YAMAHA NCX1Cをレビュー。5万円台で買える使い勝手の良いエレガット

YAMAHA NCX1C

ぎたすけ

エレガットってアンプに繋げるクラシックギターだっけ?

たけしゃん

そうだよ。エレアコのクラシックギター版みたいなもんだね

エレガット自体少ないから、5万円台で買えるのは貴重だよ

補足
レビューするためにYAMAHAさんからNCX1Cをお借りしました

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この記事の著者
音楽ブロガーたけしゃん

ミュージシャン

たけしゃん

tkshan

プロフィール

ギター弾き語りのシンガーソングライター。長年の音楽活動や音楽の仕事で得た知識・経験を基にブログを書いています。
雑誌の音楽記事執筆、音楽専門書の執筆(工学社)、nana公認クリエイター、IPC VOICE STUDIO公認ボイストレーナーです。
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YAMAHA NCX1C

YAMAHA NCX1C

2020年3月に発売された、NEW NXシリーズの下位モデルにあたるNCX1C。

クラシックギターにピックアップを搭載してアンプに繋げて使えるエレガットです。

 

実売価格で5万円半ばと、手頃の価格帯のエレガットなので貴重な存在です。

サブギターとして5万円くらいのエレガットを探してみると、なかなか良いのがなくて中古か予算上げるかすることが多いですからね。

 

そんな、NCX1Cの製品仕様から細かく解説をしていきます。

仕様解説を飛ばして、レビューを読みたい方は<YAMAHA NCX1Cをレビュー>を参照ください。

NCX1Cの仕様 目次

ボディサイズ

NCX1Cのボディ

  • 弦長:650mm
  • 全長:990mm
  • 胴厚:94~100mm
  • ナット幅:52mm

NCX1Cはサイズ的には普通のクラシックギターという感じですね。

NXシリーズの弦長は全て650mmで630mmのモデルはありません。

 

また、NXシリーズにはNCXとNTXの2つボディサイズが存在します。

ちょうど、黒カラーのNTX1 BKも一緒にお借りしているので写真と数値の両方で見比べてみましょう。

NTX1とNCX1C

NTX1
  • 弦長:650mm
  • 全長:1026mm
  • 胴厚:80~90mm
  • ナット幅:48mm
NCX1C
  • 弦長:650mm
  • 全長:990mm
  • 胴厚:94~100mm
  • ナット幅:52mm

NTX1のほうが全長がやや長くて、胴厚はやや薄いわけですね。

また、細かいところでサウンドホールの形状が異なります。

NCX1C

NCX1Cのサウンドホール

NCX1Cのサウンドホールは丸形でやや小さめ。

NTX1

NTX1のサウンドホール

NTX1のサウンドホールは楕円形でやや大きめ。

 

そして、一番大きいな違いはナット幅でNTX1が48mm、NCX1Cが52mmと4mmも違います。

クラシックギターのナット幅

クラシックギターだと、ナット幅は50~52mmくらいのものが多いです。

 

対して、J-POPなどに使う一般的なアコースティックギターは42.8mm~44.5mmが多いです。

そのため、アコギを普段弾きなれてる人はNTX1のほうが手に馴染みやすいです。

 

逆にクラシックギターを中心にやる人はナット幅 52mmのNCX1Cのほうが標準的なのでおすすめです。

 

僕はメインがアコギなので、やっぱりNTX1のほうが弾きやすいですね。

たけしゃん

NCX1Cは弾いてても、ネックが太い!と感じますね

一方で慣れの問題かなという気もします。僕も3週間弾いてたら、そんなに困らなくなりました

木材

NCX1Cのバック

  • トップ:米杉単板
  • サイド&バック:ナトーまたはオクメ
  • ネック:ナトー

米杉は別名アメリカン・レッド・シダーと呼ばれていて、クラシックギターだとよく見る木材ですね。

 

ちなみに同シリーズのNTX1とNCX1はトップ材がシトカ・スプルース単板です。

シトカ・スプルースはアコギではお馴染みのトップ材で、クラシックギターにも使われます。

 

シダーのほうが音のレスポンスが良くて、高音域の鳴りが良いと言われています。

一方でスプルースは低音域もしっかりと響き、万能というイメージですね。

 

また、はじめからストラップピンがついています。

NCX1Cのストラップピン

クラシックギターは基本座って弾くのもあって、ストラップピンがついているのは珍しい印象です。

 

とはいえ、最近は藤原さくらさんとかポップスの弾き語りでクラシックギターを使う人も大分増えてますしね。

立って弾く場合にはストラップピンがあったほうが絶対便利なので、うれしい配慮ですね。

ピックアップ

NCX1Cのピックアップ

NCX1Cにはアンダーサドル型のピックアップが内蔵されています。

ボディ側面にはコントロールパネルがついており、音量や音色調整の他にチューナー機能も備わっています。

NCX1Cのピックアップ コントローラー

ボリューム、EQ、チューナーと機能が備わっており、5万円台のギターにしてはなかなかですね。

EQは高中低の3バンドタイプですが、MID(中)は下のAMFで効かせる周波数帯を80Hz~5KHzの間で調整可能です。

 

チューナーはボタンを押すとディスプレイ表示されるようになっています。

NCX1Cのチューナー

ただし、チューナーONの状態でも出力自体はOFFに切りかわらないので、普通にアンプから音は出ます。

 

駆動は単三電池2本です。ボディ上部に電池ボックスがあります。

NCX1Cの電池ボックス

ピックアップのテストではAmazonの充電電池を使用して普通に使えました。

 

ギターシールドの接続ジャックはエンドピンの部分についています。

NCX1Cの接続ジャック

このあたりはよくあるエレアコという感じですね。

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YAMAHA NCX1Cをレビュー

NCX1Cのボディ

それでは、NCX1Cを細かくレビューしていきます。

はじめにレビュー内容をざっくりと箇条書きすると以下の通り。

  • 音質はなかなか良くて、5万円台にしては優秀
  • 造りもしっかりしていて、弾きやすい
  • ピックアップの性能は普通。クラシックギターっぽい音ではない
  • アコギとの持ち替えをスムーズにしたいなら、NTX1がおすすめ

5万円台であることを考えると、すごく優秀な1本ですね。

あと、ストラップピンだったり、ピックアップがついててライブ活動で使いやすい仕様になってるところが良いですね。

 

ただ、アコギとの持ち替えで違和感少ないものがいいなら、ナット幅が狭めのNTX1のほうがいいかなと感じます。

一方で普通のクラシックギターが良い人にはNCX1Cは良いですね。

レビューの目次

音質は普通に使えるレベル

NCX1Cで弾き語りしてるところ

NCX1Cで色々演奏してみて、動画撮ってみたり、nanaで伴奏作ってみました。

これが、大分良い感じの音でクラシックギターの良さがしっかり出ていて、かなり良好でした。

 

実際に歌とギターの音を撮った動画がこちら。

悲しみのラッキースター / 細野晴臣 【アコースティック Cover】

 

ちゃんとしっかり鳴ってて、良い感じ。

トップ材が米杉だと音のレスポンス良くて、アルペジオ弾いてて気持ちいいですね。

 

5万円台でこれだけ、良い感じに鳴ってくれるのは助かりますね。

アコギ演奏してて、クラシックギターで弾きたい曲ってやっぱり出てきますから1本は持ってたいもの。

 

かといって、そこまで高いクラシックギター買うのもつらいので5万円ちょっとで、ちゃんと使えるのはありがたい。

造りがしっかりしてて、弾きやすい

NCX1Cのバック

NCX1Cは低価格帯のギターですが、造りはしっかりしてます。

演奏性もよくて、普通に弾きやすいです。

 

クラシックギターには珍しく、ストラップピンがついているのでストラップ付けて演奏しやすいのも良いですね。

NCX1Cのストラップピン

2020年発売のギターだけあって、今の需要に合わせてストラップピンやピックアップつけてあるのが良いところです。

 

クラシックギターで弾き語りしたいって人は年々増えてるので、ライブで使いやすい低価格モデルがあるのはうれしいですね。

ピックアップの音はクラシックギターっぽくはない

NCX1Cのピックアップ

内蔵のピックアップはアンダーサドルにつけるピエゾピックアップが搭載されています。

NCX1Cの生音を外部マイクで録った音と、ピエゾで録った音を聴き比べてみましょう。

マイクで録った音

ピエゾで録った音

やっぱり、生音はかなり良い感じですね。5万円台とは思えない。

 

そして、さすがにピエゾだとクラシックギターの良さは出づらいですね…。

ピエゾ臭さがナイロン弦の丸くて艶のある音を殺してしまってる感は否めません。

 

とはいえ、5万円台のクラシックギターでピックアップついてるだけありがたい話なんですけどね…。

アコースティックユニットやバンド形態でライブする場合はピックアップないとつらいですし。

 

できるだけ、マイクで音を拾うことを基本として、マイクを立てられない局面だけピックアップを利用するのが良いでしょう。

 

また、上位モデルのNCX3C、NCX5はピックアップがパワーアップして「SYSTEM74(ハイブリッド3WAYシステム)Atmosfeel™」になります。

NXシリーズの3Wayピックアップ

※ピエゾセンサー、コンタクトセンサー、マイクが内蔵された3Wayピックアップ

Atmosfeel™だとマイクも内蔵されるので、ピックアップだけで生感ある音を出力できます。

僕はエレガットでピックアップが良質な製品ってTaylorくらいしか思いつかなかったので、Atmosfeel™のエレガットは期待大ですね。

 

本格的にライブ活動で使いたい人はNCX3CやNCX5を検討するのが良いでしょう。

補足
NCX3Cは2020年秋頃発売予定、NCX5は2020年冬頃発売予定です

アコギとの持ち替えがスムーズなのはNTX1

YAMAHA NTX1 BK

※YAMAHA NTX1 BK

NCX1Cはネックの幅感も音色もいかにもクラシックギターです。

なので、アコギからの持ち替えは慣れるまではつらいのはあります。

 

対して、NTX1はネック握っていても、弾いた感覚も大分アコギに近くなってます。

そのため、アコギとの持ち替えをスムーズに考えるならNTX1のほうがおすすめです。

 

ただ、音色的にはNCX1Cのほうがクラシックギターな雰囲気出ます。

NCX1CとNTX1の生音を聴き比べてみてください。

NCX1C

NTX1

音の艶感とかNCX1Cのほうがクラシックギターって感じするんですよね。

あと弾いてるときの音の返り方も、NCX1Cはクラシックギター!って感じで、NTX1はアコギとクラシックギターの中間的な感覚です。

 

なので、クラシックギターの音色が欲しいならNCX1Cのほうが良いかなと感じます。

 

一方で6弦を親指で押弦する場合はNCX1Cはネックの幅が広すぎて無理です。

NTX1はややきついですが、僕は割と普通にいけます。

補足
クラシックギターは普通、親指で押弦しない

なので、音質面と演奏面でどっちが自分に合うかを考えたほうが良いですね。

アコギメインでたまにクラシックギター程度なら、NTX1のほうが良さげ。

 

対して、クラシックギターを弾く割合が高いなら、NCX1Cにしといたほうが良いかなと感じました。

NCX1C

NTX1

 

YAMAHA NCX1C まとめ

デスクトップとノートPC

  • 5万円台で買える、ちゃんと使えるエレガット
  • ストラップピンがついてたり、弾き語りにも使いやすいクラシックギター
  • アコギに近いクラシックギターが良い人はNTX1がおすすめ

ぎたすけ

普段アコギ弾きだけど、クラシックギターをたまに使いたいって人にもよさそうだな

たけしゃん

そうなんだよね。値段的にも機能的にも使い勝手良いから、色んな用途の人にはまりそうだよ

YAMAHA NCX1Cのレビューでした。

 

クラシックギターって1本あると便利ですよね。

丸くて柔らかいアルペジオやギターソロを入れたいときって結構ありますからね。

 

とはいえ、たまに使うくらいで何十万もするギター買うのも辛いので、5~10万くらいで使えるギターはありがたいです。

NCX1Cは5万円台ですが、音色は良い感じなので使いやすい1本でした!

NCX1C

NTX1

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