AKG C414 XLII-Y4をレビュー。プロユースで定番のコンデンサーマイク

AKG C414-xlii

評価:4.5

ぎたすけ

C414ってXLSとXLIIで2本あるよな?XLIIのほうが高いけど何が違うの?

たけしゃん

XLSはフラットでオールマイティでXLIIはハイ上がりで目立たせたいパート向きって感じかな
補足

レビューするために正規代理店のヒビノ様にデモ機をお借りしました

C414 XLII-Y4のレビューまとめ
音質
 (5)
使いやすさ
 (5)
価格(12.1万円程度)
 (4)
総合評価
 (4.5)
主な用途所感

ボーカル
相性良く録れる
YAMAHA FG820

アコギ
相性良く録れる
原稿を読んでいる男性

スピーチ
相性よく録れる
メリット
デメリット
  • 程よく煌びやかで存在感が出る音
  • 本体の機能が非常に豊富
  • 本体が軽くて小さいので自宅での使いまわしも楽
  • 特になし

C414 XLIIで録ったカバー動画

ベテルギウス / 優里 【アコースティックCover】
型番について

C414 XLII-Y4はヒビノ取扱の4年保証品。C414 XLIIはサウンドハウス取扱(3年保証)で製品自体は同じものです

この記事の著者
音楽ブロガーたけしゃん

ミュージシャン

たけしゃん

tkshan

プロフィール

ギター弾き語りのシンガーソングライター。長年の音楽活動や音楽の仕事で得た知識・経験を基にブログを書いています。
雑誌の音楽記事執筆、音楽専門書の執筆(工学社)、nana公認クリエイター、IPC VOICE STUDIO公認ボイストレーナーです。
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AKG C414 XLII-Y4

AKG C414-xliiをマイクアームに取付した画像
マイクタイプ XLRコンデンサーマイク
指向性9段階から選択可能
周波数特性20Hz – 20kHz
最大SPL 140dB
寸法 (W×H×D)50 × 160 × 38mm
重量306g
ヒビノ公式HPより引用

プロのレコーディングでも、数多く使用されているAKG C414 XLII。

アコギ録りで使われることが多いので、シンガーソングライターにも馴染みのあるマイクではないでしょうか。

秦基博さんもプライベートスタジオのアコギ録りで使用されてます。

C414 XLⅡはAKGのCがつくコンデンサーマイクの中でも上位にあたる製品です。

AKG Cシリーズの4本
一番右がC414 XLII
製品名特徴
C214の正面写真
C214
高音が煌びやか
C414 XLIIと同じダイアフラム
実売価格 32,000円
AKG C314
C314
フラットな音質
C414 XLSと同じダイアフラム
実売価格 60,500円
AKG C414 XLS
C414 XLS
フラットで原音に忠実
C414B ULSの音質を再現
実売価格 81,180円
AKG C414-xlii
C414 XLII
存在感のある煌びやかな音
C12の特性を踏襲
実売価格 121,000円

C414 XLIIはハイ上がりの特性がボーカルやアコギを録るのに適しており、レコーディングスタジオでもよく使われています。

たけしゃん

後半のレビューではC414 XLSとサンプル音源つきで比較してます!

また、C414 XLII は少し前にC414 XLII-Y4という新しい型番が誕生しています。

C414 XLII-Y4は国内正規代理店のヒビノが4年保証を付けた製品となっており、製品自体はC414 XLIIと同じものです。

補足

従来のC414 XLIIは3年保証

それでは、C414 XLII-Y4の製品仕様から解説していきます。

仕様を飛ばして、レビューを読みたい方は<C414 XLIIをレビュー>を参照ください。

製品仕様 目次

本体機能

AKG C414-xliiの指向性切替スイッチ
指向性切替9つの指向性を切替可能
ローカット40Hz/80Hz/160Hzから選択可
PAD-6dB、-12dB、-18dBの減衰

C414 XLII-Y4は本体スイッチで様々な調整が可能な仕様になっています。

まずは指向性切替ですが、5種類の指向性と各指向性の中間で合わせて9種類から選択可能になっています。

5種類の指向性

AKG C414-xl2の指向性切替 LEDが点灯する
選択された指向性が点灯する
無指向性360度の音を収音
ワイドカーディオイド正面の音を収音
左右も拾う範囲が広い
カーディオイド 正面の音を収音
ハイパーカーディオイド 正面の音を収音
左右は拾う範囲が狭い
双指向性正面と後ろの音を収音

ボーカル、アコギ録りで使う場合は基本的にカーディオイドですね。

スタジオなどで色んな楽器や編成で録る際には他の指向性も使えます。

本体背面にはPADとローカットフィルター機能がついています。

AKG C414-xlii背面のPADとローカットフィルター

PADとローカットフィルターも選択肢が3つずつ用意されており、本体電源が入ると選択されている項目が点灯します。

AKG C414-xl2の背面 LEDが点灯する

なお、指向性切替スイッチを長押しすると指向性切替・PAD・ローカットフィルターの切替スイッチはロックできます。

自宅でボーカルやアコギ録りで使うだけの人は基本的には下記の設定でロックしとくのが良いと思います。

  • 指向性:カーディオイド
  • PAD:OFF
  • ローカット:OFF

なお、電源が入っていないと設定を変えられない仕様なので、ロックしなくても誤操作は起きにくいです。

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C414 XLIIに合うマイクスタンド

AKG C414-xliiをマイクアームに取付した画像2

C414 XLII-Y4は軽くて小さいので、マイクスタンドは割と何でもいけます。

自宅にある6種類のマイクスタンド、マイクアームで試しましたがどれでも問題ありませんでした。

自宅で使う際はマイクの大きさや重量って割と大事なので、C414 XLII-Y4は使いやすくて良いです。

自宅でデスクの前に設置するならaudio technica AT8700J、マイクスタンドがよければKCブームスタンドがおすすめです。

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C414 XLII-Y4の付属品

AKG C414 XLII-Y4の付属品
  • ショックマウント
  • ウインドスクリーン
  • ポップスクリーン
  • 布製ポーチ
  • キャリングハードケース
  • 特性データシート

なかなか豊富な付属品ですね。

高級マイクだと付属品は全然ないメーカーも多いですが、AKGは付属品も豊富で質が良いところが嬉しいです。

数が多いので何点かに絞って紹介していきます。

まずはショックマウントです。AKG Cシリーズ共通のH85が付属しています。

AKG H85

プラスチックで少し安っぽいですが、使ってみると性能的にも利便性的にも使いやすいです。

次はポップスクリーンですね。マイクに付属するのは割と珍しいです。

AKG PF80
ポップスクリーン AKG PF80
補足

ステレオペアセットにはポップスクリーンは付属していません

吹かれをしっかりガードしてくれます。 

グースネック部分も調整しやすいので、使用感は上々です。

あとは特性データシートなるものが入っています。結構厚いです。

AKG C414-xl2の特性データシート

そして、付属のキャリングハードケースですね。付属品全部が入るようになってます。

AKG C414-xliiのキャリングハードケース
AKG C414 XLII-Y4の付属品
AKG C414付属のキャリングケースは上部に特性データシートとポップスクリーンが入っている
ケース上部にポップスクリーンなど収納可能

キャリングハードケースはサイズはやや大きいですが、頑丈な上に付属品が全て収納できるので良いですね。

布のポーチもついているので、ラフに持ち歩くときはポーチを使いましょう。

AKGはマイク本体はもちろんですが、付属品の質も良いのが嬉しいですね。

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AKG C414 XLII-Y4をレビュー

AKG C414-xliiをマイクアームに取付した画像3
C414 XLII-Y4のレビューまとめ
音質
 (5)
使いやすさ
 (5)
価格(12.1万円程度)
 (4)
総合評価
 (4.5)
メリット
デメリット
  • 程よく煌びやかで存在感が出る音
  • 本体の機能が非常に豊富
  • 本体が軽くて小さいので自宅での使いまわしも楽
  • 特になし

それでは、C414 XLII-Y4を細かくレビューしていきます。

総括するとめちゃくちゃいいですね!

ボーカル録りもアコギ録りもばっちりです。

煌びやかで目立つ音なんですが、派手さはなくて上品な感じです。

レビュー目次

程よく煌びやかで目立つ音

AKG C414 XLIIを付属品のポップガードとセットで設置した

C414 XLIIでボーカル、アコギを色々録ってみました。

煌びやかな音で存在感があるので、ボーカルやアコギを録るのに最適です。

実際にC414 XLIIでボーカルとアコギを別々に録った動画がこちら。

ベテルギウス / 優里 【アコースティックCover】

ボーカルもアコギも良い音で録れているのではないでしょうか。

EQはかけていませんが、ボーカルはハスキーになっているところも良い感じに出てくれて歌いやすかったです。

程よく煌びやかなのが良いですね。

ハイ上がりが強く出すぎると派手になっちゃうのですが、C414 XLIIは音が際立つけどうるさくない絶妙な感じです。

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本体機能が豊富

AKG C414-xl2の指向性切替 LEDが点灯する

C414 XLIIは本体スイッチで指向性切り替え、PAD、ローカットが使えます。

それぞれの機能で選択肢が豊富に用意されていて、本体操作だけでも色んなことができます。

まあ、シンガーソングライターが自宅でRECとライブ配信やる程度だとここまでは必要ないかな…というレベルで機能が充実しています。

特にローカットフィルターが40Hz、80Hz、160Hzから選択可能なのは良いですね。

AKG C414-xlii背面のPADとローカットフィルター

配信するスタジオで空調とか低音周りが気になる場合に各パターンを試してみると、ノイズを軽減できるかもしれません。

高価格帯マイクでも、ここまで本体機能が色々ついている機種は少ないのでコスパも良いんですよね。

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C414 XLSとC414 XLIIの違い

AKG C414 XLSとC414 XL2
AKG C414 XLS
C414 XLS
AKG C414-xlii
C414 XLII
指向性9種類から選択可 9種類から選択可
本体機能ローカット
PAD
ローカット
PAD
音質フラットで万能 ハイ上がりで
煌びやか
実売価格8.1万円程度12.1万円程度

C414 XLIIとよく比べられるのが、同じAKGのC414 XLSです。

サイズ感や機能といった基本的なつくりは一緒で使用されているダイアフラムが異なります。

そのため、音の特性も違います。

カーディオイドでの周波数特性表を見てみましょう。

C414 XLS

C414-XLS カーディオイドの周波数特性表と指向性

C414 XLII

C414-XLII カーディオイドの周波数特性表と指向性
ヒビノ商品HPより引用

5kHzから違いが出ており、C414 XLSは少し上がっている程度。

対して、C414 XLIIは大きく上がっていますね。

続いては実際に録り比べた音で比較してみましょう。

まずはアコースティックギターの音です。ストロークとアルペジオを用意しました。

C414 XLS

AKG C414 XLS

C414 XLII

AKG C414-xlii

ストロークのほうが違いがわかりやすいですね。

C414 XLSは音がまとまった感じでコードの一体感が強く出てます。

対して、C414 XLIIは高音弦の音が出てるので1本ずつが粒立ちよく聞こえます。

僕個人的にはC414 XLIIのほうが好みですね。

C414 XLIIは同じダイアフラムのC214よりと比べて、キラキラ感が程よい感じになっててアコギの音も好みです。

C214の正面写真
C414 XLIIと同じダイアフラムで安価なC214

続いてはボーカル入りの音源で比較してみましょう。

C414 XLS

AKG C414 XLS

C414 XLII

AKG C414-xlii

ボーカルでも同じ感じですね。

C414 XLIIは煌びやかで、C414 XLSはフラットです。

僕はハイ上がりのマイクのほうが歌いやすいので、やっぱりC414 XLIIが良いなと感じますね。

一方でC414 XLSも原音に忠実でキレイに音を拾ってます。

XLIIが12万円、XLSが8万円なのでコスパで考えるとC414 XLSって大分強いですよね。

個人的には下記のような選択が良いのではないかと思います。

AKG C414 XLS
C414 XLS
色んな楽器で使う
フラットな特性が好き
予算10万円以内
AKG C414-xlii
C414 XLII
主にメインパートで使う
ハイ上がりの特性が好き
予算は10万円超えてもOK

シンガーソングライターでボーカルやアコギ録りなどに使うなら、やっぱりC414 XLIIを勧めたいですね。

一方でC414 XLSでも十分なクオリティで録れるため、予算次第で選択を変えるのが良いでしょう。

 

AKG C414 XLII-Y4 まとめ

AKG C414 XLII-Y4の付属品
  • レコーディングスタジオでも定番の有名マイク
  • 煌びやかで存在感のある音がボーカルやアコギにマッチする
  • C414 XLSとは音の特性が異なる

ぎたすけ

やっぱ良いマイクなんだな!レコーディングスタジオで定番ってくらいだもんなぁ

たけしゃん

そうだね。僕も次にメインマイク買い替えるときはC414 XLIIにしようって思うくらい良かったよ

AKG C414 XLII-Y4のレビューでした。

すごく良いマイクですね。ボーカルもアコギも録った音をそのまま聞いてもいい感じで楽でした。

長年定番のマイクですし、10万円以上するものの一度買ったら長い期間愛用できそうな製品です。

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