アムリタカスタムギターズのアコギを解説。質の高い木材を使った高品質製品がウリのギターメーカー

Amrita

ぎたすけ

アコギ メーカーの解説か。あんまり聞いたことないギターメーカーだな

たけしゃん

基本、一般流通してないからね。松室政哉さんがライブで使っていて、すごい良い鳴りのギターだなと感動して取材してきちゃったよ
この記事でわかること
  • アムリタカスタムギターズの特徴
  • アムリタカスタムギターズのアコギ
  • アムリタカスタムギターズを使用しているプロアーティスト
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音楽ブロガーたけしゃん

ミュージシャン

たけしゃん

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プロフィール

ギター弾き語りのシンガーソングライター。長年の音楽活動や音楽の仕事で得た知識・経験を基にブログを書いています。
雑誌の音楽記事執筆、音楽専門書の執筆(工学社)、nana公認クリエイター、IPC VOICE STUDIO公認ボイストレーナーです。
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アムリタカスタムギターズの特徴

アムリタのギターヘッド

※ギターヘッドのマークが特徴的なアムリタ

アムリタカスタムギターズは2010年にできた、ギター専門ブランドです。

エレキギター、アコースティックギター、ギター関連アイテムを取り扱っています。

 

アムリタカスタムギターズは「Player’s Vintage」というコンセプトを掲げています。

これは1950年代中盤から60年代前半に製作されたギターの良きところを参考にしつつ、現代のプロフェッショナルの現場で使いやすい ようにモディファイ(改訂)を施す…という考えを指しています。

 

確かにヴィンテージギターは非常に鳴りもいいし、音も良いですが昔の物なので操作性が悪かったり、パーツの取り扱いが難しいものが多いのです。

コレクションなら良いですけど、日頃からガツガツプレイするにはちょっとなぁ…となりますよね。

 

なので、ヴィンテージギターの良いところは残しつつも、現代的な造りのギターがあったら正に理想的ですよね。

そんな、理想を追求したアムリタカスタムギターズのアコースティックギターを本記事で解説していきます。

アムリタ公式HPを見る

良質な木材を用いたギター作り

ギター背面

※サイド&バックにハカランダ合板(繋ぎはメイプル)を用いたギター

アムリタカスタムギターズの特徴は使用している木材にあります。

主にラインナップで用意されている木材の組み合わせは下記の2パターン。

パターン①

  • トップ:シトカ・スプルース単板
  • サイド&バック:ハカランダ合板(間をメイプルで繋いでいる)
  • ネック:ホンジュラス・マホガニー
  • 指板&ブリッジ:エボニー

パターン②

  • トップ:ヨーロピアン・スプルース単板
  • サイド&バック:ホンジュラス・マホガニー単板
  • ネック:ホンジュラス・マホガニー
  • 指板&ブリッジ:ハカランダ

他のギターメーカーだとカスタムショップ製の特注モデルしか採用されないレベルの木材組み合わせです。

特にハカランダ合板(繋ぎはメイプル)は僕が知る限りはアムリタしか使ってないです。

 

価格帯も40万ちょっとくらいなので、頑張れば手が届くのも非常に嬉しい点です。

ハカランダやホンジュラス・マホガニーを使っていると、新品で100万円を超えるものも珍しくないですからね。

ハカランダ合板がすごい

ハカランダ合板(繋ぎはメイプル)のギターはびっくりするくらい鳴ります。

まず、最初に弾いた段階で生音の音量がでかくて驚きます。

 

僕はGibson J-45(最近のもの)とTaylor 814ceを所有しています。

その中でTaylor 814ceはかなり鳴ります。たくさんのギターを試奏していても自分の814ceより鳴るギターって中々ないんですよ。

 

…ですが、ハカランダ合板のギターは僕のTaylor 814ceより全然鳴りますね。

新品のギターでここまで鳴りが凄いのは中々ないですよ。

しかも、合板って安いギターに使われていて鳴らないイメージだったので全然イメージ変わっちゃいましたね。

 

ヴィンテージのMartinや1950年代のGibsonに負けてない鳴りです。

まあ、新品といってもサイド&バックに使われているハカランダは輸出禁止になる以前に輸入して自然乾燥させたものなので経年した木材ですからね。

新品のギターと鳴りが違って当然なのかもしれません。

 

もちろん、ホンジュラス・マホガニー単板のアコギも鳴りは十分良いですし、バランスも良いです。

むしろ、ホンジュラス・マホガニー単板のほうが使いやすいと感じる人は多そうです。

 

ですが、アムリタのギターを試すならハカランダ合板は絶対試してみてほしいですね。鳴りが本当にすごいです。

握りやすいネック

アムリタギターのネック

アムリタのアコギはナット幅 43mmでネックの厚さはやや厚め。

最近のMartinやTaylorはナット幅 44.5mmでネックの厚さ薄めなので、真逆ですね。

 

古いギターに近い仕様なので、正に「Player’s Vintage」のコンセプトに沿った造りです。

 

僕はナット幅 43mmでネックの厚さはやや厚めの仕様が弾きやすかったです。

ナット幅自体は細めなので、親指での押弦は楽です。

ネックの厚さも握りやすい程度でバレーコードを抑えるのも楽でした。

 

手の大きさに関係なく、誰でも違和感なく弾ける仕様に感じました。

エレキギターから持ち替える人にも好評みたいですね。

徳武孝音さんもインタビューでエレキギターとの持ち替えに楽と評されていました。

ピックアップはオプション

ピックアップは標準では搭載されていません。

オプションで指定すれば付けてもらえます。

 

ちなみに在庫品は電池ボックス取付けやエンドピンの穴あけ処理は事前にされており、最初からピックアップ取付けを想定した造りになっていました。

なので、追加の穴あけがなければピックアップを後付けすることで生音が大きく変わるようなリスクは基本ありません。

 

また、ボディ側面を切り取ってプリアンプ内蔵するのは基本は不可でそれ以外は特に制約はないそうです。

まあ、貴重な木材を使っているので大きなを穴をあけるのも微妙ですよね。

普通のピックアップを付けるのが良いでしょう。

試奏は予約制ショールーム

渋谷の店舗は閉店しており、現在はショールームが東京の湯島にあります。

色んな駅から徒歩圏内の場所です。

最寄り駅一覧

  • 都営大江戸線 本郷3丁目駅 A5出口から徒歩4分
  • 東京メトロ丸の内線 本郷3丁目駅から徒歩5分
  • 千代田線 湯島駅 出口3から徒歩6分
  • JR中央線 御茶ノ水駅御茶ノ水橋口~徒歩10分

ショールームといってもマンションの一室なので、事前予約制です。

予約制の分、色々お話しながらゆっくり・がっつり弾ける環境です。

僕も1時間くらいを予定してましたけど、色んなお話をさせてもらいながら色んなギター弾いてたら2時間くらい経ってました(笑)。

 

40万円以上するギターを買うわけなので、じっくり試せる環境があるのは嬉しいことですね。

ショールーム情報

  • 東京都文京区湯島2-19-5日商岩井本郷マンション801
  • TEL:03-3818-8863(070-6623-0953)
  • mail : info@amritaguitars.com
  • 営業時間:13:00~20:00
  • 定休日:木曜日
  • 公式HP

アムリタ公式HPを見る

 

アムリタのアコギの種類

amrita D-Mモデル

  • F model…サイド&バックにハカランダ合板を使った000サイズのモデル
  • OMJ–R…サイド&バックにインディアン・ローズウッドを使ったボディ厚120mmにしたモデル
  • OMJ-M…サイド&バックにホンジュラス・マホガニーを使ったボディ厚120mmにしたモデル
  • DM Model…サイド&バックにホンジュラス・マホガニーを使ったドレッドノートモデル

HP上のラインナップは上記の4種類。

…といってもショールームにいったら下記のモデルもありました。

  • OM-M…サイド&バック:ホンジュラス・マホガニーのOMシェイプモデル
  • D Model…サイド&バックにハカランダ合板を使ったドレッドノート
  • OM-Jumbo…サイド&バックにハカランダ合板を使ったOMJシェイプ

そもそも、少量のハンドメイド生産なので仕様変更などは気軽に相談できる感じでした。

なので、サイトの情報は参考程度にしてショールームで色々試してきた方が圧倒的に話が早いです。

 

また、アムリタのギターは基本的に楽器店には置いてありません。

よって、直接問い合わせて在庫があるものを購入するか、発注して作ってもらう流れとなります。

 

まあ一般流通していない分、使用している材の割にかなり安いのでショールームまで足を運びましょう。

F Model

Amrita F-model

  • トップ:シトカ・スプルース
  • サイド&バック:ハカランダ合板
  • 小ぶりで抱えやすい000シェイプ

サイド&バックにハカランダ合板(繋ぎにメイプルを使用)を使用したF Model。

色々、弾かせてもらって僕が一番好きだったのがF Modelです。

 

ボディの鳴りが非常に良くて、音量もすごいです。

指弾きのアルペジオでは、音のレスポンスが良く、音量やサスティーンの伸びも非常に良いです。

弾いていて本当に気持ちよいギターでした。

 

ちなみにプロアーティストの松室政哉さんがメインギターとして使用されているのがF Modelです。

 

僕がアムリタに興味を持ったのも、松室さんのライブでマイク録りしたF modelの音がめちゃくちゃ良かったことでした。

本当に良いギターですよ。

F Model 商品ページ

D-Model

Amrita D Model

  • トップ:シトカ・スプルース
  • サイド&バック:ハカランダ合板
  • 定番のドレッドノートモデル

サイド&バックにハカランダ合板(繋ぎにメイプルを使用)を使用したドレッドノートサイズのD-Model。

 

F Modelに比べて音に膨らみがあります。全体的に丸い感じ。

音のレスポンスはF Modelの方が良いですね。

音量的には大して変わりません。両方ともすごく鳴ります。

 

僕的にはストロークでガンガン弾きたいなら、次のDM Modelのほうが使いやすい感じがしました。

そしてアルペジオなら、F Modelの方が使いやすいです。

 

そんなわけで間違いなく良いギターなんですけど、あまりグッとはきませんでした(F Modelがグッときすぎたのもある)。

 

ハカランダ時代のMartin D-28に近いギターが欲しい人はいいかもしれないですね。

ハカランダ時代のD-28だと100万円とかしますが、D Modelなら割と近しい音で40万円台ですからね。

DM Model

amrita D-Mモデル

  • トップ:ヨーロピアン・スプルース
  • サイド&バック:ホンジュラス・マホガニー
  • 万能で使いやすいドレッドノートモデル

サイド&バックにホンジュラス・マホガニーを使用した DM model。

ドレッドノートモデルなのでストロークの音がパワーもあり、バランスがよい使いやすいギターです。

 

キャラクター的にはGibsonギターよりヴィンテージもののMartin D-18に近いです。

僕はハカランダ合板のほうが好みなんですが、弾き語りで使うならDM modelのほうがしっくりくる人が多そうです。

ストロークで鳴らした音がボーカルと合いそうな良いバランスなんですよね。

 

ネックの演奏性も良好なので、ストロークギターとして非常に使いやすいです。

ヴィンテージライクなマホガニーのギターが欲しい人はチェックするべきギターですね。

DM Model 商品ページ

OM-M

Amrita OM-M

  • トップ:ヨーロピアン・スプルース
  • サイド&バック:ホンジュラス・マホガニー
  • 000ボディシェイプにスケールだけ長くしたOMシェイプ

サイド&バックにホンジュラス・マホガニーを使用したOMシェイプ OM-M。

Martinでも人気の高いOMシェイプを採用したモデルです。

 

ホンジュラス・マホガニーのモデルはどれも音のバランスが良いですね。

ジャラーンと弾いた時にひとまとまりで気持ちよく音が前に出てくれます。

 

女性アーティストにはOM-Mがサイズ感的に合う人が多いはず。

そして、音量がやや控えめで優しい感じなので、女性ボーカルと相性が良さそうな音です。

女性アーティストの方はぜひ、一度試していただきたいですね。

OMJ-R

amrita OM-Jumbo

  • トップ:ヨーロピアン・スプルース
  • サイド&バック:インディアン・ローズウッド単板
  • くびれを小さく、ボディ下部を大きくして胴を厚くしたオリジナルシェイプ

サイド&バックにインディアン・ローズウッド単板を使ったOMJ-R。

OMシェイプに近いですが、下記の3点が違っています。

  • くびれが小さい
  • ボディ下部が大きい
  • 胴厚120mm(OMシェイプは110mm)

OMと比べて、全体的にボディが大きめ。

アルペジオもストロークもバランスよくいける優等生です。

音のレスポンスも良いですし、ストロークで弾くと低音がしっかり出るのに音は全体はスッキリと聴きやすいです。

 

 

僕はF Modelのほうが気に入ってましたが、初めにOMJ-Rを弾いてたらOMJ-Rが一番と言っていたかもしれないですね。

ハカランダとは違う音なのでキャラクターは違うものの、非常に使いやすい良いギターです。

 

ちなみにOMJシリーズは3種類バリエーションがあります。

  1. OMJ-R…サイド&バック:インディアン・ローズウッド単板
  2. OMJ-M…サイド&バック:ホンジュラス・マホガニー
  3. OM-Jumbo…サイド&バック:ハカランダ合板

プロギタリストの徳武孝音さんが使用されているのがOMJ-R。

徳武弘文さんが使用されているのはOM-Jumbo。

 

徳武弘文さんはインタビューでも、5年くらい使っていて何のトラブルもなくライブ・レコーディング共に使用されていると仰っていました。

アムリタ公式HPを見る

 

アムリタカスタムギターズ 使用アーティスト

アコギを弾く男性

アムリタ アコギ使用アーティスト

  • 阿部真央
  • 岡本定義(COIL)
  • 木村充揮
  • 下地イサム
  • DedachiKenta
  • 徳武弘文
  • 徳武孝音
  • 仲井戸麗市
  • 松室政哉
  • 村上紗由里

デジマートさんのアムリタ特集

Amrita Custom Guitars × 徳武弘文&孝音【デジマート・マガジン特集】

結構使っている方いますね。

みなさんどこで知って来られるんですか?と聞いたら、プロアーティスト間で口コミで少しずつ広まっているようでした。

 

また、Office Augustaの方で使用者が多いです。

森川さん(Office Augusta設立者)がアムリタのギターを気に入って、周りのプロアーティスト(Office Augsta以外の方も含む)に紹介したところ気に入って買われる方が多いみたいです。

 

アコギ以外もエレキギターやアコギ用プリアンプを愛用されている方もいます。

エレキギターのほうが使用者は多いそうです。

 

ちなみにハカランダ合板ってそんなに数なさそうですが、ストックはそこそこあるそうでしばらくは大丈夫とのことでした。

…といっても、人気になっちゃったら入手困難になる可能性は十分あるので気になった方は早めにショールームに行ってみたほうがいいですよ。

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アムリタカスタムギターズ まとめ

アコースティックギターと部屋

  • ヴィンテージの古き良き部分を残しつつ、今の時代でも使える改良を施したギターを製作するブランド
  • 良質な木材を使ったアコギをリーズナブルな価格で買える
  • Martinのヴィンテージに近い音が50万円未満で欲しい…という方に特におすすめ

ぎたすけ

知らないけど、良いギターメーカーってやっぱりあるんだな。どうやったら見つけられんのか

たけしゃん

やっぱり、プロのライブに行くのがいいんじゃないかな。すごいギターなのに知らないメーカーのだと、あれどこのだ?ってなるしね

アムリタカスタムギターズの解説でした。

しかし、プロの方々は良いギターを探し出しますねぇ。

 

ホンジュラス・マホガニーの物を中心にシンガーソングライターにも使いやすいと感じるギターが多かったです。

一生ものを買いたい!と思ったら、海外の有名メーカーも悪くないですが、こういった国内の隠れた名ギターを選ぶのが一番良いんじゃないかなと感じます。

 

やっぱり、少量生産のハンドメイド中心の国内メーカーさんは作り手のこだわりが凄いし、質が良いですからね。

気になった方はぜひショールームへ行ってみたください。事前予約制です。

ショールーム情報

  • 東京都文京区湯島2-19-5日商岩井本郷マンション801
  • TEL:03-3818-8863(070-6623-0953)
  • mail : info@amritaguitars.com
  • 営業時間:13:00~20:00
  • 定休日:木曜日
  • 公式HP

アムリタ公式HPを見る

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