしまえば、後は不意に声が大きくなりすぎても音割れする心配がありません。

ただし、リミッターに甘えて全体的な音量を上げすぎるとAメロはよくても、サビで音がつぶれまくります。ほどほどにしておきましょう。

2-3. コンプレッサーの効果

前述のようにある程度、音量を均一化することでどの部分においても一定以上の音量を保つことができます。

これはネット配信上ではかなり大きいです。
何故なら、ネット配信の視聴者の方は一瞬聴いて気に入らないと、すぐに離脱するからです。

そして、一般的な曲はサビの時間より、それ以外の時間のほうが長いです。
一瞬聴くメロディーがAメロ・Bメロになる可能性は低くはなく、その音量が小さい…となるとすぐに離脱してしまうからです。

リバーブに比べると、音自体は変わらないため違いがわかりずらいですがコンプを設定することで感覚的に随分と歌が上手く聴こえるようになります。

コンプは女性のメイクで例えるとナチュラルメイクみたいなもんです。

 

3. まとめ

  • コンプレッサーは音量を均一化するエフェクト
  • コンプの使い方には音量を均一化して全体的に持ち上げること、コンプ独特の音質を付与することの二つがあり弾き語りでは前者が有効。
  • コンプを上手くかけられると感覚的に歌が上手く聴こえる

リバーブとコンプのどちらか一つだけかけられるエフェクトを選べ!
って言われた僕はコンプを選びます。まあ、そんな状況ないだろうけど(笑)

そのぐらい、コンプの効果って偉大です。

ただ、使い方を間違えると音が潰れるだけで聴こえが悪くなるので扱いが簡単ではないエフェクトです。

リバーブもかけすぎると逆にボワンボワンになっちゃうので、どれも程々にかけることが大事。

コンプについてはネット配信以外でもライブハウスでもDTMなどのレコーディングでも必須ってくらい出てくるエフェクトなので勉強しておくと後が楽です。

リバーブだけに気を取られずに是非コンプレッサーも意識した音作りをしてみましょう。

ミキサーとEQEQ(イコライザー)の使い方を理解してボーカル・ギターの音を整えよう DTMをやっているデスク弾き語り配信に必要な機材の選び方とおすすめ製品を解説