D’Addario NS Micro Headstock Tuner PW-CT-12をレビュー。超小型のクリップチューナー

PW-CT-12の正面

評価:3.5

ぎたすけ

クリップチューナーって色々あるけど、これは小さいな!裏にこっそりつけておけそうなサイズ感

たけしゃん

そうだね。目立たずにつけておけるのがウリのチューナーだよね。

エレキの人で使用者多いイメージあるね

PW-CT-12の評価
機能性
 (3.5)
精度
 (4)
コスパ
 (3.5)
総合評価
 (3.5)
項目機能・スペック

ピッチ検出
ピエゾ
測定モードクロマチック
対応周波数410~480Hz
実売価格約2,400円
メリット
デメリット
  • ギターヘッド背面に取付可能で目立たない
  • 6連ペグのエレキギターには最適
  • 軽くて小さいので携帯に便利
  • 対応周波数の範囲が広い
  • アコギだと取付可能位置があまりよくない
  • MCしながらチューナーを見るのが角度的にやや辛い
  • 照明が当たるとディスプレイが見えなくなる時がある
この記事の著者
音楽ブロガーたけしゃん

ミュージシャン

たけしゃん

tkshan

プロフィール

ギター弾き語りのシンガーソングライター。長年の音楽活動や音楽の仕事で得た知識・経験を基にブログを書いています。
雑誌の音楽記事執筆、音楽専門書の執筆(工学社)、nana公認クリエイター、IPC VOICE STUDIO公認ボイストレーナーです。
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NS Micro Headstock Tuner PW-CT-12

PW-CT-12の正面
項目機能・スペック

ピッチ検出
ピエゾ
測定モードクロマチック
対応周波数410~480Hz
実売価格約2,400円

小型でギターヘッド裏側に目立たずに取り付けられることが売りのクリップチューナー、PW-CT-12。

ダダリオの小型チューナーNS Micro Headstock Tunerシリーズの定番機種です。

セッションやライブでエレキギターの方が使っているのをたまに見かけます。

エフェクターボードのスペース的な問題でペダルチューナーを足元に置きたくない人が使ってます。

その一方で、このシリーズをアコギ弾き語りの方がライブで使ってるところはほとんど見ないですね。

といっても、口コミ見ると歌う人か不明ですがアコギで使ってる人も結構いるようです。

僕自身もエレキギターとアコギの兼用向けなどで、実はいいんじゃないかと思って買ってみました。

早速、PW-CT-12の商品仕様から解説していきましょう。

商品仕様はいいからレビューが見たいという方は<PW-CT-12のレビュー>を参照ください。

項目タップで解説に飛びます

2019年6月に大幅にモデルチェンジしている

2019年6月にPW-CT-12はモデルチェンジしていますが、そのタイミングで下記の点が変わってます。

  • ビジュアルメトロノーム機能がなくなった
  • 本体操作ボタンの配置・デザインが変わってボタンが減った

本記事はモデルチェンジ後の2020年現在で現行品であるPW-CT-12を基にレビューしています。

PW-CT-12の使い方

PW-CT-12の操作ボタン

本体上部に3種類のスイッチがついています。

機能的に豊富ではないので、操作も3つのボタンでシンプルに区分できてますね。

ディスプレイ表示回転ボタンは押すたびにディスプレイの英字が45度ずつ回転します。

PW-CT-12のディスプレイ表示
PW-CT-12 ディスプレイ表示を横にした

※ギターヘッド裏に取付けした状態

PW-CT-12はアクロバティックな付け方ができるところが魅力。

そのため、ディスプレイ表示を上下逆転、横向きにしたくなることは多いので助かりますね。

PW-CT-12の取付け方

PW-CT-12の取付け方法

背中部分の出っ張りを押すと、下部が可変するようになっています。

一旦伸ばして、取付けする場所の厚さに合わせて縮めて固定します。

PW-CT-12 ギター取付け

可変部分を計ってみたところ約14mm~24mmの間で調節可能です。

アコギ・エレキギターのギターヘッドは14mm程度が一般的なので、そこに合わせてるんでしょうね。

ちなみに取り扱い説明書が超簡素で、最初は付け方がよくわかりませんでした。

対応周波数

PW-CT-12の周波数変更方法

電源を入れた状態で本体上部の中央にある←→ボタンを押すと周波数を変更できます。

変更幅は410Hz~480Hzと全チューナーでトップレベルの広さです。

まあ、ポップスだと大半は440Hzと441Hzのどちらかなんですけどね。

どちらかの矢印ボタンを一度押下するとディスプレイ表示にちっちゃく、現在の周波数が出るので後はボタンを押して変更するだけです。

PW-CT-12 周波数変更

全体的に字がちっちゃいので、目が悪い人には辛いですね。

専用のカポタストに装着できる

面白い機能ですが、同じくダダリオが販売しているカポタスト、PW-CP-10に取付け可能です。

足の部分を外して、PW-CP-10に付属する専用ホルダーを付けることで上記の画像のようになります。

ちょうどネック裏部分にチューナーのディスプレイ表示が来るわけですが、逆に不便じゃないのかという疑惑はあります…(苦笑)。

まあ、おまけ程度に考えておくと良いでしょう。

ちなみにPW-CP-10はピックホルダーもついていて、何かと便利なカポタストではあります。

ピックを取付けしたPW-CP-10

ただ、クリップチューナーについてはカポタストにつけて使うよりは単品でギターヘッドに着けたほうが良いです。

PW-CT-12自体が両手で取付けするタイプのクリップチューナーなので、ギターヘッドにつけっ放しにしておいたほうが無難です。

PW-CP-10(カポタスト)

PW-CP-12(チューナー)

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PW-CP-12のレビュー

PW-CT-12 ディスプレイ表示を横にした

それでは、PW-CP-12について細かくレビューしていきます。

はじめに総評すると「楽器演奏のみなら優良。ボーカルギターは他のにしたほうがいい」です。

製品そのものはアイデアも良いし、質も中々優良です。

ただ、ボーカルギター目線だとやっぱり使い辛い点があって他の製品と比べて劣ります。

逆に歌わないギタリストなら、ギターヘッドの裏につけて使えるし、つけっ放しでいいのでかなり便利に感じますね。

レビューの目次(項目タップで飛びます)

ディスプレイをギター裏面に取付け可能

チューナーディスプレイを客席からは見えないように取付けすることが可能です。

PW-CT-12 ギター取付け

公式の商品紹介画像でもアコギは上記の取付け位置でしたが、この位置が一番無難です。

ギター前面から見ると、こんな感じ。

PW-CP-12を取付けたときの前面

目立たずにつけることが可能です。

ただ、アコギだとペグが邪魔で取付け位置が限定されちゃいます。

Fenderなど6連ペグを採用したエレキギターのほうが、使い勝手や見え方は格段に良いですね。

チューニング精度は良い

PW-CT-12のディスプレイ表示

針がピタッと止まるまで、少し時間はかかります。

その分、クロマチックチューナーの中ではチューニング精度は高そうです。

ショッピングサイトの口コミだと取付け位置によって、6弦が反応しないという声が複数ありました。

僕は4本のアコギで試しましたが、ギターヘッド上につければ特に問題ありませんでした。

ただし、オクターブチューニングは割と頻繁に反応しません。

UNITUNE CLIPなどは綺麗に反応するので、反応が微妙なのは確かにありそうです。

MCしながらのチューニングは辛い

PW-CT-12 周波数変更

ボーカルギターが全然使ってない理由って、これだと思うんですよね。

僕自身もオープンマイクで使ってきましたが、下記の理由でMCしながらのチューニングがしんどいです。

  • ヘッド裏、ヘッド表どちらに取付けてもディスプレイを見るのに顔を傾ける必要がある
  • 針の表示が小さくて喋りながらだと、一層見えづらい

ギタリストは無言でチューニングできるから良いんですけど、ボーカルギターはある程度は喋りながらチューニングしないとですよね。

PW-CP-12だと、喋りながらのチューニングは普通にしんどいです。

まあ、意識的にギターヘッドをちょっと前に出せば見えるので、慣れればできそうではあります。

ずっとつけっ放しでOKなのは楽

下の図の付け方で思い切り、ギターをかき鳴らしても振動でビビったりしません。

PW-CT-12 ギター取付け

なので、基本的にはつけっ放しでOKです。

むしろ、取付が他のクリップチューナーより明らかに面倒なので、つけっ放しが基本の機種だと考えたほうが良いです。

ライブはあまりやらずに自宅で弾いてる人はつけっ放しで使えるので、便利な気はしますね。

ただ、高いギターだとつけっ放しはあまりおすすめできません。

モデルチェンジ前の機種だと取付け部分がゴム製でラッカー塗装のギターはつけっぱだと変色を起こす話が出てました。

補足
高いギターはラッカー塗装が多い

対して現行機種はプラスチックに変わったので変色は起こらなそうですが、今度はつけっ放しだとギターヘッドに傷がつくリスクがありそうです。

多少傷ついても良いというギターでつけっ放しにするのが良いですね。

つけっ放しだと手軽にチューニングできるという利点はあります。

取付け角度が悪いと照明で見えなくなる

PW-CT-12 角度が悪いとディスプレイ表示が見えない

※上の画像ではディスプレイにEの文字が表示されてますが見えません

PW-CP-12は明るいところで斜めから見ると、ディスプレイ表示が見えづらい仕様です。

実際にステージ上で照明が当たってるときに、試しに角度変えてみたら全く見えなくなりました。

これもボーカルの宿命なんですけど、喋るのは普通ボーカルなのでMC中も光度は下がるものの照明は当たってるんですよね。

ギタリストならステージサイドにいて、ボーカルMC中は大抵暗いので問題ないんですけどねぇ。

まあ、角度調整は簡単にできるので対応は比較的容易ですが、MCし辛い点も含めてボーカルギターがあえてPW-CP-12を選ぶ理由はないと感じました。

性能、機能面、使い勝手のどれを比べても、ボーカルギターならUNITUNE CLIPのほうがおすすめです。

UNITUNE CLIP

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PW-CP-12(チューナー)

 

NS Micro Headstock Tuner PW-CT-12 まとめ

まとめ
  • ギター裏面に取付け出来て客席から見えずにチューニング可能
  • 取付けがやや面倒なので、基本はつけっ放し推奨の機種
  • ギタリストには良いが、ボーカルギターは他の機種にしたほうが良い

ぎたすけ

ありゃ、ダメだったのか。自宅でしか使わないなら便利そうだけど

たけしゃん

いや、ダメではないよ。歌わずに楽器を弾く人向けって感じかな

ダダリオ PW-CT-12のレビューでした。

弾き語りだと、あまり勧められませんが楽器演奏のみの方にはかなり便利なチューナーではあります。

レビューしていて、改めて勉強になったアイテムでした。

チューナーに限らずですけど、「歌うかどうか」でアイテムの選び方って結構変わりますよね。

僕もサポートギターとボーカルギターの両方やるんですけど、ステージ上での環境や役割は全然違いますからねぇ。

実際にその役割でのライブで使ってみないと、なかなかわからないもんだなぁと改めて実感させられました。

本ブログは弾き語りすとLABOなので、そのまんま弾き語り視点でのレビューをさせていただきました!

PW-CP-12(チューナー)

UNITUNE CLIP

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