ぎたすけ
たけしゃん
アコギだとオーギュメントより♭13で使うケースが多いんだけど、そのへんも解説するね
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オーギュメントコード(aug)

オーギュメントとは5thの音を#5thに変えた三和音コードのことです。
コード表記の仕方は下記の3通りがあって、譜面を書く人によって変わります。
- Caug
- C+
- C(+5)
ギタースコアの大手でいうとドレミ出版がC(+5)と表記しており、ヤマハはCaugと表記してます。
なので、混乱することがないように同じ意味であることは覚えておきましょう。
そして、肝心である音の響きの話に移りましょう。
Caugをアコギで弾くと、こんな響きになります。
Caug
結構、癖が強くて使いづらいコードといえます。
昨今のポップスでも、ディミニッシュやハーフディミニッシュ(m7-5)ほどは使われてはいません。
しかし、おしゃれな楽曲や伴奏を中心に欠かせないコードであったりもします。
本記事では、実際の使用例を踏まえながらギター弾き語りでの活用について解説を進めていきます。
この先の目次
オーギュメントのコードフォーム

オーギュメントのコードフォームはルート別で書くと、上記の3パターンが中心です。
といっても、アコギだと平行移動ができないローコードを使うことが多いですね。
ローコードのオーギュメントの代表例はこのあたり。

前後のコード進行と絡めやすいのはCaugとDaugですね。
そして、よく出てくるとは書いたものの、ポップスではオーギュメント自体の登場頻度が低いです。
次章ではオーギュメントが使われている楽曲で実用例を見ていきましょう。
オーギュメントコードの使い方

ポップスにおけるオーギュメントの使い方は主に2パターンです。
- Ⅰ→Ⅰaug→Ⅰ6
- Ⅴaug
とっつきやすい使い方は①ですね。
メロディーラインも作りやすく、特に印象的なAメロ作りに使われてます。
対して②(Ⅴaug)はおしゃれな楽曲に使われていることが多いです。
メロディーライン的には普通のⅤ7でもいけるところをVaugにしてアクセントをつけているパターンが多いですね。
それぞれのパターンを実際の楽曲と照らし合わせて解説していきましょう。
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Ⅰ→Ⅰaug→Ⅰ6

and I love you/Mr.children(YouTube)
Ⅰ→Ⅰaug→Ⅰ6を使った楽曲の代表例はMr.Childrenのand I love youです。
最初のイントロから、このオーギュメントコードを使った進行で浮遊感とか違和感を作った印象的なフレーズになってます。
いわゆるクリシェと呼ばれるコード進行です。
Ⅰ度のaugパターンでは5度の音が1つずつ変化していきます。

and I love you以外には、星野源さんの化物のAメロでも使われているコード進行です。
Ⅰ→Ⅰaug→Ⅰ6はアコギのストロークで弾くと、インパクトもあり洗練された感じも出ます。
一方でミスチルの印象が強すぎて、一工夫入れないと二番煎じ感が出てしまうのが難しいところでもあります。
Ⅴaug

Be there feat. BONNIE PINK/大橋トリオ(YouTube)
大橋トリオさんのBe thereです。Aメロのアクセントにaugが使われています。
伴奏のアクセント付けとして使われているため、Aaugではなく通常のA7にしても問題ありません。
実際にAメロ1回目の大橋トリオさんが歌っているパートでは、同じメロディーラインでA7を使っています。
このようにⅤ7をあえてⅤaugしたり、Vaug→V7(逆もあり)という装飾付けするパターンは割と多いです。
特にジャズとかソウルのテイストが入っているポップスでは定番パターンといえます。
大橋トリオさんの楽曲ではよく出てきますし、秦基博さんの楽曲でもⅤaugを絡めた進行は割と出てきますね。
そして、ギターだとⅤaugの部分はV7(♭13)を用いたコードで代用することが多いです。
秦基博さんも、ほとんどV7(♭13)で演奏されています。
そのため、次章ではオーギュメントと♭13の違いや使い分けについて解説していきます。
オーギュメントと♭13の違い

オーギュメントと非常に近い使い方をされるのがテンションコードである♭13です。
オーギュメントで使われる#5と♭13はオクターブが違うだけで同じ音なんです。
ただし、構成音が異なっていてaugは三和音。
対して♭13は四和音の上にテンションコード(♭13)が乗っかる五和音構成です。

試しにギターのコードで違いを聴き比べてみましょう。
Caug
C7(♭13)
違いはあるものの、印象を大きく変えるほどの違いはない感じ。
ギターコードだと5thは省略してるので、違いとしては7thの音が鳴っているか、鳴っていないかだけですしね。
そして重要なaugと♭13の使い分けなんですが、ザックリと下記の2パターンです。
- Ⅰ→Ⅰaug→Ⅰ6 → augしか使用しない
- Ⅴaug → どっちでもいいが♭13を使うことが多い
Ⅰ→Ⅰaug→Ⅰ6のコード進行では7thがあると5thでのクリシェの邪魔になるので、通常はaugしか使用しません。
対してⅤaugの場合はⅠ→Ⅰaug→Ⅰ6と異なり、どっちでも特に問題ありません。
ただ、ギターだとフォームの関係などから♭13のほうが断然便利に機能します。
特に6弦ルートのこのフォームはよくお世話になってます。

秦基博さんの本人監修ギタースコアでも、Ⅴaugに関しては上記のフォームのⅤ7(♭13)で演奏することが大半です。
2弦の押弦フレットを1つ下げると普通のセブンスコードになるので、装飾音としての使用が楽なんですよね。
例えば、僕が弾き語りしてる椿屋四重奏の恋わずらいという楽曲。
こういった、おしゃれなコード進行の楽曲だとⅤaugよりⅤ7(♭13)のほうが圧倒的に楽なんですよね。
ジャズっぽい曲とか、シティポップとかで使うことが割と多いです。
前後のコードチェンジの利便性や響きの好みで使い分けましょう。
おそらくは自然と♭13を使うことが多くなるはずです。
ちなみに市販のギタースコアだと、augと♭13の区別が微妙だったりもします。
ドレミ出版の秦基博さんのギタースコアでは全く同じコードフォームなのに曲によって、表記がaugだったり、♭13だったりするくらいです。
augと♭13でコード構成音が異なることだけ理解しておけば、あとは自分の好みに合わせて好きなものを使えばいいでしょう。
楽曲をコピーして学ぶべし

オーギュメントコードの理解を深めるには実際の楽曲の中で、体感するのが一番です。
そして、テンションコードや複雑なコードになってくると無料のコードサイトだと正確性が欠けるので、市販のギタースコアを買って確認したほうが良いです。
オーギュメントコードを使ってる曲が比較的多い人で、ギタースコアが出てるのはスガシカオさんですね。
ギター弾き語り スガシカオ / ギター・ソング・ブックにはaugや♭13を使った楽曲が8曲掲載されてます。
全体的にテンションコード多めな上にストロークパターンが複雑で難易度が高いギタースコアですが、勉強になるところも多いです。
オーギュメントを使いこなすには、他のテンションコードもわかってたほうが良いのでチャレンジしてみると良いですよ。
ギタースコア
労働なんかしないで 光合成だけで生きたい

オーギュメントコード まとめ

- オーギュメントは通常の三和音から5thを#5thにしたコード
- 主な使い方はⅠのクリシェ進行とⅤの装飾音の2通り
- Ⅴの装飾音の場合は#5のaugよりテンションコードの♭13を使うことが多い
ぎたすけ
たけしゃん
オーギュメントコードの解説でした。
あんまり、頻繁に使うコードではないですがアクセントとして覚えておくと便利なコードです。
オーギュメントを使うと作曲、ギターアレンジにおいても大人っぽさも出しやすくなります。
他のテンションコードに興味を持つきっかけにもなったりしますしね。
とっつきづらいところがあるコードですが、実際の楽曲を通して少しずつ慣れていきましょう。
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