YAMAHA AG06をレビュー。実況・配信で複数本マイクを使う人に便利なオーディオインターフェイス

卓上ミキサーを操作する人

ぎたすけ

オーディオインターフェイスってDTMやる機械だと思ってたけど、実況とか配信もやれるんだな

たけしゃん

最近はライブ配信が盛んだからね。YAMAHA AGシリーズはライブ配信に特化したオーディオインターフェイスなんだよね

2022年に後継機種になるAG06MK2が発売されました。

現行機種のAG06MK2のレビューは下記記事を参照ください。

YAMAHA AG06MK2をレビュー。弾き語り配信にも最適な配信に強いオーディオインターフェイス

YAMAHA AG06MK2YAMAHA AG06MK2をレビュー。弾き語り配信にも最適な配信に強いオーディオインターフェイス

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たけしゃん

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ギター弾き語りのシンガーソングライター。長年の音楽活動や音楽の仕事で得た知識・経験を基にブログを書いています。
雑誌の音楽記事執筆、音楽専門書の執筆(工学社)、nana公認クリエイター、IPC VOICE STUDIO公認ボイストレーナーです。
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YAMAHA AG06

  • ミキサー型のオーディオインターフェイス
  • エフェクト、ループバック機能などライブ配信に最適
  • DAWソフト Cubase AI付き

実況、配信者に人気のYAMAHA AGシリーズの上位機種、YAMAHA AG06。

マイクを接続できるコンボジャックが2つあり、複数人での配信もやりやすくなっています。

DAWソフトのCubase AIも付属しているため、配信だけでなくDTMもできる万能なオーディオインターフェイスです。

YAMAHA AGシリーズの上位機種

YAMAHA AGシリーズ比較

AG06はAGシリーズの上位機種です。

…といっても、AG03からマイク接続できるコンボジャックが1つ増えただけです。

価格的にも3,000円差なので、そんなもんでしょうね。

ただ、コンボジャックが増えたことで複数人での配信も可能となるため需要は一定数ありそうです。

2IN 2OUT(USB)

  • マイク用コンボジャック ×2
  • ギター/キーボード用 LINE端子 ×2(L/R)
  • ヘッドフォン端子
  • モニター用出力端子
  • AUX端子

USBオーディオ 2IN 2OUTとなっています。

アナログ入力自体はコンボジャック ×2とLINE端子 ×2(L/R)なので、4INです。

これが何で仕様書上で4IN 2OUT表記でないのか最初はよくわからなかったのですが、USB経由でパラアウトできるのが1ch、2chだけだからのようです。

パラアウト
各チャンネルを個別に出力すること、各楽器ごとにミックスできるのでレコーディングではパラアウトが基本

本体側にパラアウトとミックスアウトを切り替えるスイッチがあります。

…でもちろんDTMで使う場合はパラアウトにするわけですが、すると3/4chが機能しません。

なるほど、確かにオーディオインターフェイスとして使うと2IN 2OUTです。納得。

なお、ミックスアウトにすればもちろん、1~4chに接続した楽器の音全てがミックスされて出力されます。

また、コンボジャックは片方のみファンタム電源対応となっています。

コンデンサーマイク 2本は使えないので注意です。

ダイナミックマイクでボーカル 2人、ギター・キーボードのユニットなど複数人で配信をやる場合に使えるオーディオインターフェイスですね。

DSPエフェクト

  • EQ(イコライザー)
  • コンプレッサー
  • リバーブ
  • アンプシュミュレーター

4つのエフェクトを使うことができます。

EQ、コンプレッサー、リバーブがあれば、弾き語り配信もばっちりですね。

本体にはON/OFF用のボタンが4つあり、気軽にON/OFFできます。

かかり具合の細かい調節はソフトウェア(AG DSP Controller)で事前に行う仕様となっています。

AG DSP ControllerはWin/Mac対応なので、スマホやタブレットは非対応です。

PCを使っている人は年々減っているので、次機種ではスタンドアローンで調節可能になってほしいところですね。

AG06のループバック

ループバック機能

ループバック機能とはネット上でステミキと言われている機能とほぼ同義。

配信でBGMなどを流すことができる機能です。

ミキサー本体にTO PCというスイッチがあり、モードを調節できます。

  • DRY CH 1-2G…INPUT1、INPUT2がパラアウトされてPCに届く
  • INPUT MIX…ミキサーに入力した音、全てがミックスされてPCに届く
  • LOOP BACK…ミキサーに入力した音 & PCで流れている音がミックスされてPCに届く

PCで流れている音楽やプレイ音声を流したい時はLOOP BACKを選択すればOK。

DRY CH 1-2Gは普通のオーディオインターフェイス機能なので、配信よりはDTMで活用します。

INPUT MIXはマイク・楽器を繋いでライブ一発録りするときに使うのが、基本ですね。

少し変わった縛りがあるものの、機能を理解すれば自由度高く使える仕様です。

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YAMAHA AG06をレビュー

本とコーヒー

はじめに総評すると「複数人でライブ配信したい人向けのオーディオインターフェイス。以上!」です。

ユニットなどでライブ配信したい人にとっては、これ以上にコンパクトにまとまった使いやすい機器はありません。

逆に1人で配信するなら、基本はAG03で問題ありません。

スキマスイッチ的なギター・ピアノユニットやボーカル ×2、アコギ× 1みたいな組みあわせに最適です。

他には雑談枠で2人で話す…など意外と需要はありそうな製品です。

AG06の音質は良好

マイクチャンネルはYAMAHAミキサー定番のClass A マイクプリアンプ D-PREが採用されています。

なので、ちゃちなこともなく普通に使える音で出力されます。

ライブ配信やボーカル録音に使う分には十分な音質なので困ることは全くないですね。

YAMAHAはPAミキサーの最大手なので、オーディオインターフェイスでもノウハウが引き継がれていて安心です。

エフェクトはまあまあ

よくあるYAMAHAミキサーのエフェクトですね。

なので、特筆することもないですが、使っていて困ることもありません。

DTMでやるときはCubase AIのエフェクトを使えば良いですし、配信ならミキサー本体のDSPエフェクトで十分です。

他のメーカーだとおもちゃみたいなリバーブが多いですが、そのへんはさすがYAMAHAですね。

また、競合機種であるSteinberg UR22Cが配信ツールを使わないとリアルタイムエフェクトをかけづらい仕様です。

歌枠でのライブ配信をやりたい人にはAG06はお手軽で強いです。

入力数は使い方が限定的

  1. ファンタム電源対応 コンボジャック
  2. ファンタム電源非対応 コンボジャック
  3. LINE端子 L/mono
  4. LINE端子 R

AG06の入力はこの4つ。コンデンサーマイク 2本は不可。

ギター弾き語りの場合は「コンデンサーマイク」× 「ダイナミックマイク or エレアコ」という組み合わせですね。

なので、やっぱり複数名で配信する人向けの製品です。

1人で配信するけど、マイク端子が2つ欲しい…というならコンデンサーマイク2本もいける、Steinberg UR22Cを買ったほうが便利です。

UR22C

スタンドアローンなので使い道は豊富

USBで電源供給すれば、スタンドアローンで作動します。

PA設備がないところでライブする際などに簡易なミキサーとして機能します。

AG03も同じようにスタンドアローンですが、AG06のほうがアナログ入力数が多いため便利です。

AG06なら、3人編成のユニットライブなどもこなせます。

そう考えると、AG06はユニット組んでる人には何かと便利な機種ですね。

フェーダーがなくなって残念

AG06はどのチャンネルもボリューム調整がツマミ式になっています。

AG03は1chだけフェーダーだったんですよね。

※ AG03の1ch

まあ、ツマミで困ることもないですがフェーダーのほうが気軽で調節が楽なので便利だったんですけどねぇ。

ボタンも増えているので、仕方ないところでしょうか。

サイズはコンパクトをキープ

AGシリーズ 寸法(幅 × 高 × 奥行)

  • AG03…129 mm × 63 mm × 202 mm
  • AG06…155 mm × 63 mm × 202 mm

寸法的にはAG03から横幅が25mmほど広くなった程度でコンパクトさは維持しています。

卓上に置いて使うのに適したサイズです。

また、リハーサルスタジオへの持ち運びも楽です。

メンバーが集まって、リハーサルスタジオからライブ配信…といった使い方がマッチしています。

 

競合機種との比較

URシリーズとAGシリーズの機能比較

主に競合となりそうなのは3機種ですが、すみ分けができています。

  • 費用を抑えたい…UR12
  • コンデンサーマイクを2本同時に使いたい…UR22C
  • ライブ配信で簡単にエフェクトを使いたい…AG03
  • ギター&ピアノユニットでライブ配信したい…AG06

こんなところですね。

悩ましいのはUR22Cと1つグレードが下になるAG03の2機種との比較です。

それぞれの製品との違いを掘り下げて解説していきます。

UR22CとAG06の違い

UR22Cの正面から撮った写真

※Steinberg UR22C

DTM向けのオーディオインターフェイスで代表的なエントリーモデルにあたるのがSteinberg UR22C

AG06と比較した時の違いをまとめると…

  • UR22Cはコンデンサーマイクを2本挿せる(AG06は1本)
  • AG06は内蔵エフェクトで本体操作だけで可能(UR22Cはソフトウェア操作)
  • AG06はマイク、ギター、キーボードが同時に使える(UR22Cは2つまで)

こんなところです。

つまりはアコースティックユニットでのライブ配信をするならAG06ということです。

逆に1人でDTM中心でやるならUR22Cのほうが良いです。

例えば、スキマスイッチのようなギターボーカル&キーボードでライブ配信するならAG06にするか、2万円半ば以上するオーディオインターフェイスしか選択肢はありません。

コスパ的にも配信での使い勝手を考えても、多人数配信ならAG06が最も優れた選択肢です。

AG03とAG06の違い

※YAMAHA AG03

続いては下位モデルに当たる、AG03との違いです。

こちらも箇条書きでまとめると…

  • AG06はマイク、ギター、キーボードが同時に使える(AG03は2つまで)
  • AG06はマイクを2本(コンデンサーマイクは1本)まで挿せる(AG03は1本)
  • AG03は音量調節をフェーダーで調節可能(AG06はツマミ)

つまりは複数人で配信するならAG06。1人ならAG03を選ぶべ…ということです。

入力数以外では基本的な性能に差はほとんどありません。

自身が使う用途をちゃんと整理して、合った製品を選びましょう。

AG03

YAMAHA AG03YAMAHA AG03をレビュー。実況・配信に便利なミキサー型オーディオインターフェイス

AG06

 

YAMAHA AG06におすすめのマイク

コンデンサーマイク

YAMAHA AG06を買うならセットでマイクを買う方が大半ですよね。

そこで、おすすめのマイクはズバリaudio technica AT2020です。

AT2020

1万円ジャストで買える高音質なコンデンサーマイクですね。

ライブ配信はもちろん、歌ってみた動画の製作などにも活用できるので非常に便利。

実際に録ってみた音はこんな感じ。

光について / GRAPEVINE ギター弾き語り Cover
補足
ボーカル・ギターをそれぞれ、AT2020で録っています

音質はaudio technicaらしく、癖もなくフラットに調節されています。

癖がないので使いやすいエントリーモデルのマイクです。

YAMAHA AG06とaudio technica AT2020をセットで買っておけば、音楽系の用途であれば大半のことはできるようになります。

AT2020

AG06

 

YAMAHA AG06 まとめ

ノートPCでタイピングしている人
  • 複数人での配信に最適なミキサー型オーディオインターフェイス
  • マイク端子は2つあるが、ファンタム電源対応は片方だけ
  • 競合機種とはすみ分けができているため、自身の用途を整理して購入検討しよう

ぎたすけ

複数人での配信って、意外とよく見るから需要ありそうだよな

たけしゃん

そうだね。結構需要ある気がするよ。AG03と3,000円差だから迷ったらAG06って選択もありだしね

YAMAHA AG06の解説でした。

複数人でのライブ配信に最適です。

そして、あんまりこういった趣旨のオーディオインターフェイスはありません。

なので、マッチする人にはほんとにありがたい製品ですね。

リハーサルスタジオのスピーカーから出した音を拾って、配信している人も良く見ますが、AG06使ったほうが格段に音が良いです。

ユニット組んでる人は、活動の幅が広がりますので、ぜひ購入検討してみてください。

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